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第九章 礼儀を知る人知らない人
12 めざせ、説明上手 成人
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「源さん、成人は話すのが上手くないもんだから、言ったつもりが多いんだ。慣れないうちはよく分かんない事が多いと思うんで、遠慮なく俺らに聞いてください。一緒に住んでたら、そのうち言いたいことが何か分かってきますから。壱臣さんもはじめは、俺たちが成人の単語に返事する度に、よう分かるなあ、なんて言ってましたよ」
話すのが上手くない……。俺、そうなの?喋れないふりをやめてからだいぶ経つから、最近は力丸くらいたくさん喋れるようになってきたと思ってたのに。
「九条生松先生は、うちの医師です。普段は、使用人用の病院で診察や治療をしてます。だから成人が生松先生のとこに行こうと言ったら、病院に行こうってことなんです」
「九条で医者……」
「あ、九条と言っても、そんなに畏まらなくても大丈夫です。たぶん、畏まられると生松先生は困ると思う。ほら、成人とも、俺たちはこんな感じなんで」
「あー。ええっと、それは……」
「外ではそれなりに取り繕う必要がありますが、うちでは肩肘張らずに過ごしてください」
「そ、そうか……」
むう。村次、説明上手だな。じいやも説明上手だから、村次はじいやに似てるのか。血縁は色々似てるんだもんね。
俺も、もっといっぱいしゃべるようにしよう。そうしよう。
「では、その九条さまのいらっしゃる病院に成人殿下と共にお伺いする、ということ……か?」
「そうですそうです。あ、九条はうちに五人いるので、みんな名前で呼びます。名前で呼ぶのは、九条だけじゃないんですけどね。俺の名字、一ノ瀬もたくさんいますし、もともと名字無しの人も多いので、名字を呼んでも誰も返事してくれないかもしれません。九条も、利胤さま以外みんな養子だし」
「名字無しも多い?離宮で?」
「俺もそう。調理士免許取るために、嫁さんの名字を名乗ったんだ」
「広末さんが名字無し?!」
「俺は今もなーい」
「皇族は名字無いもんなあ」
「……」
源さんは、ぽかんと口を開けてしまった。村次が、そんな源さんを促して椅子に座らせている。ずっと立ちっぱなしだと、足に負担がかかるからね。自分で、辛い時は我慢せずに座れるようになるといいな。
「じゃあ、なる坊。お茶とおやつ食べてから、二人で生松先生んとこ行ってこい。帰りが遅くなっても全然構わねえよ。生松先生にもおやつを持っていってくれ。幾つか包んだら、病院の手伝いの方にも渡せるだろ」
任せて。ちゃんと生松が自分の分を食べるまで、じっと見てるから。
話すのが上手くない……。俺、そうなの?喋れないふりをやめてからだいぶ経つから、最近は力丸くらいたくさん喋れるようになってきたと思ってたのに。
「九条生松先生は、うちの医師です。普段は、使用人用の病院で診察や治療をしてます。だから成人が生松先生のとこに行こうと言ったら、病院に行こうってことなんです」
「九条で医者……」
「あ、九条と言っても、そんなに畏まらなくても大丈夫です。たぶん、畏まられると生松先生は困ると思う。ほら、成人とも、俺たちはこんな感じなんで」
「あー。ええっと、それは……」
「外ではそれなりに取り繕う必要がありますが、うちでは肩肘張らずに過ごしてください」
「そ、そうか……」
むう。村次、説明上手だな。じいやも説明上手だから、村次はじいやに似てるのか。血縁は色々似てるんだもんね。
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「では、その九条さまのいらっしゃる病院に成人殿下と共にお伺いする、ということ……か?」
「そうですそうです。あ、九条はうちに五人いるので、みんな名前で呼びます。名前で呼ぶのは、九条だけじゃないんですけどね。俺の名字、一ノ瀬もたくさんいますし、もともと名字無しの人も多いので、名字を呼んでも誰も返事してくれないかもしれません。九条も、利胤さま以外みんな養子だし」
「名字無しも多い?離宮で?」
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「……」
源さんは、ぽかんと口を開けてしまった。村次が、そんな源さんを促して椅子に座らせている。ずっと立ちっぱなしだと、足に負担がかかるからね。自分で、辛い時は我慢せずに座れるようになるといいな。
「じゃあ、なる坊。お茶とおやつ食べてから、二人で生松先生んとこ行ってこい。帰りが遅くなっても全然構わねえよ。生松先生にもおやつを持っていってくれ。幾つか包んだら、病院の手伝いの方にも渡せるだろ」
任せて。ちゃんと生松が自分の分を食べるまで、じっと見てるから。
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