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第九章 礼儀を知る人知らない人
25 良くなくて良かった 成人
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「亀吉、お話も上手だねえ」
ふんふん、と俺に抱き着いたまま亀吉が頷く。うわあ、可愛いなあ。
「あ、こら、亀吉」
「亀、あかん」
鶴丸と松吉が慌てている。別にいいよ。俺は亀吉と仲良しになれて嬉しい。
かがんで小さな体を抱き返してたら、緋色がひょいと亀吉を抱っこした。
「こら、ちび。それは俺のだ」
亀吉はびっくりして固まっている。
「殿下、子どもを泣かせるようなことをしないでくださいよ。若君がご機嫌で、皆、一安心してるってのに」
常陸丸が、はあと息を吐きながら言った。
「ほんとに、大人げない」
乙羽も頬に手を当てて、はあと息を吐いた。
「いいか、よく聞け。こういうのは、最初にしっかり教えておくことが大事なんだ。小さいからって見逃すのがいいって訳じゃない。なあ、ちび、いいか。成人は俺のだからな。覚えとけ」
「……」
亀吉は、緋色の腕の中でじっと緋色を見ている。泣かないの、すごいな。大人でも、緋色のこと怖がる人がいるんだけど。怖くて動けない?それとも、緋色の抱っこが気持ちいい?あ、そうかも。
いいよね、そこ。俺も好きなんだ、そこ。……。あれ?そこ、俺のなんだけど。
「よう言うときます」
少し笑った鶴丸が、緋色から亀吉を受け取ったらほっとした。亀吉が緋色から離れたら、すぐに緋色に近寄って緋色の服の裾を掴んでしまった。
「どうした?」
「ん?」
どうもしない。どうもしてないんだけど。うん。緋色は俺のだから。うん。それだけ。
「あら」
「まあ」
楽しそうに笑い合ってる声が聞こえる。さっき挨拶したばかりの乙羽と松吉は、もう仲良しになったみたいだ。
「亀吉、緋色殿下に抱き上げて頂けて良かったな」
鶴丸が腕の中の亀吉をゆすり上げて、にこにこしながら言った。松吉も、頷きながら笑って亀吉の顔をのぞき込む。
亀吉がむ?と口を結んで、ぶんぶんと激しく首を横に振った。それからぎゅっと鶴丸にしがみついた。
「そうよねえ。父上がいいわよね」
「殿下。残念でしたね」
「当たり前だろ」
乙羽と常陸丸が笑っている。
「殿下、申し訳ありません」
「ほんまに、すみません」
「だから! 当たり前だろう」
松吉と鶴丸が慌てて頭を下げたけど、何にも謝ることないよ。ほら、見てる人が皆笑ってる。
俺も、緋色の服を握ったままにこにこしてしまった。
亀吉は、緋色の抱っこは良くなかったのか。そうか。
そこは俺のだからさ。亀吉が良くなくて良かったよ。
ふんふん、と俺に抱き着いたまま亀吉が頷く。うわあ、可愛いなあ。
「あ、こら、亀吉」
「亀、あかん」
鶴丸と松吉が慌てている。別にいいよ。俺は亀吉と仲良しになれて嬉しい。
かがんで小さな体を抱き返してたら、緋色がひょいと亀吉を抱っこした。
「こら、ちび。それは俺のだ」
亀吉はびっくりして固まっている。
「殿下、子どもを泣かせるようなことをしないでくださいよ。若君がご機嫌で、皆、一安心してるってのに」
常陸丸が、はあと息を吐きながら言った。
「ほんとに、大人げない」
乙羽も頬に手を当てて、はあと息を吐いた。
「いいか、よく聞け。こういうのは、最初にしっかり教えておくことが大事なんだ。小さいからって見逃すのがいいって訳じゃない。なあ、ちび、いいか。成人は俺のだからな。覚えとけ」
「……」
亀吉は、緋色の腕の中でじっと緋色を見ている。泣かないの、すごいな。大人でも、緋色のこと怖がる人がいるんだけど。怖くて動けない?それとも、緋色の抱っこが気持ちいい?あ、そうかも。
いいよね、そこ。俺も好きなんだ、そこ。……。あれ?そこ、俺のなんだけど。
「よう言うときます」
少し笑った鶴丸が、緋色から亀吉を受け取ったらほっとした。亀吉が緋色から離れたら、すぐに緋色に近寄って緋色の服の裾を掴んでしまった。
「どうした?」
「ん?」
どうもしない。どうもしてないんだけど。うん。緋色は俺のだから。うん。それだけ。
「あら」
「まあ」
楽しそうに笑い合ってる声が聞こえる。さっき挨拶したばかりの乙羽と松吉は、もう仲良しになったみたいだ。
「亀吉、緋色殿下に抱き上げて頂けて良かったな」
鶴丸が腕の中の亀吉をゆすり上げて、にこにこしながら言った。松吉も、頷きながら笑って亀吉の顔をのぞき込む。
亀吉がむ?と口を結んで、ぶんぶんと激しく首を横に振った。それからぎゅっと鶴丸にしがみついた。
「そうよねえ。父上がいいわよね」
「殿下。残念でしたね」
「当たり前だろ」
乙羽と常陸丸が笑っている。
「殿下、申し訳ありません」
「ほんまに、すみません」
「だから! 当たり前だろう」
松吉と鶴丸が慌てて頭を下げたけど、何にも謝ることないよ。ほら、見てる人が皆笑ってる。
俺も、緋色の服を握ったままにこにこしてしまった。
亀吉は、緋色の抱っこは良くなかったのか。そうか。
そこは俺のだからさ。亀吉が良くなくて良かったよ。
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