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「さてそれじゃ少年探偵の推理をきかせてもらおうか」

 大広間には霧江、真、乃愛、南、米塚、牧本、松永の全員が集まっている。松永は一日でさらに老けこんだ印象だ。よほど疲れたのか、目はどんよりとして椅子に座ってるのもキツそうだった。

「できれば早く山を降りて、警察に連絡したいんだがね」

 米塚はそういった。

「まず最初に、スペアキーをもつ松永さんは犯人ではありません。わざわざ客人が来てるときに盗む必要はないですし、その後宝石を捜索する過程で松永さんはボロボロになっています。ここまできては、とても演技といえるレベルではありません」

 和也の発言には誰も異論はない様子だった。乃愛もボロボロになった松永を目の当たりにして、まだ演技だということはなかった。
 和也は全員をゆっくりと見回すと、壁に描かれたトラの絵を指差して口を開いた。

「スペアキーを使ったのでもなく、窓からの侵入もなし。となると犯人はあの荷物用エレベーターを使って二階にあがり、金庫を開けたとしか考えられません。そしてそれを盗み出すところを相田さんにみられた。あるいは見せつけたのかも? それは分かりませんが、そのショックで相田さんは死に、犯人はまたエレベーターで一階にもどり何くわぬ顔ですごしたんです」
「ふむ。つまり犯人は君と乃愛ちゃん、南ちゃんの中にいるということだね」
「いいえ。犯人は皆さん、大人の中にいます」

 和也の言葉に四人の大人は顔を見合わせた。

「でも和也くん、皆さんの体重は重量制限をうわまわっているのよ」

 乃愛が心配そうな声でいった。

「一人だけ体重をごまかしている人がいるんだ」
「そんな馬鹿な!?」
 
 和也はある人に視線を向けた。

「霧江さん、あなたの身体の重さは本当は45kgより下なんじゃないですか?」
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