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旅は道づれ?
目が覚めたら…
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ガタン!
物音で目が覚めます。朝の寒さが身にしみてさむいです。
(さっきまであんなに温かかったのに)
熱源に近づこうと身を寄せようとすると近くで何かを引きずるような音がしました。
不思議に思って顔を上げで見ると、ルプスが顔を真っ赤にして壁際まで引いているのが見えました。
「……?どうしたの?」
「なんでお前は俺の寝床に入り込んでいるんだよ!!」
「???……!!それは!」
最初は寝起きで頭が回らず状況がわからなかったけど、ぼんやりながら思い出しました。
「まさか寝込みを…」
「ち…違います!いきなり抱き込まれてしまったんです!」
「はぁ?」
「夜中にうなされているのを見て頭を撫でていたら腕を引かれて…」
「……頭を撫でたのか?」
「はい」
なぜかショックを受けたような顔をしていますが、どうかしたのでしょうか?
数十秒後ルプスは元の顔に戻ったが彼はなんだか複雑そうな顔をしていました。
「あの、それより傷は大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
「包帯の交換だけさせてくれませんか?」
「……もう大丈夫なんだが」
「いえ、包帯をそのまま使い続けるのは病気の原因になります」
「そう…か」
そういうと納得してくれたのか、大人しくなってくれました。実は素直な方なのかもしれません。
古い包帯をとって傷薬を塗ろうとすると、傷口はほぼふさがっていました。
あんなに大怪我していたのにと思っていると、ルプスは心を読んだように言います。
「俺は昔から傷の治りが早いんだ。死ななければどんな怪我も二週間くらいで治る」
「そう…なんですか?」
「ああ。気持ち悪いだろ?」
その声音はなんだか泣いているように聞こえます。もしかしたら、誰かに気持ち悪いと言われたのでしょうか。
私は治りかけた傷を傷薬と一緒に撫でた。
「確かに普通ではないかもしれませんが‘、いつまでも治らないよりはいいと思います」
「……」
「痛いのは長引かない方がいいです。誰だって痛いのは嫌ですから」
「そうか…」
この治り具合ならきっと今日中には治ってしまうのでしょう。
それでも私は
(早く治りますように…)
そう願って治療をするのでした。
物音で目が覚めます。朝の寒さが身にしみてさむいです。
(さっきまであんなに温かかったのに)
熱源に近づこうと身を寄せようとすると近くで何かを引きずるような音がしました。
不思議に思って顔を上げで見ると、ルプスが顔を真っ赤にして壁際まで引いているのが見えました。
「……?どうしたの?」
「なんでお前は俺の寝床に入り込んでいるんだよ!!」
「???……!!それは!」
最初は寝起きで頭が回らず状況がわからなかったけど、ぼんやりながら思い出しました。
「まさか寝込みを…」
「ち…違います!いきなり抱き込まれてしまったんです!」
「はぁ?」
「夜中にうなされているのを見て頭を撫でていたら腕を引かれて…」
「……頭を撫でたのか?」
「はい」
なぜかショックを受けたような顔をしていますが、どうかしたのでしょうか?
数十秒後ルプスは元の顔に戻ったが彼はなんだか複雑そうな顔をしていました。
「あの、それより傷は大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
「包帯の交換だけさせてくれませんか?」
「……もう大丈夫なんだが」
「いえ、包帯をそのまま使い続けるのは病気の原因になります」
「そう…か」
そういうと納得してくれたのか、大人しくなってくれました。実は素直な方なのかもしれません。
古い包帯をとって傷薬を塗ろうとすると、傷口はほぼふさがっていました。
あんなに大怪我していたのにと思っていると、ルプスは心を読んだように言います。
「俺は昔から傷の治りが早いんだ。死ななければどんな怪我も二週間くらいで治る」
「そう…なんですか?」
「ああ。気持ち悪いだろ?」
その声音はなんだか泣いているように聞こえます。もしかしたら、誰かに気持ち悪いと言われたのでしょうか。
私は治りかけた傷を傷薬と一緒に撫でた。
「確かに普通ではないかもしれませんが‘、いつまでも治らないよりはいいと思います」
「……」
「痛いのは長引かない方がいいです。誰だって痛いのは嫌ですから」
「そうか…」
この治り具合ならきっと今日中には治ってしまうのでしょう。
それでも私は
(早く治りますように…)
そう願って治療をするのでした。
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