魔王様と禁断の恋

妄想計のひと

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1章

*12の続き

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※R-18は読まなくてもストーリーには影響しません。苦手な方は飛ばしてください








2人は長い時、口付けをしていた。
まるで、蝶が花に触れ、蜜を吸い、離れてまた蜜を吸うかのようだった。

「レイリン、レイリン、愛してる」

うわ言のように何度も自分の名を口にする天帝に、魔王様はおかしくも可愛く思ってしまった。

「そんなに呼ばないでください」

「ずっと名前で呼びたかった。それとも、呼ばれたくない?」

金色の虹彩が揺れ、僅かに影が落ちた。
魔王様が呼ぶなと言ったことを気にしているのかもしれない。

「そうではありません。ただ、恥ずかしいだけです」

魔王様は眉を下げて照れ臭そうに顔を染めて、ふっと目線を逸らした。

「ランシュエは、ランシュエで良いですよね?」

「勿論。いくらでも呼んで」

天帝としての名前が別にあるのかとも思ったが、彼が自分の名前以外を呼ばせるとは到底思えなかった為、ただの確認になった。

天帝は右手で魔王様の頬に触れ、また唇を重ねた。
魔王様は、これ程までに甘えられたことが無かったため、混乱してしまった。
自分はどう接したら良いのか分からず、天帝の口づけに応えることしか出来なかった。

「私は、どうしたら良いですか?」

「どうって?」

勇者としての関係は、身体の繋がりはあったものの、お互い感情を素直に言うことはなかった。天帝としての関係はもっと酷いものだった。

そんな魔王様の不安や困惑を表情から察したのか、天帝は優しく語りかけた。

「難しく考えないで、私のことをそのまま受け入れてくれたら嬉しい」

「分かりました」

そのままの天帝がどういう人物なのか分からないが、もう受け入れるしかないと心に決め、この時はもう難しく考えるのを止めた。

キスが次第に長く、深くなるにつれて、お互い気持ちも昂ってくる。
魔王様の陶器のような白い肌の上を天帝の手が滑り撫でる。

「身体から傷が無くなったね」

天帝は魔王様の傷に嫉妬していた。まるで魔王様の全ては自分の所有物であり、何であろうとも触れる事は許さないとでも言うかのようだった。
それが今、身体には何もなく、白いキャンパスの様だ。天帝は少し襟を広げて顔を寄せると、時間をかけて跡を残した。

