「神造生体兵器 ハーネイト」 二人の英雄王伝説

トッキー

文字の大きさ
189 / 204

第185話 残りの元DG集結と作戦準備

しおりを挟む

「来たわよー緑髪のお兄様?」

「意外と質素だなこの部屋は。金持ちならバーンと贅沢してもなあ」

「まあまあ、人それぞれですからねウッシュガロー」

「だけどよウォークロード。こういうのは一番上の奴が贅沢しねえと下が委縮するんだよ」

「スプリィーテスの輩に案内されたが、ほう……若いがなかなかいい面構えをしておるなハハハハ」

「しかし、3人はともかくわしとドウラは初めてだ。どうしたものか」

「おじいさん、よりによってまじか……仕方ない。全員の話を聞きましょう」

 ハーネイトは彼らを見ながら、見たことがない人についてどうしようかと思いながらも、おそらくスプリィーテスが呼んできた人だろうと思い、全員に対し室内のソファーに座るように指示をする。

 それから全員座った後、一呼吸おいてハーネイトはとりあえず名前を知っている者から自己紹介などをしてもらうように指示を出した。

「まずエスメラルダから、一応もう一度自己紹介してもらいましょうか」

 まず最初に、緑髪の少女が自己紹介をする。彼女はエスメラルダ・ミシェル・サイシアといい、霊量子を操り超常現象を引き起こすサイキッカー的な能力を持つ強力な霊量士である。彼女は過去の生い立ちとDG加入の経緯について話をする。

「私のいた国も、DGに襲われもうめちゃくちゃだったわ。それに乗じて反乱勢力も大暴れで、私の親と兄、妹はそのせいで行方が知れないのよね。たぶん……うん。逃げているときにあのおじさまに助けられ、連れてこられたのがDGだったのよ」

 彼女の話を一通り聞いたハーネイトは、DGのような組織をこれ以上好きにさせる者かと思い、握る拳の力を強くする。次にウッシュガロー・バスティアンガーという少々やさぐれた男が名乗りを上げる。

「俺も実はヴァンと同じ生まれの星でな。自然豊かで、のどかなところだったんだがな。星にある資源を狙いに奴らは襲ってきた。戦うすべをあまり持たない俺たちは一方的にやられた。俺もその時に重傷を負い死を待つだけだったが、そこにあのスプリィーテスという爺とミタカが訪れてな、俺を助けてくれたのさ」

 このウッシュガローと、既に仲間に加わっているヴァンは同じ星の生まれであることが分かり、ハーネイトは驚いていた。その中で、ヴァルターたちもそうだがスプリィーテスという男が積極的に彼らを助け仲間にしていることを理解し自分ももっとそうでありたいと思うのであった。

「ええ、僕は元々異世界の住民です。どんな攻撃も効かない吸血鬼みたいなのに襲われ、絶体絶命の場面で僕は異世界に飛ばされここに来たようで、右も左もわからない中言葉がどうにか通じそうな人に声をかけたのですが、その人がスプリィーテスさんでした」

 次にミタカと名乗る若い男が一礼して自己紹介をする。なんと彼は地球から転移現象によりでこの世界にやってきた人物であり、ハーネイトも興味津々な眼差しを彼に向ける。

「吸血鬼、だと?」

「そうですハーネイトさん。何か気になることが」

「もしかして、その吸血鬼は血徒と名乗ってなかったか?攻撃が効かないと言っていたが」

「そ、そうなのですか。あれが現れた前後に、血の海みたいなのが街を襲って飲み込んで」

「当たりか……別世界にまで被害が」

「貴方はそれを知っているのですね、時間のある時に色々聞かせてください」

 ハーネイトはミタカの話から、別世界にてかつて自分を初めとした血の怪物こと血徒が暴れており、それに対抗できる存在を集めたチーム、血徒再葬機関のことを思い出しつつ彼に対し、知っていることを後で全て話すと約束した。

「おほん、あたしゃドウラ・コルニチカじゃ。長いこと盗賊稼業しておったがのう、あの腐れ爺に捕まっての、仕方なく協力関係を結んでおったわけじゃ。だが、話には聞いておる。あんたの活躍についてじゃよ」

 問題はスプリィーテスが連れてきたと思われる中年のいかつい女性と、ワイルドな格好をした剣士であった。2人ともハーネイトの話を聞いて、合流したいと申し出てきたようである。

「俺ぁマルクス。マルクス・ガブリエル・オルソミアス。DGで第一突撃隊長をしていたものだが、やべえもの見ちまって暗部に追われていたところを、あの爺さんが拾ってくれたわけだ。DGの研究は、恐ろしいものばかりだ」

