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4.カーテンの向こうの義兄
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(ちょっとやり過ぎちゃったかな……)
カーテンの向こうに消えた智也を思いながら反省する。
楓にとって智也は掛け替えのない存在である。
それは家族として、兄として。
――そして異性として。
母が亡くなった直後は、智也や義父と血の繋がりがないことを不安に思っていた。
しかし智也に救われ、智也を異性として意識するようになってからは、血が繋がっていなくて良かったと思えるようになっていた。
たとえ戸籍上は兄妹であったとしても、血の繋がりがなければ、結婚することができる。
わざわざ調べて、民法で定められていることまで確認した。
つまり法律的には、楓と智也が結婚する未来だってありえるのだ。
もちろんそれはできるというだけであり、実際そんな未来が訪れるかといったら、そんなことはないだろう。
楓がいくら智也を思っていても、智也は楓のことを妹としか思っていない。
この感情を智也に押しつけて拒絶されてしまったら。
ただ好きな相手に振られるのとは訳が違う。
智也に振られるということはつまり、家族を、兄を失うということだ。
母を亡くし、これ以上家族を失うことなど、楓には考えられなかった。
そんなリスクを選ぶくらいならば、この気持ちはしまっておこう。
楓は智也の妹だ。
ちょっと生意気で、でも実は甘えん坊で。
そんなどこにでもいる妹になろう。
まずは呼び方を変えた。
兄さんと呼んでいたのを、兄貴と呼ぶようにした。
友達から聞いた、男家族との接し方を参考に、強い言葉をぶつけるようにした。
これには少し抵抗があったが、心の中にいる反抗期に身を委ねたら、思った以上にスムーズに罵倒できる自分がいて驚いた。
ただ、本当に嫌っていると思われたくはないので、家事の分担はしっかりするし、甘えるときは甘えるようにした。
まあ、甘えるのは、甘えたかったからという部分の方が大きいが。
内に秘める恋心を知られたくない。
でも気がついてほしい。
そんな自分でもコントロールできない葛藤が、時々暴走してしまう。
髪の毛を乾かしてもらうのは、妹として甘えるという行為の範疇だろう。
しかし、バスローブ姿で智也の前に出るのは、明らかに女としての自分が前に出ている。
既に馴染んだ罵倒で誤魔化しているものの、いくら兄妹とはいえ人前でする格好ではないだろう。
薄い布一枚を挟んで、その内側は全裸なのだ。
谷間は丸見えだし、裾だって股下数センチしかない。
ただでさえギリギリな格好だというのに、今日は女としての自分がより強く出てしまった。
わざとバスローブの結び目を緩め、胸を露出したのだ。
智也はいつも乾いた髪を櫛で梳かしてくれる。
しかし、今日はそれがなかった。
タイミング的に、楓が胸を露出したからだろう。
見られてしまったかはわからない。
だが、明らかに智也は動揺していた。
口では興味ないようなことを言いつつも、しっかり楓の裸体を意識しているのだ。
それは女としての自分を満足させるのに十分な反応だった。
しかし一方で、妹としての自分はやりすぎだったと後悔している。
もしこれで、智也が髪を乾かしてくれなくなったら。
そう考えると、あまりに軽率な行動だった。
カーテンの向こうで智也が服を脱いでいる音がする。
楓が立ち上がると、結び目のほどけたバスタオルはそのまま床に落ちた。
完全なる裸体。
豊かな胸の頂きにある薄桃色の乳首も。
薄く茂っている艶やかな陰毛も。
肉付きの良い丸みを帯びた臀部も。
その全てが蛍光灯の下に晒されている。
もし智也がカーテンを開けたら。
楓は間違いなくその全てを見られてしまうだろう。
その瞬間を想像するだけで下腹部が熱を持ち、女陰が水気を帯び始める。
「兄さん……」
自分にしか聞こえない呟き。
楓はそっと左手を胸に、そして右手を股間へと伸ばす。
白い胸にゆっくりと五指が沈んでいく。
柔らかいそれを傷つけないように優しく揉みこむ。
ゴム毬のように張りのある乳房は、楓の細い指をそっと押し返してくる。
「んっ……!」
手のひらで包み込むようにしながら、指先でクイッと既に硬くなっている尖頭を捻る。
すると痺れるような快感が身体を貫いた。
右手は陰核を捉えていた。
包皮を押し上げ、石のように固くしこり簿吊っている桃色の肉豆。
それを指の腹で撫でるように刺激する。
女の身体で最も神経が集まっている場所。
そこからもたらされる鋭い快楽は、みるみるうちに蓄積していく。
カーテン一枚隔てたすぐ向こう側。
