ある日、運命に出会いまして。

鬼塚ベジータ

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 それからは、ルークが少し黒服とバタバタとし始めたから、アルバラとは会話もなく飛行が続いた。
 アルバラには分からない難しい話だ。みんな真剣な顔をして、素早く何かに対応している。

 アルバラはずっと離宮で母と二人、特別な勉強をすることもなく育った。会話という会話もなく、母はいつも穏やかにアルバラを見守っていただけである。長く喋る機会といえば母がたまに読んでくれた絵本を読む時だけで、それ以外はアルバラは離宮でぼんやりと過ごしていた。だから会話の意味なんて理解できなくて、今もアルバラはルークと黒服のやりとりを眺めていることしかできなかった。

 たまにヘリが揺れると、ルークがさりげなく支える。視線はアルバラにはないからきっと無意識にやっているのだろう。それに嬉しいと思う反面、宝物のように扱う相手がいるということを思い出しては気分が沈む。この手はアルバラにだけ差し伸べられたものではない。アルバラと行動を共にしているのだって、ユーリウスや国王に対抗するためなのだ。

 それがなんだか悲しくて、目的地に着く頃にはアルバラはすっかり落ち込んでいた。

「ボス。王子はひとまず応接室へ」
「アルバラ、歩けるか」
「大丈夫です」

 強風にあおられながらヘリから降りると、ルークが腰を支えるようにしてアルバラを建物へと連れた。やけに大きな建物だ。内装も広くて綺麗だけど、アルバラの住んでいた離宮とは雰囲気が少し違う。
 アルバラが物珍しそうにキョロキョロとするのを尻目に、ルークは応接室へとたどり着いた。
 しかし。

「いやに遅い帰りでしたね。待ちくたびれましたよ」

 そこにはすでに男が居た。
 金の髪を長く垂らした、中性的な容姿の男だ。真っ白な服を身につけているのもあって、どこか神々しい雰囲気もある。

 男を見て声を上げたのはアルバラだった。男を見た瞬間「あっ!」と大きな声を出していた。

「あの時の……えっと……」
「レグラス・リーレンと申します。覚えていてくださったんですね」
「……なぜおまえたちが知り合いなんだ」

 ルークはひとまずアルバラを室内に連れると、レグラスの反対側のソファにうながした。ルークは訝しげにレグラスを見つめているが、レグラスの視線はずっとアルバラから離れない。

「ほら、あなたが襲撃された時、治癒も放り出して王宮からの呼び出しで側を離れたでしょう。その道中で彼と偶然出会いまして」
「声をかけられたんです。僕に、不思議な気配があるって……」
「あの時は失礼いたしました。あなたがまさか王子であるとは知らなかったもので」

 レグラスの視線が、不躾にアルバラに這う。

「その後、あなたにも情報を送ったと思うのですが……国王は自身の妃を反乱軍への切り札として捕らえました。それの追加情報があります」
「……追加?」
「国王は自身の妃だけではなく、妃の子……つまり自身の息子も捕らえようとしているとのことです。二人は離宮に閉じ込めていたのですが、妃の手によって子には逃げられたと」

 今度はルークがアルバラを見下ろした。
 アルバラは数度微かに頭を振ると、怯えるようにルークの腕を掴む。

「……それがこいつのことか。どうしてこいつは隠されていた? 国王やユーリウスがこいつを探している理由と関係があるんだろう?」
「何も話していらっしゃらないのですか?」

 レグラスの問いかけに、アルバラは素直に一つ頷く。

「殿下から……僕の存在は秘密だからって、言われて……」
「なるほど、ユーリウス殿下からの助言ですか。賢明ですね。それを誰かに漏らせば、きっと誰もがあなたを欲しがる」
「どういうことだ」
「……私は、それを知らず王子を大切に扱っているあなたに驚きを隠せませんが」

 呆れたような視線は、ピタリとひっついて座っているルークとアルバラに向けられていた。まったくの無意識だ。というより、アルバラがルークにひっつくのだから仕方がない。ルークも拒否しなかったものの、ここ最近ずっとそんな距離で過ごしていたから、慣れてしまったのだろう。

