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品行方正
追憶⑦ 狂い
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「ああ……久しぶりだね、梅香……」
久しぶりに会う祖母は、前見た時より一気に老け込んだ印象だった。
「うん……おばあちゃん」
私は伏し目がちに挨拶をした。そんな私とおばあちゃんの服は、黒一色。
今日は、弟の祐樹の一周忌。
「………………」
私はそっとおばあちゃん家の庭を眺める。
ざわざわ……ざわざわ……
風に揺られる梢の音。赤みが差したピンク色の梅の花。
祐樹が倒れた日――そしてそれ以前の、毎年同様の美しい梅の花が、今年も満開に咲き誇っていた。
(梅は変わりなく奇麗に咲いているのに……)
ちらりと屋敷を見れば、沈んだ表情のおばあちゃんとお父さんの姿。
(お母さん……)
私はそっと目を伏せ、此処にはいない母に思いを馳せた。
母は……いない。弟の祐樹の死という現実を受け入れることが出来ず、母方の実家に戻って療養している。今日の集まりも一応は伝えたらしいが……来るかは不透明だ。
(いないと言えば……光輝お兄ちゃんや歩美さんもいない……)
そういえばいないな、と思いおばあちゃんに訊いてみる。
「あ、の……光輝お兄ちゃん達、は?」
「嗚呼……光輝君や歩美ちゃん達は少し遅れるそうだよ。梅香も、忙しい中、すまないね……」
そう言って微笑むおばあちゃん。私はどう返事したものか悩み、「ううん、大丈夫……」と当たり障りない言葉を返す。
(光輝お兄ちゃん、ちょっと遅れるのか……)
少し残念に、思う。
「……お茶の準備、しようか?」
「あ、ああ……そうだねぇ……」
少し、覇気のないおばあちゃん。無理もないと言えばそれまでだが、やはり弟の祐樹がこうなったことの原因なのを悔いているのだろう。
私は無理矢理笑っておばあちゃんと一緒に台所に赴く。
そして、ふと気づく。
「ぁ……」
おばあちゃん個人で使っていた冷蔵庫が、台所にあった。前まではなかったはずなのに。
「ああ……これ、ね」
おばあちゃんがヨタヨタと冷蔵庫に寄り、表面を撫でる。
「……梅香のお父さんの、大吾がね……せめて此処において中身を確認しようってことになってね……中身も一度すべて捨てたんだよ……」
「…………………」
食中毒で亡くなった弟の祐樹。それを思えば仕方ないのだろうが……おばあちゃんの覇気のなさを見ると、つい……言葉に出来ないもやもやとしたやるせなさを感じてしまう。
と……同時に、
(私が、もっと上手く動いていたら……)
何か、変わっていたのだろうか?
どうしようもないことだと分かっているが……そう思ってしまう。
もしも、もっと私が上手く動けていたら。
そんな〝もしも〟を考えてしまう。
(考えたって、仕方ないのにね……)
私はそっと急須に袋に入ったお茶を入れ、お湯を注いで準備を続けるのだった。
そんな風に――私は、のんきに弟の一周忌の準備をしていた。
◇ ◇ ◇
トコトコと、お茶と湯呑が乗ったお盆を持って、おばあちゃんの屋敷の廊下を歩くいて行き、先に行った祖母の後を追う。と言っても、重たいのとスピードの遅さ、そして祖母が先に行ったことでもはや姿は見えないのだが。
(また、前みたいにみんなで庭で食事とかしたいな……)
今回の集まりでは、それは無い。屋敷の中で、頼んだ仕出しを食べるだけだ。
……弟の死んだ一周忌で、前のように皆で集まり宴がしたいなんて、不謹慎だろうけども。
(それでも……)
自分にとって、あの宴は『幸せ』の象徴なのだ。
(何時か……)
何時か、母も元気になって、また親族全員で花見ができる日が来る。
そう私は信じ、閉じられているドアを開ける。
「お茶、お持ちしまし、た……」
そう口にし、
「え――――――」
お盆を、落とす。
がしゃんと壊れる陶器の急須と湯呑。がらんと転がるお盆。
そして――目の前には、
「おかあ、さん?」
そう――そこには、血走った目で血まみれの包丁を握り、血溜まりの畳に倒れ伏す祖母と同じように畳にうずくまる衣服が赤く染まったお父さんの姿があった。
「――――――え?」
意味が、分からなかった。
何時お母さんはこっちに来たの?
どうしてお母さんが包丁を握っているの?
どうしてお祖母ちゃんとお父さんは倒れているの?
この畳やお父さんの衣服に付いている赤い染みは一体何なの?
そして――何が、起こったの?
