異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

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アイゼンヘイムへ

アイゼンヘイム王宮へ

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『王宮が見えました、何処に降りればよろしいですか?』
「テラスなどに降りるがいいだろう。王妃を連れて戻ったのだ、問題あるまい」

地龍様の言葉に従い私は大きさだけならばガルデンヘイムにも匹敵する王宮のテラスへと舞い降りた。当然ながら王宮はひっくり返したような騒ぎになっているが地龍様は全く気にした様子もなくスタスタと歩いていく。

「さて、病の気を手繰れば容易にたどり着けるが・・・格好がこのままでは良くないな」

騎乗服のままであった地龍様がパチンと指を鳴らすと服装が『戦乙女のドレス』へと早変わりする。こういう時魔道具というのは便利なものだ。

「さて、紳士諸君!戦乙女が王妃殿を連れて参ったぞ!皇帝はどこだ!」

龍に乗って現れただけでも騒ぎになるというのに肝心の地龍様は『戦乙女のドレス』姿で王宮を我が物顔で歩き回る。すれ違う者達は跪くやら驚いて腰を抜かすやらで尋常ならざる騒ぎに発展しつつある。

「き、貴殿は・・・一体何者だ!」

常識とは一体何処へ消えうせたのか。そう思いながら諦めの境地でシシリアを連れて地龍様の後ろを着いて行く。すると王宮の中ほどに移動した所でバラの紋章を掲げた騎士達が立ちふさがる。

「蒙昧め、我が身、我が魔力を前に知らぬと申すか?」

地龍様が大人気なく反応する。踏み鳴らした足に王宮の床がまるで凍りついたかのように音を立てて変質し、あかがね色の金属へと変質する。

「ち・・・主様、御身のお姿をお忘れなさいませんよう」
「・・・そうであった、皆の衆。我が名を聞け、我こそはスカサハ。ガルデンヘイムの戦乙女、その再来と称されし英傑である。此度は火急の用件と聞き、はせ参じた」

再度確認を取ると騎士達からどよめきが起こった。ガルデンヘイムの戦乙女というフレーズは隣国にも轟いているようだ。

「その、本物なのですか・・・」
「疑うのか?」
「いえ、その・・・我らは本物に会った事がありませんので」

知らないのなら仕方ないだろう。五龍様ならば名前のみとて知っているだろうが新しく現れた少女の事など普通は知らないだろう。如何にそれが有名なパレードでのお披露目があったとしてもである。

「そうか、ならばこの魔道具で身分を・・・む?」

そう言うと地龍様はメダルを取り出して魔力を・・・あ、ちょっとまって今の魔力って地龍様の。

『ボンッ!』

気付くが遅かった。名前の欄に一瞬だけ『地龍ラントゥ・ドラグーン』の文字が薄っすらと金色で描かれ、その瞬間にメダルが弾けとんだ。

「い、今のは・・・?」
「魔力を流し過ぎたか」

残骸を投げ捨てて地龍様は困った様に腕を組んだ。豊かなバストが大胆な格好によって強調され、騎士達が目のやり場に困っているようだが地龍様は気付いてないな。主様が自身をも魅了する魅力の持ち主である事を理解なさっていない様子だ。

「王妃様にお出まし願うしかなくなりましたね」
「王妃様?・・・なんと!シュバリエ王妃様!」

先ほどから空気になっていたシシリアに声かけようとすると先に騎士が反応して彼女の名前を呼んだ。

「夫はどうなっているのですか?このお方達に助けられて私は此処までやってきましたが・・・」
「そうだったのですか、それでは彼女達が?」

まだ少しばかり疑いの目で見ているが王妃を連れてやって来たという事が大きなポイントになっているのだろう。少なくとも敵対者とは思われていない様子だ。そしてシシリア自身の評価もこの王宮内では悪くない様子で安心だ。何で連れてきた!とか言われたら面倒すぎるし。

「陛下は・・・それが、容体は思わしくなく・・・」

騎士の一人が躊躇い勝ちにそう言うとシシリアの瞳がまた潤み始める。

「医師や薬師は何をやっている?」
「王弟派と名乗る一派に寄って医師に成りすます者が多く信頼できる医師がおりませんので・・・」
「となると治癒術師も同じか」

地龍様が言うと騎士達は皆悔しそうに俯いた。彼らは剣を携え、外敵と戦うが当然ながら病や毒と闘う事は出来ないのだ。主人の危機に何も出来ないとはさぞ無念だろう。歯をかみ締め、握り拳を震わせている。

「まあそうなると思って急いで来たのだ、万事我に任せるがよい」

私を除くその場の全員が悲嘆にくれている中で例外の地龍様は堂々とそう言うと騎士達を押しのけ、ドアを開け放って部屋へと入っていく。

「こ、困ります!勝手に入られては!」
「何が困るのか、皇帝が死ぬより困る事があるのか?」
「それはそうですが!」

引き止めようとするも女性に乱暴する事を躊躇っているのか騎士達は困ったようについて来るばかりである。シシリアもその中に混じってはいるがやはり騎士達と同じ様に心配そうにオロオロしているばかりだ。

「風と水の治癒を施せば万事丸く収まる。なれば我が魔術にてそうするだけのこと」

簡単であろう、と地龍様。それではいそうですかと信じる人がどれだけいるのかと言いたいが恐らく無駄だし、彼らならばなんとかできるのだから任せるしかないのだ。
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