レベル×レベル 〜低レベルで目指す魔王討伐〜

どすこいシロップ

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第2章:飛び立て!てつお

第15.5話「できることを」

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「俺はちょっと飛ぶ!あの魔法陣を壊してくる!」

「勇者殿ッ何を……と、飛んだ!?」

「スキルだよ!【飛行】っていうの!てつおさんなら、きっと魔法陣を壊せるよ!」

「……よ、よし!私もそう信じて任せるとしよう!どの道、私では魔法陣はどうしようもない!」

「僕はエマエを取り戻す!」

「……ダメだ。私と王宮へ来てもらう!」

「……僕は!」

「あの守護妖精を軍の者にも探させる!だから危険な真似をするな!」

「僕は、エマエを……!」

「ダメだ、タキオ殿。その涙の跡で言いたいことは分かる。一人では行かせられない!」

「僕には何もできないの!?強くなれたと思ったのにッ!」

「だから強くなるのだ!私もジュークもオルズ様も、そうして強くなったのだ!」

「……くそおぉぉぉっ!!」

「必ずできることはある!目の前のできることをするのだ!私たちが今見るべきは遥か上空の魔法陣か!?」

「…………」

「そうだ違う!分かったら走れッ!涙も拭かなくていい!一人でも多く逃すのだ!」

「……分かった!」




「……よし、この辺りはもう大丈夫だね!」

「妙だな。いやに逃げ惑う人々が少ない」

「……!ハヤさん待って!誰か来る!」

「ム!……そこの陰にいる者!姿を見せろ!」

「……やっぱりそうだ!兄貴ィ!いましたぜ!あの腕相撲のガキだ!」

「あ!あの人!メロンジ団の人だ!」

「ええい貴様ら!このような時にまで何か企んでいるのかッ!」

「ち、違う違う!俺達ァ雑魚どもを逃してたんだぜ!」

「何!?」

「あんたら知らねぇだろう?この街の地下にゃ俺達メロンジ団が作った抜け穴が張り巡らされてンだ。城壁の外まで繋がってるぜ」

「ええい!いつの間にそんなものを……!」

「まァ待て……そこからは俺に話させてくれや」

「あ!メロンジ……さん!?」

「無事で嬉しいぜガキンチョよ……名前ァ何て言ったかな?」

「貴ッ様!何を企んでいる!タキオ殿に手出しはさせん!」

「あァそうか!タキオって名前だったな!お前にはたっぷりお礼をしなきゃいけねェ……オイお前ら!」

「ヘイ!万事首尾よく終わりました!」
「な……何だよッ!こんな大変な時に何しようってのさ!」

「ヘッ……その目だよ。その目で俺は目が覚めたのさ……街中の避難は無事終わったそうだぜ」

「な、何!?……人質という訳か!」

「オ、オイオイよせよ!……俺もすっかり信用がなくなっちまったなァ。深い意味は何もねェよ、生きてた奴は全員逃したってだけだ」

「ほ、本当に……?」

「本当だよ!何なら洗いざらい吐いちまおうか。この騒ぎはな、ゲラーカ家とこの俺様が仕組んだことなんだ」

「ええい!やはり貴様らの仕業か!」

「そう怒るなよ……声、さっきから高くなってるぜ」

「くッ……!う、うるさい!さっさと要点だけ吐け!」

「そうだな、時間がねぇ……黒幕はポッポ・ゲラーカだ。俺達は奴に買われた武力って訳だな。魔女チトセを招き入れたのもポッポの奴だ」

「やはり、ゲラーカ家か……!魔女とまで手を組むとは!」

「だろ?俺もそれで迷ってたんだよ。そしたらちょうどその時、そこのタキオに腕相撲で“負け”てな。スッキリ目が覚めたってワケだ。俺だって昔は騎兵隊の親分だぜ?」

「よ、よく分からないよ……!」

「ハッ!簡単さ!小僧、お前に睨まれて俺はビビった!それで悪さはやめだ!正義の味方に早戻りってヤツよ!」

「……信じてやる、時間がない!魔女チトセがどこにいるか分かるか!?」

「すまねえ、そこまでは分かんねェな……だが奴はポッポと取引してるはずだ。必ずポッポと接触するはずだぜ」

「……なるほどな。ポッポを押さえるべし、か」

「さァ時間がねぇ!俺達は市街地の方を探す!お前達は王宮に!奴を探すついでに王を守ってやってくれや!」

「……メロンジ!恩に着るぞ!」

「借りを返したまでだ!あばよ小僧!死ぬんじゃねぇぞ!!」

「あ、ありがとう!メロンジさんこそ、無事で!」

「ケッ!生意気なガキだ!行くぞお前ら!ポッポの奴を!チトセを探し出せ!」

「おおおッ!!」




「……タキオ殿、君はもう素晴らしいことをしていたようだな。私にはできなかったことを」

「したのはメロンジさんだよ……僕にはできないことを」

「こうして皆が力を合わせれば、必ず守護妖精も助け出せる!チトセを追い払えるだろう!」

「そうだね!……エマエって呼んであげて……あ!魔法陣が!」

「おお!やってくれたか勇者殿!」

「やったぁ!流石!僕たちも急ごう!」

「ああ!なんとも心強い味方だ!」




「随分と久しいのう?タイオー国の諸君」



「い、今の声って!?」

「この声……!チトセ……ッ!あの文字か!」




「さぞかし待ちくたびれたことだろう。この儂、魔女チトセを待ち侘びたことだろうね!」


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