「なに、が……」
呆然とする私に、
「あんたが……!」
母が、私を……見た。
「っ……!」
息を飲む。母の形相は、おおよそ私の知る顔ではない。血走った目に憎悪の表情。歯を見せながらこちらに怨嗟の視線を向ける。その様子は、生まれてこの方私は見たことがない。
「あんたが、いけないのよ……!」
ゆらりと、此方に身体を向けた。
「お、おか……」
何が起きているのか分からない私は、震える身体でお母さんに質問しようとし、
「あんた、知ってたんでしょう⁉ この婆が冷蔵庫に腐った食べ物いっぱい入れてたって⁉」
「っ!」
息を飲んだ。
「何にも言わないで、危険だっていうのに伝えもしないで……!」
「ぁ……」
反論が、出来ない。
たじろぐ私に、母が一言。
「死んで祐樹に償え‼」
一喝。
「わ、たし……」
自分でも、何を言おうとしたのか分からない。だけど、口から出た言葉は、
ズプン
「ぁ……!」
放たれることは、無かった。
胸に強烈な熱を感じ、すぐにそれが痛みへと変わる。どさりと畳に倒れる私。
「ぐ……ぁ……!」
どくどくと、赤い赤い液体が流れていく。命が失われていく、感触。
「あの子の一周忌を……この家でやるなんて……殺した奴が、あの子の冥福を祈るなんて……!」
ぶつぶつと、お母さんの口から呪詛が零れ出る。
「良家の家だからって、私がどれだけ苦労したか知らないでしょうね?
毎回毎回、何時も何時も、朝早くか前の日に来て、良いお嫁さんやって来たわよ。
死にかけの婆にいい恰好する為に、どんだけ我慢して来たか!
最初が梅香で女だから、跡取りじゃないって言外にちらつかされて、どれだけ嫌だったか……!
漸く、漸くあとろりの祐樹が産まれてくれて、漸く安心出来たのに! 好きな仕事に打ち込めると思ったのに!
なのに、あんたわぁ⁉」
暗く濁った怨恨が放たれる。
「ぁ……」
何か、返さなければいけない。そう、何か……。
お母さんに、言葉を返さないと思い、顔を上げ……。
「………………ぇ」
気付いた。お母さんの後ろに、お腹を刺されたお父さんが無言で立って睨みつけているのを。
何をする気か――理解し、
「や……め……」
止めようとするが、間に合わない。
無言で父は、お母さんの握っていた包丁を腕ごと掴み、
「っ⁉」
振り向いたお母さんを気にも留めずにその腕をありったけの力で両手でつかみ、
ドスッ
………………
………………………………
………………………………………………
久しぶりに会う祖母は、前見た時より一気に老け込んだ印象だった。
「うん……おばあちゃん」
私は伏し目がちに挨拶をした。そんな私とおばあちゃんの服は、黒一色。
今日は、弟の祐樹の一周忌。
「………………」
私はそっとおばあちゃん家の庭を眺める。
ざわざわ……ざわざわ……
風に揺られる梢の音。赤みが差したピンク色の梅の花。
祐樹が倒れた日――そしてそれ以前の、毎年同様の美しい梅の花が、今年も満開に咲き誇っていた。
(梅は変わりなく奇麗に咲いているのに……)
ちらりと屋敷を見れば、沈んだ表情のおばあちゃんとお父さんの姿。
(お母さん……)
私はそっと目を伏せ、此処にはいない母に思いを馳せた。
母は……いない。弟の祐樹の死という現実を受け入れることが出来ず、母方の実家に戻って療養している。今日の集まりも一応は伝えたらしいが……来るかは不透明だ。
(いないと言えば……光輝お兄ちゃんや歩美さんもいない……)
そういえばいないな、と思いおばあちゃんに訊いてみる。
「あ、の……光輝お兄ちゃん達、は?」
「嗚呼……光輝君や歩美ちゃん達は少し遅れるそうだよ。梅香も、忙しい中、すまないね……」
そう言って微笑むおばあちゃん。私はどう返事したものか悩み、「ううん、大丈夫……」と当たり障りない言葉を返す。
(光輝お兄ちゃん、ちょっと遅れるのか……)
少し残念に、思う。
「……お茶の準備、しようか?」
「あ、ああ……そうだねぇ……」
少し、覇気のないおばあちゃん。無理もないと言えばそれまでだが、やはり弟の祐樹がこうなったことの原因なのを悔いているのだろう。
私は無理矢理笑っておばあちゃんと一緒に台所に赴く。
そして、ふと気づく。
「ぁ……」
おばあちゃん個人で使っていた冷蔵庫が、台所にあった。前まではなかったはずなのに。
「ああ……これ、ね」
おばあちゃんがヨタヨタと冷蔵庫に寄り、表面を撫でる。
「……梅香のお父さんの、大吾がね……せめて此処において中身を確認しようってことになってね……中身も一度すべて捨てたんだよ……」
「…………………」
食中毒で亡くなった弟の祐樹。それを思えば仕方ないのだろうが……おばあちゃんの覇気のなさを見ると、つい……言葉に出来ないもやもやとしたやるせなさを感じてしまう。
と……同時に、
(私が、もっと上手く動いていたら……)
何か、変わっていたのだろうか?
