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出会いイベント ウィリアム編 【ローズ】
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さてと、メアリーの選択次第で私の人生はどうとでも転ぶ。
そんな私としてはメアリーの今の心の内を知りたいところ。
気になる人はいないのか。
私のことをいじめっ子と思っていないか。
今のところメアリーは私とすごく仲良くしてくれているため、後者はあまり考えなくてもよさそう。
いやいや、油断できない。
だって、この身は悪役令嬢ローズ・ランズベリー。
性格もきつい彼女だったが、見た目だって悪役令嬢らしく顔つきやら目つきやらがなかなかきつめなのだから。
もし強めに何かを言ったら、いじめていると誤解されそうだ。
メアリーに「ウィリアム様のことどう思ってる?」なんて聞こうものなら、「まさかウィリアム様のこと好きじゃないでしょうね?」と誤変換されてしまいそうだ。
ひやりと冷汗が伝う。
き、気をつけなきゃ……。
「あ、あのね。メアリー」
「はいっ!なんでしょう、ローズ様!」
きらきらした目でメアリーがこちらを見る。
その瞳にくらっと眩暈が起きた。
さすがはヒロイン。
そういう子犬のような人懐っこさも魅力の一つなのね。
私たちは今、次の授業のために教室を移動している最中だった。
「お供させてください」と言ってくれたのはメアリー。
お友達になれてよかったとしみじみ思う。
ほんと、いい子なんだから。
ウィリアム王子の婚約者という肩書のせいなのか、私にはまだ親しくしてくれる人がいなかった。
ゲームの設定はともあれ、友達ができたことは嬉しい。
「メアリーには私のことどう見えてる?」
なんて恥ずかしい質問。
自分から聞いておきながら顔が熱くなってきた。
すると、何故かメアリーも顔を赤らめ、「ローズ様はとても素敵な方ですわ」と言ってくれた。
ますます顔に熱が集まる。
「おや、ローズもこの授業をとっていたんだね」
教室に入って、かけられた聞き慣れた声。
「ウィリアム様」
にこりと笑い、椅子に座っていたウィリアム様は右手を挙げた。
あれ?
その姿をどこかで見たことあるような気がした。
えーっと……。
あっ!!
スチルだ!!
これはウィリアム様とメアリーの出会いイベント!!
確かゲームでは、教室に遅れて入ってきたメアリーはなかなか空いている席を見つけることができず、きょろきょろしてしまう。
そこで「ここが空いているよ」とウィリアム様が右手を上げ、隣にメアリーを座らせるのだ。
まさか今出会いイベントが発生するなんて。
どうしよう。
どうすればいい?
ここはやっぱりメアリーを隣に座らせるべき?
でも、婚約者がすぐ傍にいるのにそれはそれでおかしい気が……。
あぁ、どうしよう。
二人の恋を邪魔したくないのに……。
……おかしいけど、メアリーを隣に座らせてみようか。
そう思っていると、
「どうしたの?ローズ。ほら、ここが空いてるよ」
ウィリアム様が右隣をぽんぽんと叩く。
……断れない。
どうすれば……。
そこでふと閃く。
あっ!
そうか!
ウィリアム様を真ん中にして座ればいいんだ。
そうすればメアリーもウィリアム様と一緒に座れる。
そうと決まれば……。
ウィリアム様が指名された右隣とは逆に、左へ移動しようとした。
すると、ガッと後ろから腕を誰かに強く掴まれた。
振り返るとそこにはにっこり笑顔のメアリーが。
「ローズ様。一緒にここまで来たんですもの。今更独りぼっちは寂しいですわ」
「そんな思いさせませんよね?」というヒロインとは思えない圧に、思わず「はい……」としか言えなかった。
結局、私が真ん中に座り、メアリーとウィリアム様が左右に座るという形でおさまった。
いやいや、悪役令嬢がヒロインと攻略対象の真ん中に座るってどうなの。
……一応出会ってはいるから、
出会いイベント成功、なのかな?
