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修学旅行(中学校編)
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これは中学の修学旅行のお話。
中学の時の修学旅行は京都でした。
泊まったのは旅館で、五人グループに別れて部屋にはいりました。
私たちは消灯時間まで流れで怖い話をすることになりました。
友達の怖い話に耳を傾けつつ、私はどの話をしようかと悩んでいました。
ついに自分の番になって、私は自分の家で起きたことを話しました。
みんな怖がってくれて満足したけど、私はなぜか悪寒がします。
お風呂に入り体は温まっているはずなのに鳥肌が立ち、なんとなく、窓のほうが気になります。
だけど、経験上それは見たらおしまいだとわかっていたので、窓を見ずに他の子の話を必死に聞いていました。
すると、話している子と別の子がブツブツと、何かをつぶやいているのに気がつきました。
「……だ……れだ……お前……ここ……」
なんだか嫌な予感がするけど、気づいているのは私だけのようでした。
どのタイミングで伝えれば良いのかわからなかった私は、言い出すこともできずにつぶやいている子を気にしていました。
最初はなにを言っているかわかりませんでした。しかし、だんだんなにを言っているかはっきりしてきました。
その子は…
【誰だ。其方たちはこの家の者ではないな。ここは〇〇家の敷地なるぞ。即刻立ち去れ】
と、延々と繰り返しているのです。
(本格的にヤバイ気がする!)
他の子が話している途中だけど、私は我慢できなくなって立ち上がりました。
みんなが驚いて見上げる中、つぶやいている子だけは顔を俯かせてまだブツブツ言っています。
(旅館の人なら何か知っているかも!)
とにかく、説明している暇はないと部屋を出ようとした瞬間…つぶやいていた子が顔を上げて…
【立ち去れぇえええ!】
と、恐ろしい声で叫びだしました。
声は明らかにその子本来のものではなく、ようやく事態に気付いた全員が固まってしまいました。
動こうとした私でさえ、恐怖で行動不能になり、本格的に体が震え始めます。
頭の中は真っ白で、少しも動かない体は役に立ちません。
旅館の中なのにここは極寒かというほどに、体感温度が下がった気がしました。
「〇〇…ちゃん…?」
誰かが恐る恐る声をかけました。
そのおかげで体はきくようになったけど、まずいと思ったのは私だけではありません。
つぶやいていた子は話しかけた子をギロリと睨み、言葉を続けました。
【立ち去らぬというなら……殺してくれるわ!】
そう言って飛びかかり、首を絞め始めたのです。
その行動で周りはパニックになりました。
もちろん、私だって例外ではありません。
とにかく、首を絞められている子を助けないといけません。
当時ヤンチャをしていた私は少し力に自信がありました。
しかし、首を絞めている子はそれでも力が強く、なかなか手を外そうとしません。
【邪魔をするなぁ!】
首を絞められている子が気絶する寸前で手を離し、今度は私を標的にし始めました。
周りはマゴマゴするばかりで何もしようとはしません。
「ちょっと!誰か呼んできてよ!ガチで殺されかねないから!」
なんとか相手の手を組んで首を絞められることだけは阻止した私は、相手の力に内心冷や汗をかいていました。
このまま長時間いれば自分が負ける。
それでも、相手は私を組み敷こうと移動をします。
私はなんとか組み敷かれまいと相手に合わせて移動をした時…窓を見てしまいました。
そこには、部屋を覗き込むボロボロの着物をまとった大勢の人たち。
そして、反射して写っている私たちの影にもう一つ…私の首を締めようとしている比較的きれいな着物を着ている、中年の男性。
それを見てしまった私に隙が生まれてしまい、今度こそ手を外されて首を絞められました。
なんとか手を外そうとしますが、全く外れそうな気配はありません。
だんだん目の前が真っ暗になっていき、私は気を失いました。
その後、朝になったら別の部屋で寝かされていました。
旅館の人はここは昔、大きな武家のお屋敷だったと教えてくれました。
私たちの怖い話に惹かれて呼び覚ましてしまったのでしょうか…。
私は、この体験が一番怖かったです。