そこに智也がいるというのに、両手の動きは止まらない。
もし見られてしまったら、智也は幻滅するだろうか。
それとも欲情して襲ってくるだろうか。
(そうだったらいいな……)
そんな破滅願望にも似た雌の欲求が更なる快楽を貪るためのスパイスとなる。
「んっ……! うぅっ……、ふうぅ……」
右手の中指をすっかり濡れそぼった肉壺へとゆっくり沈めていく。
焼けるように熱い肉穴の表面を擦るように撫でる。
すると、じんわりとした快感が腰の内側に広がっていくのがわかった。
「くふぅ……、んんっ……!」
左手の人差し指を噛み締め、声が漏れるのを耐える。
もし淫らな声を聞かれて、不審に思った智也がカーテンを開けてしまったら目も当てられない。
ならばこんなことやめればいいのにと思うが、すっかり盛っている自分を抑える方法など楓は知らなかった。
脚が震え、立っていられなくなった楓はその場に腰を下ろすと、膝を曲げ、脚を開いた。
もちろん、カーテンのほうへ股座を晒すようにして、だ。
クチュ、クチュと股座から確かな水音が聞こえる。
家族に、兄にけっして聞かせていい音ではない。
肉壺からは絶え間なく蜜液が溢れ出し、尻を伝ってカーペットに染みを作っていく。
これから智也は楓の淫らな汁が染み込んだカーペットの上で生活することになるのだ。
そんな想像をするだけで、こぽり、と大量の蜜液がこぼれる。
「はうぅっ……、くっ……、っっっ!」
肉壺を擦りあげる指はその速度を増し、それに合わせて蜜液が白く泡立つ。
親指でこねる肉豆は痛いほどに屹立している。
軽く弾く度に、目の前が白くなるような快感が股座から襲う。
限界まで高まった快楽は、バタンと浴室の扉が閉じられた音を引き金にして一気に溢れた。
「イックうぅぅうぅ~~っ!!」
浴室の智也に届くかもしれないほど大きな嬌声が漏れる。
腰を突き出し、仰け反るようにして快楽を噴き出していく。
ガクッ、ガクッと激しく痙攣しながら、楓は悦楽の頂へと登りつめた。
やがて絶頂感が収まり、そのまま身体を横たえる。
「兄さん……」
わずか数メートル。
そんな至近距離で全てをさらけ出しているというのに、智也が私の本心に気がつくことはない。
どれだけ想いを募らせようとも、楓と智也が結ばれることはない。
そんな普通の兄妹なら当たり前のことが、どうにも苦しかった。
苦しくて、苦しくて。
こうして快楽に溺れ逃れようとしても、その苦しさは薄れるどころか深まるばかりで。
心地良い快感の余韻に浸りながら目元を濡らした。
カーテンの向こうに消えた智也を思いながら反省する。
楓にとって智也は掛け替えのない存在である。
それは家族として、兄として。
――そして異性として。
母が亡くなった直後は、智也や義父と血の繋がりがないことを不安に思っていた。
しかし智也に救われ、智也を異性として意識するようになってからは、血が繋がっていなくて良かったと思えるようになっていた。
たとえ戸籍上は兄妹であったとしても、血の繋がりがなければ、結婚することができる。
わざわざ調べて、民法で定められていることまで確認した。
つまり法律的には、楓と智也が結婚する未来だってありえるのだ。
もちろんそれはできるというだけであり、実際そんな未来が訪れるかといったら、そんなことはないだろう。
楓がいくら智也を思っていても、智也は楓のことを妹としか思っていない。
この感情を智也に押しつけて拒絶されてしまったら。
ただ好きな相手に振られるのとは訳が違う。
智也に振られるということはつまり、家族を、兄を失うということだ。
母を亡くし、これ以上家族を失うことなど、楓には考えられなかった。
そんなリスクを選ぶくらいならば、この気持ちはしまっておこう。
楓は智也の妹だ。
ちょっと生意気で、でも実は甘えん坊で。
そんなどこにでもいる妹になろう。
まずは呼び方を変えた。
兄さんと呼んでいたのを、兄貴と呼ぶようにした。
友達から聞いた、男家族との接し方を参考に、強い言葉をぶつけるようにした。
これには少し抵抗があったが、心の中にいる反抗期に身を委ねたら、思った以上にスムーズに罵倒できる自分がいて驚いた。
ただ、本当に嫌っていると思われたくはないので、家事の分担はしっかりするし、甘えるときは甘えるようにした。
まあ、甘えるのは、甘えたかったからという部分の方が大きいが。
内に秘める恋心を知られたくない。
でも気がついてほしい。
そんな自分でもコントロールできない葛藤が、時々暴走してしまう。
髪の毛を乾かしてもらうのは、妹として甘えるという行為の範疇だろう。
しかし、バスローブ姿で智也の前に出るのは、明らかに女としての自分が前に出ている。
