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本編
第178話 超授は匙を投げたい。
しおりを挟む⚫︎超授
ゲームがリリースされてから明日で2週間となる今日、ギルド"バスターズ"の主要メンバーは第2回イベントの開催地であるアインにある宿屋の一室に集まってミーティングを行っていた。議題は第2回イベントにおいて最大の脅威である迷い家のギルドマスターについてです。
「まず結論からであるが……現時点で彼に勝てるプレイヤーはいないのである」
「超ちゃんさー、それって俺も勝てねぇって言ってる?」
詳しい説明も聞かずに絡んで来たのはバスターズにおける問題児レヴィスです。年齢的には親子ほど年齢が離れているので問題視って表現が正しいから常々疑問ですけれど、彼は礼儀作法以外なら何でも出来ると言われるくらいゲーマーとして高い能力を持っています。しかし、彼が何と言おうと私の結論は変わりません。
「身も蓋もなく言えばその通りである」
「あ゛ぁ?」
「レヴィスはキレんな。超授も結論からじゃなく順序立てて説明してくれ。あと煽ってるようにしか聞こえないから一旦胡散臭いロールプレイは自重してくれ」
仲裁しているのはサブリーダーのバンカー。リーダーを代表とする我の強いメンバーのストッパー役でもあるチームの良心です。
「分かったのであ……わかりました。一昨日の夜に彼と戦った朱桜會のメンバーから確度が高い情報として彼の大凡のステータスを教えて貰うことが出来ました」
「へぇ……確度が高いってどれくらいだよ」
「朱桜會のギルドマスターの技能によるものだそうです。彼女が仲間に嘘の情報を流せる性格だとは思えないので確度については非常に高いと思います」
「それでマヨイのステータスはいくつだって?」
レヴィスはマヨイやアイと直接の接点はないもののマヨイの父であるケンゴに対して隔意があるらしい。本人も良くないことだと自覚はしてるみたいだけど、何やらマヨイに対して思うところがあるようだ。
バスターズのリーダーでレヴィスとは高校生の頃からの付き合いだというシバの話では「BSSってやつだから気にすんな」ということらしい。
「パッシブ技能と装備のステータス補正込みで全てのステータスが1000万を超えていたみたいですね。プレイヤースキルでどうにかなるような次元じゃないんですよ」
「は?1000万?」
それにマヨイのプレイヤースキルは一般人のそれとは隔絶しています。異常としか思えない反射神経と状況判断能力が以前の──配信者として活動していた頃の──彼のままなら同程度のステータスがあったとしたも勝ち目は薄いです。
「表記ミスとかじゃなくてか?」
「はい。朱桜會の方で運営に問い合わせたそうですがバグなどの不具合は確認できなかったという回答が返ってきたそうです」
「「「……………………」」」
重い空気が部屋に充満していくのを感じたところで、今まで一言も発しなかったシバが口を開きました。
「お前らさぁ……そんなRPGのラスボスみたいな奴に勝つ方法をこれから考えるんだろ?」
「……そうだな。マヨイの攻撃手段は?」
「今のところ分かっているのは短剣と杖と魔力弾の亜種ですね」
「槍は使ってねぇのか?」
「杖は使っていたようですけど槍は使ってませんね」
アイ&ショウのショウはとあるVR格闘ゲームで不人気筆頭格だった槍使い──厳密には少し違うけど──のキャラクターを使って当時最盛期だった流星群の主力メンバー全員をまとめて倒している。他のゲームでも槍や弓を好んで使っていたのでショウ=槍・弓使いというイメージを持っているゲーマーは多い。
「性能のいい杖を手に入れたから槍代わりにしてるとかじゃないです?」
「それはありそうだな。で、問題は……」
「あの魔力弾の亜種ですね。威力は朱桜會の主要メンバーを鎧袖一触にするほど高く、撮られた動画を見る限りでは精度も悪くない。そして何よりも凶悪なのは魔力弾の連射性とマヨイ自身が空を飛べることですね」
「あの威力の攻撃を同時に百発以上も放てるのは反則だろ……しかも飛ぶってなんだよ。あいつの種族って人間じゃねぇのか?」
昨日の昼頃にマヨイがテコの北側で正体不明の大蛇と戦闘を繰り広げていたのを目撃したバスターズのメンバーが撮影してくれました。そこにはマヨイが空を飛びながら例の魔力弾の亜種で大蛇を相手に無双している姿が記録されていたのです。
「イベントまで残り4日しかないからな……種族の特性なのか技能なのかは分からないが、俺たちも空を飛ぶ手段を見つけないと手も足も出ないで終わるぞ?」
ハザルの言う通りですね。こうして私たちはイベント開始前に空を飛ぶ手段を手に入れることに奔走することになりました。
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お読みいただきありがとうございます。
初めてスランプというものを経験しています。
実は明日更新の分をまだ書き終えていません。
間に合わなかった場合は夜まで投稿できるよう頑張ります。
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