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生配信26 20万人記念 Part1
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「はい、どうも。今日もゲーム配信、配信者はお馴染みTakiチャンネルの滝です!」
『こん』
『こん!』
『こん!』
『こん』
昼の13時。いつも通り、昼配信が始まる。
始まって早々だが、
「早速ですけどね、皆さんにご報告があります」
リスナーさん達に伝えなきゃいけないことがある。
「まあ、配信タイトルを見ればわかると思うんですけど、実はね、この前の配信で『20万人おめでとう!』『20万人おめ!』『やっと、20万人ですね!』『おめでとうございます!』待て待て! 最後まで言わせてくれないかな?」
自分の口から報告するよりも先に祝われる。
「ええ、気を取り直して。ゔゔうん! この前の配信で登録者数20万人になりました! パチパチパチ」
自分の口から直接伝えたいので、咳払いを1度し、20万人突破について報告をする。
「これも全てリスナーさん達のお陰です。本当にありがとうございます。昔から見てくれているリスナーさん達には見守られながら、ここ1年ぐらいから見ているリスナーさん達には元気づけられる応援をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも毎日配信を続けていくので、どうぞよろ」
『ゲームまだ?』
『コラボ配信して!』
『巻きでお願いします』
『気持ちは伝わった。早よゲーム』
………うん?
コメント欄がおかしいな。
普通なら『本当に良かったですね』とか『今後も応援していきます』とか、応援のコメントが流れる時間じゃあないの?
何でコメント欄の殆どが………いや、コメント欄全体が『早よ』とか『はい、もういいですよ』とか俺の言葉を断ち切るようなコメントだらけなの?
………ああ、なるほどね。
理解したわ、お前らのこと。じゃあ、俺も言葉を変えるわ。
「ちょっと訂正するわ。昔から見てくれている老害どもには馬鹿にされ、ここ1年ぐらいから見ている新参者どもにはおもちゃ扱い。今に見てろよ。立場を逆転させて、お前ら全員泣かせてやるからな!」
『おう? かかってこいよ』
『1対20万で勝てるならかかってきやがれ!』
『泣きを見るのは滝、お前なんだよなぁ!』
『これからもオモチャとして我々に遊ばれてくださいな』
これが俺と俺のリスナーさん達のコミュニケーションの取り方。
ただただ殴り合う。極たまに優しい言葉を掛けてくれるが、極々たまになのだ。
さて、報告も終わった事だし、今日の配信の内容を説明していく。
「みんな、俺のTwitterの呟きは見た?」
『見るか、ボケ!』
『見たから何になるのさ?』
『ブロックしてる』
『一応は見た』
「ほうほう、見てない人もいるようだね。ブロックしている人いるんだ。じゃあ、俺もブロックしちゃおう。ブロックする人は、ブロックされる覚悟があるやつだけだしな」
という訳で1人ブロックをし、見てない人もいるようなので、説明をしていく。
「今日はこれから『マインクラフト』をしていくんだけど、リスナー参加型ではなく、コラボ配信の予定。メンバーは、焼肉会のメンバーとレモンさんとシオンさんの8人でやっていきます」
8人………マジで配信仲間が増えたな。
しみじみ思っていると、
『ボッチ卒業か』
『昔はいつも1人で、可哀想だった』
『良かったね、友達できて』
『本当によかった』
などなど、確かにボッチではあったが、友達ができたぐらいで褒めんな!
こいつら、馬鹿にしやがって。見てろよ!
