5 / 84
婚約者の浮気現場に遭遇致しました……勘違いなさっているようですがお別れですよ?
⑤
しおりを挟む「どういうことでしょうか?」
「……だから、そのっ」
「レンティル様、説明をお願い致します」
今からシャーロット様と結婚をするつもりなのでしょうか?
では何故、わたくしとレンティル様は婚約しているのでしょう。
答えは一つ、レンティル様はシャーロット様に嘘をついているからです。
「……っ、リディア、ぼ、僕は」
レンティル様が口籠もっていると、シャーロット様がわたくしを指差しながら叫んでいます。
「この子とは金が必要だから、お金だけの目的で婚約するって……そう言っていたじゃない!!!」
「……お金、目的?」
「違うんだ!リディア……僕は君に惹かれて婚約をっ」
「…―――嘘吐きッ!信じられない!私とは結婚しないってことなの!?」
「勿論、シャーロットとはっ……いや、違う……でも!」
大粒の汗を額に浮かべながら、瞳を右往左往させるレンティル様……。
余裕と自信がたっぷりな態度はどこへやら。
いつもとは、まるで別人のようなレンティル様はシャーロット様を止めようと必死ですが、シャーロット様も自分の未来が掛かっているのです。
必死になるのも頷けます。
それにシャーロット様の発言からすると、わたくしとのこの婚約は、どうやらお金目当てだったようです。
そう聞くと、今までのレンティル様の態度もしっくりするような気がします。
というより初めから分かっていましたが……。
けれど、わたくしは"お金目当ての婚約"と言われ、明らかな浮気現場を目撃しました。
これ以上、レンティル様との結婚式の準備を進めるわけにはいきません。
涙を流して怒鳴りながらレンティル様に掴みかかるシャーロット様を横目に、わたくしは持ってきた資料を上から下に……ビリビリと破いていました。
「リディア……ッ!何をしているんだ」
「何と言われましても……結婚式の資料を破いているのです」
「何故そんなことを!?」
「何故と言われましても……」
ここまできて何故と問われるとは思わずに、わたくしはどう返事を返していいか分かりませんでした。
わたくしはレンティル様から目を離して、シャーロット様へチラリと視線を送りました。
鬼の形相をしているシャーロット様を見て、察したのでしょう。
レンティル様は言葉を詰まらせています。
「この件はお父様に報告させて頂きますね」
「なっ……!」
「では、失礼致します」
「リディアッ!待ってくれ……!」
「――レンティル!?」
「君の家からの支度金と援助がなければ、うちは……っ!」
レンティル様はわたくしを引き止めようとしているのか、必死に腕を広げています。
そうなのです。
マベール侯爵家は資金難で苦しんでいたのです。
そして縋る思いで頼ったのが、ペルーシャ子爵家であるお父様というわけです。
ですが、シャーロット様の家にはプライドや体裁があり「金がないです」とは言えなかったのでしょう。
マベール侯爵は「このことだけは内緒にしてくれ」と契約書に一番の条件として盛り込むくらいですから相当です。
わたくしは「まさか…」と思って問いかけました。
472
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
売られたケンカは高く買いましょう《完結》
アーエル
恋愛
オーラシア・ルーブンバッハ。
それが今の私の名前です。
半年後には結婚して、オーラシア・リッツンとなる予定……はありません。
ケンカを売ってきたあなたがたには徹底的に仕返しさせていただくだけです。
他社でも公開中
結構グロいであろう内容があります。
ご注意ください。
☆構成
本章:9話
(うん、性格と口が悪い。けど理由あり)
番外編1:4話
(まあまあ残酷。一部救いあり)
番外編2:5話
(めっちゃ残酷。めっちゃ胸くそ悪い。作者救う気一切なし)
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる