異世界の裏口

千代子レイ子

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2 噴水お風呂

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 マリーにメリーを見ているようにお願いし、屋敷の中を懐中電灯を持ちながら見回る。

 この屋敷は2階建てでメリーとマリーはその2階の奥まった部屋にいたことが分かった。

 屋敷の部屋は殆ど使われておらず、家具には布がかかっていて埃が凄い。そしてマリーの言うように浴室は見当たらない。

「1階に台所は発見したけど、本当にないな」

 外に出ると屋敷はボロボロで幽霊屋敷と言われてもしょうがない外観をしていた。そして屋敷の裏側にはコンサバトリーがあり、中に入るとそこはジャングル状態だった。

「凄いな……中央に噴水まである。……ん? 噴水?」

 使われてない中型噴水を見て閃いた。これを綺麗にして浴槽代わりにしよう!



「ねぇマリー、ちょっと聞きたいんだけど、裏庭にガラス張りの部屋があるの知ってる?」
「うん。そこには噴水があるんだよ!」
「そう。そこなんだけど水の出し方とか知ってる?」
「? 水? マリー出せるよ」
「本当! 良かった! じゃ、掃除道具持ってくるね!」

 こうして掃除道具を手にマリーと噴水を訪れる。

「ここに水が欲しいの?」
「うん。わかるかな?」
「任せて! ねぇ、ここにお水入れて!」

 マリーの言葉と共に水が一瞬のうちに溢れだし、直ぐに満水となった。

「……えっ。凄い……」
「これでいいの?」
「あっ、うん。ありがとう」

 原理は分からないが、とにかくこの水を使って噴水を掃除した。マリーは掃除をしている花が面白いのか自分もやりたいと、はしゃいでるので一緒に手伝って貰った。

「よし、一旦流すからマリーまたお水お願い出来る?」
「うん! またここにお水頂戴!!」

 噴水に水を貯めると花はマリーと一緒に部屋へ戻り、お風呂の準備をした。

「さ、マリーお風呂に行こう!」
「お風呂?」
「ちょっと準備が掛かるけどね。メリーちゃん、少しの間マリーを綺麗にするから待っててね」

 眠ってるメリーにそっと声をかけてからマリーと再び噴水に来た。

「今からこの噴水を、お風呂にするね」
「噴水がお風呂になるの?」
「そうよ」

 私はお風呂セットと共に持ってきたキャンプ用品を組み立てると先程の噴水と一緒に洗った石を焼き始めた。

「よし、そろそろいいかな」

 熱くなった焼き石を噴水の中に入れる。丁度良い温度になるよう調節し、準備は万端だ。

「よし! マリーお風呂だよ!」

 噴水お風呂でマリーを隅々まで綺麗にして部屋へ戻ると、メリーが目を覚ましていた。

「!! メリー!! お熱は?!」
「マリー……。うん、少し平気」
「お水いる?」
「あ、待って、マリー! 先に体温を調べてもいいかな?」
「……うん」

 メリーの熱を体温計で調べると38.2℃あった。まだまだ高いので経口補水液を飲ますとメリーは美味しいと微笑んだ。

「枕元に置いとくね。好きなときに飲んで」
「……ありがとう……」
「? 不思議な瓶だね。でも軽いからメリー1人でも持てるからいいね!」
「……うん。……助かる……」
「ゆっくり休んでね。メリーちゃん」

 メリーのベトベト頭を撫でて私は隣の部屋に行く。こちらも埃だらけだ。

「よし! 掃除するか!!」

 窓を開けてマスクをし部屋を徹底的に掃除する。おばあちゃん家にある自分の荷解きも全部終わってないが、今夜埃まみれの部屋で子供たちを寝かせる訳にはいかない。

「凄い汚れ……壁紙も張り替えたい気持ちになるわ。まぁ、それはおいおいとして、寝具を作るか!!」

 花は、おばあちゃん家にあるスノコをありったけ持って来て敷き詰める。そしてその上に簡易マットレスを置いて布団一式を敷く。これをもう1つ作れば完成!

「ねぇ、花、廊下に置いてあるテーブルとソファーどうするの?」
「うっ!…………そこに今日だけ置いてちゃ駄目かな?」
「いいよ!」

 くっそ重かったテーブルとソファーを再び戻す体力は既になくなっていたので助かる。

「花、メリーがトイレ行きたいって! 手伝って!」
「分かった!」

 ん? そう言えばトイレ見なかったけど、何処でしてるの? まさか中世ヨーロッパみたいにおまるにして外にぶん投げてるの? そ、それは勘弁して!!

「マリー、トイレって何処? 私、場所が分かんないだけど……」
「ここだよ!」

 示された場所は備え付けのクローゼットだった。メリーをお姫様抱っこしながら花は困惑する。

「え? ここ?」
「うん」

 マリーがクローゼットを開けると5段ほどの下り階段があり、この先にも扉があった。

 ここは自動ライトがつくんだね? 不思議だ。

「この先?」
「うん」

 扉を開けると一瞬だけもやが広がり小部屋へ出る。そこには便器と思われる横中央一線に切れ込みが入っていた状態の球体が置いてあった。

「これがトイレ?」
「もう降りれる……」
「じゃ、扉の前で待ってるね!」

 メリーを降ろしてマリーと扉の外に出る。だがあまりにも屋敷と雰囲気が違い、なんか少し怖い。

「ここダンジョンみたい……」
「? みたいじゃなくてダンジョンだよ?」
「へ?」
「家は南の平原ダンジョンと契約してるって、お兄ちゃんが前に言ってた」

 ちょ、ちょっと待て! おばあちゃん家がこの屋敷と繋がっていることも摩訶不思議な事なのにダンジョン? そして新情報のお兄ちゃん? マリーに聞くことがどうやらまた増えたようだ。
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