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"全く興味がない"それだけだった
⑥
しおりを挟むランドリゲス公爵家の都合で婚約は破棄された為、ミケーレとの婚約が持ち上がった際、ソフィーアとレンドルター家はランドリゲス公爵家との繋がりを断ち切れる筈だった。
なのにあの手この手で逃げ道を塞いできたのだ。
勿論、レンドルター伯爵家は仕方なくミケーレをあてがわれる形となり不服である。
そもそも婚約自体に不満があったのだが、受け入れるしかなかった。
ミケーレをカバーする為にランドリゲス公爵、夫人、ソリッドやマルフォでさえ動いていた。
けれどそんなランドリゲス家の努力をたった1人で帳消しにするミケーレの愚かさ。
(馬鹿で助かったわ)
ミケーレの性格に振り回されて散々な思いもしたが、助けられもしたのもまた事実。
ソリッドならばこう簡単にはいかなかっただろう。
ミケーレには今のところ決定的な不貞行為などはないが、待っていて結婚の時期が早まりでもしたらたまらない。
つまり今回が最初で最後のチャンスだ。
宴は今日で終わり。
再びミケーレとは相見えることとなるだろう。
その時までに準備を進めなければならない。
ミケーレはランドリゲス公爵達に、自分がした行いを暫くは隠すことだろう。
何故ならば、怒られるのが嫌だから。
スペックが高すぎる2人の兄と比べられ続けて捻くれる気持ちも分かる気はするが、それはソフィーアには関係のない話である。
けれど顔に出やすいミケーレが隠しておけるのは精々長くて1週間。
忙しいソリッドやランドリゲス公爵がミケーレの違和感に気付く確率は低いが、勘がいいので最短3日‥。
(ギリギリかしら‥)
その前にランドリゲス公爵達が、此方に手が出せないように周囲を固めなければならない。
その為にはと‥ソフィーアはほろ酔い気分で数枚の手紙を認めた後にパチンと指を鳴らす。
何十枚もの紙が金色の光と共に夜空の星のように煌めいて飛んでいった。
*
予想通り、5日後にランドリゲス公爵とソリッド、そしてミケーレがレンドルター伯爵家に現れた。
(ランドリゲス公爵とソリッド様か‥なかなか本気度が高いわね)
しかし許容範囲と言ったところだろうか。
3日でないだけマシだろう。
(ソリッド様まで連れてきて、あの気性の荒い王女にバレなければいいけど‥)
ソリッドの婚約者である第3王女であるマリアンナは我儘というよりは、ソリッドへの執着心が強い。
今はソリッドには余り関わりたくないというのが本音である。
そもそもソフィーアはミケーレと婚約破棄出来たことを心の底から喜んでいた。
馬車に詰め込まれた花やドレスや宝石の箱が運び出されていく。
ランドリゲス公爵とソリッドの焦っている様子を見る限り、まだ間に合うと思っているのだろう。
ミケーレはたっぷり絞られたのか、いつもより小さく見える。
(ふふっ‥可哀想)
このまま引き下がるとは全く思っていなかったが、此処に来ない方が平和に解決出来たろうに‥。
ソフィーアは自分の部屋の窓から公爵家の馬車を見下ろしていた。
侍女に支度を手伝ってもらいながら、ソフィーアはゆったりと息を吐き出した。
「お嬢様、ミケーレ様の前ですがいつものようになさいますか?」
「いいえ‥今回は貴女に全て任せるわ。とびっきり美しくして頂戴」
「ふふ、それは私の腕の見せ所ですね。やっとあのクソ野郎の鼻をあかせると思うとスッキリです」
「あらあら、口が過ぎるわよ?」
「当たり前のことを言っただけです」
屈辱的な言葉の数々を忘れたりはしない。
全てはこの日の為に耐えてきた。
そしてソフィーアはパチンと指を弾く。
ソフィーアが得意な魔法の1つである光魔法。
複数の画面に映し出された映像‥。
口紅を塗りながら扇情的に言葉を紡いでいく。
「今すぐに、わたくしを―――」
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