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番外編
幸せのピアス~愛と絆とピアスの穴と~(その3)
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※今回、一部見る人によっては痛い表現がありますので、
苦手な方はお気を付けください。
「・・・おはようございます。」
翌朝、空は気力だけでバイトに行った。
「あ、大沢さん、おはよー」
バイト先で、ユキヤが挨拶する。
「あれ?どうしたんです?なんか元気無いみたいだけど」
ユキヤが心配そうに声をかける。
「あ、やっぱ分かる?」空は笑顔で答えたが、胡麻化しきれなかった。
「何かあったんですか?」
「うん、ちょっとね・・・それより茶木くんもなんか顔色悪いけど?」
ユキヤの方を見ると、その顔には疲労感というか焦燥感のようなものが漂っていた。
「いや、俺の方はただ・・・体中がゾクゾクするというか、スースーするというか・・・」
「何?風邪でも引いたの?!」
「・・・もっと大沢さんのイマジネーションを超えた理由です。」
そう言ってユキヤはうなだれる。
「はぁ?!」
「あ!・・・いえいえ何でもないです!・・・てか俺の方はともかく、
大沢さんの方は、深刻度がかなり上のような気がするんですが・・・」
(・・・茶木くん、こんな時ばっかり感がいい・・・)
ユキヤの直感に驚きつつも、口では「だ、大丈夫だから・・・」と
何の説得力もない返事をしてしまう。
「ホントですかぁ?もし何かあったら言ってくださいね。」
(どうにも嫌な予感がするんだよな・・・)
ユキヤは空の事を気にかけていた。
「ありがとう。その時はお願いします。」
空は無理して笑うしかなかった・・・。
****
しかしそんなユキヤの予感とは別に空は普通に仕事をしていた。
何事もいつも通りにそつなくこなしていた・・・というかそつがなさ過ぎた。
まるでルーティンのような動きで、その顔は常に無表情であった。
「あ、あの、今日なんかありましたっけ?」
たまらずにユキヤが聞くほどに、それは異常だった。
「別に何もありませんよ?」
空の返答はこれまた無機質なもので、普段の彼女を知る者からすれば、
不気味さすら感じただろう。
その様子はバイトの終わり間際に店長が
「君なら彼女とよく話すから、相談に乗ってやって」と
ユキヤに頼んでしまうほどであった。
「まぁ、一応聞いてみます。」
「じゃあ、宜しく頼む。」
空はバイトを終えると、着替えを済ませてすぐに帰る支度をする。
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
「あ、待って、俺も一緒に帰ってもいいですか?」
「・・・いいけど。」
「えへへ、やった」
嬉しそうな顔で答えるユキヤを見て、空は少し微笑む。
「何だか、今日の大沢さんは別人のようですね」
「・・・そうかな」やはり素っ気ない態度だ。
「・・・大沢さん、何かありました?」
「特に何も」
「・・・そうですか」ユキヤは少し黙った後、
「やっぱり何かありますよね?」
「・・・・・」
空の態度にユキヤは困りつつも、
「・・・話したくないなら、話さなくてもいいですよ。
俺、店長に頼まれただけですから」
とぶっちゃけてしまう。(下手に取り繕うよりはいいよな・・・)
ユキヤからの予想外の発言に「茶木くんは、優しいんだね」と返す。
「いやいや、そんなこと無いですよ。ただ、無理はしないでくださいね。
話したくなったらでいいですから。」
「うん、分かったよ。ありがとう」
空はやっと笑顔を見せた。
「まぁ、本当に聞くだけしかできないかもですが。」
「それでもいいよ。話を聞いてくれるだけでも助かる。」
「えっ?!」
「聞いてくれたら私もスッキリするかもしれないし・・・」
「い、いいんですか?!」空からの思わぬ返事にユキヤの方が戸惑ってしまう。
「うん・・・茶木くんになら大丈夫かなって思えてきた。」
空は、それからポツリポツリと話し始めた。
「実は・・・彼氏と喧嘩したの。」
「彼氏さんとですか?」
「うん。私が一方的に別れ話をしたら、怒っちゃって・・・」
「何でそんな話を?」
「私のせいで、彼の将来に影響が出ちゃうかなって思って・・・」
「彼氏さんの将来の為ですか?」
「うん、それで彼の方が『自分の気持ちを変えるつもりはない』
って怒っちゃって・・・」
「・・・」
「私、それを聞いて物凄くうれしかった・・・そのはずなのに、
