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アイゼンヘイムへ
出立!
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これ以上無いほど場が和んだ所で一段落し、皆は表情を引き締める。
「スカサハ様、貴女ならば万が一という事も無いでしょうが・・・お気をつけください」
「わかってるよ、ちゃちゃっと片付けて帰ってくるから」
さっきまでの悲壮感というか、モヤモヤした不安はなくなっていた。たとえどうなろうと帰ってこられる場所、待っている人がいるから。照れくさいがこれくらいの事をされてしまってはね。
お父さんは気の毒だが仕方ない。
「心配はない、我が王家に伝わる秘宝はそなたの命運が尽きたとは記して居らぬ。向こうでも思うがままに振舞うがいい」
「なんか私が自分勝手してたみたいな言い方だね」
「なにを今更・・・まあいい、それと朗報だ、アイゼンヘイムにはかつて地龍を祀る神殿があったというぞ」
その言葉に私の心臓が跳ねる。師匠たちの一人である地龍様がいるの?その国に?
「それは本当?」
「うむ、国を拓いた冒険者は如何様にしてかは知らぬが地龍と見え、鉱脈の在り処を聞いたという。見つかってから百年以上枯れる事の無い鉱脈なのだから信憑性は高いだろうな」
「なるほどね、無償でも構わなかったけど・・・?」
「そう言うな、少しくらいは恩返しと言う物をさせてくれ」
そう言うと苦笑するお父さん。恩か、なんかそれっぽいことしたっけ?ロハで寝泊りして飲み食いして、お坊ちゃんや騎士さん達と遊んでただけのような気が。
まあ、いいや、初仕事だ。問題解決なんてどれくらいできるかわからないけど・・・良い人だったら助ければいいし、嫌な奴だったら最低限のことして帰ろう。
「それでは出立!」
私は一部の大臣やエルメロイ家など軍関係の人間の中に混ざってアイゼンヘイムへと赴く事に。
「私こんな豪華な馬車に乗るの?」
「馬車というより龍車ですな、鎧龍が引く物ですから」
馬車というよりはなんというかキャンピングカーというか、部屋が動いているというようなシロモノだ。新しさから見るに特注か・・・。新しく作ったのだろう。
「私別に普通の馬車でも・・・」
「どの馬が貴公の乗る馬車を引いてくれるのです?」
大臣さんの言葉に私は思い出したので手を叩く。そういえば私馬に乗れないんだった。馬が怖がるから。
「そうなると魔獣等を慣らしてと思ったのですが貴公の鎧龍が引くと言って聞かんので無理を言って出してもらったのですよ」
そう言うとチハがふんす!と鼻息を荒くする。パレード以来全然会えてなかった為フラストレーションが溜まっていたようだ。そんな中で私が長期にここを離れるかもと言う話になり調教師などの制止を振り切って参上したのだとかなんとか。
騎士さん達が渋った理由は簡単で鎧龍は貴重だからだ。戦闘能力が高く、知恵もある上に馬力も強い為荷物の運搬と護衛を自分ひとりで出来てしまうからだ。しかしそんな彼らが何故軍や騎士の主力になっていないかと言うと特殊な生命を持っている為魔力で生命を保つ事も出来るが人間と鎧龍では蓄えられる魔力の量にかなりの差があるので大抵は馬達と同じく飼葉や野菜などの食料が必要だ。だが食料だけで賄うなら一頭で馬十頭分以上と大量に必要になるという。ま、私は普通にチハの命を繋ぎ続ける事ができるけどね。それ故に彼らの食料には魔力を帯びた石などを粉末にして混ぜ、魔力と食料を半々で食べさせてコストを削減しているそうだ。
そういった理由で下手をすると鎧龍を使い捨てにされかねないからということらしい。
「普通なら無理な配分ですが、貴公のお力を借りたお陰で我らは荷物の大半をそちらに積み込んで出発できますから楽なもんですよ」
若いめの大臣がそう言う。食料や貴重品などなくなると困る物はチハが引く車に積む。ベッド付きの馬車に乗る私だけでは積載量が少なすぎ、鎧龍を使うには勿体無さすぎるので仕方ない。
しかしながら三十人と二十頭はいるであろう人と馬の食料と水を運べるチハの馬力は凄いね。
「鎧龍を魔力だけで永らえさせられるのは凄まじいですな」
「いやはやまったく・・・英雄の再来と称されるのも頷ける」
エルメロイ家やその他の軍関係者から出向してきた同行者のオジサンたちがそうささやいている。
私にとってはお昼寝を我慢する程度の労力なので別段気にならないのだけど。
「そんなことより・・・」
「なんでしょうか!」
「なんで馬車の中にキミがいるのかな?」
「護衛です!」
エルメロイ将軍家で私に勝負を挑んできた将軍閣下の孫、エルトリアちゃんだ。何故出発前の馬車の中に既に居るんだろうか。
「護衛はわかったけど馬は?」
「乗れませんので連れてきておりません!」
元気にそういった。大丈夫なの?彼女、色々と。
「スカサハ様、貴女ならば万が一という事も無いでしょうが・・・お気をつけください」
「わかってるよ、ちゃちゃっと片付けて帰ってくるから」
さっきまでの悲壮感というか、モヤモヤした不安はなくなっていた。たとえどうなろうと帰ってこられる場所、待っている人がいるから。照れくさいがこれくらいの事をされてしまってはね。
お父さんは気の毒だが仕方ない。
「心配はない、我が王家に伝わる秘宝はそなたの命運が尽きたとは記して居らぬ。向こうでも思うがままに振舞うがいい」
「なんか私が自分勝手してたみたいな言い方だね」
「なにを今更・・・まあいい、それと朗報だ、アイゼンヘイムにはかつて地龍を祀る神殿があったというぞ」
その言葉に私の心臓が跳ねる。師匠たちの一人である地龍様がいるの?その国に?
