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第50話 包囲網
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準備を整えたマルク達は、報酬を受け取るため、大聖堂を後にして冒険者ギルドへと向かっていた。
「……あの、ライム?」
「むぎゅーー……」
道中、マルクの右腕にまとわりつき、やたらと体を押し付けてくるライム。
「すり……すり……」
「どうかしたんですか?」
「きゃっ!」
しかし、話しかけようとしたり、目線を合わせようとしたりするとすぐにそっぽを向いてしまう。
「本当に、どうしちゃったんですか…………」
挙動不審なライムに対し、マルクは困った顔をしながら言った。
「あ、あんなことして、普通にしてるマルクがおかしいの……!」
ライムは顔を真っ赤にしながら、目をふせてそう答える。
「あんなことって?」
「ライムちゃんにいわせようとするなんて……い、いじわる!」
そう言うライムの頬はとても熱くなっていて、火でも噴き出しそうな勢いだった。
「本当に大丈夫ですかライム? これ以上熱くなったら、蒸発とかしちゃいそうですよ……?」
「マルクのどんかん! えっち! へんたいっ!」
「どうしてそうなるんですか……」
赤くなった頬をふくらませて怒るライムだったが、それでもマルクのそばからは離れようとしなかった。
「うふふ、マルクちゃんったら、一体ナニをしちゃったのかしらね?」
「何だかよくわかりませんが、とても微笑ましい光景です!」
その様子を眺めていたカーミラとクラリスが、くすくすと笑いながら言う。
「僕は何もしてません……! ……そ、それと、あの……」
「あら、何かしら?」
少しためらったあと、マルク遠慮がちに続ける。
「どうして、僕たちこんなにまとまって歩いてるんですか……?」
現在、マルクの左手はクラリスによって硬く握られ、両肩には後ろを歩くカーミラの手が乗せられている。
マルクは、正面以外の三方向をがっちりと固められていたのだ。
ちなみに、頭のすぐ上ではカーミラの胸が揺れている。
「それはもちろん、二度とあのようなことが起きないようにするためですよ!」
「安心なさい、マルクちゃんはアタシがしっかり守ってあげるわ。もう痛い思いはさせない」
「お二人とも……過保護すぎます……」
マルクはそう言って、顔を赤くしたままうつむいた。
町の通行人たちは、三人の美女と美少女に一人の少年が囲まれる異様な光景を、ある者は興味深そうに、またある者は羨ましそうに一瞥《いちべつ》して、通り過ぎていく。
「ライムちゃんも、マルクまもる……!」
「ら、ライムまでそんなことを……恥ずかしいからやめてくださいよぉ……っ」
「だめ」
「あうぅ……」
四人の中で、この状況を恥ずかしがっているのはマルクだけだった。
こうしてマルクは、周囲からの嫉妬と羨望のまなざしをたっぷりと浴びながら、冒険者ギルドへと連行されていったのである。
*
「さて、やっと着いたわねマルクちゃん」
「それじゃあ、早速中に入りましょうか。ぼ、僕が先に行きますね」
冒険者ギルドへ着いてすぐ、三人の包囲から逃れるために率先して扉を開けて中へ入っていくマルク。
「しつれいしまーす……」
言いながら、冒険者ギルドへ足を踏み入れたその時だった。
「その声は――マルクっ!」
「う、うえぇ!?」
突然、マルクは駆け寄って来た何者かに飛びつかれ、押し倒される。
「会いたかったよおおおっ! マルクうううううっ!」
「リ、リタお姉ちゃん?」
そこに居たのは、かつて同じ勇者パーティだった獣人の少女――リタだった。
「すぅ、はぁ、マルクっ! ぺろぺろぺろぺろっ!」
「や、やめっ、くすぐったい、くすぐったいですっ!」
全身で喜びを表現するリタに、マルクはほっぺたや耳を舐め回される。
「一体、彼女はどうしてしまったのですか……!?」
「さあ、発情期じゃないかしら?」
「あわわ……ライムちゃんがいながら……っ!」
後から入ってきたクラリス達は、その光景を目撃して固まった。
「ぺろぺろ、ぺろぺろぺろっ、はぁ、はぁ、はぁ……っ!」
「あの――リタ……お姉ちゃん……ですよね?」
「そうだよ……! ごめんね……マルク。ボクっ、うれしすぎてもう我慢できないかもぉっ!」
「え…………?」
次第にスキンシップが過激化していくリタ。
「が、我慢できないって、どういうことですか……?」
「ボクもう……マルクへの気持ちが……止められないんだっ……!」
おまけに、舐め回すよりさらに凄いことをしようとしている様子だ。
