VRMMOで神様の使徒、始めました。

一 八重

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本編

第214話 アイは推進していた。

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⚫︎アイ

 あのままだと間違いなく真宵が嫌な想いをしたでしょうし、シキたちにも迷惑が掛かりそうだったので、私は問題児3人を連れて廊下に出た。

「私も揶揄った手前そこまでキツく言う資格はないと思ってるけど、あなたたち真宵に嫌われたいの?」

「そんな!」

「え」

「真宵を揶揄える機会を見つけたからって調子に乗り過ぎ。あのままヒートアップしたらシキたちにも嫌な思いをさせたでしょうね。あなたたちみたいな子が"サークルクラッシャー"になるのよ?」

「…………」

「……えっと、ごめんなさい。サークルクラッシャーってなんですか?」

「グループ内の人間関係を崩壊させる原因となるメンバーのことよ。迷い家が掲示板でハーレムギルドだとか色々と言われてるのは知ってるわよね」

「そうなんですか?」

「掲示板に書かれてるのは見たよ」

「知りませんでした……」

「はぁ……前回のイベントで注目を集め過ぎたのが原因だから少しすれば噂も沈静化するでしょうけど、そう見られているのを真宵はだいぶ気にしてるわ」

「えっ……」

「当たり前でしょ。真宵からすれば付き合ってもない異性と付き合ってるかのような噂を建てられてるのよ?」

「お姉ちゃん、それブーメr「茶化さないで」……ごめんなさい」

「私と真宵は友達以上恋人未満っていう微妙な関係だから許されてるのであって、まだ友達として扱われているかも怪しいクレアや織姫と付き合ってると噂されてるのだから真宵からすれば良い気分にはならないのは分かるわよね?」

「そんなっ」

「友達じゃないんですか?」

「……朱莉と織姫は私の友達って枠なんでしょ?」

「そうなるわね。真宵の友達の基準って"対等な関係"なのよ。妹っていう特別な繋がりのある暁は例外だとして、2人は何か真宵とそういった関係を築けてる?」

「……お兄さんの装備は私が作りました!」

「それだけ?」

「え、えっと……お姫様だっこされました!」

「……それについては後でじっくりと話を聞かせてもらうわ。織姫は何か真宵と対等な関係だと言える繋がりはある?」

「……ありません」

「なら今の関係でああいった言動を取ればいずれ真宵に嫌われるのは分かるわね?」

「「…………はい」」

「というわけで今からクレアと織姫が真宵とになるにはどうしたらいいかを話し合うわよ」

「「え」」

「あ、2人は知らないんだっけ。お姉ちゃんはハーレム推進派だよ」

「え」

「え?」

 3年前、私は自分の欲に負けて真宵からライフワークだった配信活動を奪ってしまったもの。もう同じ失敗はしたくないのよ。真宵が幸せになるなら私が身を引いてもいいも思ってる。でも独占欲はあるし、嫉妬もしちゃうのよね。
 本当、自分のことながら難儀な恋愛観をしてるわ……




⚫︎マヨイ

「おかえり」

「戻ったわ……ってククル?大きくなってない?」

 藍香にこってり絞られたのかクレアと織姫は何だかんだ挙動がおかしい。視線が僕と藍香との間を何度も行き来している。暁は普段通りだけど、怒られ慣れてるからなぁ……

「成長したみたいでね。進化もできるみたい」

「え、ククルちゃん大きくなっちゃうんですか!?」

「大きくなるとは限らないけどね」

「ククル、大きくなったら乗せてね」

あほときママならいいよーみゃぁ

 ククルからの呼び名がアホトキに固定されつつある暁はだいぶショックを受けたみたいだけど、こればかりは普段の行いのツケだと思って欲しい。

「マヨイ。小次郎も進化」

「タイミングいいね」

「ううん、出来るの放置、してただけ」

「進化可能状態を放置するとメリットがあるの?」

「幼体、位階上がりやすい。あと、レアスキル、覚えやすい……らしい」

 ルイによると小次郎はレベリングのために幼体のままでいたらしい。レアな技能を覚えやすいというのはククルが掲示板のテイム板には載っていない技能を覚えていることからもその可能性が高いだろう。

「ククル、進化したい?」

進化みぃな?」

「大人になる……でいいのかな?」

おとなになるみゃぁあ!」

 ククルも進化には乗り気になってくれた。

「ふふっ」

「アイ?」

「いえ、なんでもないわ」

 そう言う藍香の表情は朗らかで何処か嬉しそうだ。

「小次郎、いい?」

よいワンッ

「ん、マヨイ。一緒に、しよ?」

「それじゃ……3、2、1……でタイミング合わせようか」

「あ」

 ルイの小さな声と同時に小次郎の身体が輝き出した。
 どうやらルイは僕のカウントダウンを本番だと思って進化のタブを押してしまったらしい。同時に進化とはいかなかったようだ。

「今のは勘違いさせた真宵が悪いわね」

「ドンマイ、ルイ」

「うぅぅ……」

「ごめん、ルイ。確かに言い方がまずったね」

 そう言っている間に小次郎の進化は完了した。
 見るからに大きくなった身体は高さだけで2mはありそうだ。全長は鼻先から尻尾まででどれくらいあるんだ?少なくとも5mはありそう。

「ルイ、高位鑑定使ってもいいかな?」

「いい。でも、あとで教えて」

 飼い主からの許可も降りたので小次郎に高位鑑定を使う。


名前:小次郎
種族:ナイトフェンリル
性別:女
分類:仔狼
位階:79
説明:狼系最高位種フェンリルの亜種の幼体
   魔法・魔術の適正はフェンリルの通常種よりも低い。しかし、騎士系技能を覚えやすく身体能力はフェンリルの原種亜種の中でもトップクラス。


 種族名にあるナイトフェンリルのナイトはnightではなく騎士knightのことみたいだ。ルイは前衛としても戦えるけど、後衛として戦う方が得意らしいから愛称は良さそうだ。

「まだ幼体」

「そうみたいだね」

「「「「「え」」」」」

「というかさ、小次郎って雌だったの?」

「そうだよ?」

「やったね、お兄ちゃん!男1人だけだよ。よっ、ぼっち!」

「アイ?」

「録音はバッチリよ。あとでデータを転送するわね」

「ありがとう」

「え」

「さて、次はククルの番だな」

「え」

 僕は慌てふためく暁を放置してククルを進化させた。


───────────────
お読みいただきありがとうございます。

頭痛に吐き気に倦怠感、某ウイルスは陰性でしたが体調は最悪です。次話ほとんど書けてないので今週も本話だけの更新となります。申し訳ありません。
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