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一万年に一人の美少女アイドルと出発
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「さて、メアリー伯爵領に向かうかな」
翔は出発の準備をした。
「翔さん」
ミゾレは翔の右腕の袖を引っ張る。
「ん?なんだ?」
「わたし、どうしたら良いですか?」
ミゾレは翔を見詰める。
「どうって、好きにすれば良い。オリバー共和国に戻っても良いし、俺の国に行っても良い」
「翔さんは今からどうするんですか?」
「俺はメアリー伯爵領に向かうが?」
翔の言葉に、ミゾレは俯く。
「、、、、翔さんは、わたしの事なんてどうでも良いんだ。。。。」
不貞腐れたように呟く。
「ん?なんだ?」
翔は問う。
「なんでもありません!」
ミゾレはムッとした表情で言った。
「わたし、決めました!」
「ほう、どうするんだ?」
「翔さんに付いていきます!」
ミゾレは快活に宣言し、ニッと笑う。
「危険が伴うが?」
翔は確認する。
「大丈夫です!翔さんが守ってくれるって信じてますから!」
そう宣言したミゾレの表情は、一切の迷いが無かった。
翔を心の底から信じているのだ。
「、、、、、、それに、翔さんと離れる方が、危険よりも嫌ですから。。。。。」
ミゾレはボソリと呟く。
「ん?なんだ?」
「なんでもありません!」
ミゾレは再びニッと笑う。
「そうか、では、メアリー伯爵領に向けて出発だ」
「はいっ!」
翔とミゾレはダンジョンを出て、メアリー伯爵領に向かった。
≪オリバー共和国とメアリー伯爵領の境界地域≫
「翔さん、、、待って下さい、、、、」
ミゾレは息を切らしていた。
≪勇者の腕輪・発動・回復≫
ミゾレの体力は回復した。
「さっきから、何度同じ事を繰り返させる気だ?体力が無さすぎるぞ」
「違いますよ!わたし、体力有る方ですよ!ただ、翔さんの基準が違うんですよ!」
「基準も何も、俺とミゾレしかいないのだから、それ以外の尺度など無い」
「そ、それはそうですけど。。。。」
ミゾレは落ち込む。
「仕方が無い、少し休憩するか」
翔は精神力も体力も有り余っていたが、勇者の腕輪では回復出来ないミゾレの精神力を考慮した。
「それで、ミゾレのスキルと職は?」
翔とミゾレは近くの岩場に腰掛けて会話する。
「わたしのスキルは『啓示』です」
「啓示、か。使用した事は有るのか?」
「はい、あります」
「どうだった?」
「そ、それは。。。。」
ミゾレは顔を赤らめる。
「何だ?言えない事なのか?」
「え、えっとですね、『ダンジョンへ行け、そこで運命の人と出会うであろう』という啓示でした。本当はダンジョンへ向かう途中で逃げ出せそうな時が有ったんですけど、啓示が有ったから、そうしませんでした」
「外れスキルだな」
翔は率直に言った。
「そんな事ありません!」
ミゾレは反発する。
「啓示の内容が外れているのだから、外れスキルと形容する他無い」
「外れてません!当たってます!大当たりです!」
ミゾレは声を振り絞った。
「ミゾレは運命の人と出会って無いだろう」
「、、、、、出会いました」
「いや、大勢のファン(?)に囲まれただけだろう」
翔の言葉に、ミゾレは人差し指でプルプルと示す。
ミゾレの人差し指は翔を指し示していた。
「。。。。。。。?」
翔は背後を振り返る。
「、、、、、、翔さんです」
ミゾレはポツリと言った。
「ん?なんだ?」
翔は聞き返す。
「わたしの運命の人は、、、、、わたしの目の前にいます。。。。。」
ミゾレは耳まで真っ赤だった。
「誰もいないが。。。。?」
翔は周囲を見回す。
「、、、、しょ、翔さんです!!!」
「俺が何だ?」
「わたしの運命の人は!翔さんです!!!!!!」
大声で叫ぶと、ミゾレは息を切らす。
「、、、、俺、、、、か?」
翔の問いかけに、ミゾレはコクリと頷く。
「まあ、そう言えばそうか。ペアを組んだし、ダンジョンも攻略した訳だからな」
翔は思い返す。
「そ、それもそうですけど、それだけじゃありません。。。。。」
消え入りそうな声で、ミゾレは言った。
「ん?なんだ?」
「なんでもありません!元気になったから、出発しましょう!」
何だか分からんが、気力が回復したなら良いか、と翔は思った。
翔とミゾレはメアリー伯爵領へ向かう。
≪オリバー共和国・共和国国会議事堂・大統領室≫
「初めまして、私がオリバー共和国大統領、クロイツ・メイルです」
クロイツは両手を組み、肘を机に付けたまま、自己紹介をした。
「けきょきょきょ―――――!!!小生の価値を見抜くとは、中々見る目が有るようだな!!」
奇声とも笑い声ともつかぬ声を上げて、学級委員長は踏ん反り返る。
「ツカヨオ、さっきいたオンナ、マジエロい身体だな!後でやらせろよ!!」
DQNは閉められた扉の向こうを見た。
「これであの陰キャぼっちをブッ飛ばせるぜ!!」
リア充は意気込む。
「それで、あなた達が提供してくれるスキルボックスは。。。?」
クロイツは掌を見せ、催促する。
「じゃじゃーん!!これがギルデンスターン王国から盗み出した、スキルボックスなのだ―――――――!!!」
学級委員長は鞄からスキルボックスを取り出す。
パシッ!!
