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24.エラはないです
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「知ってますよお。わたしだって。地上種さんが海の中で息ができないことくらい」
「だったら無理なことは分かるだろ?」
「わたしは海の中でも平気です。どちらかというと海の中の方が元気なんです」
「話がまるで繋がらないんだけど」
「行きましょう。ビャクヤさん!」
にこおっと満面の笑みを浮かべて僕の手を取るニーナに対し、不覚にも頬が熱くなってしまった。
ち、ちくしょう。本当に見た目だけは可憐な少女なんだよな。
だがしかし、そんな顔で騙されないぞ。僕は。
ニーナに引かれる手に全力で抵抗する。
「大丈夫ですってばあ」
「ちょ」
無理やり立たされ、そのまま波打ち際まで引っ張られてしまう。
「分かった。分かったから。せめて上着は脱がせて」
「最初から脱いでいれば手間もないですよ」
下半身すっぽんぽんのニーナが何故か得意気に鼻を鳴らす。
それは違うからな。脱ぐのはあくまで上着だけ。海水パンツは脱がないぞ。
結局こうして流されてしまうんだよな。我ながら付き合いのいい男だと思うよ。
「パック、悪い。荷物を見ててもらえるか?」
「うん。あんちゃん、溺れる前に戻ってきなよ」
「そのつもりだよ」
苦虫を噛み潰したように苦渋の表情を浮かべる僕に突如抱き着いてくるニーナ。
な、なんだ。突然?
踵をあげて背伸びした彼女は僕の首筋に唇を当てた。
口を僕の首につけたまま息を吹き込んでくる彼女にたらりと冷や汗が流れ落ちる。
「何をしているんだ?」
「練習ですよお。わたしだってちゃんと分かってるんです。いきなり本番でビャクヤさんが窒息しないように」
「人間はな。首に呼吸器がない」
「そ、そうなんですかああ!」
こんなことだと思ったよ!
しかし、海の中じゃなかったのは不幸中の幸いだ。
「人間が空気を取り込むのは、鼻と口だ。首じゃあない」
「エラもないんですか?」
「エラがあったら、水の中で呼吸できるだろうがああ!」
「仕方ありません……」
「すまん。というわけで、ニーナ。ソロで頼む」
ポンと彼女の背中を押し、踵を返す。
が、彼女が後ろから僕の腰に抱き着くのだ。
逃がさぬと言わんばかりに。
「ダメですうう」
「いや、だから、首じゃあなんともならないって言っただろ」
「体勢が苦しいですが、口からなら。むちゅう」
「っつ」
するりと前に回り込んだニーナが首に腕を絡ませ僕の口を塞ぐ。
ま、マジかよ。
「うわあ。見てない、おいら何も見てないからな!」
ドン引きするパックの声で我にかえる。
ニーナから顔を離したが、首まで真っ赤になってしまった。
彼女は彼女で頬を桜色に染めているじゃないか。
キスをすることは、人魚でも意味合いが同じだったのかと少しホッとする。
「ニーナ、さすがにキスはやりすぎだ」
「ち、違います。こ、これは決してちゅうじゃなく、そ、そう。呼吸のために必要な処置なんですう」
「なんかこう、魔法で呼吸ができたりとかしないの……?」
「マーメイド族は海の中で呼吸ができます。必要のない魔法は誰も使おうとはしませんし」
「必要は発明の母ってやつだな」
「わ、わたしだって。ちゅうは恥ずかしいんですう。で、でも。ビャクヤさんと一緒に海の中に行きたかったんです」
「僕だって、海の中には行ったことがないから、見てみたいってのはあるけど」
ニーナは僕の右手を両手で握りしめ、胸の前に移動させる。
顔をあげじっと僕を見つめる彼女の目から涙が滲んでいた。
そんな顔をされても困るじゃないかよ。
島の様子を見て欲しいというのは、彼女にとってきっかけだったんだ。
僕が見たいので、彼女に見て来て欲しい。となれば、僕だってその光景に興味があるとも言える。
ニーナとしては、自分がいつも見ている海の中の世界を僕にも見て欲しいって思いがあったんだろう。
だから、「一人じゃ嫌だ」と必死で主張した……のだと思う。