「まあいいでしょう。……王子、あなたは王宮に帰りたいですか?」

 その言葉にはやはり、アルバラは「いやです」と即答する。

「それはどうして」
「……お母様のことは心配です。でも……離宮に押しかけてきた男の人たち、みんな怖い顔をしていて……仕草も乱暴だし、殺されるんじゃないかって思うんです。それに……ユーリウス殿下が、苦手だから……」
「苦手?」
「変に触られるらしい」

 言いにくそうなアルバラの代わりにルークが答えると、レグラスの表情はまったく不思議そうな色を浮かべる。

「変に……? おかしいですね。ユーリウス殿下には婚約者が居た記憶がありますが」
「ユーリウスは俺に対して敵意剥き出しだったぞ。指一本触れるな、とのことだ」
「それはそれは、異母弟がさらわれただけにしては少々過激なセリフですね。……まあ、このように可憐な王子を前にして、惑わされるのも分からないでもないですが」
「冗談を言っている場合ではないだろう。——こいつはなぜ隠されていた」

 本題が切り出されると、アルバラはぐっと拳に力を入れる。ルークを掴んでいた手も離して、姿勢良くソファに座っていた。

「……そう言ってあげないでください。彼自身、自分のことなのに何も知らされていないのですから」
「何も……?」
「アルバラ王子。あなたは自分が何者か知りたいですか?」

 レグラスの落ち着いた青の瞳が、アルバラの心を見透かすようにじっとまっすぐに射抜いていた。

 ——どうして自分は、離宮で母と二人きりで暮らしていたのか。それを不思議に思わなかったのは、きっとアルバラが生まれた時からその環境に居て、外は怖いところだと、外に出てはいけないと、母に言われ続けたからかもしれない。

 外に出て初めて自由を知った。そしてようやく「あの環境はどこかおかしかったのかもしれない」と、そんなふうに思い始めた。

「……知りたいです。僕はどうして『秘密』にされていたのか」

 やはり不安ではあるのか、言葉尻は揺れている。けれど今度はルークに縋ることもなく、アルバラはぴしりと姿勢を正していた。

「まず、あなたの母……イレーネ様が王妃になったところから話は始まります」
「……お母様が……?」
「イレーネ王妃はそもそも平民の出身です。国王の妃になるには身分が釣り合いません。しかし……国王が強く彼女を求めたために、彼女は強引に王妃に据えられました」
「それが隠されていた原因か」

 ルークの言葉に、レグラスが笑みを深める。

「イレーネ王妃は、神の言葉を聞くことができるそうです。だからこそ、国の発展のために強引に王妃に迎えられました」
「……か、み様って……でもお母様はそんなこと一言も、」
「これまでにおかしなことはいくつかあった。アーリア海溝に落ちて生き残れたことも、野生動物に出くわしても無事だったことも、おまえに渡していた銃が使い物にならなかったこともな」
「そう、つまりアルバラ王子も、イレーネ王妃の血を継いでいる」
「……僕も」
「あなたは神に愛された子です。イレーネ王妃もそれを分かっておりました。だからこそ、あなたを利用させないために彼女は自ら離宮に引きこもりました」

 いろいろなことを言われすぎて、うまく頭が回らない。アルバラはちらりとルークを見上げた。しかしルークは興味もないのか、何かを考えるようにレグラスを見つめている。

「アルバラ自身に心当たりは?」
「ありません。そんな……絵本みたいな話……」
「絵本?」

 食いついたのはレグラスだ。けれどルークも興味があるのか、その目がふっとアルバラに落ちる。

「……子どもの頃からお母様が読んでくれていた絵本があります。……騎士様と、お姫様のお話です」
「内容は」
「お姫様はすごく神様に好かれていて、幸福な人生を送ります。ずっと恵まれていつも楽しそうでした。ですがある日、神様に愛されたお姫様の存在が脅威になると騒がれて、国を追われることになります。その時に一緒にいた騎士様と逃げて幸せになるお話です」

 レグラスが意味深にルークを見つめた。

「なんだ」
「あなたはさながら騎士様だなぁ、と」
「ふん。戯言を」

 アルバラが何かを言いかけたのを、ルークが目で制する。それにびくりと震えるだけで、結局アルバラは何を言い出すこともなかった。

「最後にはそのお話はどうなるんですか?」
「……最後には、お姫様は死んでしまいます。神様がお姫様を好きすぎて……嫉妬してしまったんだと、お母様は言っていました」
「——おそらく比喩だな。リーレン、おまえが入手した情報にそのあたりのことはなかったのか」
「あるわけがないでしょう。アルバラ王子のことは極秘とされているんですよ。いくら神官長とはいえ、そのあたりのことは教えてもらえません」
「あの……ぼ、僕はどうすれば……」

