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第二章 人として生きる
6 成人 5
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生松が勉強している。ずっと、本を読んだり、何かをかりかりと書いたりしてる。静かな部屋に、かりかりと書く音と、ぱさ、と本をめくる音だけが聞こえる。
俺は、たまに布団に頬をすりすりして、そんな生松を見てた。
「成人、起きていましたか。すみません気付かなくて」
ふ、と顔を上げた生松と目が合った。
別にいいよ。
生松を見てるのも楽しい。
「水は、飲んでおきましょう」
点滴を確認して、水を飲ませてくれる。最近は、生松と二人のことが多くて、とても静かだ。
「退屈でしょう。ラジオでもつけますか?」
いやだ。
ラジオの音は、指令の音に似てる。ノイズ混じりの、勝手に流れる音は苦手。
ふる、と首を横に振ると、そうですか、と生松は勉強に戻った。
「今日はね、常陸丸さまと乙羽さまの結婚式なのですよ」
ふ、と思い付いたように生松が言った。
結婚式?
ふーん。
「……ああ、分かりませんか。結婚の誓いを知り合いの前で行う……、もしかして、結婚が分からないかな」
生松は眉を下げてちょっと考えた。
「……愛している、一番好きな人と、これから先の人生を共に生きる誓いを、結婚と言います」
おおー。いいなあ! それ、いいなあ!
「その、誓いの儀式を、常陸丸さまと乙羽さまは今日、行っておられるのですよ」
一番好きな人。乙羽は、常陸丸が一番好き。常陸丸は、乙羽が一番好き。それを誓う。
なんて素敵な儀式。
俺は、二人を思い浮かべて、ほぅ、と息を吐いた。生松が静かに笑う。
「また、写真を見せてもらいましょう。乙羽さまは、きっとお綺麗でしょうね」
一番好きな人と、これから先の人生を。
俺は、一番好きな人を思い浮かべて、幸せだった。
俺は、たまに布団に頬をすりすりして、そんな生松を見てた。
「成人、起きていましたか。すみません気付かなくて」
ふ、と顔を上げた生松と目が合った。
別にいいよ。
生松を見てるのも楽しい。
「水は、飲んでおきましょう」
点滴を確認して、水を飲ませてくれる。最近は、生松と二人のことが多くて、とても静かだ。
「退屈でしょう。ラジオでもつけますか?」
いやだ。
ラジオの音は、指令の音に似てる。ノイズ混じりの、勝手に流れる音は苦手。
ふる、と首を横に振ると、そうですか、と生松は勉強に戻った。
「今日はね、常陸丸さまと乙羽さまの結婚式なのですよ」
ふ、と思い付いたように生松が言った。
結婚式?
ふーん。
「……ああ、分かりませんか。結婚の誓いを知り合いの前で行う……、もしかして、結婚が分からないかな」
生松は眉を下げてちょっと考えた。
「……愛している、一番好きな人と、これから先の人生を共に生きる誓いを、結婚と言います」
おおー。いいなあ! それ、いいなあ!
「その、誓いの儀式を、常陸丸さまと乙羽さまは今日、行っておられるのですよ」
一番好きな人。乙羽は、常陸丸が一番好き。常陸丸は、乙羽が一番好き。それを誓う。
なんて素敵な儀式。
俺は、二人を思い浮かべて、ほぅ、と息を吐いた。生松が静かに笑う。
「また、写真を見せてもらいましょう。乙羽さまは、きっとお綺麗でしょうね」
一番好きな人と、これから先の人生を。
俺は、一番好きな人を思い浮かべて、幸せだった。
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