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ショウ大王国建設!!
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「あっしはレットハ村からギルデンスターン王国に来る途中で、その旦那と知り合って、同行してもらいやした。そしてドミニク沼地とジョン岩山を通ったからこそ、期日内に商品を納入出来たんでさあ」
行商人はギルデンスターン王国では名の知れたギルドに所属する、信頼の置ける商人として認知されていた。
商人の言葉は、高い信憑性を持って人々に届いた。
「ほ、ほんとうなのか?」
「ゴブリンとトロールを全滅させた?」
「たった一人で?」
「たった一日で?」
「そんな事が出来るのか?」
「し、しかし商人ギルドには確かにレットハ村からの特産品が販売されていた」
「それに、たった今、行われた凄まじい激戦でも傷一つ負わずに完全勝利したぞ」
「も、もしや」
「本当の事なのか?」
人々は、翔がゴブリンとトロールを一日で全滅させた事を信じ出す。
「凄い人だ」
「ああ、ギルデンスターン三世よりもずっと凄い」
「いや、比べものにならない」
群衆や兵士は翔の偉大さに気付き出した。
「あーあ、やっぱ翔には敵わねーなー」
「一回位、競り合ってみたかったけどな」
「スケールが違うよな」
「あたし、惚れ直しちゃった」
「あたしもー」
クラスメイトも翔を再評価しだす。
「チェック・メート(詰み)だな」
翔がギルデンスターン三世に呟く。
「くく、くくくく、、、はーはははははっははははは!!!!!」
ギルデンスターン三世は高笑いをした。
「どうやら認めるしか無いようだ」
ギルデンスターン三世は王冠を外す。
「戦局の詰みと、指導者としての罪を」
ギルデンスターン三世は翔に跪く。
「数々の非礼、如何なる処罰も受け入れます。そして願わくば、余、、、、いや、私に代わり、人類を導いて下され、ショウ大王よ」
ギルデンスターン三世は自分が被っていた王冠を翔に献上する。
「まあ、良いだろう」
翔は王冠を手に取り、自らの頭上に載せる。
「これにて勝負は決着だ!!ギルデンスターン王国の全ては俺が頂く!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
一日。
たった一日である。
辺り一帯で最も隆盛する王国を、到着して一日足らずで傘下に収めてしまった。
まさにショウ・タイム(翔の時間)である。
≪翌日≫
人間の力、ラビットヒュームの力、ワーウルフの力、マーメイドの力、リザードマンの力、ミノタウロスの力、ケンタウロスの力、そして何よりも大きな翔の力。
それらが合わさり、増幅して、翔の的確で迅速な指揮が執られた事で、崩落した城は急ピッチで再建が進んだ。
「こんなものかな」
翔は改築された城を見る。
「ショウ様、準備が整いました」
兵士が翔に報告した。
「そうか、今行く」
翔は城に入る。
広場には人間、ラビットヒューム、ワーウルフ、マーメイド、リザードマン、ミノタウロス、ケンタウロスが集まっていた。
「一体、何が始まるんだ?」
皆がこれから起きる事を口々に予想した。
広場は騒然としている。
ここで翔が姿を現すまでの間に、人間と獣人が会話をして打ち解け出した。
それも翔の狙い通りだ。
翔がその場に居なくとも、人々に好影響を及ぼす。
翔が現れるまでに過ごす時間もまた、ショウ・タイム(翔の時間)だった。
翔は再建された城の頂上から姿を現す。
「ショウ様だ!!」
「ショウ様――――――!!!!!」
「ショウ大王様―――――――!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
人間も、ラビットヒュームも、ワーウルフも、マーメイドも、リザードマンも、ミノタウロスも、ケンタウロスも、皆が皆、翔に対して敬意を抱き、歓呼の声で自らの主を迎えた。
スッ。。。。。
翔が手を翳すと、歓声はピタリと収まる。
「人間と獣人の闘争は今日を以って終止符を打つ!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「城の名を、正義の城から変更し、翔の城とする!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「更に、国名もギルデンスターン王国から改名し、元々有った翔王国と合体させて、翔大王国とする!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「王妃を紹介する!!!!!!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
しかし、皆の脳裏に不安が去来する。
一体、誰が王妃に選ばれるのか?