学級委員長が取り出したスキルボックスは、すぐさま取り上げられた。
「なっ、何をする!!」
学級委員長はスキルボックスを取り上げた相手を見る。
「御苦労だったな」
スキルボックスを取り上げた男は言う。
「せ、生徒会長!!」
生徒会長と呼ばれた男の傍には、三人の男が立っていた。
「ふ、副生徒会長に、書記委員、会計委員も!!」
学級委員長は人物紹介をした。
「人物紹介御苦労。諸君は御役御免だ。スキル発動≪強制睡眠≫」
生徒会長はスキルを発動し、学級委員長とDQN,リア充は眠りに就いて、床に崩れ落ちる。
「これでギルデンスターン王国はスキルボックスを失った。ギルデンスターン王国でスキル保持者は今後増加する事が無くなった。そして、スキルボックスごとにスキルを獲得できるとすれば、我々は二つ目のスキルを獲得できる」
生徒会長は取り上げたスキルボックスを見る。
「机を借りるぞ」
生徒会長は大統領の机にスキルボックスを置く。
「どうぞ」
大統領は立ち上がり、距離を置く。
「スキルボックス発動!」
≪スキルボックスを発動します。対象者は手をかざして下さい≫
生徒会長は手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が、生徒会長を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
「くくく、はーっはっははは!!!これで私は二つのスキル保持者になった!!さあ、諸君も二つ目のスキルを獲得したまえ!!」
副生徒会長が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が副生徒会長を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
書記委員が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が書記委員を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
会計委員が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が会計委員を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
「これで我々の仮説は立証された。召喚者はスキルボックスの数だけ強くなれる!ダンジョンにスキルボックスが有るのかは判明していないが、各国に散在するスキルボックスを集めれば、間違いなく全人類の支配者になれる!!!そしてモンスターも獣人も支配できる!駆逐できる!!我々が支配者になるのだ!!」
生徒会長は力説した。
「いやはや、頼もしいですね」
大統領は立ち上がる。
「しかし、あなた方は飽く迄も客人。立場を超えた振る舞いは賢くありませんよ」
大統領がベルを鳴らすと、オリバー共和国の兵士が部屋になだれ込み、生徒会長達を取り囲む。
兵士たちは全員ガスマスクを着用している。
「あなた達の様な危険な怪物を、野放しにしておくと思いましたか?ガスマスクを着用しているから、強制睡眠のスキルも無意味です」
≪スキル発動・強制睡眠≫
強制睡眠のスキルが発動し、兵士達は床に崩れ落ちた。
「ば、馬鹿な!!」
大統領は狼狽する。
「話にならないな。スキルとは人智を超えた力。それをガスマスク程度で防げると思ったか?」
生徒会長は大統領の頭を掴む。
「今からオリバー共和国は我々生徒会の所有物だ」
≪スキル発動・強制睡眠≫
大統領とその他の要人は眠り、大統領の椅子に生徒会長が座る。
