VRMMOで神様の使徒、始めました。

一 八重

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本編

第16話 マヨイは除草する。

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 僕からの装備作成依頼を受けたクレアちゃんは組合から借りられる作業場──正式名称をアルテラ組合加工業支援施設というらしい──で個室を借りるらしく、作業が終わるまでの約2時間ほど僕と暁は手隙になった。

「兄さん、せっかくだからパーティ組んで適当なクエスト受けない?」

「いいよ、どこ行く?」

 クレアちゃんに森大猪だけでなく森猪の素材まで全て渡してしまったので金策をしたかった僕としては渡りに船だ。

「北の草原で狼を狩るのはどう?」

「でも上限で150Rだからなぁ……いっそ南の蛞蝓を相手にして「ヌメヌメしてるのは嫌!」……あ、はい」

 どうやら暁はヌメヌメしたものが苦手らしい。
 そんなわけで北の草原に出現する狼と蛇の討伐依頼をそれぞれ受けた僕らは北の草原に向かうことにした。

「ところでアカトキのステータスってどうなってるの?素質からしてタンク志望なのは分かるけど」

「こんな感じ」


◼︎パーソナル
名前:アカトキ
性別:女
位階:11
資質:戦士/生産/信徒
覚醒:なし
称号:なし

◼︎ステータス
体力:265
魔力:211
筋力:38
耐久:49
器用:16
敏捷:16
知力:27
精神:49

◼︎スキル
①挑発
②鉄壁
③頑健
④聖術

◼︎装備
武器:青銅の剣
副武:青銅の盾
胴装:アイアンアーマー
脚装:アイアンレギンス
足装:アイアンブーツ
装飾:小鳥のメダル


「スキルの3番目ってなんて読むんだ?」

「そこ!?これは頑健がんけんって読むらしいよ。クレアから教えて貰った」

「へぇ……効果は?」

「体力の最大値3割増加のパッシブ」

「普通に強いな」

「でしょ!」

 それより2歳年下のクレアちゃんJCに読める漢字が読めない高1ってどうなんだ?

「この聖術っていうのは回復系のスキル?」

「そうだよ。ただ使える術の種類は色々な条件を達成する必要があるから少しめんどい」

 暁のステータスからして信徒の素質を獲得したことで覚えたスキルだろう。ただ僕の習得可能リストには聖術ではなく神聖術というスキルしかなかったので、おそらく上位互換が神聖術なのだろう。もしヒーラー回復役をする必要性が出てきたら習得するとしよう。

「生産の素質に関連するスキルがないってことは噴水のところにあった像にスキルを捧げたのか」

「うん。昨日の夜中にログインしたときに掲示板で素質やスキルも捧げられるって書いてあったから真似してみた。どうせ生産の素質さえ持ってればリストから覚えられるし」

 それは流石に思い切りが良すぎやしないだろうか。
 もし何も得られずスキルだけ失うなんて結果になってたらどうするつもりだったんだ。

「この小鳥のメダルってのは?」

「あ、これのこと?クレアが作ってくれたんだけど効果がなかなか強くてさ」

 暁は胸元からメダルを取り出した。
 メダルに開けられた穴には紐が通してあり首飾りのようになっている。


名称:小鳥のメダル
分類:装飾品 小物
部位:指定なし
効果:敏捷ステータスに対するマイナス補正の無効化
指定:アカトキ専用装備


 もしかしなくてもクレアちゃんやばくね?
 このゲームでは本来、金属製の防具を装備すると敏捷にマイナス補正が入ってしまう。それを無効にできるような装備はサービス開始2日目で作れていいものではないはずだ。
 MMORPG初心者っぽい雰囲気だったし、変なプレイヤーに絡まれないか心配だ。





 組合を出てから5分ほどで北の草原に着いた。
 アルテラ大森林にプレイヤーが流れたせいなのか、僕が思っていたよりプレイヤーの人影は少ない。

「そういえば兄さんのステータスまだ見せて貰ってない」

「まぁ……魔力弾連射する機械とでも思ってればいいよ。他に攻撃手段ないも同然だし」

 接近戦ができないわけじゃない。
 接近戦になっても殴るより魔力弾ぶっぱなした方がどう考えても強いだけだ。

「ビルドミス?珍しいね」

「まだ始まったばかりだし今後の成長に期待だな」

 今の時点でならステータスでゴリ押せるかもしれない。
 ただ、いずれ魔力弾だけでは倒せない敵が現れるはずだ。そうなった時のためにも魔力弾以外の攻撃手段が欲しい。

「それにしても街道からだと蛇を見つけるのきっついな」

「ね、草が膝くらいまであるから蛇がいても隠れちゃうし」

 僕は草原という単語からサッカーの芝生が一面に広がっているようなイメージを持っていた。しかし、北の草原の街道沿いには膝丈ほどの草が多い茂っていた。これでは暁の言う通り蛇がいたとしても見つけるのは困難だろう。

「あ」

「どうしたの?」

「ちょっと良いこと思いついた」

 魔力弾で草を薙ぎ払えば蛇も見つけやすくなるはずだ。
 周りにプレイヤーもいないし構わないだろう。

「魔力弾(×かける100)」

「え」

 北の平原に轟音が鳴り響く。
 エリアボスを倒した時は事故みたいなものだったが、今回は着弾点をそれなりにバラけさせた。これで広範囲の草を除去できるはずだ。

「これで蛇も見つけやすくなるな」

「いやいやいやいや、おかしいでしょ!見てよ、もう草原じゃないじゃん!荒野じゃん、草も生えないわ」

「お、草がなくなったことと、笑えないことのダブルミーニングとはやるじゃん」

「ち、ちっがぁぁぁう!」


[Grass Snakeを42匹倒した]
[素材:草原蛇の魔石を42個獲得した]
[素材:草原蛇の抜け殻を35個獲得した]
[素材:草原蛇の血を11個獲得した]
[素材:草原蛇の瞳を5個獲得した]

[Grass Rabbitを3羽倒した]
[素材:草原兎の魔石を3個獲得した]
[素材:草原兎の尻尾を獲得した]

[Grass Snake Subspeciesを1匹倒した]
[素材:草原白蛇の魔石を獲得した]
[素材:草原白蛇の抜け殻を獲得した]
[素材:草原白蛇の瞳を獲得した]
[装備:白蛇の革ベルトを獲得した]
[称号:草原白蛇の討伐者]

[称号:自然の破壊者]


「…………ねぇ、もう兄さんだけでよくない?」


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