「嫌ですか……? マーメイド族じゃ、いえ、わたしじゃ……やっぱり」
「そんなことはない。だけど、ニーナが、その僕と」
「わたしは平気です! ビャクヤさんが呼吸をできないのなら、わたしがお手伝いするんです」
「ちょ、おま」
僕はいいとも悪いとも言っていないのに、押し倒してきやがったああ。
いつの間にか脚がヒレに変化しているし、彼女は僕を抱きかかえたままあっという間に海の中へ。
い、息がああ。
喘ぐ僕の口を自分の口で塞ぐニーナ。
ふ、ふう。
そこで彼女は僕を抱きしめたまま浮上する。
「ぷはあ。無茶するよな、ほんと」
「息、できました?」
「うん。だけど、これは相当恥ずかしい」
「へ、変な事言わないでくださいい! 呼吸のために必要なことなんですってば!」
もう足がつかないほど深いところまできているようだった。
ここで彼女に体を離されると溺れるぞ。
ゾッとする僕は彼女の体の柔らかさなんてどこかに吹き飛ぶ。
「海に行くにしても、準備が必要なんだぞ」
「そうなんですか?」
「島が動く様子を見るって言っただろ? レバーを傾けないと島は動かない」
「一旦、戻りますう」
「頼む」
そんなこんなで愛しの陸地へ帰還した。
自分も行くとなると、先に移動の仕組みを見ておかなきゃならん。
「恐らくなんだけど、レバーの傾きによって島の動く速度が変わったりするんじゃないかと」
「おいら、空から見てくるよ」
「ありがたい。レバーの傾きを少しずつ強くしていくから、島の動きを見て欲しい」
「くあ」
さて、予想通りに動いてくれるのかどうか。
空で弧を描くカモメの姿を眺めつつ、石柱に指先を当てる。
「ふむ。なるほど。ふむふむ」
「傾ければ傾けるほど動くんだな。あんちゃん」
「だな。ほんのちょっとレバーを傾けただけだと肉眼じゃ動いているのか分からないけど」
「地面が揺れているのは分かる!」
「よし、これでいこう」
レバーを車のアクセスにたとえると分かりやすい。
僅かばかりでも傾けたら島が「移動モード」になる。目的は移動できる状態になった時の海中の様子だから、なるべく島が動かない方がいい。
動くと追いかけるのが大変だし、海の中も騒がしくなるだろ?
「では、行きましょうー」
「やっぱり僕も、だよね?」
「もちろんです!」
「分かった……」
ニーナと手を繋ぎ、波打ち際までペタペタと歩いて行く。
打ち付ける波にゴクリと喉を鳴らす……暇もなく脚をヒレに変えたニーナによって海中へ引きずり込まれてしまった。
「だったら無理なことは分かるだろ?」
「わたしは海の中でも平気です。どちらかというと海の中の方が元気なんです」
「話がまるで繋がらないんだけど」
「行きましょう。ビャクヤさん!」
にこおっと満面の笑みを浮かべて僕の手を取るニーナに対し、不覚にも頬が熱くなってしまった。
ち、ちくしょう。本当に見た目だけは可憐な少女なんだよな。
だがしかし、そんな顔で騙されないぞ。僕は。
ニーナに引かれる手に全力で抵抗する。
「大丈夫ですってばあ」
「ちょ」
無理やり立たされ、そのまま波打ち際まで引っ張られてしまう。
「分かった。分かったから。せめて上着は脱がせて」
「最初から脱いでいれば手間もないですよ」
下半身すっぽんぽんのニーナが何故か得意気に鼻を鳴らす。
それは違うからな。脱ぐのはあくまで上着だけ。海水パンツは脱がないぞ。
結局こうして流されてしまうんだよな。我ながら付き合いのいい男だと思うよ。
「パック、悪い。荷物を見ててもらえるか?」
「うん。あんちゃん、溺れる前に戻ってきなよ」
「そのつもりだよ」
苦虫を噛み潰したように苦渋の表情を浮かべる僕に突如抱き着いてくるニーナ。
な、なんだ。突然?
踵をあげて背伸びした彼女は僕の首筋に唇を当てた。
口を僕の首につけたまま息を吹き込んでくる彼女にたらりと冷や汗が流れ落ちる。
「何をしているんだ?」
「練習ですよお。わたしだってちゃんと分かってるんです。いきなり本番でビャクヤさんが窒息しないように」
「人間はな。首に呼吸器がない」
「そ、そうなんですかああ!」
こんなことだと思ったよ!