「それは本当?」
「うむ、国を拓いた冒険者は如何様にしてかは知らぬが地龍と見え、鉱脈の在り処を聞いたという。見つかってから百年以上枯れる事の無い鉱脈なのだから信憑性は高いだろうな」
「なるほどね、無償でも構わなかったけど・・・?」
「そう言うな、少しくらいは恩返しと言う物をさせてくれ」
そう言うと苦笑するお父さん。恩か、なんかそれっぽいことしたっけ?ロハで寝泊りして飲み食いして、お坊ちゃんや騎士さん達と遊んでただけのような気が。
まあ、いいや、初仕事だ。問題解決なんてどれくらいできるかわからないけど・・・良い人だったら助ければいいし、嫌な奴だったら最低限のことして帰ろう。
「それでは出立!」
私は一部の大臣やエルメロイ家など軍関係の人間の中に混ざってアイゼンヘイムへと赴く事に。
「私こんな豪華な馬車に乗るの?」
「馬車というより龍車ですな、鎧龍が引く物ですから」
馬車というよりはなんというかキャンピングカーというか、部屋が動いているというようなシロモノだ。新しさから見るに特注か・・・。新しく作ったのだろう。
「私別に普通の馬車でも・・・」
「どの馬が貴公の乗る馬車を引いてくれるのです?」
大臣さんの言葉に私は思い出したので手を叩く。そういえば私馬に乗れないんだった。馬が怖がるから。
「そうなると魔獣等を慣らしてと思ったのですが貴公の鎧龍が引くと言って聞かんので無理を言って出してもらったのですよ」
そう言うとチハがふんす!と鼻息を荒くする。パレード以来全然会えてなかった為フラストレーションが溜まっていたようだ。そんな中で私が長期にここを離れるかもと言う話になり調教師などの制止を振り切って参上したのだとかなんとか。
騎士さん達が渋った理由は簡単で鎧龍は貴重だからだ。戦闘能力が高く、知恵もある上に馬力も強い為荷物の運搬と護衛を自分ひとりで出来てしまうからだ。しかしそんな彼らが何故軍や騎士の主力になっていないかと言うと特殊な生命を持っている為魔力で生命を保つ事も出来るが人間と鎧龍では蓄えられる魔力の量にかなりの差があるので大抵は馬達と同じく飼葉や野菜などの食料が必要だ。だが食料だけで賄うなら一頭で馬十頭分以上と大量に必要になるという。ま、私は普通にチハの命を繋ぎ続ける事ができるけどね。それ故に彼らの食料には魔力を帯びた石などを粉末にして混ぜ、魔力と食料を半々で食べさせてコストを削減しているそうだ。
そういった理由で下手をすると鎧龍を使い捨てにされかねないからということらしい。
「普通なら無理な配分ですが、貴公のお力を借りたお陰で我らは荷物の大半をそちらに積み込んで出発できますから楽なもんですよ」
若いめの大臣がそう言う。食料や貴重品などなくなると困る物はチハが引く車に積む。ベッド付きの馬車に乗る私だけでは積載量が少なすぎ、鎧龍を使うには勿体無さすぎるので仕方ない。
しかしながら三十人と二十頭はいるであろう人と馬の食料と水を運べるチハの馬力は凄いね。
「鎧龍を魔力だけで永らえさせられるのは凄まじいですな」
「いやはやまったく・・・英雄の再来と称されるのも頷ける」
エルメロイ家やその他の軍関係者から出向してきた同行者のオジサンたちがそうささやいている。
私にとってはお昼寝を我慢する程度の労力なので別段気にならないのだけど。
「そんなことより・・・」
「なんでしょうか!」
「なんで馬車の中にキミがいるのかな?」
「護衛です!」
エルメロイ将軍家で私に勝負を挑んできた将軍閣下の孫、エルトリアちゃんだ。何故出発前の馬車の中に既に居るんだろうか。
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