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38.アスファルトが固まったぞ
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――翌朝
アスファルトが乾いているかどうか昨日掘った穴を見に行ってみると、見た感じアスファルトは固まっている。試しに軽く手で叩いてみると、しっかり固まっている様子だ。
小鬼のライチを連れて来て、一緒に金づちで固まったアスファルトを叩いてみると、硬い乾いた感触がしてコンコンと音が鳴る。これはいけそうな気がするぞ。
「ライチさん、どうだろう?」
「見た感じ、これで舗装できそうですね。試しにやってみますか」
「ああ。アスファルトの制作は任せるよ。その前に昨日のセメントも試してみよう」
数メートル四方、穴を掘って砂利を敷きアスファルトで舗装してみよう。穴掘りは既に石灰岩を発掘するために掘り進めている。なので、砂利だけ運んできてもらうか。
次は昨日焼き入れをした石灰灰の二種類の袋を受け取ると、少量の石灰灰を水で溶かし砂を混ぜモルタルにする。これを余った木材の破片に塗りたくりつなぎ合わせることにした。
材料が石灰岩のみと粘土も混ぜたもの二種類で同じように施行し、固まるか様子を見ることにする。さあ、どうなることやら。
「ライチさん、モルタルは昼と夕方に私が来なくても固まってるか見てもらえるか?」
「分かりました。お任せください」
「マッスルブ達にはこれから声をかけて来るので、協力してアスファルト舗装をやってみてくれないか?」
「楽しみですね。それもお任せください。ピウスさんといると非常に好奇心が刺激されます」
小鬼の人はみんな知的好奇心が豊富で手先が器用だ。俺よりよっぽど上手く試行錯誤しながら仕上げてくれるだろう。俺はきっかけを作ることはできるけど、具体的に作業を進め技術を成熟させていくのは彼らだ。
いずれ、どの亜人でも出来るようになってもらって、小鬼には技術開発をお願いしたいな。
どうにかアスファルトとモルタルの目途は立った。やることはいくらでもあるんだけど、一先ず整理してみるか。
俺は井戸から水を汲んで、コップに水を入れると丸太に腰かける。
「ピウス様ー!」
ちょうど、そこへ上空監視から戻ったティンがやって来る。彼女も休憩に水を飲みに来たのかな?
「やあ、ティン」
「休憩ですか?」
「ああ。何から手をつけようかと思ってね」
「さすが! 智謀のピウス様!」
「あまり褒めないでくれ。調子に乗ってしまうよ」
「いえいえ! 褒めてません! 事実です!」
そういうベタ褒めを受けるとものすごく照れてしまうんだけど。頭の整理の為に少しティンに付き合ってもらうか。
「ティン、建築素材については目途が立ったんだ」
「どんなのができるか楽しみです!」
「次に何からやろうかと思ってさ。やれることは多岐に渡るんだ」
「飛龍を捕まえたり、木の実や果物を捜したりですか?」
「ああ。それも必要だなあ。他には村長に聞かないとだけど、袋や服を作る為の繊維――たぶん麻が、どれくらい自生しているのかとかも一緒に調べたいね」
「衣服は常に不足してるんですよ!」
衣類は不足しているのかあ。何もかも足らないな本当に。危険なモンスターが居たからどうしても安定した採取が出来なかったんだろうな。街の外の調査は猫耳族に手伝ってもらおうと思っている。
ベリサリウスに相談して、モンスターの状況を見ながら進めよう。
「革は豊富にあるんだよ。ベリサリウス様が次々に狩猟してくるからね」
「そうですね! ベリサリウス様は大型のモンスターを狩ってくださいますし」
鱗も上質の皮も豊富にある。なめすのに時間がかかるけど、少しずつやっていけばいいだろう。これは問題ない。
「早めにやっておきたいのは、下水と汚物の処理なんだ」
「汚物は街の外に穴を掘って埋めるくらいしか無いですよね」
「そうだなあ。汚水については一つ試したいことはあるんだ。でも上下水道についてはどうやろうかなあ」
「池や川が近くにないですよね! 井戸水は豊富に出るって小鬼の人が言ってましたよ!」
「そうだなー。井戸水から水を取っても下水を流すところがないよな。まあでも汚物以外はそのまま地面に流してもいいか」
「私たちはこれまでそうしてましたよ!」
現代日本と違って、洗剤などは使わないし、石油素材も使わないから全部自然で分解されるだろうし、問題はないかなあ。いずれ、遠くの川から水を引きたいな。
水道橋を建造してかのローマのように地下に下水を通し、また川へ戻すんだ。こうすれば衛生状態が格段に良くなるはずだ。
俺が汚物の処理を気にしているのは、衛生状態が気になっているからだ。これが悪化すると病気が蔓延する......地下水が汚物で汚染され、疫病で全滅とか笑えないから......
