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出会いました
お持ち帰りしてみた
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慌てて駆け寄り薬草を脇に置いてから青年を見た。
川が赤くなっていたのは彼が流した血によるもののようで、服に血が滲んでいた。
(これ以上川にいたら体温が危ない)
青年の脇の下に手を入れてなんとか引き上げようとするも、青年の体はかなり重い。
服は水を吸っているし、青年の背丈もかなり高い。女手一つで持ち上がるものではない。
それでも、川岸まで引きずって彼の様子をみた。
(息は…弱いけどある。顔色はかなり悪い。傷は………っ!)
血の滲んでいるところを頼りに傷口を見れば…そこには大きな切り傷と銃槍が三つもあった。
そこからはまだ新しい血が流れていて止まらない。
(まずは止血して…)
どんな事情があるのかわからないけど、このまま青年をこの場所に置いておくなんて選択肢はなかった。
野生の獣たちが集まっても面倒なので止血をしてから青年を山小屋まで運ぶことにする。
(薬草は…ある。あとは教わった知識を使うだけ)
持ってきていた薬草を川で洗って、止血に使うリンデル草をよく揉み込みそっと傷口に貼った。
幸いにも弾丸は貫通していたようで球を取り除く必要はない。
あとは悪いけど彼のマントを割いて包帯の代わりを作り、傷口を縛った。
応急手当てはこれくらいにして……
(引きずるしかないわよね)
一人旅なのが悔やまれる。
私は薬草をそのままにして青年を引きずって山小屋まで運ぶことにした。
ズボンの裾が汚れようが、知ったことではない。あのまま死んでしまうよりマシだろう。
「う…ぅ……」
「ねぇ…大丈夫?」
彼がうめき声をあげたのでもしかしたら意識を取り戻したのかもしれない。
そう思って声をかければ少しだけ目が開いた。
「この近くに山小屋があるの。そこまで行きましょう?」
「こ…や……?」
「そう。力ははいる?歩ける?」
「…ぐっ……うぅ」
「私に体重かけていいから歩いて。本当に近くだから」
そうすると、青年は一歩ずつ歩き出した。
私はそれを誘導する。
片手で扉を開けて自分用に作った藁のベットに青年を寝かせる。
彼は苦悶の表情をしているが、きっと川にいるよりもマシだろう。
窓を少しだけ開けて囲炉裏に火をつける。
これで少しずつだけど、体温が戻るはずだ。
「薬草だけ取ってくるから」
聞こえているか怪しいが、それだけ言い置いて置いたままになっている薬草を取りに行った。
川のそばに置いたままになっていた薬草はそのままになっており、ホッと一息ついた。
そして、薬草を手にした時……
「ねぇ、君」
不意に声をかけられた……。
川が赤くなっていたのは彼が流した血によるもののようで、服に血が滲んでいた。
(これ以上川にいたら体温が危ない)
青年の脇の下に手を入れてなんとか引き上げようとするも、青年の体はかなり重い。
服は水を吸っているし、青年の背丈もかなり高い。女手一つで持ち上がるものではない。
それでも、川岸まで引きずって彼の様子をみた。
(息は…弱いけどある。顔色はかなり悪い。傷は………っ!)
血の滲んでいるところを頼りに傷口を見れば…そこには大きな切り傷と銃槍が三つもあった。
そこからはまだ新しい血が流れていて止まらない。
(まずは止血して…)
どんな事情があるのかわからないけど、このまま青年をこの場所に置いておくなんて選択肢はなかった。
野生の獣たちが集まっても面倒なので止血をしてから青年を山小屋まで運ぶことにする。
(薬草は…ある。あとは教わった知識を使うだけ)
持ってきていた薬草を川で洗って、止血に使うリンデル草をよく揉み込みそっと傷口に貼った。
幸いにも弾丸は貫通していたようで球を取り除く必要はない。
あとは悪いけど彼のマントを割いて包帯の代わりを作り、傷口を縛った。
応急手当てはこれくらいにして……
(引きずるしかないわよね)
一人旅なのが悔やまれる。
私は薬草をそのままにして青年を引きずって山小屋まで運ぶことにした。
ズボンの裾が汚れようが、知ったことではない。あのまま死んでしまうよりマシだろう。
「う…ぅ……」
「ねぇ…大丈夫?」
彼がうめき声をあげたのでもしかしたら意識を取り戻したのかもしれない。
そう思って声をかければ少しだけ目が開いた。
「この近くに山小屋があるの。そこまで行きましょう?」
「こ…や……?」
「そう。力ははいる?歩ける?」
「…ぐっ……うぅ」
「私に体重かけていいから歩いて。本当に近くだから」
そうすると、青年は一歩ずつ歩き出した。
私はそれを誘導する。
片手で扉を開けて自分用に作った藁のベットに青年を寝かせる。
彼は苦悶の表情をしているが、きっと川にいるよりもマシだろう。
窓を少しだけ開けて囲炉裏に火をつける。
これで少しずつだけど、体温が戻るはずだ。
「薬草だけ取ってくるから」
聞こえているか怪しいが、それだけ言い置いて置いたままになっている薬草を取りに行った。
川のそばに置いたままになっていた薬草はそのままになっており、ホッと一息ついた。
そして、薬草を手にした時……
「ねぇ、君」
不意に声をかけられた……。
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