それと同じぐらい、私の存在が彼の可能性を狭めちゃうんじゃって・・・
とても怖くなった・・・」
「・・・・」
空は俯いたまま続ける。
「私だって彼といつまでも一緒にいたい・・・
でもそのために彼を犠牲にできない・・・
自分でもどうしていいのか・・・分からない・・・」
空の声は次第に絞り出すようになっていき、最後の方は涙声になっていた。
「大沢さん・・・」
「ごめんね。変なこと言っちゃって。忘れて」
空は無理に笑って見せた。
「大沢さん、彼氏さんの事が大好きなんですね。」
「・・・」
空は答えずにただ涙を浮かべていた。
(これは・・・思ったより重い)
ユキヤはどうしたものかと悩む。
「大沢さん・・・正直どう答えたらいいか分からないけど、
今の俺でもわかる事だけを言っていいですか?」
空は無言でコクリと肯く。
「俺に分かるのは・・・そのまま別れても
二人とも絶対幸せになれないという事ですよ。」
ユキヤがいつになく真剣な表情で言った。
「・・・」
空は黙っているが、その表情は泣き顔のままだ。
「話を聞くに・・・彼氏さんはもう腹を決めていると思います。」
「・・・」
「そういう人の持つ覚悟は・・・強いですよ。」「・・・」
「だから大沢さんも、彼と真摯に向き合ってください。」
「・・・」
「とにかく、このままだとお互いに後悔しかしないと思います・・・
俺に分かるのはそれだけです」
「・・・」
「じゃあ、俺はこれで失礼します。」
ユキヤは空に頭を下げると、自宅の方へと歩き出した。
***
ユキヤが去った後、空はそのまましばらく立ち尽くしていた。
そしてユキヤに言われた言葉を思い出す。「私も彼と同じくらい真摯に向き合わないといけない・・・か・・・」
空は意を決したような顔をすると、歩き出した。
2日後、
空は柿崎の家を訪ねた。インターホンを押すと、柿崎が出てきた。
柿崎の顔を見て、空の目にまた涙が浮かぶ。
「大ちゃん、会いたかった」
柿崎は何も言わず、空を抱き寄せた。
「大ちゃん、ゴメンね。
私・・・あんなこと言ったけど、やっぱり貴方を離したくないの・・・」
そう言って空は柿崎を抱きしめた。「わがままで・・・ごめんね。」
「空さん、それは僕も同じです。」柿崎も空を優しく抱き返した。
「デザインは何処でもできますけど・・・あなたは一人しかいませんから。
だったら、僕はあなたといる方を選びます。」柿崎は顔を赤くしながら言う。
「ありがとう、大ちゃん。」
柿崎の言葉を聞いた空の目には、再び涙が溢れてきた。
「ごめんね・・・大ちゃんの気持ち考えなくて」
「いえ、僕の方こそ空さんの僕を思いやる気持ちを考えていませんでした。」
「だからね・・・大ちゃんと何があっても、ずっと、ずっと一緒にいるって決めた・・・」
「空さん・・・!」
二人は見つめ合うと、自然と唇を重ね合った。
「んっ・・・」
「ちゅぱ・・・」
「ぷはぁ・・・」
柿崎は空の頬に手を当て、じっと見つめる。
「空さん、愛しています。」
「私もよ、大ちゃん。」
そう言うと、空は自分のバッグから小さな袋を取り出した。
「だからもう・・・お互い離れられないようにして・・・いい?」
「空さん・・・?」
柿崎は空の意図を察して、少し驚いた様子だった。
袋の中身はニードルと軟膏に消毒液、ニードルを固定するための消しゴム、
そして穴を定着させるためのファーストピアスだった・・・。
「新しい穴、あけちゃっていい・・・・?」
柿崎は少し戸惑った表情を浮かべたが、すぐに笑顔になった。
「もちろんです。お願いします。」
柿崎の返事を聞いて、空は嬉しそうな表情をする。
心なしか柿崎の顔も紅潮していた。
「良かった。それじゃあ・・・」
空は柿崎の耳元で「穴をあけるのはね・・・」と耳打ちする。
「え・・・・?!」柿崎が一瞬ためらう表情を見せる。
「大丈夫。痛くしないから。」
空は柿崎の手を握り、柿崎の部屋に入る。
「服脱ぎませんか・・・?」部屋に入るなり柿崎が申し出る。
「開ける場所が場所だけに普通の状態だと・・・恥ずかしくなりそうで・・・」
柿崎は照れくさそうに頭を掻いた。
「・・・そうだよね。分かったわ。」
空はクスッと笑うと、「私もちょっと緊張しているみたい」と言いながら、
上着を脱いでブラジャーを外す。
その乳首にはピアスが光っていた。「うぅ・・・」
柿崎はそれを見ると、思わず生唾を飲み込んだ。
「どうしたの、大ちゃん?」
「いや、何でもないです」柿崎は慌てて目を逸らした。