「オリバー共和国の国力をフル活用し、メアリー伯爵領を併呑する。そしてその戦果を掲げて我々生徒会を国家の上位機関として制定する。その後我々はギルデンスターン王国を併呑し、順に支配地域を拡大するのだ。スキルボックスを失ったギルデンスターン王国は難無く陥落させる事が出来るだろう」
生徒会長は方針を語った。
しかし、生徒会は重大な事を知らなかった。
ギルデンスターン王国がショウ王国に併呑され、ショウ大王国になっている事。
そして、史上最速で異世界攻略を進める空前絶後の大英雄がメアリー伯爵領に向かっていると言う事。
≪メアリー伯爵領≫
「どうやら到着したようだな」
翔は息切れ一つ起こさずに淡々と言った。
「ぜっ、はっ、はっ、速すぎます。。。。」
ミゾレは息切れしながら言った。
≪勇者の腕輪・発動・回復≫
翔はミゾレの体力を回復させた。
「中々栄えているようだな」
翔はメアリー伯爵領を見回す。
翔が傘下に収めたギルデンスターン王国よりは小規模だが、十分活気がある。
「これからどうするんですか?」
ミゾレが問う。
「啓示を使ってくれ」
翔がミゾレを見る。
「は、はい。スキル発動!」
≪スキル発動・啓示≫
光がミゾレを包む。
≪西方の酒場へ向かうべし。さすれば想い人との距離が縮まるであろう≫
ミゾレの口から啓示は語られた。
そして啓示が終わると、光は消える。
ミゾレは顔を赤らめた。
「想い人との距離が縮まる?なんだそれは」
翔は呆れる。
「わ、分かりません!わたしに聞かないでください!!」
本当は分かっていた。
啓示はミゾレの知りたい答えに応じて示されるのだから。
「やはり外れスキルだな」
「外れスキルじゃありません!!」
「手掛かり無し、か」
「あ、あの、折角ですから、酒場へ行きましょうよ」
「俺もミゾレも未成年だろ?」
「そ、そうですけど、少しはわたしのスキルを信用してください。啓示でも占いでも、直接的な表現はしないじゃないですか」
「ふむ、そうだな。何かの暗示と言う事も考えられる」
翔は思案した。
「どうせ手掛かりは無いんだ。西方の酒場へ、行くだけ行ってみるか」
「はい!」
本当はミゾレのスキル・啓示は直接的な表現をしていた。
翔とミゾレは西方の酒場へ向かう。
ショウ・タイム(翔の時間)は加速する。
翔は出発の準備をした。
「翔さん」
ミゾレは翔の右腕の袖を引っ張る。
「ん?なんだ?」
「わたし、どうしたら良いですか?」
ミゾレは翔を見詰める。
「どうって、好きにすれば良い。オリバー共和国に戻っても良いし、俺の国に行っても良い」
「翔さんは今からどうするんですか?」
「俺はメアリー伯爵領に向かうが?」
翔の言葉に、ミゾレは俯く。
「、、、、翔さんは、わたしの事なんてどうでも良いんだ。。。。」
不貞腐れたように呟く。
「ん?なんだ?」
翔は問う。
「なんでもありません!」
ミゾレはムッとした表情で言った。
「わたし、決めました!」
「ほう、どうするんだ?」
「翔さんに付いていきます!」
ミゾレは快活に宣言し、ニッと笑う。
「危険が伴うが?」
翔は確認する。
「大丈夫です!翔さんが守ってくれるって信じてますから!」
そう宣言したミゾレの表情は、一切の迷いが無かった。
翔を心の底から信じているのだ。
「、、、、、、それに、翔さんと離れる方が、危険よりも嫌ですから。。。。。」
ミゾレはボソリと呟く。
「ん?なんだ?」
「なんでもありません!」
ミゾレは再びニッと笑う。
「そうか、では、メアリー伯爵領に向けて出発だ」
「はいっ!」
翔とミゾレはダンジョンを出て、メアリー伯爵領に向かった。