「確かに、友達できてよかったわ! サキサキさんともゲームできるし、買い物とかもできるしね! あれ? リスナー諸君? 君達は女友達いるのかな?」
『は?』
『は?』
『調子に乗るな』
『殺す殺す殺す殺す!』
「ピキッちゃってるんですか? 短期ですね!」
コメント欄が荒れ出す。
ここはまず俺の勝ちだろう。
リスナーさん達、『殺す』とか『調子に乗るな』とかしか打ててないもん。
「さて、マイクラのサーバーに入っていくわけですが、まだね、みんな来てません。連絡も来てないので、来しだいコラボになります」
ということで、今はソロ配信ですね。
マイクラサーバーに入り、適当に資材集めをする。
まずは土堀り。
縦5マス、横5マスでどんどん掘っていく。
石や土などを採掘し、ある程度掘ったら地上に戻る。
そしてまた、同じように繰り返す。
『何してんの?』
『穴ぼこにする気なの?』
『結構掘ってるけど落ちたら死ぬんじゃない?』
『あとどれくらい掘るの?』
「うん? 別に目的はないけど?」
『目的ないんだ』
『じゃあ何で掘ってるの?』
「埋めるの大変そう』
『それ楽しい?』
なんで掘ってるのか、か。
「資材集めしてるんだけど、目的があって資材集めをしてるわけじゃないんだよね。しかも、ソロでプレイ中だから何をしていいのか分からないし、まあ暇つぶしのために資材集めしてるかな」
また同じように地面を掘っていく。
ある程度溜まったら、チェストの中に土や石をしまい、今度は木材を取りに、木を伐採していく。
「ここらへんの木材全て伐採したら、平地広くなるよね? そっちの方がいいかな?」
コラボのみんなで色々とするつもり。平地が広い方がいいのか考えていると、
「やっぱ俺が1番乗りか」
ピコンという音が鳴り、聡太さんが通話アプリに入ってくる。
「配信中です。おはようございます」
聡太さんが不用意なことを言わないように、自分は配信中だと伝えておく。
「ん、おん。俺も配信始めるわ」
マイクラのサーバーに入り、配信を始めた聡太さん。
「今、何してた?」
「木を切り倒して、開拓してるところです」
「じゃあ、手伝いわ」
聡太さんと一緒に木をどんどん切っていく。
「穴とか崖みたいなものがあったら、石とか土のブロックで埋めてもらえますか? ブロックはチェストに置いてあるんで」
「真っ平らにしとけばいいのね。了解」
木を切り倒して、木材を回収し、木材をチェストにしまう。
俺は木を切り倒し、聡太さんが平地を作っていると、また1人通話アプリに入ってくる。
「滝くん。20万人おめでとうございます」
『サキサキさん!』
『サキサキさんだ!』
『サキサキさん!』
『サキサキさん!』
サキサキさんが来たことにより、配信始めた時よりもコメント欄が早く流れる。
ちょっと君達?
俺の配信を見に来てるんですよね?
俺よりサキサキさんの方が嬉しいってことですかね?
………まあ、嬉しいか。野郎より女性の方が。
「ありがとうございます。今配信中です」
「俺も配信中」
「私は配信してません」
『配信してないのか』
『配信してたら、、、』
『確かに配信してたらな、、、』
『思っている事を言うな。まあ俺もだが』
サキサキさんが配信してたらなんだって言うんですかね?
まあ、あえて追求はしませんが………そのコメント打った奴らの名前は控えておきますか。
リスナーさんの名前を控え、サキサキさんに今していることを説明する。
「んん、じゃあ私は、滝くんが持ってきた木材を使って大きな椅子を作っておきます!」
「いや、いらんし」
「さてと、どんな形の椅子を作ろうかな?」
「ちょっと聞いてますか? 椅子なんて要らないんですけど?」
「ふふふん、ふふん」
サキサキさんは鼻歌を歌いながら、チェストに仕舞っておいた木材を取り出し、開拓した平地のド真ん中で椅子を作り出し始めた。
もう勝手に動き始めましたよ、この人。
まあ、あとでぶっ壊せばいいか。
今はやることがあるので、サキサキさんを放置する。
サキサキさんを放置して、木こりとしての職務を行なっていると、
「遅くなりました」
「遅れてごめんね。滝君、20万人おめでとう」
ゼロスさんとワンスさんが入ってくる。
「ありがとうございます。全然遅刻とかじゃないんで、気にしないでください」
集合時間は決めてないため、遅刻とかはない。
通話アプリとマイクラサーバーの招待だけ送っておいているので、いつでも来てください状態なのだ。
「マイクラとか久々にやるんだけど!」
「確かに。最近はFPS系のゲームしかしてないしね」
確かに配信を見ていると、殆どがFPS系のゲームばかりだ。
まあだから、上手いんだろうけど。
サキサキさんと同じように、今している作業を説明すると、
「じゃあ、俺はあの大きな穴から土と石を取ってきます」
5×5マスの大穴に向かっていくゼロスさん。
一応埋める予定ではあるが、まだ埋めていない。石や土を取るために残してある。
「じゃあ私は、サキサキちゃんを殴ってくるわ」
「えっ、ちょっとやめてください。近寄らないで!」
逃げるサキサキさんに、追うワンスさん。
これはいつかログに、サキサキさんの名前が載るな。
「助けて、滝くん!」
気にせず、作業に戻る。
「薄情者!」
聞こえない、聞こえない。
男3人は作業をし、女性2人は殺し合いをしている。
あっ、ログにサキサキさんの名前が。
サキサキさんがリスポーンしている中、俺はサキサキさんが作り途中の椅子をぶっ壊す。
「ああ! 世界一デカい椅子を作っていたのに」
「要らん。そんなもの!」
容赦なくぶっ壊す。
『滝、やっちゃったな』
『ああ、お前をぶっ壊す』
『サキサキさんが作ってくれてるんだから、お前手伝えよ』
『何やってんだよ!』
要らんだろ、世界一デカい椅子なんて!
邪魔になるだけじゃん!
「ええ、要らないものは撤去します。分かったか、リスナー!」
『要らんくないだろ!』
『サキサキさんが作ってくれた物は家宝にしろよ!』
『バカが!』
「価値を知らんものめ』
「もっと言って。もっと言ってあげて、リスナーさん達。でも、悪口は良くないかな?」
『サキサキさんに物を作らせてあげてください』
『滝、お願いします』
『このまま作らせてあげて』
『サキサキさんが可哀想です』
サキサキさんの一言で、言葉を正すリスナーさん達。正直言って、
「気色悪いな。鳥肌が立ったわ」
『サキサキさんがいなくなったら、覚えといてください』
『サキサキさんがいる時限定なので、今のうちに謝るのがいいと思いますよ』
『今の言葉、取り消した方が身のためですよ』
『謝ってください』
誰が謝るか!
謝ったって、謝らなくたって、サキサキさんがいなくなったら、いつものリスナーさん達に戻るんだろ!
誰が謝るか!
椅子を壊し続ける俺を殴ってくるサキサキさん。そんなサキサキさんにロックオンしたワンスさんが、サキサキさんを襲う。
「いやあああああああああ。悪魔が来た!」
黙々と作業をしていると、残りの3人がやってくる。
「滝さん、20万人おめ!」
元気よく祝ってくれるのは絵茶さん。
「ありがとう、絵茶さん。んで、もってお久しぶりってほどじゃないけど、こんにちは。シオンさんにレモンさん」
「こんにちわぁ、滝さん。そしてぇ、初めましてぇ、レモンですぅ」
「こんにちは。初めまして、シオンです」
俺と絵茶さん以外は初めましてなので、皆自己紹介をしていく。
レモンさんもシオンさんも馴染めそうな雰囲気があるので一安心。
さて、これでみんなが揃ったわけだが、マイクラで何をしたら面白いだろうか。
んん、じゃあまずは、
「各自、自分の家でも作っていきますか」
こうして、配信者の家づくりが始まる。
『こん』
『こん!』
『こん!』
『こん』
昼の13時。いつも通り、昼配信が始まる。
始まって早々だが、
「早速ですけどね、皆さんにご報告があります」
リスナーさん達に伝えなきゃいけないことがある。
「まあ、配信タイトルを見ればわかると思うんですけど、実はね、この前の配信で『20万人おめでとう!』『20万人おめ!』『やっと、20万人ですね!』『おめでとうございます!』待て待て! 最後まで言わせてくれないかな?」
自分の口から報告するよりも先に祝われる。
「ええ、気を取り直して。ゔゔうん! この前の配信で登録者数20万人になりました! パチパチパチ」
自分の口から直接伝えたいので、咳払いを1度し、20万人突破について報告をする。
「これも全てリスナーさん達のお陰です。本当にありがとうございます。昔から見てくれているリスナーさん達には見守られながら、ここ1年ぐらいから見ているリスナーさん達には元気づけられる応援をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも毎日配信を続けていくので、どうぞよろ」
『ゲームまだ?』
『コラボ配信して!』
『巻きでお願いします』
『気持ちは伝わった。早よゲーム』
………うん?
コメント欄がおかしいな。
普通なら『本当に良かったですね』とか『今後も応援していきます』とか、応援のコメントが流れる時間じゃあないの?
何でコメント欄の殆どが………いや、コメント欄全体が『早よ』とか『はい、もういいですよ』とか俺の言葉を断ち切るようなコメントだらけなの?