人間は、人間の王妃が誕生する事を望んだ。
兎人は、兎人の王妃が誕生する事を望んだ。
人狼は、人狼の王妃が誕生する事を望んだ。
人魚は、人魚の王妃が誕生する事を望んだ。
蜥蜴人は、蜥蜴人の王妃が誕生する事を望んだ。
牛人は、牛人の王妃が誕生する事を望んだ。
人馬は、人馬の王妃が誕生する事を望んだ。
生まれつつある結束に、早くも亀裂が入り始めていた。
「来なさい」
翔は王妃を呼ぶ。
スッ。
王妃が現れた。
マリーである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ラビットヒュームは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
ユリアである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ワーウルフは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
レイナである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
マーメイドは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
カッサンドラである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
リザードマンは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
バネッサである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ミノタウロスは狂喜乱舞した。
ケンタウロスは意気消沈しなかった。
次は自分たちの番だと思った。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
ケンタウロスは一応、困惑した声を出す。
スッ。
王妃が現れた。
シャーロットである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ケンタウロスは狂喜乱舞した。
人間たちは意気消沈する。
やはりショウ様は我々獣人を優先してくれるのだ、と獣人たちは思った。
声にこそ出しはしなかったが、獣人は皆、心の中で同じように考えた。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
獣人たちは困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
ギルデンスターン・フォーティンブラス王女である。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
人間たちは狂喜乱舞した。
獣人たちは意気消沈する。
「人間、ラビットヒューム、ワーウルフ、マーメイド、リザードマン、ミノタウロス、ケンタウロス。翔大王国には七つの種族が住む。故に、七つの種族から一人ずつ妃を選出した。
種族の違いは確かに有る。得手不得手が存在する。
しかし、その違いは、互いを補い合う為にこそ発揮されるべき個性だと俺は考える!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおお!!」
皆は歓声を上げたが、先程までとは打って変わり、明らかに事務的な歓声だった。
「この世界には、様々な種族が存在する。それは小さくない違いだ。しかし、それよりも遥かに大きな違いが有る」
「???」
翔の言葉に皆は疑問を抱く。
種族の違いよりも大きな違いなど有るのだろうか、と。
「それは、翔大王国の傘下に有るか、そうでないか、と言う違いだ!!」
翔は堂々たる宣言をした。
獣人たちは翔の傘下に入る前と後を思い出して比較する。
「そ、そうだ、我々もかつては獣人同士でいがみ合っていた」
「でも、ショウ様の庇護下に入って、変わったんだ」
「ショウ様に仕えるか、そうで無いのか、それ以上に大きな違いなど無い!」
獣人たちは考えを改めた。
そして、獣人たちが考えを改めた様子を見て、人間たちも翔の偉大さを再認識した。
翔の圧倒的な戦闘能力は昨日の激戦で誰もが知っている。
しかし、指導者としての手腕は未知数だった。
ところが今日、獣人たちの心を容易く掌握する様を見て、翔の心の強さを知る。
その様な人間と獣人の心の変化も、翔の狙い通りだった。
王妃を一人ずつ紹介したのも、心の亀裂を浮き彫りにする為である。
将来、翔が国を空けている時に亀裂が浮き彫りになっては不味い。
だから今日、あえて亀裂を浮き彫りにして、それを修復したのだ。
王妃を紹介すると言う何気ない行為でも、有効活用する。
その時間でさえも、ショウ・タイム(翔の時間)だった。
「翔大王国は、一人の大王と七人の王妃、七つの種族により今日から運営されていく!!
