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Evo11 「臆病者の意思」
しおりを挟む「翡翠、ちょっと良いですか?」
放課後、神妙な面持ちで私に話し掛けて来たアリスちゃん。そして私達は、魔法の国へ行く事になりました。
「どうしたの、アリスちゃん?」
「翡翠、ソフィーの手助けをしたんですって?」
ソフィーさんは、事故に巻き込まれた子猫を助け様と魔法を使ったのですが、不完全な効き目であった為、子猫の視力は失われてしまっていたのです。
それを治すには、ミルキさんの治癒能力を使うしかないとソフィーさんは考え、私の元へ訪れる事になったのでした。そして子猫の視力は無事治る事となったのですが、アリスちゃんはその行為を許せなかった様なのです。
「うん。ゼロ君って言うんだって。物凄く可愛い猫だったよ」
「……彼女は倒さなければいけない敵よね?」
先程から、少し冷めた口調のアリスちゃん。ソフィーさんは完全に敵だと、私も思っていると信じていたからだそうです。
勿論、私自身もソフィーさんが敵だと言う事は承知しているのですが、子猫を救う事は別の話であり、ソフィーさんが敵だからと言って、私は見捨てる事など出来なかったのでした。
「だから、今回の件は神黒翡翠とは、全く関係無いの」
「……そう。なら、私が貴女に近付いた、本当の理由を教えてあげるわ」
神黒翡翠は僅かですが魔力を放ち、その居場所を教え様としているそうです。でも、一定の場所に留まる事は無く移動してしまう為、遣い達は探し出す事に苦労しているのでした。
そこで、アリスちゃんのお父さんであるグラディーさんが星座占いをした結果、ある事に気が付いたそうなのです。それは、神黒翡翠が私の近くに現れるであろうと言う事であったらしいのですが……。
そしてグラディーさんは、アリスちゃんと私が偶然歳が同じであった為、私の側にいる様にと指示を出していたらしいのです。
だけど、半年近く私に接触していたアリスちゃんは、これと言った情報を掴め無い事に苛立ちを感じていたと言っていました。更にそこへ、敵であるソフィーさんの願いを叶えてしまった私に、アリスちゃんは決別を告げ様としていたらしいのです。
「そう……だよね。アリスちゃんが、私の友達になってくれる何て、不思議に思ってたんだぁ」
アリスちゃんの発言に、言い返す言葉が見付からなかった私は、その行動を納得してしまいました。だけどその私の態度にも、アリスちゃんは激怒してしまったのです。
「ふざけないでっ! 今まで友達を装っていたから言わなかったけど……翡翠は臆病者よっ!」
どう言う意味で臆病者だと言ったのかは分かりませんでしたが、私はその言葉すらも受け入れてしまいました。
片思いの光也君に告白は愚か、未だに話さえまともに出来ません。アリスちゃんの事に関しても、私から友達になって欲しいと言った訳では無く、理由はどうあれ、アリスちゃんから声を掛けて来てくれたのです。
私は、今まで自発的に何かをした事が無かったのでした。アキナ君の誘いで、魔術師の遣いになれた事もそうです。本当は光也君が選定される筈でしたが、偶然自分が選ばれてしまったのでした。
成り行きで魔法の力を与えられましたが、本当は神黒翡翠を手に入れる覚悟など、自分には無いのだと私は気付いてしまったのです。
「……うん。アリスちゃんの言う通りだよ。私は臆病者。だから……だから……っ!」
私はその場から走り出し、一般世界へと帰ってしまいました。頬には、大粒の涙を流していた事も気付かずに……。
そして翌日、教室にアリスちゃんの姿が無い事を私は知る事になりました。
「あれ、アリスが休み何て珍しいわね?」
「うん……」
「何? アリスとケンカでもしたの?」
勘の良い魔美華ちゃん。そして心配をしてくれたのですが、私は何でもないよと誤魔化しました。
と、その時、魔法の国からアキナ君が私を呼んだのです。
「翡翠、直ぐに魔法の国へ来て」
「え? うん」
迷いを抱えながら、一先ず魔法の国へ向かった私。そしてアキナ君は、神黒翡翠の魔力が一瞬だけ強く放ったと言ったのでした。
はっきりとした場所は特定出来無かった様なのですが、天使のアキナ君でも分かるくらいの広範囲に、神黒翡翠の魔力を感じたと告げたのです。
しかし私は、アリスちゃんとの事を思い出してしまい、その場で立ち尽くす事になっていました。そして本当に自分が、アグリッタさんの遣いで良いのかとアキナ君に尋ねたのです。
「……翡翠、僕は今まで何人者遣いと過ごして来たんだ。でも翡翠が一番居心地が良いよ」
良く分からない、褒め言葉の様な発言をしてくれたアキナ君。そして、その良く分からない励ましを受けたまま、私は神黒翡翠の魔力を辿る事になったのですが、そこは私達の領土内であったのです。