どうしようもないことだと分かっているが……そう思ってしまう。
もしも、もっと私が上手く動けていたら。
そんな〝もしも〟を考えてしまう。
(考えたって、仕方ないのにね……)
私はそっと急須に袋に入ったお茶を入れ、お湯を注いで準備を続けるのだった。
そんな風に――私は、のんきに弟の一周忌の準備をしていた。
◇ ◇ ◇
トコトコと、お茶と湯呑が乗ったお盆を持って、おばあちゃんの屋敷の廊下を歩くいて行き、先に行った祖母の後を追う。と言っても、重たいのとスピードの遅さ、そして祖母が先に行ったことでもはや姿は見えないのだが。
(また、前みたいにみんなで庭で食事とかしたいな……)
今回の集まりでは、それは無い。屋敷の中で、頼んだ仕出しを食べるだけだ。
……弟の死んだ一周忌で、前のように皆で集まり宴がしたいなんて、不謹慎だろうけども。
(それでも……)
自分にとって、あの宴は『幸せ』の象徴なのだ。
(何時か……)
何時か、母も元気になって、また親族全員で花見ができる日が来る。
そう私は信じ、閉じられているドアを開ける。
「お茶、お持ちしまし、た……」
そう口にし、
「え――――――」
お盆を、落とす。
がしゃんと壊れる陶器の急須と湯呑。がらんと転がるお盆。
そして――目の前には、
「おかあ、さん?」
そう――そこには、血走った目で血まみれの包丁を握り、血溜まりの畳に倒れ伏す祖母と同じように畳にうずくまる衣服が赤く染まったお父さんの姿があった。
「――――――え?」
意味が、分からなかった。
何時お母さんはこっちに来たの?
どうしてお母さんが包丁を握っているの?
どうしてお祖母ちゃんとお父さんは倒れているの?
この畳やお父さんの衣服に付いている赤い染みは一体何なの?
そして――何が、起こったの?
「なに、が……」
呆然とする私に、
「あんたが……!」
母が、私を……見た。
「っ……!」
息を飲む。母の形相は、おおよそ私の知る顔ではない。血走った目に憎悪の表情。歯を見せながらこちらに怨嗟の視線を向ける。その様子は、生まれてこの方私は見たことがない。
「あんたが、いけないのよ……!」
ゆらりと、此方に身体を向けた。
「お、おか……」
何が起きているのか分からない私は、震える身体でお母さんに質問しようとし、
「あんた、知ってたんでしょう⁉ この婆が冷蔵庫に腐った食べ物いっぱい入れてたって⁉」
「っ!」
息を飲んだ。
「何にも言わないで、危険だっていうのに伝えもしないで……!」
「ぁ……」
反論が、出来ない。
たじろぐ私に、母が一言。
「死んで祐樹に償え‼」
一喝。
「わ、たし……」
自分でも、何を言おうとしたのか分からない。だけど、口から出た言葉は、
ズプン
「ぁ……!」
放たれることは、無かった。
胸に強烈な熱を感じ、すぐにそれが痛みへと変わる。どさりと畳に倒れる私。
「ぐ……ぁ……!」
どくどくと、赤い赤い液体が流れていく。命が失われていく、感触。
「あの子の一周忌を……この家でやるなんて……殺した奴が、あの子の冥福を祈るなんて……!」
ぶつぶつと、お母さんの口から呪詛が零れ出る。
「良家の家だからって、私がどれだけ苦労したか知らないでしょうね?
毎回毎回、何時も何時も、朝早くか前の日に来て、良いお嫁さんやって来たわよ。
死にかけの婆にいい恰好する為に、どんだけ我慢して来たか!
最初が梅香で女だから、跡取りじゃないって言外にちらつかされて、どれだけ嫌だったか……!
漸く、漸くあとろりの祐樹が産まれてくれて、漸く安心出来たのに! 好きな仕事に打ち込めると思ったのに!
なのに、あんたわぁ⁉」
暗く濁った怨恨が放たれる。
「ぁ……」
何か、返さなければいけない。そう、何か……。
お母さんに、言葉を返さないと思い、顔を上げ……。
「………………ぇ」
気付いた。お母さんの後ろに、お腹を刺されたお父さんが無言で立って睨みつけているのを。
何をする気か――理解し、
「や……め……」
止めようとするが、間に合わない。
無言で父は、お母さんの握っていた包丁を腕ごと掴み、
「っ⁉」
振り向いたお母さんを気にも留めずにその腕をありったけの力で両手でつかみ、
ドスッ
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