種族の垣根を越えて、一丸となって目標に全力前進すれば、史上最高の大王国を築く事が出来る!!!!!!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「俺に付いて来い!!俺は玉座に座って指図するだけの指導者では無い!!常に先陣を切って前人未到の最前線を駆け抜ける!!俺の背中がお前達の目標だ!!俺は手加減しないぞ!!俺は常に全力疾走だ!!俺とお前達の戦いだ!!俺を見失うな!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
皆は狂喜乱舞した。
翔は正真正銘、空前絶後の偉大なる英雄だ。
人間と獣人の争いに終止符を打ち、トロールとゴブリンと言う二つのモンスターを壊滅させた翔の名声は世界中を駆け巡る。
かつてこのような屈強で聡明な人物が存在しただろうか?
答えは勿論、否である。
此の異世界に転移して一週間である。
たった一週間。
僅か一週間にして七つの種族をいとも容易く傘下に収めたのだ。
疾風怒濤の快進撃である。
破竹の勢いで翔は異世界を攻略していた。
その噂は異世界の各地を駆け巡り、各種族の注目の的になった。
「凄い男が現れた」
「ショウと言う男、一体全体、何者なんだ?」
「一週間で七つの種族を掌握したのか?今まで存在した歴史上のいかなる人物にも到達することの出来ない偉業だ」
「逆らうのは得策じゃない」
「我々も傘下に加わるべきでは?」
翔の噂は留まる処を知らなかった。
この先も数々の困難が待ち受けている事だろう。
しかし翔と言う前代未聞の指導者により、全ての困難は打破されて行くのだった。
古代ギリシャの理想とした哲人王が完全な形で出現した。
それは正に世界精神の体現であり聖人君子の徳治政治だった。
この世界には釈迦もキリストもいない。
ただ一人、村田翔と言う偉大なる救世主がいた。
翔こそ此の混迷する暗黒時代の異世界を救済する為に現れた空前絶後の英雄だった。
ショウ・タイム(翔の時間)は加速する。
行商人はギルデンスターン王国では名の知れたギルドに所属する、信頼の置ける商人として認知されていた。
商人の言葉は、高い信憑性を持って人々に届いた。
「ほ、ほんとうなのか?」
「ゴブリンとトロールを全滅させた?」
「たった一人で?」
「たった一日で?」
「そんな事が出来るのか?」
「し、しかし商人ギルドには確かにレットハ村からの特産品が販売されていた」
「それに、たった今、行われた凄まじい激戦でも傷一つ負わずに完全勝利したぞ」
「も、もしや」
「本当の事なのか?」
人々は、翔がゴブリンとトロールを一日で全滅させた事を信じ出す。
「凄い人だ」
「ああ、ギルデンスターン三世よりもずっと凄い」
「いや、比べものにならない」
群衆や兵士は翔の偉大さに気付き出した。
「あーあ、やっぱ翔には敵わねーなー」
「一回位、競り合ってみたかったけどな」
「スケールが違うよな」
「あたし、惚れ直しちゃった」
「あたしもー」
クラスメイトも翔を再評価しだす。
「チェック・メート(詰み)だな」
翔がギルデンスターン三世に呟く。
「くく、くくくく、、、はーはははははっははははは!!!!!」
ギルデンスターン三世は高笑いをした。
「どうやら認めるしか無いようだ」
ギルデンスターン三世は王冠を外す。
「戦局の詰みと、指導者としての罪を」
ギルデンスターン三世は翔に跪く。
「数々の非礼、如何なる処罰も受け入れます。そして願わくば、余、、、、いや、私に代わり、人類を導いて下され、ショウ大王よ」
ギルデンスターン三世は自分が被っていた王冠を翔に献上する。
「まあ、良いだろう」
翔は王冠を手に取り、自らの頭上に載せる。
「これにて勝負は決着だ!!ギルデンスターン王国の全ては俺が頂く!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
一日。
たった一日である。
辺り一帯で最も隆盛する王国を、到着して一日足らずで傘下に収めてしまった。
まさにショウ・タイム(翔の時間)である。
≪翌日≫
人間の力、ラビットヒュームの力、ワーウルフの力、マーメイドの力、リザードマンの力、ミノタウロスの力、ケンタウロスの力、そして何よりも大きな翔の力。
それらが合わさり、増幅して、翔の的確で迅速な指揮が執られた事で、崩落した城は急ピッチで再建が進んだ。
「こんなものかな」
翔は改築された城を見る。
「ショウ様、準備が整いました」
兵士が翔に報告した。
「そうか、今行く」
