異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

文字の大きさ
81 / 98
アイゼンヘイムへ

アイゼンへイムへと進む

しおりを挟む
『出立!』

先頭を進む騎士さんの号令で総勢三十一人の集団はアイゼンヘイムへと進んでいく。
仕方ないのでエルトリアちゃんは私の馬車に同乗して出発した。エルメロイ家の関係者っぽい騎士さんが変な汗かいてたけど大丈夫かな。

「まあいいや、とりあえずアイゼンへイムまでどれくらいかかるの?」

揺れの存外少ない馬車の中、色々と諦めて問いかけると彼女は地図らしきものを広げていくとこう言った。

「鎧龍のペースで考えても出入国自体を除いて考えれば一ヶ月と掛からないでしょう、我らは鎧龍のお陰で身軽ですからもう少し早くなるかもしれないです」

地図には中央にガルデンヘイム、そして目的の国であるアイゼンヘイムはその北に位置している。
東にシクルゥヘイム、西にアルマヘイム、南の方にフードゥーヘイムがある。
ガルデンヘイムは四カ国の中で王都からは一番アイゼンヘイムの国境に近い。個人的な見解だが、かつての王様達がアイゼンヘイムを護ったのは自分達の国の安定という意図もあったからなんだろう。

「なるほどね、なら一ヶ月くらいの旅が始まるわけだ」
「そうなります、そこでですが・・・」

そういうと彼女は地図を放り投げて私にずいっと近寄ってくる。

「合間を見て私に稽古をつけてはいただけないでしょうか?」
「なんで?」

エルメロイ家は独自の流派があるという、其処で彼女達は相当な訓練を積んでいると聞いたが彼女はそれでは満足していないらしい。向上心は結構な事だけど・・・。

「聞けば近衛騎士団の面々は直々に稽古をつけてもらっているとか」
「まあそうだね」
「ならば!」
「やだよ面倒くさい」
「なぜです!私だって稽古をつけていただきたいです!」

嫌だなぁ、だってこの国の人達真面目すぎて中々解放してくれないし。師匠の修行からすれば圧倒的に優しいとはいえ普通なら失神したり、骨が折れたりしたら魔法で治すとはいえ少なくともその日は休むでしょ?でも休まないんだなぁ。そうなると彼女もそれに相応の対応が必要になる。
私は別に誰かを痛めつけて喜ぶ趣味も無いし、誰かを鍛えたいとも思わないのにね。

「独自の流派があるんでしょ?」
「ならばこそです、自分達だけでは限界があります!ですから新しい刺激が欲しいんです」

見上げた向上心、まぶしいくらいの。そして、私がおそらく死ぬまで抱けない感情。『極めて』しまったしね、私は。そうなると私ができる鍛錬となると『教える』事しか出来ない。

「仕方ないね」

ため息とともにそう呟くとエルトリアちゃんはぱあっと表情を明るくした。

「ただし期限を設けるよ」
「期限ですか?」
「一つ、私が王宮へと戻るまで。結構長期になるから、文句はないよね?」

そう言うと彼女はこくりと頷く。王宮まで押しかけられたら困るし仕方ないだろう。

「二つ、私が用意した武具を用いて行う事」
「スカサハ様が用意した武具・・・ですか?」

普通の武具では恐らく彼女か私かどちらかが壊す事になる。いちいち直していくのも面倒だしね。
それなりの力でも普通の武具は私はおろか彼女の力にも耐えられないのだ。
あの豪槍はおそらく威力とかそんな次元の話じゃなく、歴代のエルメロイの戦士の規格に合った槍なのだろう。

「鍛錬で壊れない程度に頑丈な武具を用意しないと武器を用意するのも大変だからね」
「なるほど」
「というわけで、まずはキミ、魔法を使える?」
「え、あんまり得意じゃありませんが・・・」
「じゃあまずは苦手の克服からだねぇ」

まずは魔法を教えてあげよう、武芸よりは体的に楽だからねー。適当に武芸をそれでかわして、時間を節約してしまおう。

「しかし私は魔法を使えるほど魔力があるワケではありませんよ?」
「ノンノン、それは扱いがなってないだけ」

魔力とは精神エネルギー。体を常に巡って循環している。しかしそれ故に流れをつかめないと利用する事はできない。棒立ちで筋力を十全に発揮できないのと一緒だ。ある事は解っても大抵は流れを掴めないまま『あーあ、自分は魔法つかえないんだなぁ』って感じになって別の事をやり始める。

「さて、ちょいと集中して・・・」

見るから観るへと気持ちをチェンジして魔力の流れを探る。本来は同属性の魔法使いがやると効率がいいのだけど私は全ての属性を扱えるので問題ないのだ。
実際に流れをつかめていない人に魔力の流れを教える事が出来るのは同属性の魔法使いが必須に近い、それ故に魔法使いの素養に気付く人間が少ないのだ。全ての属性の魔法使いが一同に介して一人の人間に物を教えるなんてそうそうあるものでもないからだ。そんな贅沢が出来るのはそれこそ王族とか貴族くらいのもの。
教える魔法使いを選んだり呼べない立場の人間で例外的に魔法使いが多いのは魔法使いが多い一族だ。一族で魔法使いをやっている人に魔法使いが多いのは同じ属性の魔力に長時間当てられて自然と魔法を覚えるからだ。大抵は親族か血統によって属性が偏りがちになるから覚醒する人が多いのは当然だろう。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...