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78.日英植民地対策会談
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――東京 田中外務大臣 岡国防大臣 過去
日本とイギリスは東南アジアのイギリス植民地について東京で会議を開いていた。イギリスの植民地についてなのだが、日本との会議はお角違いだと日本国内でそういった声があったが、日本にとっても東南アジアのイギリス植民地問題は他人事とは一概に言うことはできない。
イギリスとしては日本へ同じアジア系民族の東南アジア植民地へイギリスと仲裁に入ってもらったり経済的な支援を期待してのものだが、日本の思惑は海域防衛戦略であった。東南アジアは日本の貿易ルートの中でも重要な位置を占めており、特にマラッカ海峡の安定化は日本にとっても死活問題なのだ。
ドイツやオーストリア連邦はもちろんのこと、石油の生産地であるサウジアラビアへ行くにもマラッカ海峡を通る。イギリスの持つマラッカ植民地の安定は日本の利益に適う。
会議を呼びかけたのは日本で当初イギリスはあまり乗り気ではなかった。しかし、イギリス国内の経済学者達はこぞって日本と協議すべきだと突き上げを行い会議の開催へと至る。
日本からは田中外務大臣と岡国防大臣が出席している。
初日はイギリス領マレー植民地について現状が共有され終了となる。会議後、田中外務大臣と岡国防大臣は機密の保持の整ったとある料亭で会食を楽しんでいる。
「英領マラヤが一番の焦点ですが、独立運動の激しさではフランス領インドシナのお隣ビルマなんですね」
田中の言葉に岡も頷く。
「調べたらすぐ分かる情報しかイギリスは話をしませんでしたな。まあ、明日以降というところでしょうか」
マラッカ海峡の北にある英領マラヤは、マラッカ半島の大部分を含む植民地で三つの地域に別れている。海峡植民地、マレー連邦、非マレー連邦と三つに区分されているが、一つの地域と考えて差しさわりはないだろうと田中は思う。
なぜなら、どの地域もイギリスの直接支配が及んでいるからだ。イギリスはオーストラリア、南アメリカなどへ自治権を認めているが、この地域にも自治権を認める方針か決めかねているようだ。
現地のスルタンを中心とした自治権を認め、防衛上最重要地域であるシンガポールだけはイギリス直轄地にしてはどうかというのが田中の考えだ。
対岸のボルネオ島北部も白人系のサワラク王国とブルネイ王国へ自治を認めれば反発が起きないだろう。
「イギリスの経済学者達は日本へ期待していることが何かだいたい分かりましたよ」
「自治権を認めたほうが、イギリスの経済にとって利になることを説いて欲しいといったところですかな」
「ええ。その通りです」
岡の予想と田中の予想は合致している。植民地での軍事衝突は植民地そのものの人的資源やインフラを消耗させ、本国の軍事費や人的資源を消費する。
本国が鎮圧できたからといって、以前より低い収益しか植民地からは取れなくなってしまう。生活が困窮すると更に反乱が起き、軍事衝突が起こればより疲弊するだろう。
植民地の反発は経済的になんらメリットはないのだ。大きな反発が起きる前に自治を認めてしまい、その代わり植民地内の資源を独占的に開発できるように交渉するなど、利を取る方法はいくらでもある。
またあくまで自治で外交権は本国が持つことにすれば、勝手に他国と戦争を行うことも防止できるというわけだ。
通貨と外交を握っておけば、植民地は自主的に発展していき、収益もよりあがるという好循環ができる。しかし、植民地の防衛はイギリスが担うことになるだろう。
「英領マラヤ、ボルネオ以外の地域……ビルマとニューギニア東部は同じ対応でいけますかな?」
「ビルマは完全自治を認めること以外にも共産党対策を行うべきでしょうね」
「フランス領インドシナの隣ですからなあ」
「そのとおりです。ニューギニア東部はオーストリアの委任統治領ですので、イギリスの一存では決めれませんね。恐らくそのままじゃないでしょうか」
ビルマの自治を認めれば、インドの自治もとなるのでビルマは難しいかもしれないと田中は考える。ニューギニア島東部はオーストラリアの委任統治領という建て付け上、イギリスの一存で決めることはできないだろう。
「表向きの話はこれくらいでいいですかな?」
「ええ。この会議の目的は後二つありますからね」
田中と岡は一度コーヒーに口をつけ、二人揃って思案顔になる。
イギリスと会議をするため「表向き」はイギリス領東南アジアの植民地について協議を行いたいとしたが、イギリスならば日本が何もしなくとも自国植民地へ上手く対応していくだろう。
イギリスの経済学者の後押しがあったとはいえそれだけではイギリスもここまでやってこない。日英会議の最大の目的はオランダ領東インド(インドネシア)をいかにするかに尽きる。