 困り顔のアルバラが、そわそわとした様子でルークを見上げた。

「何も……というかぜひ、この男に守ってもらってはいかがでしょうか? この男の機動力は国が恐れるほどですし、この男の側が一番あなたにとって安全かもしれませんよ。……もちろん、他人嫌いで有名なグレイルが頷けば、の話ですが」

 レグラスが小さくつぶやくと、アルバラは思わずルークから少し距離をとる。自分が近くにいることで不快にさせているのではないかと不安になったのだ。
 アルバラは基本的にぴったりとひっついている。それは母相手にそうだったからで、他人との距離感が分からないからである。けれどルークがそれを嫌うのであれば、嫌われたくないアルバラは離れるしかなかった。

 ルークがピクリと眉を揺らした。途端によそよそしく視線を泳がせるアルバラを見下ろして、うんざりしたようなため息を吐き出す。

「俺が頷くも何も……こんなにも価値のある男をそうそう手放すわけがない。国王にもユーリウスにも切り札になる」

 ——ルークがアルバラを側に置くのは、切り札にするため。
 そんな程度だと分かっていたはずなのに、アルバラの心は落ち込んでいくようだった。

「それでは決まりですね。アルバラ王子、私もあなたのことは国側には黙っておきます。しばらくはこの男の側で身を隠していてください」
「……お母様は……」
「イレーネ王妃も無事でしたよ。今は国王の元で、反乱軍に対抗すべく神の言葉を聞けと命ぜられているようですね。あとはあなたの居場所を吐けと、」
「酷いことをされているんですか!?」
「……いいえ、その様子もなく」

 レグラスの言葉を聞いて、アルバラはあからさまにホッと安堵の息を吐く。

「ところでグレイル、あなたはどちらにつくつもりですか? 国王か、ユーリウス殿下か」
「俺はどちらでもいい。国がどう転ぼうとも、俺には関係がないからな」
「この機にあなたと組織を一掃しようともしてくるでしょう」
「ああ、そういえばうちに潜入していたのが一人居たな。あとは反乱軍の残党が一人」

 ルークが黒服の一人に目で合図を出すと、黒服は一礼して部屋を出ていく。

「国王側からは何のアクションもないのですか?」
「分からん。ヘリでの移動中に襲撃されたが、相手は国のジェット機だった。あれがそうなのかもな」
「何があれど、アルバラ王子が側にいればあなたに危害が加わることはありませんが……少し探ってみましょうか」
「あの……レグラスさんは、ルークさんのお友達なんですか?」

 アルバラの他意もなさそうな質問に、その場はピタリと動きを止めた。
 次にはレグラスの表情が不本意そうにぐにゃりと歪む。ルークはいつものポーカーフェイスだが、雰囲気だけはレグラスと似たようなものが感じられた。

「やめてください。私がこいつと友人などと……私は仕方なく加担してやっているだけです」
「俺こそ、おまえがどうしても俺の手伝いをしたいと言うからさせてやっているだけだ」
「よく言いますね。私の治癒にどれほど救われてきたのですか」

 仲が良いのか悪いのか……幼馴染だと言っていたアレスとルークは仲が良さそうだったけれど、この二人はまた少し関係が違うらしい。

「連れてまいりました」

 言葉と共に、出て行った黒服が戻ってきた。その側には島で捕まえた反乱軍の男が、悔しそうに支えられて立っている。口には布をかまされて、撃たれた膝には包帯が巻かれていた。

 男の目が流れるようにレグラスに向けられた。そうしてゆっくりと瞠目する。この国の人間であれば、神官長であるレグラスの存在は知っているのだろう。そんなレグラスがルークと共に居ることに驚きを隠せないようだった。

「こいつが反乱軍の一人だそうだ。ユーリウス側の情報を得られるかと連れてきた」
「リスクが高いですね。この男が発信器を持っていた場合、ここの場所がバレますよ」
「対処してある」