「じゃあ、ベッドに行きましょうか」
二人は並んでベッドの上に座った。
空は柿崎のへそにあるピアスを引っ張り
「私が作ったピアス、まだつけてくれてるんだ・・・」
と言う。
「当たり前じゃないですか。空さんが開けてくれたんですから」
柿崎は空の手を取り、自分の胸に持っていく。
空はその手に鼓動を感じた。「ドキドキしてるね」
「そりゃそうですよ。空さんに穴を開けてもらうなんて・・・
考えただけでゾクゾクしますよ」
「もう、大ちゃんのエッチ」そう言いながらも、空の目は笑っている。
「空さんだって、いつもより興奮してますよね?」
空の股間に手を伸ばすと、本来そこにある筈のものがない事に気付く。
「空さん・・・あの・・・毛は?」
柿崎が尋ねると、空は悪戯っぽく笑い「剃っちゃった」と答えた。
「空さん、いつの間に・・・」柿崎が驚くのも無理はない。
空のそこはツルリとしていて、まるで子供のようだったからだ。
「だって、開けるのに、邪魔だから・・・」
空は恥ずかしそうに顔を赤らめた。「・・・え?」
「ここにつけて・・・ほしい」
空はお腹を突き出すようにして言う。
「・・・わかりました」柿崎も意を決したように答えた。
柿崎は冷凍庫から保冷剤を持ってくる。
「始めますよ・・・」
最愛の人と一緒にピアス穴を開けあう・・・この特殊な状況に
柿崎もかなり興奮していた。
「あの、僕からでいいですか?もし・・・途中で果てちゃったら
迷いが出てくるかもしれないんで・・・」
「うん・・・お願い」
冷静そうな口ぶりの空だったが、その顔は真っ赤だった・・・。
柿崎は消毒用の軟膏のチューブを開けて、ニードルをそこに浸した。
その間にピアスを開ける付近を消毒し、保冷剤を空のラビアに当てる。
「うう・・・」冷たい感触に、空の体がビクンと震えた。
(空さんのここってこんな風になってるのか)
こんなに、間近でじっくりと見るのは初めてだ。
柿崎は少しドキドキしたが、
今は集中しなければいけない時だと思い直す。
空も柿崎も緊張からか呼吸が荒くなっている。
柿崎が息を飲む音が聞こえた。
感覚が無くなってきたところで、保冷剤を外し、
油性ペンで目安となる印を付ける。
(大事な場所だけに慎重にいかないと・・・)
柿崎は細心の注意を払いながら、外側にニードル、
裏側に消しゴムで挟む形で、ラビアにニードルを貫通させていく。
「んっ!」 瞬間、声にならない悲鳴をあげる空だが、
何とか我慢しているようだ。
柿崎は無言のまま、ゆっくりと針を進めていった。
やがて途中までニードルが入り込んだところで、
筒状のなっているニードルの後ろ側にピアスの軸をはめ込み、
ピアスを貫通させていく・・・。
そうして片方が終わると、反対側も同じように付けていく。
最後にもう一度だけ確認してから、「できました・・・!」
と柿崎が言った。「う・・・うん・・・」
柿崎が離れると、空はベッドに横になる。柿崎はそれを眺めながら、
「あ、痛かったですよね・・・ごめんなさい」と言った。
空は笑顔で答える。「大丈夫。痛いというよりビックリした感じかな」
柿崎もそれを聞いて、安心した様子を見せる。
空はちょっと汗まじりに「それに、大ちゃんがくれた痛みだもの・・・」
そう言いながら 空は自分のお腹に手をやった。
柿崎も、その手を優しく握る。
二人は見つめ合ったまま、キスをした。
「次は・・・私の番かな?」傷口の消毒を終えると空が言う。
下手にじっとしているより、少し動いた方が痛みがまぎれるようだ。
「は、はい・・・」柿崎は緊張した面持ちで答える。
「こっちも大きくなってるね・・・私のに開けて興奮してた?」
空は笑いかける。
柿崎は耳まで真っ赤にしてうつむいてしまった。「・・・可愛い♪」
空はその様子を見てクスッとする。
「それじゃあ、始めるよ」
空がベッドに腰掛け足を開くと、「はい」柿崎はベッドの上で膝立ちになった。
「こんなところにピアスしたら、女の子みたいになっちゃうかもね」
空が柿崎の乳首を摘まみながら言う。既にそこは硬くなっていた。
「そ、そんな事言わないで下さいよぉ・・・」柿崎は恥ずかしそうに目を伏せる。
空は柿崎の胸に顔を近づける。そして舌先でツンとつついた。
「ひゃあっ」柿崎が思わず身をすくめる。
空は構わずに、柿崎の胸を舐め始めた。
ひどく興奮しているせいか、空はいつになく大胆だ。
普段の彼女なら絶対に見せない部分だろう。
「や、止めてください・・・」
「ふーん、でもここは喜んでるけど?」空は柿崎の股間に手を伸ばす。