「傷も無くなりましたが、その……」

魔王様は言い淀んでしまうが、これは言っておかなければならなかった。

「慣れてもないので、今回は優しくしてください」

出来るだけ直接的な言葉を使わないように魔王様は言葉を絞り出した。
突然何を言い出したかと天帝は虚をつかれたが、すぐに不敵な笑みを浮かべて魔王様を見逃さなかった。

「何が慣れていないの?」

「挿れられないかもしれません」

「何が?」

魔王様はこの時、何故自分が挿入される側なのかと酷くこの天帝を呪った。自分が入れたら良いのではないか?むしろ自分は入れたがっていたはずだ。

「何でもありません。私がランシュエに挿入したら良いんです」

魔王様は不貞腐れて顔を背けた。
天帝はクスクスと笑っていたが、金色の目は紅玉の目を覗き込み、耳元で囁いた。

「またレイリンの初めてを貰えるなんて最高だ」

天帝が楽しそうなので、上か下かの問題について魔王様は既に考えるのを諦めていた。
天帝の方を向き直り、金色を見つめて言った。

「今回ぐらいは好きにしていただいて結構ですが、酷くはしないでください」

この目の前の楽しそうな天帝のせいで、前回の最初の思い出は酷く惨めだった。

「好きにして良いの?」

「程度によります……」

早くも自分の言った言葉に魔王様は後悔した。
天帝は考える間も無く魔王様に嘆願することになった。

「それなら、レイリンはいつも声を我慢するから、今日は我慢しないでほしい」

「声ですか?」

魔王様は必ず声は出さないようにしていた。自分の中の自制心を必死に保つためにはそれが必要だった。
ただ、自分も素直になった方が良いことも理解してた。

息を少し吐いて、決心したかのように魔王様は答えた。

「分かりました」

天帝が満足気に微笑んだ。





2人は衣服を全て脱ぎ、魔王様の上に天帝が覆いかぶさっていた。

魔王様の猛りを右手で包みながら、喉から首筋、胸、腹部へと順に下へ下へと口付けていく。

緩く右手が上下し、魔王様は呻き声を上げた。

「レイリン、我慢しないで」

魔王様は先ほどの約束を思い出したが、癖のようなもので無意識のうちに声を我慢していた。
声を出す練習をさせられるかのように、下半身への刺激を強くされる。

「はっ……ぁっ!あぁっ……!」

先ほどの鼻に抜けるような声から、甲高い声へと変化した。何度も何度も、先端から根元まで扱かれ、魔王様の限界が近くなっていく。

「一回、止めてください!あぁっ、あぁっ!はぁっ」

リズムよく扱かれ、声も同時に吐き出される。
天帝の金色の眼は、獲物を捕らえたかのように光り、魔王様の眉間に皺の寄った顔をじっと見つめている。

「レイリン、最高だ」

「イキそうですっ!待って!あぁっ!ああっ!ん……!」

魔王様は刺激と自身の声で、みるみる快感が迫り上がってくるのを感じ、身体からふわっと力が抜けて果ててしまった。

胸が大きく上下し、魔王様は呼吸を整えようとする。

予想より早くイってしまった自分に、魔王様は衝撃を隠しきれなかった。

「慣れてないから、仕方がない」

そういう事ではないと、魔王様は頭の片隅で思ったが、言い返す力は無かった。
呆然としている魔王様を見て、天帝はまた大胆に宣った。

「まだ始まったばかりだよ?」

自分が一度達しただけで先は長かった。

魔王様が呆然としている間にも、天帝は手を拭き、軟膏を持ち出していた。
その軟膏を指に取り、小指で秘部の皺をなぞったり、先を少し入れたりと魔王様の羞恥を煽った。

思惑通り、魔王様は整えていた息が荒くなり、眉が寄った。

「痛くない?」

「平気、です」

天帝は徐々に小指を深く入れ、壁をなぞり、軽く叩くように刺激をした。魔王様の息が速くなるにつれ、天帝の興奮が混じった目が鋭くなっていく。

魔王様は羞恥を我慢しているが、天帝もすぐに挿入したい衝動を我慢していた。

魔王様のモノが萎えてしまっていては興奮も冷めてしまうと、天帝は左手で扱く。

小指から人差し指、中指とゆっくりと軟膏を足しながら時間をかけて慣らしていった。
中の刺激は緩く、たまに何かが押し寄せる感覚に魔王様は声を上げた。

「あっ……そこっ!やめてください!」

まだ刺激に慣れておらず、感覚は他の場所とは違って感じるが、快感が昇りきるほどではなかった。
天帝は魔王様の身体を熟知している為、快感の位置は知っており、重点的に軽い刺激を繰り返した。

先に痺れを切らしたのは魔王様の方だった。
紅玉が天帝を捉えて懇願した。

「もう大丈夫ですから、挿れてほしいです」

まだ慣らした方が良いと、優しくするなら言うべきだったが、このように魔王様に言われて我慢できる天帝ではなかった。

「後ろ向いて」

言われるがままに魔王様は四つん這いになり、腰を上げた。その姿にも天帝は更に興奮したが、早急には行わず、軟膏を自身のモノに塗り、ゆっくりと秘部へ深めていった。

入ってくる感覚に酔い、魔王様も僅かに腰を動かして飲み込もうとする。

「レイリンっ!」

それでも天帝は自分の衝動を必死に抑えて、奥までいれずに途中で一旦止めた。魔王様も自分の行動に少し驚いていた。

「辛くない?」

天帝のモノが通常サイズではないことは、魔王様もその体でよく知っている。
ただ、天帝が本当にここまで優しくしてくれるとは思ってもみなかった。

「ふふっ……良いですよ、奥まで」

本当にしおらしい天帝は可愛いと思い、笑みが溢れながらも少し煽るように言ってしまった。
そんな魔王様に、遂に衝動の波で理性の堤防が決壊した。

天帝は奥まで挿入し、少し慣らした後、前後の律動を始めた。天帝にとって、これが初めて最中に見せる魔王様の微笑みだった。

「あぁぁっ!うぁっ!はぁっ!あぁぁ!」

激しく揺さぶられ、律動に合わせて高い呻き声が発せられる。魔王様は幾分か声を出すことにも慣れてきていた。

天帝に後ろから突かれて声を上げている状況にも興奮し、魔王様のモノもしっかりと昂っていた。その興奮が天帝にも伝わっていた。

肌がぶつかり合う音、中からする湿った音、上がる艶のある悲鳴、全てが2人の耳まで蹂躙する。

そこへ甘い囁きも追加された。

「レイリン、愛してるっ!」

魔王様の心が震え、閉じられた瞼からはじんわりと涙が浮かび、シーツに吸い取られた。

「あぁっ、ランシュエ!愛して、いますっ」

魔王様は中の快感をあるがままに受け入れた。昂りでの奥への刺激も止むことなく、中が収縮を繰り返した。

天帝の低い呻き声がすると、勢いが止み、奥で達したのがわかった。

天帝の荒い息遣いに、魔王様の興奮は止むことがなかった。

天帝は挿入されている自身のモノを一旦抜き、魔王様は低い声をあげた。

「レイリンは?」

射精するかどうか聞かれたと分かり、魔王様は首を横に振った。中への刺激で充分に身体は怠かった。

「まだ、続けるのでしょう?」

魔王様の身体が幾ら頑丈で回復が早くても、消耗しないに越したことはない。そう思っての発言だったが、天帝にとってはただ煽られているとしか思えなかった。

「当然。直ぐにでも」

後背位のまま、天帝は魔王様の上へ覆いかぶさり挿入した。

「せっかくレイリンも感じているし、このまま続けよう」

魔王様の昂りからも僅かな雫が落ちた。
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