 最後にマルクスが名乗り、これで残りの今集まったメンバーについて情報を得たハーネイトは、流すように彼らを見ながら思っていることを口に出した。

「こうも一気に戦力が……幸い皆さん個性的なのが……」

「喧嘩売ってるのか?」

「そうではない、ウッシュガロー。戦いにおいては専門性もまた重要、というか仕事全般そうですけど。だからこそどういう戦い方や間合いがいいのかを頭に入れておかないと」

「そういうことか、まあそうだな」

「私はどの間合いでもいけるわよ。サイコキネシスの射程は長いんだから」

「見ての通り、俺はヴァンと同じガンナーだ、あいつと同じ運用で構わねえ」

「私はサポートタイプなのであまり前線には……その代わり、諜報や情報収集は自信ありますよ、ええ」

「にしては大きな剣を背負っているのだな、ミタカさんは」

 エスメラルダは超能力者らしく、念力で色々動かしたり、風を起こして攻撃などを行うのに長けているという。ウッシュガローは、背中に担いだ長銃からガンナーであることは明白だが、同じ星出身のヴァンとは戦い方が異なるという。そんな中異様に目立つのはミタカが持っている両端が刃となった大剣であった。

「ええ、仕方なく持たされていますが……故郷では武器を持つことなどほとんどなくてですね」

「支援が得意な感じか、人には得手不得手あるし、適する場所で働いてもらうだけだけどね。それで、貴女は……突撃型?機関銃と包丁のような刃物、の組み合わせか」

「へへへ、そうじゃよ。元々盗賊長いことしてたからねえ、速やかに行動を奪うにはこういうのがいいのさハハハ」

「……確かに、私も相手によっては割と似た組み合わせでやりますからね。んで、マルクスさんは、言わずもがなですね」

「この盾剣で、前線に突っ込んで暴れまわる。そういうことだ」

「あのギルド長と似ているな、マースメリアのアブラギッテン……元気にしているだろうか」

「ほうぅ、俺と同じ武器を持っている輩がいるとはな。面白い」

 こうして全員の特技や戦い方について聞いて確認したハーネイトは、戦力の割り振りを後で行うことを決めてから話の話題を変える。なぜDGに入っていたのかということである。

「皆さん、様々な理由でDGに入っていたわけですね」

「そうじゃよ、まあ大体はあのじじい絡みなんじゃがな」

「そうね、ある意味命の恩人だけれども何を考えているか分からないところはあるわ」

「そんでもって、この星出身ってのがな」

 ハーネイトは一通りもう一度、DGに加入した経緯を聞き、いかにDGという組織が多くの星々を痛めつけ、悲しみの雨を降らせてきたかを思い知らされ憤りを隠せずにいた。

 だからこそ、自分は彼らが安定した生活を送ることができるようにするのが仕事だと思い、それと同時にこれから迫る脅威にどう戦える人たちが集まり、参加してもらえるか仕組み作りも求められるなと考えていた。

「ハーネイトさん、でしたか。今までの分を清算するという意味でも、ここで働かせてください」

「DGを潰すためなら、全力でやるわ。あいつらさえ来なければ、私は家族と一緒に暮らせていた」

「ああ、ヴァンの野郎もいるならついていかねえ理由はねえ、頼むぜ」

「まだ生きている敵の幹部どもの情報を渡す、それでいいか? 」

「大分年を取っちまったが、せいぜい使いつぶしてくれよ。お前みたいな若者が多ければ、わしも盗賊なぞにならんかったじゃろうが」

「では、皆さんの編入手続きをしますのでこの書類に必要事項を書いてください」

 新たに加入した、DGに属していた脱退組はハーネイトの軍門に下り、新たな生活を手に入れることができた。形式上の書類を全員がきちっと書き、一通り目を通したハーネイトは、改めて彼らを歓迎したうえで、これからの作戦に関して話をする。

「こちらも情報の整理と作戦準備に時間をとらせていただくので、3日後の昼過ぎに全員参加の作戦会議を開くということでいいでしょうか」

「ああ、こちらも準備をしたいのでね」

「万全の状態で臨めるようにしておくわ」

 こうして、3日後の作戦会議に向け、ハーネイトも含めたメンバー全員は各自必要な道具をそろえたり、休息を取ったりと新たな戦いに向けた準備をしていたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

R・P・G ~転生して不死にされた俺は、最強の英雄たちと滅ぼすはずだった異世界を統治する~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の取材中、異世界の大地の女神と接触する。 そのまま半ば強制的に異世界へと転生させられた彼は、惑星そのものと同化し、“星骸の主”として不死の存在へと変貌した。 だが女神から与えられた使命は、この世界の生命を滅ぼし、星を「リセット」すること。 凛人はその命令を、拒否する。 不死であっても無敵ではない。 戦いでは英雄王に殴り倒される始末。しかし一つ選択を誤れば国が滅びる危うい存在。 それでも彼は、星を守るために戦う道を選んだ。 女神の使命を「絶対拒否」する不死者と、裏ボス級の従者たち。 これは、世界を滅ぼさず、統治することを選んだ男の英雄譚である。

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日ごろに発売となります。 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...