「そ、それは・・」柿崎は顔を赤らめて黙り込んでしまった。
「やっぱり男の子なんだねぇ・・・」空の手の中で、
柿崎のものは更に硬さを増していく。
「もう、こんなに大きくしちゃって」空は悪戯っぽく笑う。
「だって・・・空さん・・・」
柿崎の顔には困惑の色が見える。
「じゃあ最高に気持ち良くなっているところで、始めるね・・・」
空はピンセットでニードルを先ほどのように軟膏のチューブに浸すと、
柿崎の乳首を消毒し始める。
「うっ・・・」
柿崎は歯を食い縛っているが、その顔は真っ赤になっていた。
「大ちゃん、力抜いて・・・ほら、深呼吸してみて」
空が柿崎を落ち着かせるように話しかける。
柿崎は言われるままに、大きく息を吸って吐く。
「いい子だね」空は柿崎の頭を撫でてやる。
空は柿崎の乳首にに保冷剤をを当てた。「ひっ!」冷たさに悲鳴を上げる。
「敏感な部分だから、しっかりと冷やさないとね」「は・・・はい」
(ああ・・・これで僕も空さんと同じように・・・)
柿崎の中で何かが高まっていった。
空は柿崎に感覚が無くなっているのを確認するとペンで印を付け、
ニードルを持ち、「じゃあ行くよ・・・いい?」
と柿崎に改めて確認する。柿崎は小さくうなずく。
その返事を聞いてから、空がゆっくりと消しゴムを土台にし、
乳首にニードルを差し込んでいく。
「ううう・・・」柿崎が苦痛の声を上げる。
いくら冷やして感覚が鈍っているとはいえ、小さな痛みはあった。
「我慢だよ、大ちゃん。もう少しだからね・・・」「は、はい・・・」
柿崎が空の乳首に目をやるとピアスが光っている・・・。
このピアスも以前柿崎が開けたものだ。
「もう少しで、私と同じになるよ・・・」
空が柿崎を見つめながら言う。
柿崎は照れながらも、「はい・・・」と答えた。
やがて両方の乳首にピアスは貫通した。
「大ちゃん、できたよ・・・」「は・・はい・・」
空が声をかけると、柿崎はベッドに横になる。
その胸には空動揺にピアスが輝いていた。
(今僕の胸には・・・空さんが開けてくれたピアスが・・・!)
そう思っただけで、柿崎の中で何かがはじけてしまった。
「ああぁ・・・空さん!僕・・・もう・・・んんっ!」
柿崎は自分に貫通したピアスを見た途端、それだけで達してしまった・・・。
空はクスッと笑いながら、柿崎の股間をティッシュで拭いてやった。
「はぁ、はぁ・・・うぅ、す、すみません・・・」
柿崎は赤くなり申し訳なさそうにしている。
「いいのよ・・・気持ち良かったんでしょう?」空は優しく微笑む。
「空さん・・・僕があなたに惹かれたのは、
あなたが素敵だったのもありますが、こうして同じ性癖を持って・・・
共感してくれたのもありました・・・」
柿崎は空に告白した時を思い出していた。
「うん、そうだね・・・ピアスを開けて、
こんな興奮の仕方する人なんてそうそういないもの」
空もその時の事を思い出す。
「そういった意味でも、僕にとってあなたは唯一無二の人です・・」
柿崎は真剣な眼差しで空を見る。
「ありがとう、大ちゃん・・・」
空は笑顔を浮かべた。
二人とも自分の性癖がかなり特殊であることを理解していた。
こんな性癖を晒せば大抵の人は、引くか怖がるか・・・
下手をすると嫌悪されるかもしれない。
だからこそ自分には普通の恋愛どころか恋人すら出来ない・・・
お互いそう思っていた。
しかし、そんな二人は偶然出会い、そして惹かれ合ったのだ。
「空さん・・・」柿崎は空にキスをする。
「んっ・・・」空もそれに応える。
そして舌を絡め合う。
「大ちゃんのデザインしたピアスを見てると、幸せな気分になれるのは、
大ちゃん自身がピアスそのものに、幸福を感じているからなんだね・・・」
空は自分の乳首にある柿崎がデザインしたピアスを手に取りながら言った。
「・・・・・。」柿崎は真っ赤になって何も言えない。
「いいんだよ。私はそんな大ちゃんが好きなんだから」
空は柿崎を抱き締めて耳元で囁いた。
「あ、あの、それで相談があるんですけど・・・」「何?何でも言ってみて」
「えっとですね・・・」
柿崎は少し躊躇いながら話し始めた。
「今日開けたピアス穴が安定したら、
お互いにデザインしたピアスを交換しましょう・・・
そうしたら離れていても、いつでもお互いを感じられる。」
柿崎は空に提案した。「わぁ・・・それはいいアイデアだね!」
空は嬉しそうな表情で答えた。
その夜。二人は抱き合って眠る。
まだ傷口同然のピアス穴があるせいで今日はH出来ないし、