そんな私としてはメアリーの今の心の内を知りたいところ。
気になる人はいないのか。
私のことをいじめっ子と思っていないか。
今のところメアリーは私とすごく仲良くしてくれているため、後者はあまり考えなくてもよさそう。
いやいや、油断できない。
だって、この身は悪役令嬢ローズ・ランズベリー。
性格もきつい彼女だったが、見た目だって悪役令嬢らしく顔つきやら目つきやらがなかなかきつめなのだから。
もし強めに何かを言ったら、いじめていると誤解されそうだ。
メアリーに「ウィリアム様のことどう思ってる?」なんて聞こうものなら、「まさかウィリアム様のこと好きじゃないでしょうね?」と誤変換されてしまいそうだ。
ひやりと冷汗が伝う。
き、気をつけなきゃ……。
「あ、あのね。メアリー」
「はいっ!なんでしょう、ローズ様!」
きらきらした目でメアリーがこちらを見る。
その瞳にくらっと眩暈が起きた。
さすがはヒロイン。
そういう子犬のような人懐っこさも魅力の一つなのね。
私たちは今、次の授業のために教室を移動している最中だった。
「お供させてください」と言ってくれたのはメアリー。
お友達になれてよかったとしみじみ思う。
ほんと、いい子なんだから。
ウィリアム王子の婚約者という肩書のせいなのか、私にはまだ親しくしてくれる人がいなかった。
ゲームの設定はともあれ、友達ができたことは嬉しい。
「メアリーには私のことどう見えてる?」
なんて恥ずかしい質問。
自分から聞いておきながら顔が熱くなってきた。
すると、何故かメアリーも顔を赤らめ、「ローズ様はとても素敵な方ですわ」と言ってくれた。
ますます顔に熱が集まる。
「おや、ローズもこの授業をとっていたんだね」
教室に入って、かけられた聞き慣れた声。
「ウィリアム様」
にこりと笑い、椅子に座っていたウィリアム様は右手を挙げた。
あれ?
その姿をどこかで見たことあるような気がした。
えーっと……。
あっ!!
スチルだ!!
これはウィリアム様とメアリーの出会いイベント!!
確かゲームでは、教室に遅れて入ってきたメアリーはなかなか空いている席を見つけることができず、きょろきょろしてしまう。
そこで「ここが空いているよ」とウィリアム様が右手を上げ、隣にメアリーを座らせるのだ。
まさか今出会いイベントが発生するなんて。
どうしよう。
どうすればいい?
ここはやっぱりメアリーを隣に座らせるべき?
でも、婚約者がすぐ傍にいるのにそれはそれでおかしい気が……。
あぁ、どうしよう。
二人の恋を邪魔したくないのに……。
……おかしいけど、メアリーを隣に座らせてみようか。
そう思っていると、
「どうしたの?ローズ。ほら、ここが空いてるよ」
ウィリアム様が右隣をぽんぽんと叩く。
……断れない。
どうすれば……。
そこでふと閃く。
あっ!
そうか!
ウィリアム様を真ん中にして座ればいいんだ。
そうすればメアリーもウィリアム様と一緒に座れる。
そうと決まれば……。
ウィリアム様が指名された右隣とは逆に、左へ移動しようとした。
すると、ガッと後ろから腕を誰かに強く掴まれた。
振り返るとそこにはにっこり笑顔のメアリーが。
「ローズ様。一緒にここまで来たんですもの。今更独りぼっちは寂しいですわ」
「そんな思いさせませんよね?」というヒロインとは思えない圧に、思わず「はい……」としか言えなかった。
結局、私が真ん中に座り、メアリーとウィリアム様が左右に座るという形でおさまった。
いやいや、悪役令嬢がヒロインと攻略対象の真ん中に座るってどうなの。
……一応出会ってはいるから、
出会いイベント成功、なのかな?
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