既に馴染んだ罵倒で誤魔化しているものの、いくら兄妹とはいえ人前でする格好ではないだろう。
薄い布一枚を挟んで、その内側は全裸なのだ。
谷間は丸見えだし、裾だって股下数センチしかない。
ただでさえギリギリな格好だというのに、今日は女としての自分がより強く出てしまった。
わざとバスローブの結び目を緩め、胸を露出したのだ。
智也はいつも乾いた髪を櫛で梳かしてくれる。
しかし、今日はそれがなかった。
タイミング的に、楓が胸を露出したからだろう。
見られてしまったかはわからない。
だが、明らかに智也は動揺していた。
口では興味ないようなことを言いつつも、しっかり楓の裸体を意識しているのだ。
それは女としての自分を満足させるのに十分な反応だった。
しかし一方で、妹としての自分はやりすぎだったと後悔している。
もしこれで、智也が髪を乾かしてくれなくなったら。
そう考えると、あまりに軽率な行動だった。
カーテンの向こうで智也が服を脱いでいる音がする。
楓が立ち上がると、結び目のほどけたバスタオルはそのまま床に落ちた。
完全なる裸体。
豊かな胸の頂きにある薄桃色の乳首も。
薄く茂っている艶やかな陰毛も。
肉付きの良い丸みを帯びた臀部も。
その全てが蛍光灯の下に晒されている。
もし智也がカーテンを開けたら。
楓は間違いなくその全てを見られてしまうだろう。
その瞬間を想像するだけで下腹部が熱を持ち、女陰が水気を帯び始める。
「兄さん……」
自分にしか聞こえない呟き。
楓はそっと左手を胸に、そして右手を股間へと伸ばす。
白い胸にゆっくりと五指が沈んでいく。
柔らかいそれを傷つけないように優しく揉みこむ。
ゴム毬のように張りのある乳房は、楓の細い指をそっと押し返してくる。
「んっ……!」
手のひらで包み込むようにしながら、指先でクイッと既に硬くなっている尖頭を捻る。
すると痺れるような快感が身体を貫いた。
右手は陰核を捉えていた。
包皮を押し上げ、石のように固くしこり簿吊っている桃色の肉豆。
それを指の腹で撫でるように刺激する。
女の身体で最も神経が集まっている場所。
そこからもたらされる鋭い快楽は、みるみるうちに蓄積していく。
カーテン一枚隔てたすぐ向こう側。
そこに智也がいるというのに、両手の動きは止まらない。
もし見られてしまったら、智也は幻滅するだろうか。
それとも欲情して襲ってくるだろうか。
(そうだったらいいな……)
そんな破滅願望にも似た雌の欲求が更なる快楽を貪るためのスパイスとなる。
「んっ……! うぅっ……、ふうぅ……」
右手の中指をすっかり濡れそぼった肉壺へとゆっくり沈めていく。
焼けるように熱い肉穴の表面を擦るように撫でる。
すると、じんわりとした快感が腰の内側に広がっていくのがわかった。
「くふぅ……、んんっ……!」
左手の人差し指を噛み締め、声が漏れるのを耐える。
もし淫らな声を聞かれて、不審に思った智也がカーテンを開けてしまったら目も当てられない。
ならばこんなことやめればいいのにと思うが、すっかり盛っている自分を抑える方法など楓は知らなかった。
脚が震え、立っていられなくなった楓はその場に腰を下ろすと、膝を曲げ、脚を開いた。
もちろん、カーテンのほうへ股座を晒すようにして、だ。
クチュ、クチュと股座から確かな水音が聞こえる。
家族に、兄にけっして聞かせていい音ではない。
肉壺からは絶え間なく蜜液が溢れ出し、尻を伝ってカーペットに染みを作っていく。
これから智也は楓の淫らな汁が染み込んだカーペットの上で生活することになるのだ。
そんな想像をするだけで、こぽり、と大量の蜜液がこぼれる。
「はうぅっ……、くっ……、っっっ!」
肉壺を擦りあげる指はその速度を増し、それに合わせて蜜液が白く泡立つ。
親指でこねる肉豆は痛いほどに屹立している。
軽く弾く度に、目の前が白くなるような快感が股座から襲う。
限界まで高まった快楽は、バタンと浴室の扉が閉じられた音を引き金にして一気に溢れた。
「イックうぅぅうぅ~~っ!!」
浴室の智也に届くかもしれないほど大きな嬌声が漏れる。
腰を突き出し、仰け反るようにして快楽を噴き出していく。
ガクッ、ガクッと激しく痙攣しながら、楓は悦楽の頂へと登りつめた。
やがて絶頂感が収まり、そのまま身体を横たえる。
「兄さん……」
わずか数メートル。
そんな至近距離で全てをさらけ出しているというのに、智也が私の本心に気がつくことはない。
どれだけ想いを募らせようとも、楓と智也が結ばれることはない。
そんな普通の兄妹なら当たり前のことが、どうにも苦しかった。
苦しくて、苦しくて。
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