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水の中で話すというのは、存外地上とあまり変わらない感覚だった。
もちろん全ては赤目の男の不思議な力によるものだろうけど。
「ここに来客というのは珍しくてね。あ、勘違いするなよ。『人間の』って意味だから」
「友達がいないわけじゃないからな」と男ははにかむ。
男に手を引かれ、水の底にたどり着く。
大きな岩の上に座らせられ、男も横に腰かけた。
「外の話を聞かせてよ。なんでもいいからさ」
「えっと……」
アイシラはいろんな話をした。
お父様のこと、お母様のこと、祖父母のこと。
そして、自分がこの国の王子の婚約者であること。
まだ幼く、なかなか思うように伝えることができなかったが、男は耳を傾け、うんうんと頷き、たまに頭を撫でてくれた。
家族以外の大人とこんなに話すのは初めてで、なんだかとても楽しかった。
「久々に人間の話を聞けて楽しかったよ。お礼にいいものを見せてあげる」
男は再びアイシラの手を引いた。
水の中を泳ぎ、湖の奥へ進む。
「さぁ、みんな。可愛いお客さんだよ。出ておいで」
男の言葉を合図に岩陰や離れた所から色鮮やかな魚たちが姿を現した。
さらに小人の人魚たちもその姿を見せ、アイシラと男の周りをくるくると泳ぎまわった。。
綺麗。
かわいい。
「王様、この人だーれ?」
小さな人魚たちは好奇心いっぱいの瞳でアイシラを見た。
「この子はさっきここに落ちてきたお客さんだよ」
からかう口調で男は言う。
けれどそれ以上に人魚の言葉が気になった。
「王様?」
「そう、王様。結構偉いんだよ、俺」
「どこの国の王様?」
「そうだねー……人間の国以外の王様かな」
よく分からず、首をかしげる。
「お嬢ちゃんとは違う世界で生きてるわけ。でも、困ったね」
「何が困ったの?」
男の瞳に妖しい光が宿る。
「俺、君のこと気に入っちゃったや」
「帰したくないな」と男は笑う。
そういえばここに来てどれくらいの時間が経った?
お父様とお母様が心配して捜しているのでは?
「あ、帰らないと……」
「ここにずっといればいいじゃん。そうだ、俺のお嫁さんになってよ」
「お嫁さん?」
「そう。王子の婚約者だったっけ?そんなの放り出して俺のお嫁さんになりなよ」
「それは、だめ……」
「どうして?」
「約束だから。王子様と結婚するって」
「それは大人が勝手に決めた約束だろう?それに、人間なんてろくなもんじゃないよ。すぐに裏切るし、きっと君はいつかひどく傷つけられる。俺なら君のこと幸せにしてあげられるし、永遠の命だって手に入る」
「永遠の命?」
男はアイシラの両頬を挟み、その瞳を覗き込んだ。
「俺と結ばれれば、君は永遠の命を手にした精霊となるんだ」
もちろん全ては赤目の男の不思議な力によるものだろうけど。
「ここに来客というのは珍しくてね。あ、勘違いするなよ。『人間の』って意味だから」
「友達がいないわけじゃないからな」と男ははにかむ。
男に手を引かれ、水の底にたどり着く。
大きな岩の上に座らせられ、男も横に腰かけた。
「外の話を聞かせてよ。なんでもいいからさ」
「えっと……」
アイシラはいろんな話をした。
お父様のこと、お母様のこと、祖父母のこと。
そして、自分がこの国の王子の婚約者であること。
まだ幼く、なかなか思うように伝えることができなかったが、男は耳を傾け、うんうんと頷き、たまに頭を撫でてくれた。
家族以外の大人とこんなに話すのは初めてで、なんだかとても楽しかった。
「久々に人間の話を聞けて楽しかったよ。お礼にいいものを見せてあげる」
男は再びアイシラの手を引いた。
水の中を泳ぎ、湖の奥へ進む。
「さぁ、みんな。可愛いお客さんだよ。出ておいで」
男の言葉を合図に岩陰や離れた所から色鮮やかな魚たちが姿を現した。
さらに小人の人魚たちもその姿を見せ、アイシラと男の周りをくるくると泳ぎまわった。。
綺麗。
かわいい。
「王様、この人だーれ?」
小さな人魚たちは好奇心いっぱいの瞳でアイシラを見た。
「この子はさっきここに落ちてきたお客さんだよ」
からかう口調で男は言う。
けれどそれ以上に人魚の言葉が気になった。
「王様?」
「そう、王様。結構偉いんだよ、俺」
「どこの国の王様?」
「そうだねー……人間の国以外の王様かな」
よく分からず、首をかしげる。
「お嬢ちゃんとは違う世界で生きてるわけ。でも、困ったね」
「何が困ったの?」
男の瞳に妖しい光が宿る。
「俺、君のこと気に入っちゃったや」
「帰したくないな」と男は笑う。
そういえばここに来てどれくらいの時間が経った?
お父様とお母様が心配して捜しているのでは?
「あ、帰らないと……」
「ここにずっといればいいじゃん。そうだ、俺のお嫁さんになってよ」
「お嫁さん?」
「そう。王子の婚約者だったっけ?そんなの放り出して俺のお嫁さんになりなよ」
「それは、だめ……」
「どうして?」
「約束だから。王子様と結婚するって」
「それは大人が勝手に決めた約束だろう?それに、人間なんてろくなもんじゃないよ。すぐに裏切るし、きっと君はいつかひどく傷つけられる。俺なら君のこと幸せにしてあげられるし、永遠の命だって手に入る」
「永遠の命?」
男はアイシラの両頬を挟み、その瞳を覗き込んだ。
「俺と結ばれれば、君は永遠の命を手にした精霊となるんだ」
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