≪オリバー共和国とメアリー伯爵領の境界地域≫
「翔さん、、、待って下さい、、、、」
ミゾレは息を切らしていた。
≪勇者の腕輪・発動・回復≫
ミゾレの体力は回復した。
「さっきから、何度同じ事を繰り返させる気だ?体力が無さすぎるぞ」
「違いますよ!わたし、体力有る方ですよ!ただ、翔さんの基準が違うんですよ!」
「基準も何も、俺とミゾレしかいないのだから、それ以外の尺度など無い」
「そ、それはそうですけど。。。。」
ミゾレは落ち込む。
「仕方が無い、少し休憩するか」
翔は精神力も体力も有り余っていたが、勇者の腕輪では回復出来ないミゾレの精神力を考慮した。
「それで、ミゾレのスキルと職は?」
翔とミゾレは近くの岩場に腰掛けて会話する。
「わたしのスキルは『啓示』です」
「啓示、か。使用した事は有るのか?」
「はい、あります」
「どうだった?」
「そ、それは。。。。」
ミゾレは顔を赤らめる。
「何だ?言えない事なのか?」
「え、えっとですね、『ダンジョンへ行け、そこで運命の人と出会うであろう』という啓示でした。本当はダンジョンへ向かう途中で逃げ出せそうな時が有ったんですけど、啓示が有ったから、そうしませんでした」
「外れスキルだな」
翔は率直に言った。
「そんな事ありません!」
ミゾレは反発する。
「啓示の内容が外れているのだから、外れスキルと形容する他無い」
「外れてません!当たってます!大当たりです!」
ミゾレは声を振り絞った。
「ミゾレは運命の人と出会って無いだろう」
「、、、、、出会いました」
「いや、大勢のファン(?)に囲まれただけだろう」
翔の言葉に、ミゾレは人差し指でプルプルと示す。
ミゾレの人差し指は翔を指し示していた。
「。。。。。。。?」
翔は背後を振り返る。
「、、、、、、翔さんです」
ミゾレはポツリと言った。
「ん?なんだ?」
翔は聞き返す。
「わたしの運命の人は、、、、、わたしの目の前にいます。。。。。」
ミゾレは耳まで真っ赤だった。
「誰もいないが。。。。?」
翔は周囲を見回す。
「、、、、しょ、翔さんです!!!」
「俺が何だ?」
「わたしの運命の人は!翔さんです!!!!!!」
大声で叫ぶと、ミゾレは息を切らす。
「、、、、俺、、、、か?」
翔の問いかけに、ミゾレはコクリと頷く。
「まあ、そう言えばそうか。ペアを組んだし、ダンジョンも攻略した訳だからな」
翔は思い返す。
「そ、それもそうですけど、それだけじゃありません。。。。。」
消え入りそうな声で、ミゾレは言った。
「ん?なんだ?」
「なんでもありません!元気になったから、出発しましょう!」
何だか分からんが、気力が回復したなら良いか、と翔は思った。
翔とミゾレはメアリー伯爵領へ向かう。
≪オリバー共和国・共和国国会議事堂・大統領室≫
「初めまして、私がオリバー共和国大統領、クロイツ・メイルです」
クロイツは両手を組み、肘を机に付けたまま、自己紹介をした。
「けきょきょきょ―――――!!!小生の価値を見抜くとは、中々見る目が有るようだな!!」
奇声とも笑い声ともつかぬ声を上げて、学級委員長は踏ん反り返る。
「ツカヨオ、さっきいたオンナ、マジエロい身体だな!後でやらせろよ!!」
DQNは閉められた扉の向こうを見た。
「これであの陰キャぼっちをブッ飛ばせるぜ!!」
リア充は意気込む。
「それで、あなた達が提供してくれるスキルボックスは。。。?」
クロイツは掌を見せ、催促する。
「じゃじゃーん!!これがギルデンスターン王国から盗み出した、スキルボックスなのだ―――――――!!!」
学級委員長は鞄からスキルボックスを取り出す。
パシッ!!