 連れられた男はどこか縋るように、もの言いたげな瞳でアルバラを見つめる。

「……知り合いか?」

 視線に気付いたルークが問いかけたけれど、アルバラは男を見つめながらも頭を振った。

「……分かりません。あの……あなたは、ユーリウス殿下が何をしようとしているかを知っていますか?」

 アルバラが少しばかり身を乗り出した。
 男はその問いかけに一つ頷くと、ちらりと隣の黒服へと視線を移す。口の布を外せ、とでも言いたげに、男は顎を黒服へと突き出した。

「……外してやれ。自死を選んでも無駄だ。こちらには治癒師が居る」

 ルークの言葉に睨むような視線を向けると、ようやく口が解放された男は大きく息を吸い込んだ。

「王子と二人で話をさせろ」

 周囲を敵に固められても、男に怯む様子はない。
 嘲るような息を漏らすと、口を開いたのはレグラスだった。

「まさか、そのような条件を飲むとでも? あなたが王子に危害を加えない保証もなければ、ここから逃げ出さないという確証もありません」
「……俺は王子に危害は加えねぇ。逃げ出すつもりもねぇ。口約束しかできないが」
「……お、お母様が今どうしているか知っていますか?」

 必死な声音に、男はこくりと頷いた。
 アルバラはとっさにルークを振り仰ぐ。困惑しているような瞳だ。けれどお願いをしているようにも見える。

「……少しの時間ならば許してやろう」
「グレイル。やめておきなさい。今の状況で王子を奪われては、今度こそ国に消されますよ」
「ふん。返り討ちは得意だ、安心しろ」

 ルークは立ち上がると、その大きな手をポンとアルバラの頭に乗せた。

「何かをされたら大きな声を出せ。いいか。——セーフティを外して、トリガーを引く。基本も忘れるな」

 そう言って、ルークはアルバラの前に一丁の拳銃を置く。すぐにレグラスの腕を掴み上げると、やや強引にルークは部屋から出て行った。黒服たちもぞろぞろと後ろに続いて、部屋に残ったのはアルバラと男だけとなる。

「ユーリウス殿下が僕を探していますよね。あれはどうして……」
「殿下はあんたと王妃を守ろうとしている。国王は、どのような非道な手段を使ってでもあんたたちを利用するつもりだ。そうなる前にと、ユーリウス殿下が保護しようとしているだけなんだよ。……今国は大混乱だ。国王派と王子派に分かれてまともに機能していない。ユーリウス殿下は、数日でカタをつける算段を立てた」
「数日……」
「だからあんたには戻ってほしい。……今の国王がどれほど愚かで不出来な男かは知っているんだろ? 女と権力に狂ったあの男に国は任せられない。まあ、だからと言ってあんたを連れ戻して何の役に立つのかは知らねえけど……」

 男はアルバラのことを知らないようだ。その好都合な展開に、先を促すようにアルバラはゆるりと頷いてみせる。

「もう気付いているかもしれねえが、殿下はあんたにご執心だ。殿下が国王になり、国がふたたび始動した時、あの人はあんたを妃に据える」
「……え、あ、でも、殿下には婚約者の方が、」
「それも国王が勝手に決めた相手だろ。何の利益にもならない相手との婚約なんて、殿下が権力を持ったと同時に覆る」

 男が真剣な瞳で、アルバラを探るように見ていた。

「俺と一緒に、殿下のところに来てくれ。あんたは決して悪いようにはならない。むしろ、ルーク・グレイルの側にいた方が危険だ」
「……お、お母様は今……」
「イレーネ王妃は少々手荒に尋問中だ。王子の居場所を吐けと、ずっとそう詰められている」
「手荒に?」
「救いたいなら行こう。ユーリウス殿下なら、イレーネ王妃を救うことができる。……特別何かをしろとは言わない。殿下だってあんたのことを想ってんだから、近くに居ればそれだけで満足するだろう。イレーネ王妃を救いたいのなら、ここに居るべきじゃない」

 男の言葉に、アルバラはとうとう黙り込んだ。視線を泳がせて、それはすぐに手元に落ちる。
 間を置いた後、アルバラが小さく言ったのは「考えさせてください」と、それだけだった。
  
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