「この辺が一番強いね?」
神黒翡翠の魔力は感じたのですが、そこに形として存在している訳ではありませんでした。
と、そこへ魔法の国にいたルアンユーさん、マリアさん、ソフィーさん、そしてアリスちゃんが、神黒翡翠の魔力を感じてやって来たのです。
「翡翠、あんたの領土に神黒翡翠があるんでしょ?」
「おとなしく領土に入れる事ですわ、翡翠」
アリスちゃんは無言でしたが、私を睨んでいました。そして私は、流石に4人を相手にするのは無理だと考え、素直に領土内へと入れる事にしたのです。
だけどアリスちゃんは、境界線で立ち止まったままでした。
「聞き分けが良いですわね、翡翠」
「翡翠、ゼロの件は感謝しているわ。だけど、神黒翡翠は貰うわよ」
神黒翡翠を探し出す3人と、黙り込んでいた私とアリスちゃん。そして先に、アリスちゃんが口火を切ったのです。
「……翡翠、私は貴女を倒して領土に入るわ」
「…………」
「何とか言いなさいよっ、翡翠っ!」
私は考えていました。今までソフィーさん達遣いと、戦いを行なって来ましたが、それは経験を積む為の戦いであり、本気の戦いでは無かったのです。
本気の戦いとは、相手を跪かせる戦いの事なのでしょう。そして今、友達であった……ううん、今でも友達だと思いたいアリスちゃんと、本気で戦うなど私には、辛過ぎる決断であったのです。
だけど私は、呪文を唱える事にしました。
「……我に宿りしその力 今この時この瞬間 開放へと導かん……翡翠……エボリューションっ!」
「……それで良いわ。我と共するその力 今この時この瞬間 星の導きを示さん……アリス……エボリューションっ!」
マリアさん達を余所に、戦いの次元へと移動した私とアリスちゃん。だけど、やっぱりアリスちゃんと戦う事を躊躇してしまう私でした。
「アリスちゃん……」
「アクエリアス、キャプリコーン、トーラス、翡翠を狙い撃ちなさいっ!」
アリスちゃんの放った銃弾は急所を確実に狙い、私に襲い掛かって来ました。しかし私は完全防御で武装した為、衝撃を緩和させていたのです。
だけどその銃弾には、まるでアリスちゃんの意思が込められているかの様で、私の心に痛みを与えていたのでした。
「ぐっ……やっぱり、アリスちゃんは凄いなぁ」
「……流石に臆病者だけあって、身を守る事は得意の様ね。だけどっ!」
アリスちゃんは3つの能力を身に付けたまま、更にジェミナイ、バァーゴ、リオの能力を使い、『速さ』 『洞察力』 『達成』 で私に銃弾を放って来ました。そして完全防御であった私の武装を貫き、大ダメージを与えられてしまったのです。
「ううっ…………」
「……どう、翡翠。これで自分の弱さと、愚かさを痛感出来たでしょ?」
この魔法の国ではあらゆる希望があります。一般世界では到底叶わない願いでも、ここでは現実になるのだから。
だけど、それをより現実にするには、神黒翡翠が必要なのです。そして神黒翡翠を手にした人こそ、真の幸せを掴めるのだとアリスちゃんは言ったのですが、私は違うと反論していました。
例え神黒翡翠で願いが叶ったとしても、それは本当の幸せでは無いのだと。
確かに魔法の力は、素敵な事がいっぱい出来きます。だけどそれは、自分の力で叶えた願いでは無く、他力本願なのだと私はアリスちゃんに伝えたのでした。
「私は……自分の力で人を幸せにしたいのっ!」
「ふ~ん。なら翡翠は、神黒翡翠はいらないと言う事なのね?」
矛盾するのですが、私は神黒翡翠も手にすると言いました。
遣いとして選定してくれたアグリッタさんの為でもあるのですが、平和や幸せをもたらしてくれる力ならば、自分の力と魔法の力を使わせて貰いたいと告げたのです。
「……なら、その思いで私を倒せば良いだけよ。だけど私は、翡翠を屈服させるわっ!」
アリスちゃんに限らず遣い達は、基本『12』 の魔法を身に付けその能力を使っています。それは、12の魔法が最適であると言う理由でもあるそうなのですが、それ以上の能力を使ってしまうと魔術師の負担が大きくなってしまうからだそうです。
だけどアリスちゃんは、このままでは埒があかないと考えたらしく、13番目の能力を使ってしまうのでした。
「13番目……」
「そうよ。でもこれを使うと、パパの魔力はかなりの消費をするから、怒られるんだけどね」
魔術師の魔力が減ってしまうと言う事は、アリスちゃん自信魔法の国にいられる期間が減ってしまうと言う事なのです。だけどその寿命を削ってでも、アリスちゃんは手に入れたい物があるのだと言っていました。
「……アリスちゃんは、神黒翡翠で何を叶えないの?」
「私はね……お母さんに貰った形見を探し出したいのよ」
アリスちゃんは幼い頃、両親と共に船旅をした事があったそうです……。
