VRMMOで神様の使徒、始めました。

一 八重

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本編

第7話 マヨイは人間を卒業する。

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 縺薙l縺碁°蜻ス縺ョ謔ェ謌ッ縺これが運命の悪戯か

 それは間違いなく"声"だった。
 しかし、日本語でも英語でもない知らない言語だ。

 闥シ縺ィ轣ー縺ッ蜈ア縺ォ譛騾溘r蜷堺ケ励k閠蒼と灰は共に最速を名乗る者

 声の主は部屋の奥でこちらを見つめる鈍色の全身鎧だ。
 "蒼神の使徒"というから見た目も深い緑色だと勝手に想像していたが違った。レイピアのような剣身の細い武器を腰に2本差している。

 縺ェ繧臥ァ√′轣ー縺ョ谺。莉」繧定ヲ句ョ壹a縺ヲ繧よァ九≧縺セ縺なら私が灰の次代を見定めても構うまい

 クエスト説明に"彼女"と書いてあった以上、目の前の鎧の中の人は女性なのだろう。よく見れば全身鎧は花のような装飾が施されているように見える。肩幅や腰もガタイのいい男性が着るとなれば相当に窮屈だろう。

 蠕√¥縺槭∬オキ蜍征くぞ、起動──"闥シ縺ョ逾樣ォ"蒼の神髄

 蒼神の使徒が何か言葉を発した直後、鈍色の全身鎧の隙間から深緑のオーラのようなものが吹き出した。今のはスキルの発動だったのかもしれない。
 だとすれば僕が覚醒した時に習得した"灰の神威"に匹敵、あるいは上回るレベルのぶっ壊れ性能のスキルかもしれない。

(魔力弾×10)

 蒼神の使徒がスキルを使った直後、僕は攻撃を仕掛けた。
 どう考えても強敵のボスが相手なんだ。
 既に蒼神の使徒は推定自己強化のスキルを使用している。なら僕が攻撃の先手を貰っても構わないだろう。

 谺。莉」縺ョ轣ー縺ッ鬲碑。灘」ォ縺具シ次代の灰は魔術士か!

「何言ってるか分からねぇよ!」

 譎ゆサ」縺ョ豬√l縺ッ險隱槭☆繧臥スョ縺榊悉繧翫↓縺励◆縺具シ時代の流れは言語すら置き去りにしたか

 蒼神の使徒は鎧姿からは想像しがたいほどの俊敏な動きで僕に接近すると、腰のレイピアを居合のように抜き放とうとレイピアの柄に手を掛ける。

(魔力弾)

 僕の放った魔力弾が腰のレイピアに命中した事でレイピアを掴むのが数瞬遅れた。それでも強引に放たれた蒼の使徒の居合は間合いの外スレスレまで下がっていた僕の眼前を通り過ぎた。

 豕「豼、騾」髢シ波濤連閃!

 スキル名だろう。深緑のオーラがレイピアを包んだかと思うと左半身を前に出して高速の突きを立て続けに放って来た。

 フェンシングのような当てる事を目的とした突きではなく、間違いなく相手を殺す目的で放たれた突きだ。

 速度だけなら目で追えるはずの速さだ。
 だと言うのに蒼の使徒の突きは速度以上の迫力を感じる。

(魔力弾×7)

 回避と同時に多方向から蒼神の使徒に魔力弾を浴びせる。
 狙うは関節とレイピアを持った左手だ。


…………………


……………………………


…………………………………


 こちらの攻撃は全て命中している。
 蒼の使徒の体力ゲージは3本ある内の1本目、その1割をようやく削ったところだ。

 蒼神の使徒の攻撃に力強さは感じない。
 ただひたすらに速い。
 特に次の攻撃に移る動作の速さが異常だ。
 攻撃の全てが急所を狙ってくれていたら楽なのだが、この異常な速度の連続攻撃に当たり前のようにフェイントを混ぜてくる。

 僕の取れる戦術は『蒼神の使徒の攻撃は全て回避。その上で僕は魔力弾を当て続ける』という他人から聞かされたら「アホか」と言いたくなるものだけだ。

 集中力の糸が切れたら負けるという極限状態。
 感覚が研ぎ澄まされていくような、どこか懐かしさも感じる状態は僕の限界がまだ遥か先にある事を教えてくれる。


…………………


……………………………


…………………………………


 戦闘が始まってから体感で1時間くらいが経った頃、蒼の使徒の体力ゲージをようやく1本削り切った。
 すると、ここまで一切攻撃の手を緩めなかった蒼神の使徒が数歩後退した。

 闥シ縺ョ逾槫ィ√∫匱蜍蒼の神威、発動

「ここからが本番ってか」

 また自己強化スキルの類いだろうか。
 深緑のオーラに空色の筋が見え隠れし出した。

(まだ速度上がるのかよっ)

 滑るように迫りくる蒼神の使徒。
 放たれた突きは直前までの突きとは別物だった。
 体感で2倍近い速度が出ている。

(ちぃっ面倒くせぇ!)

 行動パターンにも変化があった。
 これまでは僕の正面から突きを中心とした攻撃が主体だったが、それに僕の側面に回り込もうとする動きが加わった。


…………………


……………………………


…………………………………


 それから更に体感で1時間弱が経過した。
 体力ゲージの2本目も残り数ドットだ。

 ここに来て僕は苛立っていた。
 1本目のゲージ破壊後に更に速度が上がった蒼神の使徒の攻撃と変化した行動パターンは慣れるまで20分近くを必要とした。

 しかし、慣れてしまえばどうということはない。
 蒼神の使徒は行動パターンが増えたため、攻撃の速度が上がった割には手数は増えていない。

 結局、途中からは作業となってしまった。
 おそらく3本目は腰に差したままの2本目のレイピアを使ってくるのだろう。
 そうなれば手数は増えるはずだ。

 つまり、

 2本目のゲージを削り切ると蒼神の使徒は1本目を削り切った時と同じように後退した。

「2本目を抜くんだろ? くしろよ」


───────────────
お読みいただきありがとうございます。

文脈のおかしな箇所を修正しました(2020/11/27)
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