身体にジンジンとした痛みはまだあってなかなか眠れなかったけど、
その夜の二人はとても幸福だった。
つづく
苦手な方はお気を付けください。
「・・・おはようございます。」
翌朝、空は気力だけでバイトに行った。
「あ、大沢さん、おはよー」
バイト先で、ユキヤが挨拶する。
「あれ?どうしたんです?なんか元気無いみたいだけど」
ユキヤが心配そうに声をかける。
「あ、やっぱ分かる?」空は笑顔で答えたが、胡麻化しきれなかった。
「何かあったんですか?」
「うん、ちょっとね・・・それより茶木くんもなんか顔色悪いけど?」
ユキヤの方を見ると、その顔には疲労感というか焦燥感のようなものが漂っていた。
「いや、俺の方はただ・・・体中がゾクゾクするというか、スースーするというか・・・」
「何?風邪でも引いたの?!」
「・・・もっと大沢さんのイマジネーションを超えた理由です。」
そう言ってユキヤはうなだれる。
「はぁ?!」
「あ!・・・いえいえ何でもないです!・・・てか俺の方はともかく、
大沢さんの方は、深刻度がかなり上のような気がするんですが・・・」
(・・・茶木くん、こんな時ばっかり感がいい・・・)
ユキヤの直感に驚きつつも、口では「だ、大丈夫だから・・・」と
何の説得力もない返事をしてしまう。
「ホントですかぁ?もし何かあったら言ってくださいね。」
(どうにも嫌な予感がするんだよな・・・)
ユキヤは空の事を気にかけていた。
「ありがとう。その時はお願いします。」
空は無理して笑うしかなかった・・・。
****
しかしそんなユキヤの予感とは別に空は普通に仕事をしていた。
何事もいつも通りにそつなくこなしていた・・・というかそつがなさ過ぎた。
まるでルーティンのような動きで、その顔は常に無表情であった。
「あ、あの、今日なんかありましたっけ?」
たまらずにユキヤが聞くほどに、それは異常だった。
「別に何もありませんよ?」
空の返答はこれまた無機質なもので、普段の彼女を知る者からすれば、
不気味さすら感じただろう。
その様子はバイトの終わり間際に店長が
「君なら彼女とよく話すから、相談に乗ってやって」と
ユキヤに頼んでしまうほどであった。
「まぁ、一応聞いてみます。」
「じゃあ、宜しく頼む。」
空はバイトを終えると、着替えを済ませてすぐに帰る支度をする。
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
「あ、待って、俺も一緒に帰ってもいいですか?」
「・・・いいけど。」
「えへへ、やった」
嬉しそうな顔で答えるユキヤを見て、空は少し微笑む。
「何だか、今日の大沢さんは別人のようですね」
「・・・そうかな」やはり素っ気ない態度だ。
「・・・大沢さん、何かありました?」
「特に何も」
「・・・そうですか」ユキヤは少し黙った後、
「やっぱり何かありますよね?」
「・・・・・」
空の態度にユキヤは困りつつも、
「・・・話したくないなら、話さなくてもいいですよ。
俺、店長に頼まれただけですから」
とぶっちゃけてしまう。(下手に取り繕うよりはいいよな・・・)
ユキヤからの予想外の発言に「茶木くんは、優しいんだね」と返す。
「いやいや、そんなこと無いですよ。ただ、無理はしないでくださいね。
話したくなったらでいいですから。」
「うん、分かったよ。ありがとう」
空はやっと笑顔を見せた。
「まぁ、本当に聞くだけしかできないかもですが。」
「それでもいいよ。話を聞いてくれるだけでも助かる。」
「えっ?!」
「聞いてくれたら私もスッキリするかもしれないし・・・」
「い、いいんですか?!」空からの思わぬ返事にユキヤの方が戸惑ってしまう。
「うん・・・茶木くんになら大丈夫かなって思えてきた。」
空は、それからポツリポツリと話し始めた。
「実は・・・彼氏と喧嘩したの。」
「彼氏さんとですか?」
「うん。私が一方的に別れ話をしたら、怒っちゃって・・・」
「何でそんな話を?」
「私のせいで、彼の将来に影響が出ちゃうかなって思って・・・」
「彼氏さんの将来の為ですか?」
「うん、それで彼の方が『自分の気持ちを変えるつもりはない』
って怒っちゃって・・・」
「・・・」
「私、それを聞いて物凄くうれしかった・・・そのはずなのに、
それと同じぐらい、私の存在が彼の可能性を狭めちゃうんじゃって・・・
とても怖くなった・・・」
「・・・・」
空は俯いたまま続ける。
「私だって彼といつまでも一緒にいたい・・・
