義妹からの嫌がらせで悪役令嬢に仕立て上げられそうになった挙句、旦那からモラハラ受けたのでブチギレます。~姫鬼神の夫婦改善&王国再建記~

しろいるか

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財政改革

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 それから三日かけて引継ぎを受けた旦那は、正式に財務大臣を拝命する。
 直後、財政改革はスタートした。

 まずは国民に対する大幅な減税だ。

 といっても、財政事情が荒れる前の状態に戻すだけなんだけど。
 まぁ色々とこまごまと新しい税を作ってるもんだ。その執念には感心する。しかも一つひとつはたいした金額じゃないっていうのも割りとあざとい。

 これなら、多少は反感も抑えられるだろう。

 でも重税には変わりない。
 大体何なのよ、この髪の毛税って。何センチ以上なら税金、何センチ以下でも税金、しかも散髪にも税金って。鬼か何かか。
 そのうち徒歩税とか導入しそうな勢いだ。
 これを徴収、管理する役人の負担も大きいし、実際、勤務時間も長くなっていた。いや、無駄すぎるやろ。非効率の極み。
 だったら役人の人手を何とかする意味もこめて、取っ払ってしまったほうがいい。

「……という内容で。至急に発出。翌朝から撤廃ね」
「わ、分かった。しかし、かなりの減税なんだな」
「元に戻っただけよ。この王国がまともだった頃にね」

 驚く旦那に、私はハッキリと返す。
 今がどれだけ異常なのかを思い知ってもらわないと。いずれ国王になるんだから。

「しかし、これでは予算が破綻してしまう」
「だからその予算も削るのよ」

 私は大臣から引き継いだ帳簿をテーブルいっぱいに広げた。
 とにかく収支がどうなっているか、だけど、まぁ事前に調べてたとおり、王家が好きに使いまくってるせいで圧迫されまくってる。
 本来、行政として割かなければならない分野にも切り詰めのメスが入っていて、もう国家としては最低限の運用にしかなっていない。

 ちょっとマズいとか、そんな次元じゃないんですけど。

 何度でも言うが、この王国は小さい。それでも成り立っているのは周囲の国家の関係やら何やらの影響も大きく、交通の要所を一つ押さえているからだ。
 さらに山から流れる大きい河川の源流もあるし、丘も多いから畜産が主要だ。その代わり農地が広くないという欠点があるが、隣国が大穀倉地帯の範囲に含まれていて、そこの一部を借地として借りることでまかなっている。

 でも、その借地の管理に手が回らなくなり始めていた。

 ここもすぐに手入れしないと。
 国民の食糧事情にダイレクトアタックである。

「一番の圧迫は王家に割り当てられた予算ね。これも、元通りに直すわよ。食事だってあんな贅沢いらないし、むしろ公務にはりきれって感じだし」

 私は羽ペンを使ってズバズバとバツ印を入れていく。
 特に義妹関係はほぼ全部カットである。むしろ返済させたいくらいだ。

「後は当面のやりくりをする一時金が必要ね。まずはあの娘の私物から切り捨てていこうかしら」
「いいのか?」
「国家予算で買ったものだし、本人飽きたっていって管理してないし。そういうものは国家の資産とするべきよ。国家が管理してるんだし。高値で売れそうなのも多いから、さっさとオークションにかけましょ。手配しなきゃ」

 審美眼があるのかないのか知らないが、義妹のワガママで蒐集されたものは高値で売れそうなレアものばかりだ。
 国庫が潤う。
 よし決定。お父様に手紙をしたためて、オークション開催の情報をもらおう。

「問題は動物たちね」
「どうするんだ? 処分するのか?」
「まさか。動物に罪はないわよ。それするくらいなら義妹を処分すべきね」

 ぴしゃりといってのけると、さすがに旦那が苦笑する。
 でも文句は言わせない。絶対に、だ。
 あの義妹がどれだけの極悪非道の所業をかましているか、徹底的に教えてやらねばならない。肉親だからって情があるのだろうが、情けをかける次元なんてとっくに突破しているのである。

「まだ彼女が世話をしているなら別だけど、これも放置してるのね」
「そうだな。牧場の農民をかり出して世話させている」
「じゃあ獣医を手配しましょう。購入して日が浅くて、野生に帰れる子は野生に戻すとして、残りはどうするか……」

 正直、超高級なレア輸入動物のほうが多い。
 どっからどうやって手に入れたか、想像もしたくない。

 うーん。

 確かにオークションで売りさばいたモノを管理費用にあてれば、しばらく持つんだろうけど、それはそれでもったいない。
 だったら――。

「動物園か、そうか、その手があったわね」
「動物園?」

 おうむ返しに聞いてくる旦那に、私は頷く。

「レアまみれの動物たちだから、適切な飼育場所を用意して、展示もするのよ。ちょっと入場料とかもらって、食費をまかなうの。もちろん疲れた国民の癒しにもなるし、観光名所としても期待できるわ」

 交通の要所もあるしね。そこを利用しない手はない。

「確か、ここらへんも義妹のわがままで王家が管理してるのよね」

 私は地図を広げて、交通の要所でも街道が重なる部分を指さす。近くに湖があって、風靡なエリアだ。
 確認すると、これまた義妹はたった一度訪れただけで、後は放置だ。別荘も何も建てられることなく、防人が一人で管理している状態だった。もったいなさすぎる。

「じゃあ、ここに動物園建築で。公共事業として職人を集めるわよ」
「その公費は、オークションの売り上げを回すんだな」
「うん。国民に稼いでもらって、豊かになってもらわないと。そうじゃないと私たちの国庫も潤わないわ」

 よーし、公共事業の手も増えた。
 手配は大変だけど、役人たちも税金徴収しなくて済むから人手余るし、大丈夫。

 後は……実行するのみ。

 そしてそれは、義妹との対決も意味していた。
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