「ピウス様、ごめんなさい! それそろ行かないと!」
「ああ、すまなかったな。頑張ってくれ!」
「ありがとうございます!」
ティンは朗らかな笑顔で俺に一礼し、仕事に戻って行った。
ん、待てよ。「自然に分解されるから」か。汚物だって自然に分解されるはずだ。俺の身近なもので考えてみるか。俺はここへ来る前、海水魚とサンゴの飼育にはまっていたんだ。
水槽の魚に餌をやると、もちろん魚はフンをする。余った餌とフンは、一部サンゴやコケに吸収されるけど全てではない。これを分解するのがバクテリアだ。
バクテリアには大きく分けて、酸素が大好きなバクテリアと酸素が嫌いなバクテリアがいる。水に空気を送り込んでかき混ぜることで、大量の空気と水が混ざりバクテリアの繁殖を促すことで水を浄化するんだ。
こうして、水槽の水は綺麗な状態で保たれるのだ。
俺達が出す汚物も魚のフンと同じ仕組みで浄化を促進することが出来ないだろうか? 具体的には汚物を水で薄め、空気を送り込むことでバクテリアの繁殖を促し綺麗な水に浄化する。
行けるかもしれないぞ。なら、何で空気を送り込む? 水車は水流が無いから使えない。となると......風車ならどうだ?
よし、小鬼と相談してみよう。風車を上手く使えるとすれば、他にもいろんなところで応用が利くから試してみる価値はあるな。
俺は昼食時にさっそく小鬼の村長と話をすることにしたんだ。
「村長殿、レンガ造りはどうですか?」
「順調に進んでおるよ。プロコピウス殿のアスファルトとモルタルはどうですかな?」
「アスファルトは本日少し道を舗装してみようと思います。モルタルは固まるのを待ってます」
「ほうほう。モルタルが出来れば家建築をはじめるかの」
「そうですね! まずは村長殿とベリサリウス様の家を造りましょう」
「ほほほ。楽しみですな」
一しきりお互いの進捗を報告しあった後、俺は村長に質問をすることにした。
「村長殿、布が不足していると聞いてます」
「ああ。ベリサリウス殿のお陰で安全に麻を採りに行くことが出来るようになったのですぞ」
「なるほど。でしたら当面は心配せずとも問題ありませんね」
「うむうむ」
「もう一つ、風車ってご存知ですか?」
「風車かの。水車じゃなくてですか?」
「水車と違って風で回転するのですけど」
「おもしろそうだの。詳しく聞かせてもらおうかの」
「了解しました。では......」
こうして俺は村長に風車について俺が知っている限り話すことになったんだ。話を聞いた村長はさっそく手のひらサイズと三十センチくらいのサイズで作成してみると言ってくれた。
材料は木材でやってみるとのことだ。
ここまではよかった......この後少し厄介なことが起こってしまう......
アスファルトが乾いているかどうか昨日掘った穴を見に行ってみると、見た感じアスファルトは固まっている。試しに軽く手で叩いてみると、しっかり固まっている様子だ。
小鬼のライチを連れて来て、一緒に金づちで固まったアスファルトを叩いてみると、硬い乾いた感触がしてコンコンと音が鳴る。これはいけそうな気がするぞ。
「ライチさん、どうだろう?」
「見た感じ、これで舗装できそうですね。試しにやってみますか」
「ああ。アスファルトの制作は任せるよ。その前に昨日のセメントも試してみよう」
数メートル四方、穴を掘って砂利を敷きアスファルトで舗装してみよう。穴掘りは既に石灰岩を発掘するために掘り進めている。なので、砂利だけ運んできてもらうか。
次は昨日焼き入れをした石灰灰の二種類の袋を受け取ると、少量の石灰灰を水で溶かし砂を混ぜモルタルにする。これを余った木材の破片に塗りたくりつなぎ合わせることにした。
材料が石灰岩のみと粘土も混ぜたもの二種類で同じように施行し、固まるか様子を見ることにする。さあ、どうなることやら。
「ライチさん、モルタルは昼と夕方に私が来なくても固まってるか見てもらえるか?」
「分かりました。お任せください」
「マッスルブ達にはこれから声をかけて来るので、協力してアスファルト舗装をやってみてくれないか?」
「楽しみですね。それもお任せください。ピウスさんといると非常に好奇心が刺激されます」
小鬼の人はみんな知的好奇心が豊富で手先が器用だ。俺よりよっぽど上手く試行錯誤しながら仕上げてくれるだろう。俺はきっかけを作ることはできるけど、具体的に作業を進め技術を成熟させていくのは彼らだ。
いずれ、どの亜人でも出来るようになってもらって、小鬼には技術開発をお願いしたいな。
どうにかアスファルトとモルタルの目途は立った。やることはいくらでもあるんだけど、一先ず整理してみるか。
俺は井戸から水を汲んで、コップに水を入れると丸太に腰かける。
「ピウス様ー!」
ちょうど、そこへ上空監視から戻ったティンがやって来る。彼女も休憩に水を飲みに来たのかな?