でもそのために彼を犠牲にできない・・・
自分でもどうしていいのか・・・分からない・・・」
空の声は次第に絞り出すようになっていき、最後の方は涙声になっていた。
「大沢さん・・・」
「ごめんね。変なこと言っちゃって。忘れて」
空は無理に笑って見せた。
「大沢さん、彼氏さんの事が大好きなんですね。」
「・・・」
空は答えずにただ涙を浮かべていた。
(これは・・・思ったより重い)
ユキヤはどうしたものかと悩む。
「大沢さん・・・正直どう答えたらいいか分からないけど、
今の俺でもわかる事だけを言っていいですか?」
空は無言でコクリと肯く。
「俺に分かるのは・・・そのまま別れても
二人とも絶対幸せになれないという事ですよ。」
ユキヤがいつになく真剣な表情で言った。
「・・・」
空は黙っているが、その表情は泣き顔のままだ。
「話を聞くに・・・彼氏さんはもう腹を決めていると思います。」
「・・・」
「そういう人の持つ覚悟は・・・強いですよ。」「・・・」
「だから大沢さんも、彼と真摯に向き合ってください。」
「・・・」
「とにかく、このままだとお互いに後悔しかしないと思います・・・
俺に分かるのはそれだけです」
「・・・」
「じゃあ、俺はこれで失礼します。」
ユキヤは空に頭を下げると、自宅の方へと歩き出した。
***
ユキヤが去った後、空はそのまましばらく立ち尽くしていた。
そしてユキヤに言われた言葉を思い出す。「私も彼と同じくらい真摯に向き合わないといけない・・・か・・・」
空は意を決したような顔をすると、歩き出した。
2日後、
空は柿崎の家を訪ねた。インターホンを押すと、柿崎が出てきた。
柿崎の顔を見て、空の目にまた涙が浮かぶ。
「大ちゃん、会いたかった」
柿崎は何も言わず、空を抱き寄せた。
「大ちゃん、ゴメンね。
私・・・あんなこと言ったけど、やっぱり貴方を離したくないの・・・」
そう言って空は柿崎を抱きしめた。「わがままで・・・ごめんね。」
「空さん、それは僕も同じです。」柿崎も空を優しく抱き返した。
「デザインは何処でもできますけど・・・あなたは一人しかいませんから。
だったら、僕はあなたといる方を選びます。」柿崎は顔を赤くしながら言う。
「ありがとう、大ちゃん。」
柿崎の言葉を聞いた空の目には、再び涙が溢れてきた。
「ごめんね・・・大ちゃんの気持ち考えなくて」
「いえ、僕の方こそ空さんの僕を思いやる気持ちを考えていませんでした。」
「だからね・・・大ちゃんと何があっても、ずっと、ずっと一緒にいるって決めた・・・」
「空さん・・・!」
二人は見つめ合うと、自然と唇を重ね合った。
「んっ・・・」
「ちゅぱ・・・」
「ぷはぁ・・・」
柿崎は空の頬に手を当て、じっと見つめる。
「空さん、愛しています。」
「私もよ、大ちゃん。」
そう言うと、空は自分のバッグから小さな袋を取り出した。
「だからもう・・・お互い離れられないようにして・・・いい?」
「空さん・・・?」
柿崎は空の意図を察して、少し驚いた様子だった。
袋の中身はニードルと軟膏に消毒液、ニードルを固定するための消しゴム、
そして穴を定着させるためのファーストピアスだった・・・。
「新しい穴、あけちゃっていい・・・・?」
柿崎は少し戸惑った表情を浮かべたが、すぐに笑顔になった。
「もちろんです。お願いします。」
柿崎の返事を聞いて、空は嬉しそうな表情をする。
心なしか柿崎の顔も紅潮していた。
「良かった。それじゃあ・・・」
空は柿崎の耳元で「穴をあけるのはね・・・」と耳打ちする。
「え・・・・?!」柿崎が一瞬ためらう表情を見せる。
「大丈夫。痛くしないから。」
空は柿崎の手を握り、柿崎の部屋に入る。
「服脱ぎませんか・・・?」部屋に入るなり柿崎が申し出る。
「開ける場所が場所だけに普通の状態だと・・・恥ずかしくなりそうで・・・」
柿崎は照れくさそうに頭を掻いた。
「・・・そうだよね。分かったわ。」
空はクスッと笑うと、「私もちょっと緊張しているみたい」と言いながら、
上着を脱いでブラジャーを外す。
その乳首にはピアスが光っていた。「うぅ・・・」
柿崎はそれを見ると、思わず生唾を飲み込んだ。
「どうしたの、大ちゃん?」
「いや、何でもないです」柿崎は慌てて目を逸らした。
「じゃあ、ベッドに行きましょうか」
二人は並んでベッドの上に座った。
空は柿崎のへそにあるピアスを引っ張り
「私が作ったピアス、まだつけてくれてるんだ・・・」
と言う。
「当たり前じゃないですか。空さんが開けてくれたんですから」