日本だけでなくイギリスにとってもマラッカ海峡南部を持つオランダ領東インドが不安定のままだと貿易に支障をきたすからだ。今後自治権を与え、貿易重視の政策をとっていくなら尚更マラッカ海峡の安定が必要になってくる。
オランダ領東インドは広大な領域を持ち、オランダにとって無くてはならない植民地であることは確実で「自治権」など認めることはまずないだろう。
オランダ領東インドでもフランス領インドシナから波及した独立を求める騒ぎが勃発し、オランダ植民地軍が対応に当たっている。オランダが独立運動を押さえるのならばいい。
しかし、オランダ領東インドの騒乱は拡大し続け、地域ごとに別々の独立勢力が立っている。独立側がまとまり、独立への闘争を開始することはこの情勢下だと確率は低いだろうが、独立勢力がいくつかある状況下であってもオランダ植民地軍は鎮圧できていない。
「オランダ領東インドですな」
田中の考えが終わる頃、同じ事を考えていたであろう岡が田中に問いかける。
「ええ。オランダ単独で独立運動を抑えきることは現状難しいと思います」
「抑え切れたとしてもお互いの被害は甚大でしょうな」
「はい。日本はイギリスへ独立派を支援するよう働きかけます」
「場合によっては羽柴総理も出るとおっしゃってましたね」
「羽柴総理にはその後をお願いしたいんですがねえ」
オランダが自国の植民地東インドの独立運動を鎮圧したとしても、また近いうちに独立運動は起こるだろう。オランダが勝ち続ける限り血みどろの争いが続く。
それならいっそ日英は独立運動を支援し、オランダ領東インドを独立に導く。「例の情報」も述べていたが、日本単独でこれを行うとアメリカとイギリスの警戒を招く。
イギリスが前に出てくれればアメリカとも角が立たないので、イギリスを巻き込むことは必須条項だ。
「その後と申しますと……」
「例の日英同盟改定ですよ」
「先日国会でも協議しましたが、現時点では不可能でしょうな」
「ええ。やるならば東インドの独立が成ってからです。最初は東南アジアでの協定に限定して交渉になるでしょう」
イギリスがアメリカより日本を重視する流れに持っていくことは蜘蛛の糸を手繰るほど細い糸だろう。やってみる価値はあるが、成功確率は非常に低いと言わざるを得ない。
アメリカは満州がある限り日本との争いが先鋭化することはないだろうが、潜在的に敵対関係になる要素をはらんでいる。太平洋上で覇を競う日米両国は独仏とは言わないが、何かのきっかけで関係悪化する危険性はある。
アメリカが日本を攻めた場合、日本はアメリカの侵攻を防衛する自信が日本にはあるが、アメリカへ攻め込むことは不可能だ。
満州情勢が変わらぬ今の内になんとか道筋をつけたいものだ……
日本とイギリスは東南アジアのイギリス植民地について東京で会議を開いていた。イギリスの植民地についてなのだが、日本との会議はお角違いだと日本国内でそういった声があったが、日本にとっても東南アジアのイギリス植民地問題は他人事とは一概に言うことはできない。
イギリスとしては日本へ同じアジア系民族の東南アジア植民地へイギリスと仲裁に入ってもらったり経済的な支援を期待してのものだが、日本の思惑は海域防衛戦略であった。東南アジアは日本の貿易ルートの中でも重要な位置を占めており、特にマラッカ海峡の安定化は日本にとっても死活問題なのだ。
ドイツやオーストリア連邦はもちろんのこと、石油の生産地であるサウジアラビアへ行くにもマラッカ海峡を通る。イギリスの持つマラッカ植民地の安定は日本の利益に適う。
会議を呼びかけたのは日本で当初イギリスはあまり乗り気ではなかった。しかし、イギリス国内の経済学者達はこぞって日本と協議すべきだと突き上げを行い会議の開催へと至る。
日本からは田中外務大臣と岡国防大臣が出席している。
初日はイギリス領マレー植民地について現状が共有され終了となる。会議後、田中外務大臣と岡国防大臣は機密の保持の整ったとある料亭で会食を楽しんでいる。
「英領マラヤが一番の焦点ですが、独立運動の激しさではフランス領インドシナのお隣ビルマなんですね」
田中の言葉に岡も頷く。
「調べたらすぐ分かる情報しかイギリスは話をしませんでしたな。まあ、明日以降というところでしょうか」
マラッカ海峡の北にある英領マラヤは、マラッカ半島の大部分を含む植民地で三つの地域に別れている。海峡植民地、マレー連邦、非マレー連邦と三つに区分されているが、一つの地域と考えて差しさわりはないだろうと田中は思う。
なぜなら、どの地域もイギリスの直接支配が及んでいるからだ。イギリスはオーストラリア、南アメリカなどへ自治権を認めているが、この地域にも自治権を認める方針か決めかねているようだ。
現地のスルタンを中心とした自治権を認め、防衛上最重要地域であるシンガポールだけはイギリス直轄地にしてはどうかというのが田中の考えだ。
対岸のボルネオ島北部も白人系のサワラク王国とブルネイ王国へ自治を認めれば反発が起きないだろう。
