異世界の裏口

千代子レイ子

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7 金欠

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 今までは姉弟上3人が交代でミム婦人の所にいる双子を見に行っていたが、事件があり実家の屋敷に戻れるようになるとアルベルトも安心したのか笑顔で「いってきます」と手を振って出掛けた。

 お金を払っているとはいえ、他人の家に様子見として何度も訪れるのはやはり心苦しいものもあったのだろう。幽霊屋敷の外見になってしまっても実家に双子を預けて仕事場に戻るアルベルトの顔は嬉しそうだった。




 それから3ヶ月、アルベルトあるじの許可を得たので屋敷を改装している。これがまた楽しくてしょうがない!

 花は早速マリーとメリーの部屋を中心に壁の補強から壁紙の張り替え、窓の修繕をした。

 まず壁紙を可愛い桃色の花柄に変更。オリバーは白とコンクリート風に変更。アルベルトの部屋は前と同じようなバロック式にして、客間は水色とグリーンのヴィンテージダマスクにした。

 特に子供部屋は双子の意見を取り入れて改装したので、とても可愛らしいお姫様のようだ。

 メリーは特にベッドカーテンがお気に入りで桃色の薄いレースの中でビーズクッションを背に絵本を読むのが好きなのだが目と姿勢が悪くなりそうなので止めてもらいたい。


 そんな訳で好きに出来た代償に貯金を湯水のごとく使ってしまった。

「……ヤバい。お金使い過ぎた……どうしよう……」
「? 働けばいいよ!」
「いや、働いてるよ?」
「えっ? 花働いてないじゃん! お家の事しかしてない! はぁ……あのねぇ花……。お金はね、外で稼ぐんだよ?」

 マリーに世間を理解していない子供を諭すようにドヤ顔で当たり前の事を言われた……。

 (いやいや、昼間は向こうでちゃんと働いているんだけど、マリーにはまだよく分からないのかもな……)

 どうやって説明しようか考えているとオリバーが目を擦りながら現れた。

「おはよぅ……。相変わらず花さん早いね……」
「おはようじゃないよ! もうお昼! オリバーは寝坊助なだけ!!」
「いやはやマリーは手厳しい……」
「護衛の警護だったんですよね? お疲れ様です。ご飯食べますか?」
「……うん……。食べる……」

 半分まだ夢の中のオリバーが可愛く椅子に座るとマリーもお行儀良く座り始めた。

「マリー、メリーは?」
「もうすぐ来るよ」
「じゃ、3人分用意するね」
「お昼は何?」
「簡単で悪いけど、ラーメンです!」
「「ラーメン!!」」

 『ラーメン』と言う言葉で覚醒したオリバーとマリー。
 そう、ラーメンは2人の大好物。特にオリバーはインスタントラーメンが手軽で美味しいとギルドの任務時は、よく花にねだる。


 実はオリバーと再開した後、アルベルトのお願いで、オリバーがここに住むことになった。基本昼間いない花の代わりに保護者兼護衛として。

 オリバーはギルド登録している上位冒険者で主に護衛が仕事らしい。

「はーい、お待たせ! 出来たよー!!」
「「「わーい!!!」」」

 作ってる間にメリーも合流したらしく、3人は目を輝かせていた。熱いラーメンを美味しい、美味しいと喜んでいる様子を見ながらふと花は閃いた。

 (そうだ! こっちで稼ごう!! お金は金や宝石のアクセサリーを買って、向こうで換金すればいい!!)

「ねぇ、オリバーさん! こちらには商人ギルドとかある?私こっちで商売したいんだけど教えてもらえないかな?」
「ん? 商売? なら商会に入らないとね!」
「それが商人ギルド?」
「うん。商人ギルドは商会の職業斡旋所なんだ。一様、商会に入らないで個人的に商売も出来るけど、まず売れない。なぜなら信用がないからね」
「裏稼業とか怪しい商売だと思われるのね?」
「うん。商会に入って信用を得るのを断ることは出所が怪しいし、犯罪に近い危ない商品ってことだから」
「なるほど」

 オリバーの説明を受けて花は早速、商人ギルドに向かうことにした。

「あれ? オリバーさんが護衛してくれるの? でも商人ギルドくらい行けるよ? 地図もあるし……」
「駄目よ! 花は世間知らずだから危ない!!」
「……うん。私たちはお留守番してるから平気。……でも花はポヤポヤしてるから悪者に捕まっちゃう……」

 マリーとメリーに幼い子供扱いをされ、オリバーにも可哀想な子供を見る目で同情されて悲しくなった。

 (くっ、成人してるのに! 扱いが子供と同じ!!)

 でもそうだった。ここは異世界。深夜のコンビニにも女性1人で行ける安心日本じゃない。しかもよく考えれば初めて屋敷の外へ行く。

 未知数の場所を地図と説明だけで単独行動するとは正に冒険者だ。(町の中だけど……)

「……オリバーさん。商人ギルドまでお願いします……」
「うん! 任せて!!」

 力なく答える花に苦笑しながらオリバーは優しく花の頭をポンポンした。
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