柿崎は空の手を取り、自分の胸に持っていく。
空はその手に鼓動を感じた。「ドキドキしてるね」
「そりゃそうですよ。空さんに穴を開けてもらうなんて・・・
考えただけでゾクゾクしますよ」
「もう、大ちゃんのエッチ」そう言いながらも、空の目は笑っている。
「空さんだって、いつもより興奮してますよね?」
空の股間に手を伸ばすと、本来そこにある筈のものがない事に気付く。
「空さん・・・あの・・・毛は?」
柿崎が尋ねると、空は悪戯っぽく笑い「剃っちゃった」と答えた。
「空さん、いつの間に・・・」柿崎が驚くのも無理はない。
空のそこはツルリとしていて、まるで子供のようだったからだ。
「だって、開けるのに、邪魔だから・・・」
空は恥ずかしそうに顔を赤らめた。「・・・え?」
「ここにつけて・・・ほしい」
空はお腹を突き出すようにして言う。
「・・・わかりました」柿崎も意を決したように答えた。
柿崎は冷凍庫から保冷剤を持ってくる。
「始めますよ・・・」
最愛の人と一緒にピアス穴を開けあう・・・この特殊な状況に
柿崎もかなり興奮していた。
「あの、僕からでいいですか?もし・・・途中で果てちゃったら
迷いが出てくるかもしれないんで・・・」
「うん・・・お願い」
冷静そうな口ぶりの空だったが、その顔は真っ赤だった・・・。
柿崎は消毒用の軟膏のチューブを開けて、ニードルをそこに浸した。
その間にピアスを開ける付近を消毒し、保冷剤を空のラビアに当てる。
「うう・・・」冷たい感触に、空の体がビクンと震えた。
(空さんのここってこんな風になってるのか)
こんなに、間近でじっくりと見るのは初めてだ。
柿崎は少しドキドキしたが、
今は集中しなければいけない時だと思い直す。
空も柿崎も緊張からか呼吸が荒くなっている。
柿崎が息を飲む音が聞こえた。
感覚が無くなってきたところで、保冷剤を外し、
油性ペンで目安となる印を付ける。
(大事な場所だけに慎重にいかないと・・・)
柿崎は細心の注意を払いながら、外側にニードル、
裏側に消しゴムで挟む形で、ラビアにニードルを貫通させていく。
「んっ!」 瞬間、声にならない悲鳴をあげる空だが、
何とか我慢しているようだ。
柿崎は無言のまま、ゆっくりと針を進めていった。
やがて途中までニードルが入り込んだところで、
筒状のなっているニードルの後ろ側にピアスの軸をはめ込み、
ピアスを貫通させていく・・・。
そうして片方が終わると、反対側も同じように付けていく。
最後にもう一度だけ確認してから、「できました・・・!」
と柿崎が言った。「う・・・うん・・・」
柿崎が離れると、空はベッドに横になる。柿崎はそれを眺めながら、
「あ、痛かったですよね・・・ごめんなさい」と言った。
空は笑顔で答える。「大丈夫。痛いというよりビックリした感じかな」
柿崎もそれを聞いて、安心した様子を見せる。
空はちょっと汗まじりに「それに、大ちゃんがくれた痛みだもの・・・」
そう言いながら 空は自分のお腹に手をやった。
柿崎も、その手を優しく握る。
二人は見つめ合ったまま、キスをした。
「次は・・・私の番かな?」傷口の消毒を終えると空が言う。
下手にじっとしているより、少し動いた方が痛みがまぎれるようだ。
「は、はい・・・」柿崎は緊張した面持ちで答える。
「こっちも大きくなってるね・・・私のに開けて興奮してた?」
空は笑いかける。
柿崎は耳まで真っ赤にしてうつむいてしまった。「・・・可愛い♪」
空はその様子を見てクスッとする。
「それじゃあ、始めるよ」
空がベッドに腰掛け足を開くと、「はい」柿崎はベッドの上で膝立ちになった。
「こんなところにピアスしたら、女の子みたいになっちゃうかもね」
空が柿崎の乳首を摘まみながら言う。既にそこは硬くなっていた。
「そ、そんな事言わないで下さいよぉ・・・」柿崎は恥ずかしそうに目を伏せる。
空は柿崎の胸に顔を近づける。そして舌先でツンとつついた。
「ひゃあっ」柿崎が思わず身をすくめる。
空は構わずに、柿崎の胸を舐め始めた。
ひどく興奮しているせいか、空はいつになく大胆だ。
普段の彼女なら絶対に見せない部分だろう。
「や、止めてください・・・」
「ふーん、でもここは喜んでるけど?」空は柿崎の股間に手を伸ばす。
「そ、それは・・」柿崎は顔を赤らめて黙り込んでしまった。
「やっぱり男の子なんだねぇ・・・」空の手の中で、
柿崎のものは更に硬さを増していく。
「もう、こんなに大きくしちゃって」空は悪戯っぽく笑う。
