不安になるから穴をあけて

森 うろ子

文字の大きさ
21 / 22

21

しおりを挟む
真剣な茉莉の目を見つめることしかできない。
好き?茉莉が、俺のことを、ほんとに?

「お、俺、誠実じゃない。アルファのこと、茉莉のこと、利用してる……。」

茉莉のことが好きで嬉しいけど、引け目がありすぎる。俯きながら、小さく答える。

「でも、俺が玲のこと好きなら、俺だけをみてくれるだろ?俺がアルファで玲の不安を全部解消してやれば、玲は俺のことが好きだろ?」

茉莉に優しく顔を上げるように促されると真剣な茉莉の目と視線が合う。それが恥ずかしくて自分の顔はきっと赤くなっている。

「そうしないといけないくらいに玲の生活が大変だったのは想像がつく。ちゃんと自分で考えて、先のことも考えてバカになりきれない玲が好きだよ。諦めないとこが好き。意外と頭いいとこも好き。玲と一緒に飲むコーヒーは、美味しいよ。」

茉莉が俺と視線を合わせたまま、手を退ける。

「玲は?俺のこと嫌い?仲直り、できそうにない?」

息が詰まる。いつものふざけた茉莉はどこにもいない。ここで、ここで素直にならないと、たぶん、次はもうない。

「………っ。す、好き。ずっと一緒にいてほしい……。」

茉莉は目を合わせて言ってくれたのに。俺は恥ずかしくて、俯きながら消えそうな声で言うことしかできなかった。

そしたら茉莉が俺の顔を手で包み込んで、優しくおでこにキスをしてきた。スッとすぐ離れると、ニッコリと笑った茉莉が「誰が好きなの?ちゃんと言って。」と意地の悪い顔をしている。

照れ隠しで、茉莉のことを押しのけながら「茉莉だよっ、茉莉が好きっ!」とちょっと怒りながら言う。

「じゃあ、仲直りだな。」

茉莉がそう言って俺のピアスを愛おしそうに触る。もう茉莉に何をされても恥ずかしくてしょうがないので、俺は俯き、顔を真っ赤にして茉莉の好きなようにされていた。

「今日は噛まないから、安心して。」

そう言って茉莉がキスをしてくる。苦しいから離れてほしくて肩を叩くけど全然離れてくれない。

「………っ!ぷはぁっ!茉莉、苦しい!」

「このぐらいで苦しがってたらもたないよ。ほら、こっちおいで。」

茉莉にグッと引き上げられて狭いベッドの上に押し倒される。茉莉のフェロモンの香りがグッと近くなる。

「あっ、あっ…んっ。やだ、やだ、茉莉、それ、やめて………んぅっ。」

茉莉が俺の乳首を優しく舐めてくる。逃げ出したいような気持ち良さに体を動かすと、逃がすまいと片方の手で俺のイチモツを招いてくる。

「・・・っあぁ。やだ、きもちい、茉莉、だめ、それ、いっちゃう……。」

空いてる手で茉莉の身体を押し返そうとすると「だーめ。」と宥めるように俺に言い聞かせて両手を押さえつけられた。

「玲、これ、したことなかっただろ。」

そう言って茉莉が下の方から意地の悪い笑みを浮かべて俺のものをパクりと咥えてきた。

「あぁっ!やだ、やだやだ、茉莉、それやめて。汚いから。あぁっ、んぅっ。」

咥えられたと思えば、ゆっくりと下から上へ舐め上げられたり初めての気持ちよさに気が狂いそうだ。やめて欲しいのに、もっとしてほしい様な……。

「あっ、あっ、茉莉、だめ。もうっ、ほんとに、でっ…。あぁっ…‼︎……っあん……でちゃうっ!ーーーっあぁっ‼︎」

一生懸命茉莉の頭をどかそうとするも両手がしっかりと抑えられていてびくともしない。やめてと言っているのに茉莉が全く聞いてくれなくて、結局茉莉の顔面に放ってしまい恥ずかしくなる。

こんなこと初めてで放心状態の俺を見下ろして満足そうに、顔にかかったものを少し拭い取り舐め上げる茉莉は、なんて顔面の整ったアルファなんだろう。

「なに?見惚れてるの、玲。嬉しいねぇ。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

かえり、みち

真田晃
BL
エセ関西弁の幼馴染みと、歩いて帰る。 明るいコイツのお陰で、外灯の少ない真っ暗な田舎道も怖くなかった。 なのに、何故だろう。 何処か懐かしさを感じてしまう。 コイツとはいつも一緒に帰っているのに。大切な何かを、俺は──忘れてしまっている、のか? 第一章:シリアスver. 第二章:コミカルver.

ネガティブなΩがスパダリαから逃げる

ミカン
BL
オメガバース

処理中です...