しかし、海の中じゃなかったのは不幸中の幸いだ。
「人間が空気を取り込むのは、鼻と口だ。首じゃあない」
「エラもないんですか?」
「エラがあったら、水の中で呼吸できるだろうがああ!」
「仕方ありません……」
「すまん。というわけで、ニーナ。ソロで頼む」
ポンと彼女の背中を押し、踵を返す。
が、彼女が後ろから僕の腰に抱き着くのだ。
逃がさぬと言わんばかりに。
「ダメですうう」
「いや、だから、首じゃあなんともならないって言っただろ」
「体勢が苦しいですが、口からなら。むちゅう」
「っつ」
するりと前に回り込んだニーナが首に腕を絡ませ僕の口を塞ぐ。
ま、マジかよ。
「うわあ。見てない、おいら何も見てないからな!」
ドン引きするパックの声で我にかえる。
ニーナから顔を離したが、首まで真っ赤になってしまった。
彼女は彼女で頬を桜色に染めているじゃないか。
キスをすることは、人魚でも意味合いが同じだったのかと少しホッとする。
「ニーナ、さすがにキスはやりすぎだ」
「ち、違います。こ、これは決してちゅうじゃなく、そ、そう。呼吸のために必要な処置なんですう」
「なんかこう、魔法で呼吸ができたりとかしないの……?」
「マーメイド族は海の中で呼吸ができます。必要のない魔法は誰も使おうとはしませんし」
「必要は発明の母ってやつだな」
「わ、わたしだって。ちゅうは恥ずかしいんですう。で、でも。ビャクヤさんと一緒に海の中に行きたかったんです」
「僕だって、海の中には行ったことがないから、見てみたいってのはあるけど」
ニーナは僕の右手を両手で握りしめ、胸の前に移動させる。
顔をあげじっと僕を見つめる彼女の目から涙が滲んでいた。
そんな顔をされても困るじゃないかよ。
島の様子を見て欲しいというのは、彼女にとってきっかけだったんだ。
僕が見たいので、彼女に見て来て欲しい。となれば、僕だってその光景に興味があるとも言える。
ニーナとしては、自分がいつも見ている海の中の世界を僕にも見て欲しいって思いがあったんだろう。
だから、「一人じゃ嫌だ」と必死で主張した……のだと思う。
「嫌ですか……? マーメイド族じゃ、いえ、わたしじゃ……やっぱり」
「そんなことはない。だけど、ニーナが、その僕と」
「わたしは平気です! ビャクヤさんが呼吸をできないのなら、わたしがお手伝いするんです」
「ちょ、おま」
僕はいいとも悪いとも言っていないのに、押し倒してきやがったああ。
いつの間にか脚がヒレに変化しているし、彼女は僕を抱きかかえたままあっという間に海の中へ。
い、息がああ。
喘ぐ僕の口を自分の口で塞ぐニーナ。
ふ、ふう。
そこで彼女は僕を抱きしめたまま浮上する。
「ぷはあ。無茶するよな、ほんと」
「息、できました?」
「うん。だけど、これは相当恥ずかしい」
「へ、変な事言わないでくださいい! 呼吸のために必要なことなんですってば!」
もう足がつかないほど深いところまできているようだった。
ここで彼女に体を離されると溺れるぞ。
ゾッとする僕は彼女の体の柔らかさなんてどこかに吹き飛ぶ。
「海に行くにしても、準備が必要なんだぞ」
「そうなんですか?」
「島が動く様子を見るって言っただろ? レバーを傾けないと島は動かない」
「一旦、戻りますう」
「頼む」
そんなこんなで愛しの陸地へ帰還した。
自分も行くとなると、先に移動の仕組みを見ておかなきゃならん。
「恐らくなんだけど、レバーの傾きによって島の動く速度が変わったりするんじゃないかと」
「おいら、空から見てくるよ」
「ありがたい。レバーの傾きを少しずつ強くしていくから、島の動きを見て欲しい」
「くあ」
さて、予想通りに動いてくれるのかどうか。
空で弧を描くカモメの姿を眺めつつ、石柱に指先を当てる。
「ふむ。なるほど。ふむふむ」
「傾ければ傾けるほど動くんだな。あんちゃん」
「だな。ほんのちょっとレバーを傾けただけだと肉眼じゃ動いているのか分からないけど」
「地面が揺れているのは分かる!」
「よし、これでいこう」
レバーを車のアクセスにたとえると分かりやすい。
僅かばかりでも傾けたら島が「移動モード」になる。目的は移動できる状態になった時の海中の様子だから、なるべく島が動かない方がいい。
動くと追いかけるのが大変だし、海の中も騒がしくなるだろ?
「では、行きましょうー」
「やっぱり僕も、だよね?」
「もちろんです!」
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