学級委員長が取り出したスキルボックスは、すぐさま取り上げられた。
「なっ、何をする!!」
学級委員長はスキルボックスを取り上げた相手を見る。
「御苦労だったな」
スキルボックスを取り上げた男は言う。
「せ、生徒会長!!」
生徒会長と呼ばれた男の傍には、三人の男が立っていた。
「ふ、副生徒会長に、書記委員、会計委員も!!」
学級委員長は人物紹介をした。
「人物紹介御苦労。諸君は御役御免だ。スキル発動≪強制睡眠≫」
生徒会長はスキルを発動し、学級委員長とDQN,リア充は眠りに就いて、床に崩れ落ちる。
「これでギルデンスターン王国はスキルボックスを失った。ギルデンスターン王国でスキル保持者は今後増加する事が無くなった。そして、スキルボックスごとにスキルを獲得できるとすれば、我々は二つ目のスキルを獲得できる」
生徒会長は取り上げたスキルボックスを見る。
「机を借りるぞ」
生徒会長は大統領の机にスキルボックスを置く。
「どうぞ」
大統領は立ち上がり、距離を置く。
「スキルボックス発動!」
≪スキルボックスを発動します。対象者は手をかざして下さい≫
生徒会長は手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が、生徒会長を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
「くくく、はーっはっははは!!!これで私は二つのスキル保持者になった!!さあ、諸君も二つ目のスキルを獲得したまえ!!」
副生徒会長が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が副生徒会長を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
書記委員が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が書記委員を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
会計委員が手をかざす。
≪適性有り。スキルを授与します≫
スキルボックスの放つ光が会計委員を包み込む。
≪スキルが授与されました≫
「これで我々の仮説は立証された。召喚者はスキルボックスの数だけ強くなれる!ダンジョンにスキルボックスが有るのかは判明していないが、各国に散在するスキルボックスを集めれば、間違いなく全人類の支配者になれる!!!そしてモンスターも獣人も支配できる!駆逐できる!!我々が支配者になるのだ!!」
生徒会長は力説した。
「いやはや、頼もしいですね」
大統領は立ち上がる。
「しかし、あなた方は飽く迄も客人。立場を超えた振る舞いは賢くありませんよ」
大統領がベルを鳴らすと、オリバー共和国の兵士が部屋になだれ込み、生徒会長達を取り囲む。
兵士たちは全員ガスマスクを着用している。
「あなた達の様な危険な怪物を、野放しにしておくと思いましたか?ガスマスクを着用しているから、強制睡眠のスキルも無意味です」
≪スキル発動・強制睡眠≫
強制睡眠のスキルが発動し、兵士達は床に崩れ落ちた。
「ば、馬鹿な!!」
大統領は狼狽する。
「話にならないな。スキルとは人智を超えた力。それをガスマスク程度で防げると思ったか?」
生徒会長は大統領の頭を掴む。
「今からオリバー共和国は我々生徒会の所有物だ」
≪スキル発動・強制睡眠≫
大統領とその他の要人は眠り、大統領の椅子に生徒会長が座る。
「オリバー共和国の国力をフル活用し、メアリー伯爵領を併呑する。そしてその戦果を掲げて我々生徒会を国家の上位機関として制定する。その後我々はギルデンスターン王国を併呑し、順に支配地域を拡大するのだ。スキルボックスを失ったギルデンスターン王国は難無く陥落させる事が出来るだろう」
生徒会長は方針を語った。
しかし、生徒会は重大な事を知らなかった。
ギルデンスターン王国がショウ王国に併呑され、ショウ大王国になっている事。
そして、史上最速で異世界攻略を進める空前絶後の大英雄がメアリー伯爵領に向かっていると言う事。
≪メアリー伯爵領≫
「どうやら到着したようだな」
翔は息切れ一つ起こさずに淡々と言った。
「ぜっ、はっ、はっ、速すぎます。。。。」
ミゾレは息切れしながら言った。
≪勇者の腕輪・発動・回復≫
翔はミゾレの体力を回復させた。
「中々栄えているようだな」
翔はメアリー伯爵領を見回す。
翔が傘下に収めたギルデンスターン王国よりは小規模だが、十分活気がある。
「これからどうするんですか?」
ミゾレが問う。
「啓示を使ってくれ」
翔がミゾレを見る。
「は、はい。スキル発動!」
≪スキル発動・啓示≫
光がミゾレを包む。
≪西方の酒場へ向かうべし。さすれば想い人との距離が縮まるであろう≫
ミゾレの口から啓示は語られた。
そして啓示が終わると、光は消える。
ミゾレは顔を赤らめた。
「想い人との距離が縮まる?なんだそれは」
翔は呆れる。
「わ、分かりません!わたしに聞かないでください!!」
本当は分かっていた。
啓示はミゾレの知りたい答えに応じて示されるのだから。
「やはり外れスキルだな」
「外れスキルじゃありません!!」
「手掛かり無し、か」
「あ、あの、折角ですから、酒場へ行きましょうよ」
「俺もミゾレも未成年だろ?」
「そ、そうですけど、少しはわたしのスキルを信用してください。啓示でも占いでも、直接的な表現はしないじゃないですか」
「ふむ、そうだな。何かの暗示と言う事も考えられる」
翔は思案した。
「どうせ手掛かりは無いんだ。西方の酒場へ、行くだけ行ってみるか」
「はい!」
本当はミゾレのスキル・啓示は直接的な表現をしていた。
翔とミゾレは西方の酒場へ向かう。
ショウ・タイム(翔の時間)は加速する。
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