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第1章 : 慣れろ!てつお
第1.5話「張り切って行ってみよう」
しおりを挟むん?分かった、もう少し詳しくおさらいしとくわネ。あたしは女神。この世界の創造者。
いつもは概念の世界にいるの。概念の世界ってのは……ちょい説明しづらいわネ。不思議空間よ。そんなもんだと思ってちょーだい。この世界から色んな異世界へアクセスしてるのよ。
あたしが創り出したこの世界だけど、ちょっとしたことから歪みが生まれたの。この歪みは世界と一緒にどんどん育って、20年ぐらい前に、ついに魔王として世界に現れちゃったのよ。形あるものとして、ネ。
それから世界は大混乱。見たこともない魔法が次々に生まれて、かつてないスキルがどんどん増えて、多くの人々が悲しんだ。そう、死んだの。
あたしは本来なら世界に干渉できない。だけどこの魔王の力が予想外に強まったおかげで、世界の法則にまで歪みができたの。これを利用しようと色々試した結果、他所の世界の人間を召喚することができるようになった。そしてこのあたしも、空っぽの身体に乗り移って顕現することができた。
今乗り移ってるこの子の身体は“エマエ”っていう名前だった妖精のもの。この子も魔王の侵略戦争での犠牲者よ。
だからあたしは決めた。異世界から頼りになりそうな人を連れてきて、この世界を救ってもらおうって。
そう。世界の法則を越えてやって来た者には、能力値にもの凄いプラス補正がかかるの。ちょっと難しい話なんだけどネ。要するにあんたは“歩く世界の歪み”なの。その歪みを世界が全力で直そうとするのよ。毎秒、いや、どの瞬間もね。その結果、世界そのものの力を纏ってしまうわけなのよ。
だから、あんたがこの世界でレベルが上がると歪みが小さくなっちゃうのよ。この世界の法則から離れた存在じゃなくなっちゃうから。
そんなこんなで、異世界からの存在は、この世界が待ち望んだ勇者なの。あたしも含めてね。
……疲れちゃった。砕けた喋り方でいい?
いやァ、そんなこんなで、ホンットに異世界巡りは大変だったワ!あたしの世界と近いのを探すだけでも大変!岩が生物界の頂点の世界があったり、爬虫類とキノコが高度な文明を築いてたり!世界ってのは毎秒何億のペースで生まれてるワケなの!それで20年もかかったのヨ!え?あたしの歳?ウッソでしょそれ女性に聞いちゃう?
ね?想像してみて!分かるでしょ?二足歩行してて、顔に目と耳がふたつ、鼻と口がひとつずつある生き物がメインの世界を見つけた時の喜び!奇跡よマジで!
もうそれからはこの世界にのめり込んだものネ!言語的にあたしたちの世界の言葉に近かった日本って国を選んだの!そしたらラッキーなことに飛び降り自殺で死にかけてた女の子がいたの!ソッコー乗り移って、一瞬で傷治して思いっきり遊んだワ!楽しかった~!友達もいっぱいできたし!ま、魔法が使えないのはちょい不満だったけど。
そーねー、漫画とかアニメに驚いたけど、最高だったのはゲームよやっぱ!特にファンタジー系RPG!もうね、レベルとかステータスとかスキルとか魔法とか、モロにあたしの世界とおんなじなの!心の底から神の存在を信じたわネ。まぁ、あたしも女神様なんだけど。
てかもしかしたら、ああいうRPGはあたしみたいに乗り移った奴が作ったのかもネ?だいたい世界創り出す時ってレベル制とかステータス制導入しちゃうし。楽なのよ色々と。
とにかくあたしはこの世界のこの国で勇者に相応しい人を待ち続けたの。え?だからその、つまり人身事故とかチェックしまくって、病院に入り浸って、死にかけの人をザーッと見てったワケ。あ、もちろん概念の世界からよ?
そしたら、そう!あんた!佐藤てつおっていう最高にちょうどいい存在が見つかったのよ。
RPGが得意。つまりあたしの世界に馴染みやすい!縛りプレイ好きな変態。つまり異世界補正を使いこなせる!人生もまだまだこれから。つまり魔王を倒すモチベーションが高い!これだけ要素が揃った人材もなかなかいないのよ!
ま、何より……あんたの事故の経緯を見たら好感がもてたのよ。覚えてない?あんた、歩道に突っ込んできたトラックから、あの幼馴染の子を庇って轢かれたの。それで、自分で救急車呼んでから息絶え……てはないか。昏睡したのよ。
え?そ、そうね、何だかんだ言ってもあたしが勝手に選んで勝手に連れてきたのは間違いないわね……そこは本当にごめんなさいね。
え?そ、そうね。一応、命がけの戦いに、なる…….わね。今のステータスは世界最強だけど。
え?そ、そうね……分かんないワ。あんた次第だけど、最速でクリアを目指しても1年はかかっちゃうかも……
うぅ……ごめんってばぁ……あたしだって見てられなかったのよ。この世界の人がどんどん死んじゃうし、魔王は概念の世界まで侵略するつもりだし。
うぅ……た、確かにそう、ネ……何か見返りがなきゃこんなこと頼めないわよネ……
うぅ……それは無理なの。魔王を倒したら世界の歪みがなくなるから、アイテムとかステータスとかスキルは元の世界に引き継げないワ。もとどおりに戻るだけ。
うぅ……それも無理なの……今のアタシは女神様じゃなくて、表向きはエマエっていう妖精なの。だから、そんな風に出会う女の子全てをメロメロにはできないワ……
だから……そうネ……あ!向こうの世界であたしが乗り移った子がいるワ!そう!飛び降り自殺の!またその子に乗り移って、色々助けてあげる!
え?ダメ?足りない?今すぐあげれるモノ?
ゴメンけどそんなの持ってないの~!あげれるのがあったら何でもあげたいけどさ~!
え?い、言ったわよ。何でもって。だ、だから言ったってば。そう!何でも!できることならネ!
え、えぇーーー!?お、おっ……おっぱい!?あんた何考えてんの!?こんな、全身があんたの手ぐらいしかない妖精の、おっぱいなんか触りたいの!?
ぐっ……!それを言われると弱いわ……で、でもさぁ!……あー!待って!考えさせて!
……触るだけよ?本当よ!?……恥ずかしいから後ろから触りなさい。ホレ。
ヒャッ!ヒャーくすぐったい!タッハ!もういいでしょッ!ちょッ!待っ、待ちなさい!アハッアハハハッ!コッコラ!あんたこれ完全に、揉……アハハハハ!怒る、フッ、わよッ!や、やめ……ヒッ、ヒッ、ンあゥ……
……い、今の声、聞こえた?
んー、よろしい。あんたは何も聞いてない。それでいいわネ!?い・い・わ・ネ!?
ハイ!おしまい!張り切って行ってみよう!おしまい!
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