みんな善いことだと思ってた

月影 朔

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【第一章:予兆の記録(2024年~2027年)】

第2話:資料No.001(SNS投稿ログ・都市伝説まとめサイト)2024年

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【資料No.001】
資料種別:SNS(X 旧Twitter)投稿ログおよび、Webサイト「現代都市伝説データベース」のアーカイブ
記録年:2024年

(以下は、2031年の編纂者が収集・再構成した、2024年当時、SNSプラットフォーム「X(旧Twitter)」上で拡散されていたハッシュタグ「#クネクネ見た」を含む投稿の抜粋と、それらの現象をまとめたWebサイトのアーカイブ記録である。当時の若者言葉やネットスラングが散見されるが、記録の信憑性を担保するため、ここでは原文のまま掲載する)

1. SNS投稿ログ抜粋

ユーザー名: @yuto_soccer_07
投稿日時: 2024年6月12日 23:15
投稿内容:
マジでビビった。塾帰りに公園ショートカットしたら、ブランコのとこに変な人いた。なんか、ありえない方向に体曲げながらずっと揺れてんの。関節どうなってんのマジで。怖すぎて全力ダッシュしたわ。
#クネクネ見た

ユーザー名: @misa_pamyu
投稿日時: 2024年6月15日 01:28
投稿内容:
終電逃して、彼氏と深夜の駅前公園でだべってたら、街灯の下でなんか踊ってる?人がいた。動きがマジでやばい。なんていうか、人間じゃないみたいな動き。くねくねしてる感じ。彼氏が動画撮ろうとしたら、急にこっち向いて動き止まったから、怖すぎてマジ泣きで逃げた。
#クネクネ見た #あれはガチ

ユーザー名: @satoshi_fishing
投稿日時: 2024年7月2日 04:55
投稿内容:
夜釣りしてたら、川の対岸の田んぼの真ん中に白い人影が見えた。最初は案山子かと思ったんだけど、ゆっくり動き出してさ。風もないのに、稲みたいに体くねらせてるの。双眼鏡で見たら、なんか笑ってるように見えた。ありえん。マジで肝が冷えた。
#クネクネ見た

ユーザー名: @ occult_daisuki
投稿日時: 2024年7月20日 19:40
投稿内容:
「クネクネ」って、昔2ちゃんねるで流行った都市伝説じゃなかったっけ? 田んぼにいる白いやつで、見たら精神に異常をきたすってやつ。最近、目撃情報多いけど、ただのパフォーマンスアートとかじゃないの?
返信1: @yuto_soccer_07
いや、アートとかじゃないっす。マジで生命の危機感じましたから。
返信2: @misa_pamyu
うん、わかる。目が合った(気がした)瞬間、脳みそが拒絶する感じだった。

2. Webサイト「現代都市伝説データベース」アーカイブ

URL: hxxps://toshidensetsu-db.xx/archives/893.html
(※注:2028年にサイト閉鎖。以下はインターネットアーカイブからの復元データ)

記事タイトル:【目撃情報急増中】令和の妖怪? 「クネクネ」の正体に迫る!
最終更新日: 2024年8月5日

概要
2024年の初夏頃から、SNSを中心に「クネクネ」と呼ばれる謎の存在の目撃情報が、特に北関東エリアで急増している。その特徴は、以下の点で概ね共通している。

出没場所: 公園、田んぼ、河川敷など、主に開けた屋外。

出没時間: 深夜から明け方にかけての、人気の少ない時間帯。

外見: 白っぽい服を着た、人間のような姿。しかし、その動きは人間離れしている。

行動: 関節がありえない方向に曲がったような、奇妙な踊りを、長時間にわたってひたすら繰り返す。

「クネクネ」の系譜
この「クネクネ」という名称と特徴は、2000年代初頭に匿名掲示板「2ちゃんねる」で語られた、同名の怪談を彷彿とさせる。当時の怪談では、「田んぼの中にいる白いものを遠くから見てしまい、正体を理解した瞬間に発狂する」という物語として語られていた。

しかし、2024年版の「クネクネ」は、いくつかの点で古典的なそれとは異なっている。

出没場所の多様化: 古典的な「田んぼ」という限定的な舞台から、公園や駅前といった、より都市部に近い場所での目撃情報が多数を占める。

危険性の変化: 「見たら発狂する」という精神的な呪いから、「話しかけたら危険」「近づくと襲われる」といった、より物理的な脅威へと変化している。

目撃者の反応: 多くの目撃者が、恐怖を感じながらもスマートフォンで撮影を試みている点が、現代的と言えるだろう。しかし、現在のところ、鮮明な映像や画像は一枚も確認されていない。(手ブレが酷い、ノイズが入る、あるいは撮影直前に逃げ出してしまった、という報告がほとんどである)

その正体は? 専門家の見解
当サイトでは、複数の専門家に「クネクネ」の正体について見解を求めた。

民俗学者・A氏の見解:
「一種の集団ヒステリー、あるいは現代版の妖怪譚と見るのが妥当でしょう。SNSという新たな『語り部』を得て、古典的な都市伝説が現代に合わせてアップデートされた事例と考えられます。特に、社会情勢が不安定な時期には、人々が抱える漠然とした不安が、このような具体的な怪異のイメージとして投影されることは、歴史上、決して珍しいことではありません」

精神科医・B氏の見解:
「薬物の影響下にある人物や、何らかの精神的な疾患を抱えた方が、異常な行動として他者の目に映っている可能性も否定できません。特に深夜の公園などは、そうした人々が社会の目から逃れるための場所になりやすい。目撃した場合は、決して近づいたり話しかけたりせず、速やかにその場を離れ、必要であれば警察に通報するのが賢明です。面白半分で刺激するのは、非常に危険です」

パフォーマンスアーティスト・C氏の見解:
「新しい形式のゲリラアートの可能性もありますね。不気味なダンスで人々の日常に介入し、SNSでの拡散を狙う。非常に現代的な手法です。もしそうだとすれば、彼らの目的は、人々に恐怖を与えることそのものではなく、我々が『日常』だと思い込んでいる風景の脆弱性を暴くことにあるのかもしれません」

結論
「クネクネ」の正体は、現時点では特定には至っていない。新たな都市伝説の誕生か、社会の歪みが生んだ幻影か、あるいは新進気鋭のアーティストによるパフォーマンスか。
いずれにせよ、この奇妙な踊り手が、現代社会が抱えるある種の「ノイズ」を可視化した存在であることは、間違いないだろう。

当サイトでは、引き続き「#クネクネ見た」のハッシュタグを追い、新たな情報が入り次第、続報を掲載する予定だ。

(※編纂者による注記:この後、サイトが閉鎖される2028年まで、「クネクネ」に関する続報がこの記事に掲載されることはなかった)
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