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boy
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「幸子さん、これなら逃げられるよ。ちょうど二台あるし」
二台ののドローンにはどちらも、人を固定できるベルトのようなものが本体に備えられている。またベルトの中央、胴回りを固定する部分には、操縦用と思われるレバーやスイッチがついている。
和人は電源と思しきスイッチを押すと、ブゥンという音と共に起動したのが分かった。
ローターは折りたたまれているので、外まで持ち出してから伸ばす必要がある。
「行こう、幸子さん」
だが幸子は動かなかった。
じっとドローンの側面を見ている。
「幸子さん? もう時間がないよ!?」
「和人。君の体重は?」
幸子が静かな声でいった。
「え? 体重? 54、いや54.5キロぐらいだけど。それが?」
「私の体重は46キロ前後だ。君が持っている、その大型のドローン、今読んだら積載最大重量は65キロとあった。問題なのは」
幸子はもう一つの小型のドローンに目をやった。
「こちらの小型のドローンの積載最大重量が40.3キロなことだ」
和人の耳にバリバリと大きな音が響いた。
それが燃え移った炎が建物を崩した音なのか、絶望の足音なのかは和人には判別がつかなかった。
二台ののドローンにはどちらも、人を固定できるベルトのようなものが本体に備えられている。またベルトの中央、胴回りを固定する部分には、操縦用と思われるレバーやスイッチがついている。
和人は電源と思しきスイッチを押すと、ブゥンという音と共に起動したのが分かった。
ローターは折りたたまれているので、外まで持ち出してから伸ばす必要がある。
「行こう、幸子さん」
だが幸子は動かなかった。
じっとドローンの側面を見ている。
「幸子さん? もう時間がないよ!?」
「和人。君の体重は?」
幸子が静かな声でいった。
「え? 体重? 54、いや54.5キロぐらいだけど。それが?」
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