「だって・・・空さん・・・」
柿崎の顔には困惑の色が見える。
「じゃあ最高に気持ち良くなっているところで、始めるね・・・」
空はピンセットでニードルを先ほどのように軟膏のチューブに浸すと、
柿崎の乳首を消毒し始める。
「うっ・・・」
柿崎は歯を食い縛っているが、その顔は真っ赤になっていた。
「大ちゃん、力抜いて・・・ほら、深呼吸してみて」
空が柿崎を落ち着かせるように話しかける。
柿崎は言われるままに、大きく息を吸って吐く。
「いい子だね」空は柿崎の頭を撫でてやる。
空は柿崎の乳首にに保冷剤をを当てた。「ひっ!」冷たさに悲鳴を上げる。
「敏感な部分だから、しっかりと冷やさないとね」「は・・・はい」
(ああ・・・これで僕も空さんと同じように・・・)
柿崎の中で何かが高まっていった。
空は柿崎に感覚が無くなっているのを確認するとペンで印を付け、
ニードルを持ち、「じゃあ行くよ・・・いい?」
と柿崎に改めて確認する。柿崎は小さくうなずく。
その返事を聞いてから、空がゆっくりと消しゴムを土台にし、
乳首にニードルを差し込んでいく。
「ううう・・・」柿崎が苦痛の声を上げる。
いくら冷やして感覚が鈍っているとはいえ、小さな痛みはあった。
「我慢だよ、大ちゃん。もう少しだからね・・・」「は、はい・・・」
柿崎が空の乳首に目をやるとピアスが光っている・・・。
このピアスも以前柿崎が開けたものだ。
「もう少しで、私と同じになるよ・・・」
空が柿崎を見つめながら言う。
柿崎は照れながらも、「はい・・・」と答えた。
やがて両方の乳首にピアスは貫通した。
「大ちゃん、できたよ・・・」「は・・はい・・」
空が声をかけると、柿崎はベッドに横になる。
その胸には空動揺にピアスが輝いていた。
(今僕の胸には・・・空さんが開けてくれたピアスが・・・!)
そう思っただけで、柿崎の中で何かがはじけてしまった。
「ああぁ・・・空さん!僕・・・もう・・・んんっ!」
柿崎は自分に貫通したピアスを見た途端、それだけで達してしまった・・・。
空はクスッと笑いながら、柿崎の股間をティッシュで拭いてやった。
「はぁ、はぁ・・・うぅ、す、すみません・・・」
柿崎は赤くなり申し訳なさそうにしている。
「いいのよ・・・気持ち良かったんでしょう?」空は優しく微笑む。
「空さん・・・僕があなたに惹かれたのは、
あなたが素敵だったのもありますが、こうして同じ性癖を持って・・・
共感してくれたのもありました・・・」
柿崎は空に告白した時を思い出していた。
「うん、そうだね・・・ピアスを開けて、
こんな興奮の仕方する人なんてそうそういないもの」
空もその時の事を思い出す。
「そういった意味でも、僕にとってあなたは唯一無二の人です・・」
柿崎は真剣な眼差しで空を見る。
「ありがとう、大ちゃん・・・」
空は笑顔を浮かべた。
二人とも自分の性癖がかなり特殊であることを理解していた。
こんな性癖を晒せば大抵の人は、引くか怖がるか・・・
下手をすると嫌悪されるかもしれない。
だからこそ自分には普通の恋愛どころか恋人すら出来ない・・・
お互いそう思っていた。
しかし、そんな二人は偶然出会い、そして惹かれ合ったのだ。
「空さん・・・」柿崎は空にキスをする。
「んっ・・・」空もそれに応える。
そして舌を絡め合う。
「大ちゃんのデザインしたピアスを見てると、幸せな気分になれるのは、
大ちゃん自身がピアスそのものに、幸福を感じているからなんだね・・・」
空は自分の乳首にある柿崎がデザインしたピアスを手に取りながら言った。
「・・・・・。」柿崎は真っ赤になって何も言えない。
「いいんだよ。私はそんな大ちゃんが好きなんだから」
空は柿崎を抱き締めて耳元で囁いた。
「あ、あの、それで相談があるんですけど・・・」「何?何でも言ってみて」
「えっとですね・・・」
柿崎は少し躊躇いながら話し始めた。
「今日開けたピアス穴が安定したら、
お互いにデザインしたピアスを交換しましょう・・・
そうしたら離れていても、いつでもお互いを感じられる。」
柿崎は空に提案した。「わぁ・・・それはいいアイデアだね!」
空は嬉しそうな表情で答えた。
その夜。二人は抱き合って眠る。
まだ傷口同然のピアス穴があるせいで今日はH出来ないし、
身体にジンジンとした痛みはまだあってなかなか眠れなかったけど、
その夜の二人はとても幸福だった。
つづく
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