………ああ、なるほどね。
理解したわ、お前らのこと。じゃあ、俺も言葉を変えるわ。
「ちょっと訂正するわ。昔から見てくれている老害どもには馬鹿にされ、ここ1年ぐらいから見ている新参者どもにはおもちゃ扱い。今に見てろよ。立場を逆転させて、お前ら全員泣かせてやるからな!」
『おう? かかってこいよ』
『1対20万で勝てるならかかってきやがれ!』
『泣きを見るのは滝、お前なんだよなぁ!』
『これからもオモチャとして我々に遊ばれてくださいな』
これが俺と俺のリスナーさん達のコミュニケーションの取り方。
ただただ殴り合う。極たまに優しい言葉を掛けてくれるが、極々たまになのだ。
さて、報告も終わった事だし、今日の配信の内容を説明していく。
「みんな、俺のTwitterの呟きは見た?」
『見るか、ボケ!』
『見たから何になるのさ?』
『ブロックしてる』
『一応は見た』
「ほうほう、見てない人もいるようだね。ブロックしている人いるんだ。じゃあ、俺もブロックしちゃおう。ブロックする人は、ブロックされる覚悟があるやつだけだしな」
という訳で1人ブロックをし、見てない人もいるようなので、説明をしていく。
「今日はこれから『マインクラフト』をしていくんだけど、リスナー参加型ではなく、コラボ配信の予定。メンバーは、焼肉会のメンバーとレモンさんとシオンさんの8人でやっていきます」
8人………マジで配信仲間が増えたな。
しみじみ思っていると、
『ボッチ卒業か』
『昔はいつも1人で、可哀想だった』
『良かったね、友達できて』
『本当によかった』
などなど、確かにボッチではあったが、友達ができたぐらいで褒めんな!
こいつら、馬鹿にしやがって。見てろよ!
「確かに、友達できてよかったわ! サキサキさんともゲームできるし、買い物とかもできるしね! あれ? リスナー諸君? 君達は女友達いるのかな?」
『は?』
『は?』
『調子に乗るな』
『殺す殺す殺す殺す!』
「ピキッちゃってるんですか? 短期ですね!」
コメント欄が荒れ出す。
ここはまず俺の勝ちだろう。
リスナーさん達、『殺す』とか『調子に乗るな』とかしか打ててないもん。
「さて、マイクラのサーバーに入っていくわけですが、まだね、みんな来てません。連絡も来てないので、来しだいコラボになります」
ということで、今はソロ配信ですね。
マイクラサーバーに入り、適当に資材集めをする。
まずは土堀り。
縦5マス、横5マスでどんどん掘っていく。
石や土などを採掘し、ある程度掘ったら地上に戻る。
そしてまた、同じように繰り返す。
『何してんの?』
『穴ぼこにする気なの?』
『結構掘ってるけど落ちたら死ぬんじゃない?』
『あとどれくらい掘るの?』
「うん? 別に目的はないけど?」
『目的ないんだ』
『じゃあ何で掘ってるの?』
「埋めるの大変そう』
『それ楽しい?』
なんで掘ってるのか、か。
「資材集めしてるんだけど、目的があって資材集めをしてるわけじゃないんだよね。しかも、ソロでプレイ中だから何をしていいのか分からないし、まあ暇つぶしのために資材集めしてるかな」
また同じように地面を掘っていく。
ある程度溜まったら、チェストの中に土や石をしまい、今度は木材を取りに、木を伐採していく。
「ここらへんの木材全て伐採したら、平地広くなるよね? そっちの方がいいかな?」
コラボのみんなで色々とするつもり。平地が広い方がいいのか考えていると、
「やっぱ俺が1番乗りか」
ピコンという音が鳴り、聡太さんが通話アプリに入ってくる。
「配信中です。おはようございます」
聡太さんが不用意なことを言わないように、自分は配信中だと伝えておく。
「ん、おん。俺も配信始めるわ」
マイクラのサーバーに入り、配信を始めた聡太さん。
「今、何してた?」
「木を切り倒して、開拓してるところです」
「じゃあ、手伝いわ」
聡太さんと一緒に木をどんどん切っていく。
「穴とか崖みたいなものがあったら、石とか土のブロックで埋めてもらえますか? ブロックはチェストに置いてあるんで」
「真っ平らにしとけばいいのね。了解」
木を切り倒して、木材を回収し、木材をチェストにしまう。
俺は木を切り倒し、聡太さんが平地を作っていると、また1人通話アプリに入ってくる。
「滝くん。20万人おめでとうございます」
『サキサキさん!』
『サキサキさんだ!』
『サキサキさん!』
『サキサキさん!』
サキサキさんが来たことにより、配信始めた時よりもコメント欄が早く流れる。
ちょっと君達?
俺の配信を見に来てるんですよね?
俺よりサキサキさんの方が嬉しいってことですかね?
………まあ、嬉しいか。野郎より女性の方が。
「ありがとうございます。今配信中です」
「俺も配信中」
「私は配信してません」
『配信してないのか』
『配信してたら、、、』
『確かに配信してたらな、、、』
『思っている事を言うな。まあ俺もだが』
サキサキさんが配信してたらなんだって言うんですかね?