翔は城に入る。
広場には人間、ラビットヒューム、ワーウルフ、マーメイド、リザードマン、ミノタウロス、ケンタウロスが集まっていた。
「一体、何が始まるんだ?」
皆がこれから起きる事を口々に予想した。
広場は騒然としている。
ここで翔が姿を現すまでの間に、人間と獣人が会話をして打ち解け出した。
それも翔の狙い通りだ。
翔がその場に居なくとも、人々に好影響を及ぼす。
翔が現れるまでに過ごす時間もまた、ショウ・タイム(翔の時間)だった。
翔は再建された城の頂上から姿を現す。
「ショウ様だ!!」
「ショウ様――――――!!!!!」
「ショウ大王様―――――――!!!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
人間も、ラビットヒュームも、ワーウルフも、マーメイドも、リザードマンも、ミノタウロスも、ケンタウロスも、皆が皆、翔に対して敬意を抱き、歓呼の声で自らの主を迎えた。
スッ。。。。。
翔が手を翳すと、歓声はピタリと収まる。
「人間と獣人の闘争は今日を以って終止符を打つ!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「城の名を、正義の城から変更し、翔の城とする!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「更に、国名もギルデンスターン王国から改名し、元々有った翔王国と合体させて、翔大王国とする!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「王妃を紹介する!!!!!!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
しかし、皆の脳裏に不安が去来する。
一体、誰が王妃に選ばれるのか?
人間は、人間の王妃が誕生する事を望んだ。
兎人は、兎人の王妃が誕生する事を望んだ。
人狼は、人狼の王妃が誕生する事を望んだ。
人魚は、人魚の王妃が誕生する事を望んだ。
蜥蜴人は、蜥蜴人の王妃が誕生する事を望んだ。
牛人は、牛人の王妃が誕生する事を望んだ。
人馬は、人馬の王妃が誕生する事を望んだ。
生まれつつある結束に、早くも亀裂が入り始めていた。
「来なさい」
翔は王妃を呼ぶ。
スッ。
王妃が現れた。
マリーである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ラビットヒュームは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
ユリアである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ワーウルフは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
レイナである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
マーメイドは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
カッサンドラである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
リザードマンは狂喜乱舞した。
他の種族は意気消沈する。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
皆は困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
バネッサである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ミノタウロスは狂喜乱舞した。
ケンタウロスは意気消沈しなかった。
次は自分たちの番だと思った。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
ケンタウロスは一応、困惑した声を出す。
スッ。
王妃が現れた。
シャーロットである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ケンタウロスは狂喜乱舞した。
人間たちは意気消沈する。
やはりショウ様は我々獣人を優先してくれるのだ、と獣人たちは思った。
声にこそ出しはしなかったが、獣人は皆、心の中で同じように考えた。
「来なさい」
翔は再び王妃を呼ぶ。
「え???」
獣人たちは困惑した。
スッ。
王妃が現れた。
ギルデンスターン・フォーティンブラス王女である。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
人間たちは狂喜乱舞した。
獣人たちは意気消沈する。
「人間、ラビットヒューム、ワーウルフ、マーメイド、リザードマン、ミノタウロス、ケンタウロス。翔大王国には七つの種族が住む。故に、七つの種族から一人ずつ妃を選出した。
種族の違いは確かに有る。得手不得手が存在する。
しかし、その違いは、互いを補い合う為にこそ発揮されるべき個性だと俺は考える!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおお!!」
皆は歓声を上げたが、先程までとは打って変わり、明らかに事務的な歓声だった。
「この世界には、様々な種族が存在する。それは小さくない違いだ。しかし、それよりも遥かに大きな違いが有る」
「???」
翔の言葉に皆は疑問を抱く。
種族の違いよりも大きな違いなど有るのだろうか、と。
「それは、翔大王国の傘下に有るか、そうでないか、と言う違いだ!!」
翔は堂々たる宣言をした。
獣人たちは翔の傘下に入る前と後を思い出して比較する。
「そ、そうだ、我々もかつては獣人同士でいがみ合っていた」
「でも、ショウ様の庇護下に入って、変わったんだ」
「ショウ様に仕えるか、そうで無いのか、それ以上に大きな違いなど無い!」
獣人たちは考えを改めた。
そして、獣人たちが考えを改めた様子を見て、人間たちも翔の偉大さを再認識した。
翔の圧倒的な戦闘能力は昨日の激戦で誰もが知っている。
しかし、指導者としての手腕は未知数だった。
ところが今日、獣人たちの心を容易く掌握する様を見て、翔の心の強さを知る。
その様な人間と獣人の心の変化も、翔の狙い通りだった。
王妃を一人ずつ紹介したのも、心の亀裂を浮き彫りにする為である。
将来、翔が国を空けている時に亀裂が浮き彫りになっては不味い。
だから今日、あえて亀裂を浮き彫りにして、それを修復したのだ。
王妃を紹介すると言う何気ない行為でも、有効活用する。
その時間でさえも、ショウ・タイム(翔の時間)だった。
「翔大王国は、一人の大王と七人の王妃、七つの種族により今日から運営されていく!!
種族の垣根を越えて、一丸となって目標に全力前進すれば、史上最高の大王国を築く事が出来る!!!!!!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
翔の力強い断言に皆は狂喜乱舞した。
「俺に付いて来い!!俺は玉座に座って指図するだけの指導者では無い!!常に先陣を切って前人未到の最前線を駆け抜ける!!俺の背中がお前達の目標だ!!俺は手加減しないぞ!!俺は常に全力疾走だ!!俺とお前達の戦いだ!!俺を見失うな!!!」
翔は堂々たる宣言をした。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
皆は狂喜乱舞した。
翔は正真正銘、空前絶後の偉大なる英雄だ。
人間と獣人の争いに終止符を打ち、トロールとゴブリンと言う二つのモンスターを壊滅させた翔の名声は世界中を駆け巡る。
かつてこのような屈強で聡明な人物が存在しただろうか?
答えは勿論、否である。
此の異世界に転移して一週間である。
たった一週間。
僅か一週間にして七つの種族をいとも容易く傘下に収めたのだ。
疾風怒濤の快進撃である。
破竹の勢いで翔は異世界を攻略していた。
その噂は異世界の各地を駆け巡り、各種族の注目の的になった。
「凄い男が現れた」
「ショウと言う男、一体全体、何者なんだ?」
「一週間で七つの種族を掌握したのか?今まで存在した歴史上のいかなる人物にも到達することの出来ない偉業だ」
「逆らうのは得策じゃない」
「我々も傘下に加わるべきでは?」
翔の噂は留まる処を知らなかった。
この先も数々の困難が待ち受けている事だろう。
しかし翔と言う前代未聞の指導者により、全ての困難は打破されて行くのだった。
古代ギリシャの理想とした哲人王が完全な形で出現した。
それは正に世界精神の体現であり聖人君子の徳治政治だった。
この世界には釈迦もキリストもいない。
ただ一人、村田翔と言う偉大なる救世主がいた。
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