溶かしてくずして味わって

本編

6

「……い、おり……？♡……ッひ♡ぅ♡」
「まだ寝ちゃ駄目だよ、吉野」

　何をするつもりなのか、と尋ねる前に後孔に指が這わされる。伊織はローションを纏わせた指を二本まとめて挿入すると、そのままばらばらと動かし始めた。指の腹で的確に弱点ばかり押し潰され、かくかくと小刻みに腰が揺れる。

「っ、ぁ……！♡♡むり♡きゅう、けぇ……っ♡♡させ……♡ひ♡イっ♡……～～～～ッ！♡♡」
「何も考えられないくらい気持ち良くしてあげるから、ね」
「ッあ！？♡♡い、きなり♡だめ……ッ♡♡」

　指はすぐに抜かれ、代わりに硬度を取り戻した剛直が一気に突き立てられる。散々蹂躙された身体は僅かな抵抗を見せるものの、すぐに奥まで迎え入れてしまった。

「ぁ♡……ん♡……ふ♡……～～～～ッ♡♡」
「ふ……吉野の中、ぎゅう♡って絡みついてくる……」
「ん♡……ぐ♡ぅ♡……ッ？♡♡」

　ちゅぽ♡と亀頭だけを残し、ぎりぎりまで引き抜いたかと思うと今度はゆっくりと時間をかけて挿入される。じくじくとした疼きを訴える胎内を満遍なく擦られ、後孔を犯す屹立の形を覚え込ませるように何度も抜き差しを繰り返される。

「ふ、ぅ゛♡ん゛……～～～～♡ッく♡……ぁ♡」

　枕に顔を埋めたまま、緩慢な動きで首を横に振る。これ以上ないほど蕩けた身体ではもうまともに声すら出せない。

「……ぁ゛♡んん……ッ♡……ッ？♡♡」

　奥の壁にこつん♡と先端を押し付けられた途端、ぴたりと動きが止まった。余すところなく中を満たされたまま、優しく髪をかき混ぜられる。つ、と背中をなぞられるとぞくぞくとした感覚が身体の奥底から這い上がってきた。

「ぇ、あ……！♡♡……ふ、ぅ♡……～～～～ッ！！♡♡」

　一番深いところに先端を当てられた状態で静止されると、まるでキスでもしているかのように結腸口がくぷ♡と先端に吸い付いてしまう。じわじわと与えられる熱に絡め取られ、頭の中が快楽で塗りつぶされていく。

「ひっ♡……～～～～♡ん゛♡ぉ♡……～～～～！♡♡」

　少しでも快楽を逃そうと身を捩れば、その分深く埋め込まれた楔が襞をぐり♡と押し上げてくる。結局どうすることもできずにただひたすらゆらゆらと全身を満たす甘さに耐えるしかない。

「い、おり♡も……♡きもちい、の♡やらっ♡♡ぁ♡……ッ♡からだ♡♡とけ、ちゃ……♡」
「うん、どろどろになって俺のことしか考えられなくなるまで溶けちゃおうか」
「ぁ♡……～～～～ッ！♡♡……ひ、ぐ♡……────！♡♡」

　ぐぽ♡という音と共に最奥が割り開かれ、ばちばちと目の前に火花が散る。同時に今までとは比べ物にならないほどの快感に襲われ、喉が仰け反る。

「すご……結腸の奥、きゅうきゅう吸い付いてくる……」
「ッひ♡ぁ♡……ぅ゛♡う♡……～～～～！♡♡」

　最奥のその先をこねるように小刻みに腰を動かされると、意識が飛びそうになるほどの衝撃に襲われる。全身を駆け巡る甘い痺れに呼吸の仕方さえ忘れてしまいそうで、はくはくと唇を動かすことしかできない。

「息は止めないで、大丈夫……ほら、ゆっくり吸って」
「は♡ふ♡……～～～～♡ん゛♡ぅ♡……ッ♡♡」

　耳元で囁かれる言葉に従うと、少しずつ思考が覚醒する。しかし次の瞬間には再び身体を揺さぶられて視界に星が舞った。

「ッひ♡ぃ゛♡やぇ♡おぐ♡とん、とん……って♡らめ……ッ♡♡」
「本気声もえろくてかわいいね、もっと聞かせて？」
「ぉ゛♡お♡……～～～～♡♡おく♡はいっちゃ、だめなとこ……ッ♡♡き、て♡……～～～～ッ！！♡♡」

　ばちゅっ♡どちゅっ♡と容赦のない抽挿が繰り返される度、行き止まりの壁に亀頭が何度もぶつかる。暴力的なまでの快感に攫われる寸前のところで踏みとどまっていると、濡れた唇の隙間から指が入り込んできた。

「あ♡ぁ゛♡……ッ♡♡ん♡く♡ふ、ぅ゛♡……！♡♡～～～～♡♡」

　舌の付け根辺りを指先ですり♡と撫でられ、後孔が伊織のものを締め付ける。張り詰めた切っ先で最奥をさらに押し拡げるように穿たれ、爪でかりかり♡と上顎を引っ掻かれる度に、とぷ♡と弱々しく自身から白濁が流れ出た。

「お゛♡……～～～～♡♡……ッ♡あ♡……～～～～ッ♡♡」
「ん、……俺もそろそろ限界かも」
「ぁ゛♡……ッ♡♡ひ、ぉ♡……！♡……────！！♡♡」

　一際強く腰を打ち付けられ、身体の奥で薄い膜越しに熱い飛沫が弾ける。それと同時に自身の性器からもとめどなく精液が吐き出され、シーツに縫い留められた身体が大きく跳ね上がった。

「ぁ……♡……ふぁ……♡ん……♡」

　中を埋めていたものが引き抜かれ、栓を失った穴がひくり♡と収縮する。ようやく訪れた休息に安堵する間もなく片脚を持ち上げられ、身体を回転させられた。膝裏に手を差し込まれ胸につくほど両脚を持ち上げられたかと思うと、再び熱を持った剛直が緩みきった秘部に宛がわれる。

「は、ぁ……♡……んぅ♡……ッ？♡」
「まだまだたくさん愛し合おうね、吉野」

　蕩けた頭ではその言葉を理解できなかったが、本能的に恐怖を感じ取った身体が再び強張っていく。

「あ♡も、むり♡……ほん、とに♡むり……らっ、て♡……ひぁ♡あ゛♡～～～～！♡♡」
「無理じゃないよ、ほら、ちゃんと入ってく」

　ぐずぐずに蕩けた後孔はいとも簡単に楔を飲み込んでいく。すっかり中を犯す形を覚えてしまった媚肉が勃起に絡みつく感触だけで軽く達してしまう。

「あ、ぅ゛♡や、え♡……～～～～ッ！♡♡」
「ほら、中もまだ足りないみたいにひくひくしてる」
「ちが♡ちが、う……！♡も、イけな……ぁ゛！？♡♡あ ♡……───ッ♡♡」

　ぐぽんっ♡という音とともに容易く結腸を貫かれ、そのまま激しい律動が始まる。

「や、ぁ♡やら♡い、お……♡～～～～！♡♡……ッ！♡♡…………！♡♡」
「ふふ、気持ちいいことしか考えられないね」

　伊織の声が遠い。全身が熱くて溶けてしまいそうだ。何も考えたくない。ただひたすらに快楽に浸っていたい。熱を持ち過ぎた頭は使い物にならなくなり、意識は次第に暗闇へと落ちていった。