ちなみに、憑かれた(?)子は急きょやってきたお坊さんによって無事払ってもらえたそうです。
京都にいっぱいある神社やお寺が心底ありがたいと思った日でした。
中学の時の修学旅行は京都でした。
泊まったのは旅館で、五人グループに別れて部屋にはいりました。
私たちは消灯時間まで流れで怖い話をすることになりました。
友達の怖い話に耳を傾けつつ、私はどの話をしようかと悩んでいました。
ついに自分の番になって、私は自分の家で起きたことを話しました。
みんな怖がってくれて満足したけど、私はなぜか悪寒がします。
お風呂に入り体は温まっているはずなのに鳥肌が立ち、なんとなく、窓のほうが気になります。
だけど、経験上それは見たらおしまいだとわかっていたので、窓を見ずに他の子の話を必死に聞いていました。
すると、話している子と別の子がブツブツと、何かをつぶやいているのに気がつきました。
「……だ……れだ……お前……ここ……」
なんだか嫌な予感がするけど、気づいているのは私だけのようでした。
どのタイミングで伝えれば良いのかわからなかった私は、言い出すこともできずにつぶやいている子を気にしていました。
最初はなにを言っているかわかりませんでした。しかし、だんだんなにを言っているかはっきりしてきました。
その子は…
【誰だ。其方たちはこの家の者ではないな。ここは〇〇家の敷地なるぞ。即刻立ち去れ】
と、延々と繰り返しているのです。
(本格的にヤバイ気がする!)
他の子が話している途中だけど、私は我慢できなくなって立ち上がりました。
みんなが驚いて見上げる中、つぶやいている子だけは顔を俯かせてまだブツブツ言っています。
(旅館の人なら何か知っているかも!)
とにかく、説明している暇はないと部屋を出ようとした瞬間…つぶやいていた子が顔を上げて…
【立ち去れぇえええ!】
と、恐ろしい声で叫びだしました。
声は明らかにその子本来のものではなく、ようやく事態に気付いた全員が固まってしまいました。
動こうとした私でさえ、恐怖で行動不能になり、本格的に体が震え始めます。
頭の中は真っ白で、少しも動かない体は役に立ちません。
旅館の中なのにここは極寒かというほどに、体感温度が下がった気がしました。
「〇〇…ちゃん…?」
誰かが恐る恐る声をかけました。
そのおかげで体はきくようになったけど、まずいと思ったのは私だけではありません。
つぶやいていた子は話しかけた子をギロリと睨み、言葉を続けました。
【立ち去らぬというなら……殺してくれるわ!】
そう言って飛びかかり、首を絞め始めたのです。
その行動で周りはパニックになりました。
もちろん、私だって例外ではありません。
とにかく、首を絞められている子を助けないといけません。
当時ヤンチャをしていた私は少し力に自信がありました。
しかし、首を絞めている子はそれでも力が強く、なかなか手を外そうとしません。
【邪魔をするなぁ!】
首を絞められている子が気絶する寸前で手を離し、今度は私を標的にし始めました。
周りはマゴマゴするばかりで何もしようとはしません。
「ちょっと!誰か呼んできてよ!ガチで殺されかねないから!」
なんとか相手の手を組んで首を絞められることだけは阻止した私は、相手の力に内心冷や汗をかいていました。
このまま長時間いれば自分が負ける。
それでも、相手は私を組み敷こうと移動をします。
私はなんとか組み敷かれまいと相手に合わせて移動をした時…窓を見てしまいました。
そこには、部屋を覗き込むボロボロの着物をまとった大勢の人たち。
そして、反射して写っている私たちの影にもう一つ…私の首を締めようとしている比較的きれいな着物を着ている、中年の男性。
それを見てしまった私に隙が生まれてしまい、今度こそ手を外されて首を絞められました。
なんとか手を外そうとしますが、全く外れそうな気配はありません。
だんだん目の前が真っ暗になっていき、私は気を失いました。
その後、朝になったら別の部屋で寝かされていました。
旅館の人はここは昔、大きな武家のお屋敷だったと教えてくれました。
私たちの怖い話に惹かれて呼び覚ましてしまったのでしょうか…。
私は、この体験が一番怖かったです。
ちなみに、憑かれた(?)子は急きょやってきたお坊さんによって無事払ってもらえたそうです。
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