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第四章 西からの迷い人
80 お化け屋敷? 成人
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「弐角も来ていたか、ちょうど良かった。」
食堂でくつろぐ朱実殿下と赤璃さまに、弐角がぴしりと固まる。
朱実殿下、怖くないよ?でも、そんな反応をする人が多い。
遊びに来てた八条宝も、何だか背筋を伸ばして座ってて面白い。朱可さんは楽しそうに、くすくす笑っている。
「ここ、お化け屋敷や……。」
才蔵の小さな声が聞こえて、笑えてしまった。さっきは、じいやが驚かしてごめんね。
朱実殿下は、慌てて包拳礼を取ろうとする弐角と才蔵に、いらないいらない、と手をふる。
緋色は知らん顔して、座椅子に俺を下ろした。さっさと厨房へ向かおうとするのを、朱実殿下が止める。
「緋色。」
「嫌です。」
「まだ何も言ってないけど?」
「お断りします。」
「もう決定事項。」
緋色が、ものすごーく嫌そうな顔で朱実殿下を見た。
「成人、おいで。」
朱実殿下に手招きされて、座椅子から立ち上がる。
なに、なに?
朱実殿下が手を広げて待っているので近寄れば、そのまま腕の中に閉じ込められた。
「喧嘩売ってんのか?買うぞ、酔っぱらい!」
「うるさいよ、緋色。手触りのいい服だなあ。」
「いいわよね、これ。私も作ってもらおう。耳はいらないけど。」
赤璃さままで、一緒に抱きついてくる。
二人とも、少しお酒臭いんだってば。何か緋色が怒ってるし。
「やあん。」
緋色が二人の腕をぺし、ぺし、と叩いてから俺を抱き上げてくれた。
「兄弟喧嘩はやめてくださいよ。誰も止めれないんだから。」
朱可さんが言って、やっと部屋の中に、ほっとした空気が流れた。
「うん、成人も元気そうだ。連れていっていいよ。」
「い、や、だ。」
「弐角。明日には発つのか?」
「は、は?ええ、はい。」
突然、話しかけられた弐角の返事を聞いて、朱実殿下は、ふむ、と考えた。
「緋色に行かせるけど、多くない方がいいのかな?」
「はい。ありがとうございます。人数はいりません。借りたもので押さえた所で、それは自分の力やないので。」
朱実殿下は、ご機嫌で少し笑った。
「緋色。誰を連れていく?」
「成人、常陸丸、荘重、利胤、壱臣、半助、力丸。……三郎。」
緋色は、朱実殿下からそっぽを向いて、名前だけ並べた。
俺も?
どこ行くの?
食堂でくつろぐ朱実殿下と赤璃さまに、弐角がぴしりと固まる。
朱実殿下、怖くないよ?でも、そんな反応をする人が多い。
遊びに来てた八条宝も、何だか背筋を伸ばして座ってて面白い。朱可さんは楽しそうに、くすくす笑っている。
「ここ、お化け屋敷や……。」
才蔵の小さな声が聞こえて、笑えてしまった。さっきは、じいやが驚かしてごめんね。
朱実殿下は、慌てて包拳礼を取ろうとする弐角と才蔵に、いらないいらない、と手をふる。
緋色は知らん顔して、座椅子に俺を下ろした。さっさと厨房へ向かおうとするのを、朱実殿下が止める。
「緋色。」
「嫌です。」
「まだ何も言ってないけど?」
「お断りします。」
「もう決定事項。」
緋色が、ものすごーく嫌そうな顔で朱実殿下を見た。
「成人、おいで。」
朱実殿下に手招きされて、座椅子から立ち上がる。
なに、なに?
朱実殿下が手を広げて待っているので近寄れば、そのまま腕の中に閉じ込められた。
「喧嘩売ってんのか?買うぞ、酔っぱらい!」
「うるさいよ、緋色。手触りのいい服だなあ。」
「いいわよね、これ。私も作ってもらおう。耳はいらないけど。」
赤璃さままで、一緒に抱きついてくる。
二人とも、少しお酒臭いんだってば。何か緋色が怒ってるし。
「やあん。」
緋色が二人の腕をぺし、ぺし、と叩いてから俺を抱き上げてくれた。
「兄弟喧嘩はやめてくださいよ。誰も止めれないんだから。」
朱可さんが言って、やっと部屋の中に、ほっとした空気が流れた。
「うん、成人も元気そうだ。連れていっていいよ。」
「い、や、だ。」
「弐角。明日には発つのか?」
「は、は?ええ、はい。」
突然、話しかけられた弐角の返事を聞いて、朱実殿下は、ふむ、と考えた。
「緋色に行かせるけど、多くない方がいいのかな?」
「はい。ありがとうございます。人数はいりません。借りたもので押さえた所で、それは自分の力やないので。」
朱実殿下は、ご機嫌で少し笑った。
「緋色。誰を連れていく?」
「成人、常陸丸、荘重、利胤、壱臣、半助、力丸。……三郎。」
緋色は、朱実殿下からそっぽを向いて、名前だけ並べた。
俺も?
どこ行くの?
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