「やあ、ティン」
「休憩ですか?」
「ああ。何から手をつけようかと思ってね」
「さすが! 智謀のピウス様!」
「あまり褒めないでくれ。調子に乗ってしまうよ」
「いえいえ! 褒めてません! 事実です!」
そういうベタ褒めを受けるとものすごく照れてしまうんだけど。頭の整理の為に少しティンに付き合ってもらうか。
「ティン、建築素材については目途が立ったんだ」
「どんなのができるか楽しみです!」
「次に何からやろうかと思ってさ。やれることは多岐に渡るんだ」
「飛龍を捕まえたり、木の実や果物を捜したりですか?」
「ああ。それも必要だなあ。他には村長に聞かないとだけど、袋や服を作る為の繊維――たぶん麻が、どれくらい自生しているのかとかも一緒に調べたいね」
「衣服は常に不足してるんですよ!」
衣類は不足しているのかあ。何もかも足らないな本当に。危険なモンスターが居たからどうしても安定した採取が出来なかったんだろうな。街の外の調査は猫耳族に手伝ってもらおうと思っている。
ベリサリウスに相談して、モンスターの状況を見ながら進めよう。
「革は豊富にあるんだよ。ベリサリウス様が次々に狩猟してくるからね」
「そうですね! ベリサリウス様は大型のモンスターを狩ってくださいますし」
鱗も上質の皮も豊富にある。なめすのに時間がかかるけど、少しずつやっていけばいいだろう。これは問題ない。
「早めにやっておきたいのは、下水と汚物の処理なんだ」
「汚物は街の外に穴を掘って埋めるくらいしか無いですよね」
「そうだなあ。汚水については一つ試したいことはあるんだ。でも上下水道についてはどうやろうかなあ」
「池や川が近くにないですよね! 井戸水は豊富に出るって小鬼の人が言ってましたよ!」
「そうだなー。井戸水から水を取っても下水を流すところがないよな。まあでも汚物以外はそのまま地面に流してもいいか」
「私たちはこれまでそうしてましたよ!」
現代日本と違って、洗剤などは使わないし、石油素材も使わないから全部自然で分解されるだろうし、問題はないかなあ。いずれ、遠くの川から水を引きたいな。
水道橋を建造してかのローマのように地下に下水を通し、また川へ戻すんだ。こうすれば衛生状態が格段に良くなるはずだ。
俺が汚物の処理を気にしているのは、衛生状態が気になっているからだ。これが悪化すると病気が蔓延する......地下水が汚物で汚染され、疫病で全滅とか笑えないから......
「ピウス様、ごめんなさい! それそろ行かないと!」
「ああ、すまなかったな。頑張ってくれ!」
「ありがとうございます!」
ティンは朗らかな笑顔で俺に一礼し、仕事に戻って行った。
ん、待てよ。「自然に分解されるから」か。汚物だって自然に分解されるはずだ。俺の身近なもので考えてみるか。俺はここへ来る前、海水魚とサンゴの飼育にはまっていたんだ。
水槽の魚に餌をやると、もちろん魚はフンをする。余った餌とフンは、一部サンゴやコケに吸収されるけど全てではない。これを分解するのがバクテリアだ。
バクテリアには大きく分けて、酸素が大好きなバクテリアと酸素が嫌いなバクテリアがいる。水に空気を送り込んでかき混ぜることで、大量の空気と水が混ざりバクテリアの繁殖を促すことで水を浄化するんだ。
こうして、水槽の水は綺麗な状態で保たれるのだ。
俺達が出す汚物も魚のフンと同じ仕組みで浄化を促進することが出来ないだろうか? 具体的には汚物を水で薄め、空気を送り込むことでバクテリアの繁殖を促し綺麗な水に浄化する。
行けるかもしれないぞ。なら、何で空気を送り込む? 水車は水流が無いから使えない。となると......風車ならどうだ?
よし、小鬼と相談してみよう。風車を上手く使えるとすれば、他にもいろんなところで応用が利くから試してみる価値はあるな。
俺は昼食時にさっそく小鬼の村長と話をすることにしたんだ。
「村長殿、レンガ造りはどうですか?」
「順調に進んでおるよ。プロコピウス殿のアスファルトとモルタルはどうですかな?」
「アスファルトは本日少し道を舗装してみようと思います。モルタルは固まるのを待ってます」
「ほうほう。モルタルが出来れば家建築をはじめるかの」
「そうですね! まずは村長殿とベリサリウス様の家を造りましょう」
「ほほほ。楽しみですな」
一しきりお互いの進捗を報告しあった後、俺は村長に質問をすることにした。
「村長殿、布が不足していると聞いてます」
「ああ。ベリサリウス殿のお陰で安全に麻を採りに行くことが出来るようになったのですぞ」
「なるほど。でしたら当面は心配せずとも問題ありませんね」
「うむうむ」
「もう一つ、風車ってご存知ですか?」
「風車かの。水車じゃなくてですか?」
「水車と違って風で回転するのですけど」
「おもしろそうだの。詳しく聞かせてもらおうかの」
「了解しました。では......」
こうして俺は村長に風車について俺が知っている限り話すことになったんだ。話を聞いた村長はさっそく手のひらサイズと三十センチくらいのサイズで作成してみると言ってくれた。
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