異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

文字の大きさ
50 / 98
ガルデンヘイム王国王都で

嫌な奴は・・・!

しおりを挟む
ジロッと睨みつけると青い人達は皆一様に表情を固くして私を睨み返してくる。

「どうしたの?私が使うんだから片付けて帰ってね」
「貴様!殿下の寝所に忍び込んで今の生活を手に入れた分際で身の程を知れ!」

なんですと?今なんと?

「は?」
「とぼけるな!殿下の寝所に入り浸るお前達の姿が王宮で働く下女達の噂になっておるわ!」
「汚らわしい!」
「娼婦の真似事をして取り入るとはな!」

うぎゃあああ!なにそれ!どうしてそんな噂に!っていうか仕方ないじゃん、お坊ちゃんが一緒に寝ようって言うし、気がついたら隣で寝てるんだもん!部屋も用意してくれないし。
それにお坊ちゃんはまだまだピュアだし、私もそんなつもりは毛頭無いんだよ。お父さんは結婚して欲しいみたいだけどさ。

「ふん、どのようにして取り入ったか見てみたいものだな!」
「なんなら我等に見せてみるか?」

ニヤついた笑みを浮かべながら好き勝手に言いまくる青い連中。ロ・・・なんとかといいクロンスタットという騎士団には碌な面子がいないのかな?

「五月蝿い連中だなぁ、何なら見せてあげようか?」
「ほー、見せると来たか」
「ははは、賢い選択と言えなくもないぞ」

首元のボタンを外して最寄の青いのに歩み寄ると青い奴は何を勘違いしているのかニヤついた表情のまま私に手を伸ばしてくる。

「こうして仲良くなったの・・・よっ!」
「へ?・・・ぶぎゃっ!」

そんな奴の手が私に触れる前に手加減緩めのビンタをかました。すると青い奴はその場で何回転かしてからごろごろと転がり、自分達が散らかした道具の中に突っ込んで行った。

「なっ!」
「始まる前から九対一、ハンデにもならないけど・・・かかって来なよ。遊んであげる」
「貴様!我等に刃向かってタダで済むと思うのか!」
「御託はいいんだよ、どうするの?降参する?」

降参したって許さないけどね。両手に大地の鎧の籠手部分を纏ってカバーしておく。本気で殴ったら粉みじんになっちゃうかもだし。

「ええい、我等の力を見せるぞ!」
「「「応っ!」」」

そんな私を青い奴らは六人で取り囲み、残った三人がなにやらぶつくさと唱えている。どうやら六人で牽制して三人で魔法を使い仕留める算段らしい。

「一人にここまでするぅ?」
「うるさい!」

言う間に一人が切りかかってきたので籠手で剣を叩き、剣を半ばで叩き折った所で足を引っ掛けて転ばせる。

「ぐおっ・・・ひいっ!名剣がーっ!」
「鈍らの間違いじゃない?」

折れた剣を握り締めて絶叫する青い奴。一人はこれで脱落かな。

「ボサッとしない!」
「ふんぐっ!」
「ぎえっ!」

明らかにうろたえてるのでその間に二名の鎧に拳を叩き込んでおく。ベコベコになったけどしーらない。二人は私が殴ったその勢いのままごろごろと転がり、止まった所で動かなくなったので彼らも脱落。

「くそぉっ!」
「ヤケクソな攻撃が当たるわけもなく、一、二の、三っと」
「ぐっ!ぐっ!うぐっ!」

槍を振り回した青い奴の槍を左手で掴んで右手でチョップの三連発、手加減したけどこの兜脆すぎじゃない?別のにした方がいいかも知れないね。少なくとも近衛騎士隊の人の兜は地味だけど頑丈だったし。

「ねーねー、囮が全滅しちゃうよー?」
「うぐぅ~!」
「焦るな、魔力を練るのだ!」
「火の精霊よ~・・・」

えー、まだやってるの?お坊ちゃんなら初級魔法を三発くらいは発動できてるけど。しかも精霊さんとの会話が上手くできてないらしく精霊さんたちに魔力を殆どタダ食いされている。あんまりにも可哀想だから他の精霊さんが助けて火の魔法を行使できるようにさせてもらってる感じが否めない。

「そういう未熟な魔法使いが使う魔法はこうすると簡単に邪魔できちゃうんだな」

手のひらに魔力を集中させ、ただ溢れさせるのではなくコントロールして一箇所に集めることでより濃い魔力を形成できる、そして精霊さんにより親密に会話する事で精霊さんは作業を中断して集まってくれる。

(こっちの水はあーまいぞーってなもんだね)
「な、何故我等の魔法が小さく・・・!」
「ま、魔力が限界だ・・・」
「み、見ろ・・・あの女の手に我等の魔法が・・・」

彼らの小さな火が見る見るうちにソフトボール大からろうそくの火くらいに小さくなり、三人のうちの一人が魔力切れを起こしたのか青い顔をして倒れた。

「この程度の魔法も行使できないんじゃ仲間を囮にしても無駄なんじゃない?」
「ぐぐぐ・・・!」
「ああ・・・炎が見る見る大きくなっていくぞ」

私にとっては大した事無いけどファイアーボールも殺傷力は結構高いはずなんだけどね。彼らはそれを私に向かって放とうとしていたわけで・・・。

「さてさて、君達が使おうとしていた魔法、ファイアーボールかな?それともファイアーランス?それとも・・・もっと高度な魔法かな?」

笑みを浮かべて魔力を注ぎ続けると三人と生き残りの二人の顔がみるみる青くなっていく。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

処理中です...