「ま、待ってください……リタお姉ちゃん。……みんな、見てるんですよ……?」
はたして、マルクの運命やいかに。
「……あの、ライム?」
「むぎゅーー……」
道中、マルクの右腕にまとわりつき、やたらと体を押し付けてくるライム。
「すり……すり……」
「どうかしたんですか?」
「きゃっ!」
しかし、話しかけようとしたり、目線を合わせようとしたりするとすぐにそっぽを向いてしまう。
「本当に、どうしちゃったんですか…………」
挙動不審なライムに対し、マルクは困った顔をしながら言った。
「あ、あんなことして、普通にしてるマルクがおかしいの……!」
ライムは顔を真っ赤にしながら、目をふせてそう答える。
「あんなことって?」
「ライムちゃんにいわせようとするなんて……い、いじわる!」
そう言うライムの頬はとても熱くなっていて、火でも噴き出しそうな勢いだった。
「本当に大丈夫ですかライム? これ以上熱くなったら、蒸発とかしちゃいそうですよ……?」
「マルクのどんかん! えっち! へんたいっ!」
「どうしてそうなるんですか……」
赤くなった頬をふくらませて怒るライムだったが、それでもマルクのそばからは離れようとしなかった。
「うふふ、マルクちゃんったら、一体ナニをしちゃったのかしらね?」
「何だかよくわかりませんが、とても微笑ましい光景です!」
その様子を眺めていたカーミラとクラリスが、くすくすと笑いながら言う。
「僕は何もしてません……! ……そ、それと、あの……」
「あら、何かしら?」
少しためらったあと、マルク遠慮がちに続ける。
「どうして、僕たちこんなにまとまって歩いてるんですか……?」
現在、マルクの左手はクラリスによって硬く握られ、両肩には後ろを歩くカーミラの手が乗せられている。
マルクは、正面以外の三方向をがっちりと固められていたのだ。
ちなみに、頭のすぐ上ではカーミラの胸が揺れている。
「それはもちろん、二度とあのようなことが起きないようにするためですよ!」
「安心なさい、マルクちゃんはアタシがしっかり守ってあげるわ。もう痛い思いはさせない」
「お二人とも……過保護すぎます……」
マルクはそう言って、顔を赤くしたままうつむいた。
町の通行人たちは、三人の美女と美少女に一人の少年が囲まれる異様な光景を、ある者は興味深そうに、またある者は羨ましそうに一瞥《いちべつ》して、通り過ぎていく。
「ライムちゃんも、マルクまもる……!」
「ら、ライムまでそんなことを……恥ずかしいからやめてくださいよぉ……っ」
「だめ」
「あうぅ……」
四人の中で、この状況を恥ずかしがっているのはマルクだけだった。
こうしてマルクは、周囲からの嫉妬と羨望のまなざしをたっぷりと浴びながら、冒険者ギルドへと連行されていったのである。
*
「さて、やっと着いたわねマルクちゃん」
「それじゃあ、早速中に入りましょうか。ぼ、僕が先に行きますね」
冒険者ギルドへ着いてすぐ、三人の包囲から逃れるために率先して扉を開けて中へ入っていくマルク。
「しつれいしまーす……」
言いながら、冒険者ギルドへ足を踏み入れたその時だった。
「その声は――マルクっ!」
「う、うえぇ!?」
突然、マルクは駆け寄って来た何者かに飛びつかれ、押し倒される。
「会いたかったよおおおっ! マルクうううううっ!」
「リ、リタお姉ちゃん?」
そこに居たのは、かつて同じ勇者パーティだった獣人の少女――リタだった。
「すぅ、はぁ、マルクっ! ぺろぺろぺろぺろっ!」
「や、やめっ、くすぐったい、くすぐったいですっ!」
全身で喜びを表現するリタに、マルクはほっぺたや耳を舐め回される。
「一体、彼女はどうしてしまったのですか……!?」
「さあ、発情期じゃないかしら?」
「あわわ……ライムちゃんがいながら……っ!」
後から入ってきたクラリス達は、その光景を目撃して固まった。
「ぺろぺろ、ぺろぺろぺろっ、はぁ、はぁ、はぁ……っ!」
「あの――リタ……お姉ちゃん……ですよね?」
「そうだよ……! ごめんね……マルク。ボクっ、うれしすぎてもう我慢できないかもぉっ!」
「え…………?」
次第にスキンシップが過激化していくリタ。
「が、我慢できないって、どういうことですか……?」
「ボクもう……マルクへの気持ちが……止められないんだっ……!」
おまけに、舐め回すよりさらに凄いことをしようとしている様子だ。
「ま、待ってください……リタお姉ちゃん。……みんな、見てるんですよ……?」
はたして、マルクの運命やいかに。
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