「イギリスの経済学者達は日本へ期待していることが何かだいたい分かりましたよ」
「自治権を認めたほうが、イギリスの経済にとって利になることを説いて欲しいといったところですかな」
「ええ。その通りです」
岡の予想と田中の予想は合致している。植民地での軍事衝突は植民地そのものの人的資源やインフラを消耗させ、本国の軍事費や人的資源を消費する。
本国が鎮圧できたからといって、以前より低い収益しか植民地からは取れなくなってしまう。生活が困窮すると更に反乱が起き、軍事衝突が起こればより疲弊するだろう。
植民地の反発は経済的になんらメリットはないのだ。大きな反発が起きる前に自治を認めてしまい、その代わり植民地内の資源を独占的に開発できるように交渉するなど、利を取る方法はいくらでもある。
またあくまで自治で外交権は本国が持つことにすれば、勝手に他国と戦争を行うことも防止できるというわけだ。
通貨と外交を握っておけば、植民地は自主的に発展していき、収益もよりあがるという好循環ができる。しかし、植民地の防衛はイギリスが担うことになるだろう。
「英領マラヤ、ボルネオ以外の地域……ビルマとニューギニア東部は同じ対応でいけますかな?」
「ビルマは完全自治を認めること以外にも共産党対策を行うべきでしょうね」
「フランス領インドシナの隣ですからなあ」
「そのとおりです。ニューギニア東部はオーストリアの委任統治領ですので、イギリスの一存では決めれませんね。恐らくそのままじゃないでしょうか」
ビルマの自治を認めれば、インドの自治もとなるのでビルマは難しいかもしれないと田中は考える。ニューギニア島東部はオーストラリアの委任統治領という建て付け上、イギリスの一存で決めることはできないだろう。
「表向きの話はこれくらいでいいですかな?」
「ええ。この会議の目的は後二つありますからね」
田中と岡は一度コーヒーに口をつけ、二人揃って思案顔になる。
イギリスと会議をするため「表向き」はイギリス領東南アジアの植民地について協議を行いたいとしたが、イギリスならば日本が何もしなくとも自国植民地へ上手く対応していくだろう。
イギリスの経済学者の後押しがあったとはいえそれだけではイギリスもここまでやってこない。日英会議の最大の目的はオランダ領東インド(インドネシア)をいかにするかに尽きる。
日本だけでなくイギリスにとってもマラッカ海峡南部を持つオランダ領東インドが不安定のままだと貿易に支障をきたすからだ。今後自治権を与え、貿易重視の政策をとっていくなら尚更マラッカ海峡の安定が必要になってくる。
オランダ領東インドは広大な領域を持ち、オランダにとって無くてはならない植民地であることは確実で「自治権」など認めることはまずないだろう。
オランダ領東インドでもフランス領インドシナから波及した独立を求める騒ぎが勃発し、オランダ植民地軍が対応に当たっている。オランダが独立運動を押さえるのならばいい。
しかし、オランダ領東インドの騒乱は拡大し続け、地域ごとに別々の独立勢力が立っている。独立側がまとまり、独立への闘争を開始することはこの情勢下だと確率は低いだろうが、独立勢力がいくつかある状況下であってもオランダ植民地軍は鎮圧できていない。
「オランダ領東インドですな」
田中の考えが終わる頃、同じ事を考えていたであろう岡が田中に問いかける。
「ええ。オランダ単独で独立運動を抑えきることは現状難しいと思います」
「抑え切れたとしてもお互いの被害は甚大でしょうな」
「はい。日本はイギリスへ独立派を支援するよう働きかけます」
「場合によっては羽柴総理も出るとおっしゃってましたね」
「羽柴総理にはその後をお願いしたいんですがねえ」
オランダが自国の植民地東インドの独立運動を鎮圧したとしても、また近いうちに独立運動は起こるだろう。オランダが勝ち続ける限り血みどろの争いが続く。
それならいっそ日英は独立運動を支援し、オランダ領東インドを独立に導く。「例の情報」も述べていたが、日本単独でこれを行うとアメリカとイギリスの警戒を招く。
イギリスが前に出てくれればアメリカとも角が立たないので、イギリスを巻き込むことは必須条項だ。
「その後と申しますと……」
「例の日英同盟改定ですよ」
「先日国会でも協議しましたが、現時点では不可能でしょうな」
「ええ。やるならば東インドの独立が成ってからです。最初は東南アジアでの協定に限定して交渉になるでしょう」
イギリスがアメリカより日本を重視する流れに持っていくことは蜘蛛の糸を手繰るほど細い糸だろう。やってみる価値はあるが、成功確率は非常に低いと言わざるを得ない。
アメリカは満州がある限り日本との争いが先鋭化することはないだろうが、潜在的に敵対関係になる要素をはらんでいる。太平洋上で覇を競う日米両国は独仏とは言わないが、何かのきっかけで関係悪化する危険性はある。
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