17 / 78
二章 サバイバル生活
①⑦
しおりを挟むそしてあっという間に島民たちに囲まれてしまった。
『ガブリエーレ様、何かしたのか!』
『お前、変! 急に、変……!』
「…………」
変だと言われても、メイジー自身もどうしてそうなったのかいまいちわかっていないため説明もできない。
『お前、ガブリエーレ様に嫌われた?』
『嫌われた、だから返された』
『役立たず……! コイツ、役立たず!』
まさか島流し先でも『役立たず』だと言われるとは思わずにメイジーは呆然とすることになる。
その間にもメイジーの扱いについて話し合われていた。
ガブリエーレに殺すなと言われた、けれど使い道もない……そんなところだろう。
(わたしが役立たず……役立たずねぇ)
メイジーの額に青筋が浮かぶ。
前世でもそう言われるのは絶対に許せなかった。
負けたくない……その思いだけで成り上がってきたのだ。
誰かに馬鹿にされたのなら、それを覆すまで走り続ける。
そうやって今まで生きてきたのだから。
「このわたしが……役立たずですって?」
メイジーは島民たちを見据えた。
『……怒った! 怒った』
『どうする? どうしたらいい……!』
どうやら彼らは言葉をよく繰り返すようだ。
戸惑う島民たちにメイジーに認めさせるにはどうすればいいのかを考えを巡らせる。
(彼らの役に立つには敵になっちゃダメ。今は仲良くすることが最優先……ここで生き抜くためにはどうすればいいの?)
メイジーは今まで経験した数少ない情報を整理する。
そしてあることを思いつく。
それは島民の信頼を勝ち取ることはできるかもしれないが、嘘がバレてしまえば死ぬという諸刃の剣である。
(ガブリエーレと島の長が何を話していたのかはわからないけど、今は言ってみるしかないのよ……!)
ここに来た経緯は島民たちには知られていない。
メイジーは大きく息を吸い込んで、そして吐き出した。
「わたしはガブリエーレ様の遣いです。先ほどあなたたちと交流を持てるようにと言葉を授かりました」
『『『……!』』』
「今日から皆さまと共にガブリエーレ様のお役に立ちますわ」
自分でこう言っておいて、何もできないことが悔しくて仕方ない。
だけど今はガブリエーレの力を借りるしか他に方法がない。
何の役に立てるのかもわからないのは、あまりにもここの情報が少なすぎるからだ。
こう言ったものの頭に羽根をつけている島の長の反応が気になるところだ。
メイジーは髪や服を整えて正々堂々と立っていた。
ピンチになった時こそ、お客様には焦ったところを見せるなと言われたものだ。
メイジーが反応を待っているが島民たちは固まっている。
次第に額に汗が滲んでいく。
(やっぱりダメだったかしら……次の手を考えないと!)
メイジーがそう思った時だった。
突然、周囲にいる人たちから雄叫びが上がる。
ウオォォッと地面が揺れているほどの声に、メイジー自身が驚いてしまう。
それからガブリエーレコールが巻き上がっている。
彼が島民たちにどんな恩恵を与えたのかが気になるところだ。
『ようこそ、我らの島へ』
『神の遣い、ようこそ!』
先ほどとは一転して、メイジーのことを歓迎してくれているようだ。
それこそ殺そうとしていたことが嘘のように……。
(とりあえずはここにいられそうね。はぁ……よかった)
メイジーは女性たちに連れられてガブリエーレが着ている布と同じものを渡された。
これに着替えろということらしい。
メイジーも神の遣い……つまりガブリエーレと近しい存在だと思われているようだ。
(次のチャンスを得たら覆す機会はいくらでもあるわよ……! 今は生き残ることを考えるの)
このままでいたら、ガブリエーレの気分次第でいつ殺されるのかわからない。
彼の気分が変わる前にメイジーが彼らにとって、必要で手放せない存在になればいいのだ。
(生きるためだったら何だってやるわ……! もう役立たずなんて言わせないんだから)
379
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる