ショウ・タイム~異世界最速攻略記~

人羊ゲーム

文字の大きさ
17 / 21

一万年に一人の美少女アイドルとダンジョン攻略4

しおりを挟む
≪ダンジョン・入口≫



「いや~、待ちくたびれましたよ。ようやく来てくれましたね、精鋭の戦士団」

ガイドはオリバー共和国の戦士団を歓迎する。

「こっちはもう準備万端ですよ」

ガイドはニヤリと笑う。

「我々も準備は整っている。いよいよダーク・クラーケンを討伐し、このダンジョンで最高のアイテムをオリバー共和国に持ち帰るのだ!!」

戦士団の団長がそう言うと、

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

戦士団は鬨の声を上げる。

ジ、ジジ、、、、、

空間が歪む音がした。

ヴオォォオンンン。。。。。。。

翔とミゾレがワープで姿を現す。

「な、なんだと!!?」

ガイドと戦士団は狼狽する。

「一体どうなっているんだ!?」

団長はガイドに詰問する。

「え?いや、わたしに言われましても。。。。」

「帰還の腕輪は停止しておけとあれほど言っただろうが!!」

「い、いえ、わたしは確かに腕輪の機能を停止しておきました!」

「なら何故ターゲットの二人が自由に帰還の腕輪を発動出来たんだ!?」

団長の怒号にガイドは萎縮する。

「おい」

翔は言葉をはさむ。
その言葉に団長は怒鳴り声で返す。

「お前は黙っていろ!!お前らの所為で計画が台無しだ!!」

団長の横暴な振る舞いは、翔にとって酷く不愉快だった。
ミゾレが危険に曝されたのだ。
助かったのは僧侶の腕輪が有ったからで、結果論に過ぎない。

「お前らは生贄としての役目も全う出来ないのか!!」

団長は翔とミゾレを罵倒する。

ズバッ!!

翔の神速の居合抜きで、団長の片腕は宙に舞う。

「グギャアアアアア!!!」

団長は悲鳴を上げる。
他の戦士は武器を構えた。
だが。

ズババ!!

翔は全員を一瞬で戦闘不能にした。
毒に身体を蝕まれながらも、勇者の腕輪でミゾレの回復をしつつ、ダーク・クラーケンの猛攻を捌ききり、ダーク・クラーケンを刀の錆にした翔にとって、オリバー共和国の精鋭戦士団は欠伸が出るほど弱い。

「キキキキキミは自分が何をしたか分かっているのか!?オリバー共和国の精鋭戦士団以外、一体誰がダーク・クラーケンを討伐出来るっていうんだ!?」

ガイドは狂乱する。

「ダーク・クラーケンなど、すでに討伐したが?」

翔は当然の如く言う。

「嘘を吐くな!」

口調は強いが、団長は片腕を飛ばされ、戦士団は瞬殺された。
ガイドは怖気付く。

「腕輪の機能を使い、映像を確かめてみろ」

翔の言葉にガイドは映像を確かめる。

「ばっ、馬鹿な!!ダーク・クラーケンが!!!死んでいる!!!」

ガイドはワナワナと震えだす。

「い、一体誰が。。。。???」

「だから俺がダーク・クラーケンを討伐したと言っている」

「そそそそそれならアイテムは!?レアアイテムは!!??」

「俺の腕に有るだろうが」

翔は僧侶の腕輪を見せる。

「そそそそそんな馬鹿な!!しかも他にも腕輪が!!」

ガイドは翔が装着している二つの勇者の腕輪を見る。
ガイドは混乱しながらも、思案した。

「。。。。。。いやぁ、おめでとうございます!これにて見事、オリバー共和国から望む報酬を受け取る事が出来ますよ!さあ、オリバー共和国へ向かいましょう!」

ガイドは最も自分に利益になる提案をした。

ズバン!

翔はガイドを斬り付ける。

「んぎゃあああああああああああああああああ!!!」

ガイドは悲鳴を上げた。
悲鳴が耳障りなので、ガイドの顔面を拳で殴り付ける。

「今からお前達をダンジョンにワープさせる。自力で生き残ってみろ」

翔は団長とガイドをワープの台座に乗せ、ダンジョンへとワープさせる。

「こんな事が許されると思っているのか!?」

「わたしは命令されていただけです!!」

「お前を殺してやる!!」

「こんな事をすれば、オリバー共和国に殺されますよ!?」

「分かった!認めよう!お前は強い!早くこの馬鹿な真似を止めるんだ!」

「わたしだけでも助け/

ギュオオオオオ。。。。。カッ!!!

台座にエネルギーが渦巻き、光が湧き上がる。
ガイドと団長が好き勝手に喋っている途中でワープが発動し、二人はダンジョンに送り込まれた。
勿論、帰還の腕輪は渡されていない。
翔は振り返り、戦士団を見る。

「ひぃっ!!」

戦士団は翔の殺気に気圧されて悲鳴を上げた。

「お前達、俺に何か提示できるか?」

翔は戦士団に問う。

「な、なにかって?」

「何でも良い。道具でも、情報でも。お前達の国。オリバー共和国に付いて、知っている事を言え」

翔は剣を向ける。

「オ、オ、オリバー共和国は元々王国だったが、国王の暴政に民衆は困窮し、救国の革命家クローヴァーが王制に反旗を翻し。。。」

「その様な宣伝には興味が無い。今現在のオリバー共和国の政治情勢を語れ」

「い、今のオリバー共和国は、王国時代の負の遺物、メアリー伯爵に手を焼いている。
メアリー伯爵は頑なに既得権益にしがみ付き、共和制に反発している。
領民に呼びかけても、すっかり洗脳されていてメアリー伯爵の言うなりなんだ。
話し合いが通じないなら、いっそのこと武力で解決すればいいと共和国議会で採決されたが、派兵は失敗に終わった。メアリー伯爵も異世界召喚に手を染めていたんだ。
しかも、メアリー伯爵領にもダンジョンが有って、召喚者たちが次々と攻略に乗り出している。このままじゃあ折角の共和制国家、オリバー共和国が滅びてしまう!
だ、だから、その」

「お前は勘違いをしている」

翔は指摘する。

「か、かんちがいをしている???」

オリバー共和国の戦士は翔の指摘を理解出来なかった。

「共和制国家の指導者が、必ずしも君主制国家の指導者よりも有能とは限らない」

翔は堂々たる宣言をした。

「そ、そんな事はない!我々オリバー共和国は公正なる選挙を経て正しい指導者を選出した!」

オリバー共和国の戦士は反論する。

「それで、選出された指導者の計画を実行に移した結果が今のお前達だ」

翔は揺るぎ無い事実を突き付けた。

「う、ぐ、、、」

オリバー共和国の戦士は言葉を詰まらせる。

「メアリー伯爵とやらに興味が湧いた。メアリー伯爵領の地図を寄こせ」

「そ、そんなものは持ってきていない!持ってきたのはダンジョンの地図だけだ!」

「ならば、書き込め」

翔は、今いるダンジョンに来る際に使用した地図を取り出す。

「此処が現在地だ。それで、メアリー伯爵領は何処だ?指し示せ」

翔は一人ずつ地図を見せる。

「こ、此処が現在地なら、メアリー伯爵領はこの辺りだ」

戦士は地図の中のメアリー伯爵領を指し示す。

「次はお前だ。メアリー伯爵領を指し示せ」

翔は一人ずつから見えないように位置を聞き出す。



全員から場所を聞き出した。

「どうやら嘘は吐いていないようだな」

翔は地図上のメアリー伯爵領に印を付ける。

「もういいだろ!!」

「さっさと消えちまえ!」

「共和制の敵め!」

「覚えてろよ!!」

戦士たちは翔を罵倒する。

「奇妙な事を言うな。お前達に明日が来るかの様な言い草だ」

翔の言葉に戦士たちは凍りつく。

「ダンジョン攻略しに来たんだろう?楽しんで行くが良い」

翔は戦士たちをワープの台座に乗せて、ダンジョン内部にワープさせる。

「待ってく」

「頼む止め」

「何でもす」

「悪かっ」

次々と戦士たちはダンジョン内部にワープされていく。



そして全ての敵をダンジョン内部にワープさせた。
武器も帰還の腕輪も持たせずに。



≪ダンジョン内部≫



「うわあああああ!!」

ガイドは発狂している。

「最悪だ!こんな目に会うなんて!!」

「うるさいぞ!そもそもお前が帰還の腕輪の機能を停止しておかなかったから、こんな事になったんだ!!」

団長はガイドを罵倒する。
団長もガイドも、ダーク・クラーケンの部屋に脱出用のワープの台座が有る事を知らない。
もっとも、辿り着く事など出来はしないが。

「何を言ってるんですか!?わたしは確かに帰還の腕輪を機能停止にしておきましたよ!!大体、あなた達こそ来るのが遅いんですよ!!あんた達が到着に間に合っていれば、あいつらとワープで位置を交換して、ダーク・クラーケンの部屋のアイテムを手に入れる事が出来たのに!!」

ガイドと団長は言い争う。

「あんただと?一体誰に言っている積もりだ!?」

団長は凄んで見せる。

「あんたですよ!あ・ん・た!あいつに片腕を吹っ飛ばされた激弱の団長さん」

ガイドは団長を馬鹿にした。

「片腕でも、お前ぐらい訳なく殺せるぞ!!」

団長の言葉に、ガイドは怯む。

「や、やだなぁ。なに本気になってるんですか。冗談ですよ。冗談」

ガイドはおどけてみせたが、団長は翔に完敗した悔しさをガイドに向ける。

「うわあああああああああああ!!!」

団長はガイドに襲いかかった。

「ひいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

ガイドは逃げ惑う。




≪ダンジョン・地下2F≫



「はあ、はあ、クソッ!!ガイドめ!ブッ殺してやる!!」

団長は翔に斬り飛ばされた片腕を押さえながらヨロヨロと歩く。

「だ、団長」

その声は、戦士団の戦士だった。

「おお、お前か、今ガイドが逃げていった!追ってすぐに殺せ!!」

団長は戦士に命令する。

「そんな事より、どうやって脱出するんですか?」

戦士は当然の疑問を口にした。

「そんな事?そんな事だと!?あいつはこの俺を馬鹿にしやがったんだぞ?悔しくないのか!お前は!!自分の所属する戦士団の団長を馬鹿にされたんだぞ!!」

「今は脱出方法を見つける方が先ですよ」

「悔しくないのか!?恥ずかしくないのか!?この玉無し野郎!!」

団長は戦士を罵倒する。
戦士はムッとした。

「あの召喚者に瞬殺された団長の方が恥ずかしいですよ」

「なんだと!?」

「団長の方が恥ずかしいって言ったんですよ!!ボロ負けして、八つ当たりして、アンタみたいな団長だから、こんな事になったんだよ!!」

「なんだと~!?」

「ホントの事でしょ!!」

「今まで誰が世話してやったと思ってんだ!!?」

「アンタの世話になった事なんてねえよ!!何時も口だけで部下にやらせて!失敗したら部下のせい!成功したら手柄を横取り!!お前なんていない方が良いんだよ!!団の誰もお前の事を慕ってなんかないんだよ!!」

「なんだと!!!」

「さっきから『なんだと』ばっかだな!!ボキャブラリー少なすぎだろ!!低能!!」

「死ね!!」

「お前が死ね!!」

団長と戦士は取っ組み合い、殺し合う。



≪ダンジョン・地下3F≫



「はぁっ、はぁっ、ここまで来れば、安全でしょう。追いつくまでに、あいつは出血多量で死ぬはずですからね、くくく」

ガイドは息を切らしながら笑う。

「て、てめぇ、、、、よくも俺らを見捨てたな。。。。」

恨みに満ちた声がした。

「キ、キミ達は!?」

ガイドの視線の先にいたのは、翔に斬られたオリバー共和国の手先、ガイドが捨て駒と言い捨てた三人だった。
団長から逃げたガイドが辿り着いたのは、毒の水路だった。

「よくも俺達を捨て駒扱いしてくれたな。。。。!!」

「死ねええええええええ!!」

血塗れの三人はガイドに襲いかかる。

「ひっ!!」

ガイドは逃げようとするが、団長から逃げたばかりで、体力が無かった。
足を掴まれる。

「まままま待つんです!!こんな事をしても、どうにもなりませんよ!!」

ガイドは捨て駒の三人を説得する。

「俺たちゃ、もう直ぐ死ぬ。元からどうにもならねぇんだよ!!」

捨て駒の三人はガイドに襲いかかる。

「ひぃ!!」

ガイドは滅茶苦茶に腕を振り回す。

しかし、瀕死の三人には通用した。
肘が瀕死の男の顔面に当たる。

「ぐっ」

「は、ははは!なんだ、わたしでも倒せるじゃないですか!!心配して損しましたよ!
むしろわたしの方からキミたちの息の根を止めてやりますよ!!」

ガイドは笑いながら瀕死の男を蹴る。

「ははははは!!捨て駒の分際で、逆らうんじゃありませんよ!!」

ガイドはすでに息絶えた男を蹴る。

「さあ、残り二人ですよ!次はどっちから殺してやりましょうかね!?」

ガイドは強者として振る舞う。

「おい、俺は正面から行く、お前は後ろから襲え」

瀕死の男は二手に分かれる。

「え?そ、そんな、やめましょうよ、仲間同士で」

ガイドは瀕死の男、二人に挟み打ちにされて慌てる。

「仲間の事を仲間だと思ってるなら、捨て駒なんて言わねえんだよ――――!!!」

瀕死の男二人はガイドに襲いかかる。

「うわああああああああ!!」

ガイドは腕を振り回す。
正面から襲いかかってきた男に手の甲が当たり、正面から来た男は毒の水に落ちた。

「はははは!!!ざまぁ!!」

ガイドは笑う。

「死ね死ね――――!!」

這い上がろうとする瀕死の男の頭を足で沈める。
ガイドの身体に後ろから来た男がタックルをした。

「お前も死ぬんだよ」

瀕死の男はガイドの身体に抱き付き、自分ごと毒の水路に飛び込む。

「ま、待て止めろ!痛い!痛い!助け。。。!!」

ガイドは悲鳴を上げ、禍々しい色をする水路に引きずり込まれる。
悲鳴は泡の音に代わり、ガイドは瀕死の男と共に毒の水路の中に消えた。

その場にいた全ての人間が死んだ。


翔の完全勝利である。




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

異世界からの召喚者《完結》

アーエル
恋愛
中央神殿の敷地にある聖なる森に一筋の光が差し込んだ。 それは【異世界の扉】と呼ばれるもので、この世界の神に選ばれた使者が降臨されるという。 今回、招かれたのは若い女性だった。 ☆他社でも公開

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...