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6話 聞き分けの無い女神サマ 5
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【名前】リルト
【種族】ハーフエルフ
【年齢】15
【職業】斥候/錬金術師/薬師
・職業スキル:身体強化・気配察知・隠密
【スキル】
・鑑定・マジックボックス
・短剣術・弓術・精霊魔法・直感
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…ふむ、基本はこんな感じでどうだろう?
コンセプトは【一人になる・隠れる・誤魔化す】だ。
【種族:ハーフエルフ】
これはチート無しで成長するためだ。
人生始まった途端【成長率10倍!いきなりレベル100までアップ!】とか面白くないし、目立ってしようがない。
が、そんなスキルが無いのであれば、強くなるにはそれなりの時間がかかる。
百科事典によれば、ハーフエルフというのは【エルフの血】の濃さによりかなり寿命に差があるらしい。純血エルフのように外見で目立たず、人間ぽい見た目で長寿になれるんだから、これ一択だろう。
【年齢】15
【職業】斥候/錬金術師/薬師
これは斥候以外は完全に【見せ札】。
隠者である錬金術師の父と薬師の母が亡くなり、生きて行くため人里に降りて来た。という転生による突然発生の違和感を消すためのカバーストーリー。両親に習っていたので、少しだけ錬金術と薬師の知識がある、という設定だ。
斥候はガッツリ【地味チート】要員。周りに人がいても「偵察」という名目で一人になればチートを使ってもバレない。
オレとしては物理用に【短剣術・弓術】を、魔法用に【精霊魔法】を高レベルで所持して、
【斥候で一人になってチート】
【隠密で隠れてチート】
【精霊魔法で「なんかオレの力じゃなくて偶然精霊様が助けてくれた」で誤魔化してチート】
こんな感じでいきたい。
【直感】スキルは【鑑定】誤魔化し要員。
鑑定はやっぱり希少スキルらしいので、転生前に神にしか解けない隠蔽をティナがかけてくれると話していた。だから【鑑定】で気づいた事を【直感】スキルのせいにしてごり押す。
・飲み物を【鑑定】したら毒入りだ!→「【直感】スキルが何かその飲み物が危険だと言っている!」
こんな感じ。
…うん。いいんじゃないかな? 後は細かいステータスやスキルレベルを調節して…
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「じゃあ行ってきま~す」
「行ってらっしゃい」
今日もティナは早朝から出勤していった。
毎日大変だなぁ、とは思うけどもう手伝える段階は過ぎてるし…
(ティナが食べてみたい、って言ってた鳥ハムでも作っておくか? ハーブも入れて)
…部屋をパッと掃除して、鳥ハムを仕込んで、軽くシャワーを浴びながらふと気づいた。
(…そういえば異世界モノの定番で"生活魔法"ってのがあったな。風呂も無く毎日タオルで身体拭くとか拷問すぎる)
シャワーから出て、キャラクリを見直そうとタブレットを点ける。
(…ん?)
そこには、
「ちょっと毛先にウェーブの付いたセミロングのプラチナブロンドを風になびかせるパッチリお目目の美少年ハーフエルフ」
がくるくる回っていた。
(…は?)
一旦タブレットをテーブルに置き、冷蔵庫から麦茶をグラスに注ぎ、一口飲んでソファーに腰かける。
(…はぁ。ティナのヤツ、いじったな)
どうやらティナはオレの作った
「薄い茶髪に可もなく不可もなくな人間顔のハーフエルフ」
がお気に召さなかったらしい。
(意見があるなら言えばいいだろ、まったく)
普段から転生後の話しをしていて、ちょくちょく気にはなっていたが、ティナはオレの【地味チート】に対して否定的だ。
完全にオレに惚れ込んでいるらしいティナは、まだ転生もしていないのに【転生後の後】の事まで考えていて、どうやら
・転生し、下界での人生を満喫する。
↓
・死亡後は下級神として転生し、ティナの直属サポートとして就職。
↓
・同居(結婚)。
こんな流れを考えているらしく、永久の時間を生きる神であるティナにとっては、下界での人生など「ほんの瞬きの間の白昼夢」程度の感覚しかないようで、そうであれば
「カッコいいイケメンになってヒーローのように活躍するところが見たい」
とか考えていて、かなり価値観の相違を感じる。
(…まぁオレも神になってしまえば、その価値観の相違も埋まるんだろうけど。今"それ"を押し付けられてもなぁ…)
どうやってティナを説得しようかを考えつつ、画面右半分のステータス欄を開く。
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【名前】リルト
【種族】ハーフ***エルフ
【年齢】15
【職業】斥候/錬金術師/薬師
・職業スキル:神体強化・気配察知・隠密
【スキル】
・鑑定・マジックボックス
・短剣の理・弓術・精霊神魔法・直感
ーーーーーーーーーー
(…ん?)
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