まあ、あえて追求はしませんが………そのコメント打った奴らの名前は控えておきますか。
リスナーさんの名前を控え、サキサキさんに今していることを説明する。
「んん、じゃあ私は、滝くんが持ってきた木材を使って大きな椅子を作っておきます!」
「いや、いらんし」
「さてと、どんな形の椅子を作ろうかな?」
「ちょっと聞いてますか? 椅子なんて要らないんですけど?」
「ふふふん、ふふん」
サキサキさんは鼻歌を歌いながら、チェストに仕舞っておいた木材を取り出し、開拓した平地のド真ん中で椅子を作り出し始めた。
もう勝手に動き始めましたよ、この人。
まあ、あとでぶっ壊せばいいか。
今はやることがあるので、サキサキさんを放置する。
サキサキさんを放置して、木こりとしての職務を行なっていると、
「遅くなりました」
「遅れてごめんね。滝君、20万人おめでとう」
ゼロスさんとワンスさんが入ってくる。
「ありがとうございます。全然遅刻とかじゃないんで、気にしないでください」
集合時間は決めてないため、遅刻とかはない。
通話アプリとマイクラサーバーの招待だけ送っておいているので、いつでも来てください状態なのだ。
「マイクラとか久々にやるんだけど!」
「確かに。最近はFPS系のゲームしかしてないしね」
確かに配信を見ていると、殆どがFPS系のゲームばかりだ。
まあだから、上手いんだろうけど。
サキサキさんと同じように、今している作業を説明すると、
「じゃあ、俺はあの大きな穴から土と石を取ってきます」
5×5マスの大穴に向かっていくゼロスさん。
一応埋める予定ではあるが、まだ埋めていない。石や土を取るために残してある。
「じゃあ私は、サキサキちゃんを殴ってくるわ」
「えっ、ちょっとやめてください。近寄らないで!」
逃げるサキサキさんに、追うワンスさん。
これはいつかログに、サキサキさんの名前が載るな。
「助けて、滝くん!」
気にせず、作業に戻る。
「薄情者!」
聞こえない、聞こえない。
男3人は作業をし、女性2人は殺し合いをしている。
あっ、ログにサキサキさんの名前が。
サキサキさんがリスポーンしている中、俺はサキサキさんが作り途中の椅子をぶっ壊す。
「ああ! 世界一デカい椅子を作っていたのに」
「要らん。そんなもの!」
容赦なくぶっ壊す。
『滝、やっちゃったな』
『ああ、お前をぶっ壊す』
『サキサキさんが作ってくれてるんだから、お前手伝えよ』
『何やってんだよ!』
要らんだろ、世界一デカい椅子なんて!
邪魔になるだけじゃん!
「ええ、要らないものは撤去します。分かったか、リスナー!」
『要らんくないだろ!』
『サキサキさんが作ってくれた物は家宝にしろよ!』
『バカが!』
「価値を知らんものめ』
「もっと言って。もっと言ってあげて、リスナーさん達。でも、悪口は良くないかな?」
『サキサキさんに物を作らせてあげてください』
『滝、お願いします』
『このまま作らせてあげて』
『サキサキさんが可哀想です』
サキサキさんの一言で、言葉を正すリスナーさん達。正直言って、
「気色悪いな。鳥肌が立ったわ」
『サキサキさんがいなくなったら、覚えといてください』
『サキサキさんがいる時限定なので、今のうちに謝るのがいいと思いますよ』
『今の言葉、取り消した方が身のためですよ』
『謝ってください』
誰が謝るか!
謝ったって、謝らなくたって、サキサキさんがいなくなったら、いつものリスナーさん達に戻るんだろ!
誰が謝るか!
椅子を壊し続ける俺を殴ってくるサキサキさん。そんなサキサキさんにロックオンしたワンスさんが、サキサキさんを襲う。
「いやあああああああああ。悪魔が来た!」
黙々と作業をしていると、残りの3人がやってくる。
「滝さん、20万人おめ!」
元気よく祝ってくれるのは絵茶さん。
「ありがとう、絵茶さん。んで、もってお久しぶりってほどじゃないけど、こんにちは。シオンさんにレモンさん」
「こんにちわぁ、滝さん。そしてぇ、初めましてぇ、レモンですぅ」
「こんにちは。初めまして、シオンです」
俺と絵茶さん以外は初めましてなので、皆自己紹介をしていく。
レモンさんもシオンさんも馴染めそうな雰囲気があるので一安心。
さて、これでみんなが揃ったわけだが、マイクラで何をしたら面白いだろうか。
んん、じゃあまずは、
「各自、自分の家でも作っていきますか」
こうして、配信者の家づくりが始まる。
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