「アリス、こっちへ来なさい」
「何、ママ?」
「これを貴女にあげるわ」
お母さんがアリスちゃんに渡した物は、ペンダントであったそうです。そのペンダントには家族3人で撮られた写真が収められいて、どんな時でも一緒なのだと言う意味が込められていたのだと、アリスちゃんは言っていました。
だけど、アリスちゃんはそのペンダントを、船の上から海に落としてしまったそうなのです。お母さんには新しい物を買ってあげると言われたそうなのですが、その後ほどなくしてお母さんは他界してしまったと……。
でもアリスちゃんは、お父さんの遣いになり魔法を身に付けた後も、海に潜りペンダントを探したそうなのですが、見付ける事は出来なかったらしいです。
それは当然の事なのかも知れません。こんなに広く深い海の中を探す事など、私達の魔法を使っても到底不可能な事でしょう。
しかし、アリスちゃんは考えたそうです。もし、海の水を少しの間でも消す事が出来たのであれば、ペンダントを探し易くなるのではないかと。そしてそんな事が出来る魔力は、神黒翡翠の力を使うしかなかったのです。
「……くだらない理由だと思う?」
「そんな事無いよ。私もアリスちゃんの立場だったら、そうしている筈だから」
アリスちゃんは決着を付ける為、蛇使い座のオフューカスを使おうとしていました。オフューカスの能力は主に医療系だそうなのですが、アリスちゃんはその力を応用させ様としていたのです。
その応用とは、相手の体内にある血液を沸騰させる事で、再起不能にさせる必殺の技でした。この技が決まってしまえば、ミルキさんの治癒能力を行なったとしても、私の身体は堪える事など出来ないでしょう。
「翡翠、私は負けられないのよ」
「うん。でも私は、アリスちゃんの思いを受け止めるよ」
私はそう告げると、そっと目を閉じ、動く事を止めました。そしてそこへ、アリスちゃんが放った魔法が襲い掛かり、私は正面からまともに受けてしまったのです。
「なっ! 何で避けなかったのよ、翡翠っ!?」
攻撃したアリスちゃんでさえ、驚いてしまう程の行動をとってしまった私。だけどそれには理由があったのです。
私はアリスちゃんを傷付けて倒すのでは無く、アリスちゃんの魔法に打ち勝ち静める事で、この戦いを終わらせ様としていたのでした。
でも、オフューカスの能力で私の血液は沸騰していたのです。熱と痛みの苦しみ、そして沸騰により血管に空気が出来てしまえば、魔法の国での出来事とは言え、致命傷になってしまう筈でした。
そこで私は、この身に宿せる防御魔法の全てを使い、その攻撃を防ごうとしたのです。
「ラムさんマキさんミルキさんアユさんウエルさんエマさんバビルさんエナ君っ……私を守ってっ!!」
その叫びは誰かを守る為の響きでは無く、自分を救って欲しいと言う、私が初めて己の為に強く願った意思でした。
そして『翡翠』 と言う言葉には幾つかの意味があるそうなのですが、その1つに『願いを叶える』 と言う力が込められていたのです。
「ぐっ……負けるかーっ!!」
「アリス……ちゃん、私は……臆病者だけど……それでも……アリスちゃんの為に……負けないっ!!」
最後はやはり、自分以外の人の為に戦ってしまった私でした。もしこの攻撃で私が倒れてしまえば、アリスちゃんに悔いを残させてしまうと考えたからです。
人を殺める程の攻撃を、本当はアリスちゃんもしたい筈が無いのだからと、私は信じていたのでした。
そして、何とか耐え凌いでいた私と、これ以上の魔力消費は危険だと考え、その場にしゃがみ込んでしまったアリスちゃん。
「……私の負けよ。敗者はサッサと退散するわ」
私に背を向け、立ち去ろうとするアリスちゃん。だけど私は言いました。領土に入るには戦いか、話し合いで決めるルールになっているよねと。
「アリスちゃんの思いを聞かせて?」
私の言葉に、背を向けたまま俯くアリスちゃん。そして振り返り、大声を発したのです。
「私は……入れなさいよ、翡翠っ!!」
アリスちゃんもまた、天邪鬼であった様です。そして、私は言葉を繋げました。
『アリスちゃんが私を嫌いでも良い。だけど、私はアリスちゃんの事が大好きだよ』 と。
「これは私の意思、そして本当の思いだよ」
「ぐうっ……私が……翡翠を嫌いな訳無いでしょっ!!」
数日後の話になるのですが、浜辺にいたアリスちゃんは、小瓶を見付ける事になったそうです。その中にはアリスちゃんが失くしたペンダントと手紙が入っていたらしいのですが……。
『これは誰かが落としたペンダントです。落とし主の元へ戻り、その人が幸せになります様に』
と書かれていたのそうです。
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