歴史の論理：中国の年代記

先史時代

初期旧石器時代

旧石器時代は、約300万年前から約1万年前までの人類の物質文化の発展の中で、打製石器の使用によって特徴づけられる段階である。 旧石器時代は、約300万年前に始まった鮮新世後期に属し、約1万年前まで続いたとされる。
旧石器時代は、前期、中期、後期に分けられ、300万年前から25万年前までは狩猟経済の芽が出た前期旧石器時代、旧石器時代を通じて、採集と狩猟が人々の主な経済活動、食料供給源であることに変わりはない。
しかし、旧石器時代の人類の遺跡が現生人類の祖先のものではないことは周知の事実であり、歴史上の人類がホモ・エレクトスからホモ・サピエンスに進化し、さらにホモ・ネアンデルタレンシスへと直線的に進化したと考えるのは、よくある誤りである。
しかし、約200万年前から約1万年前まで、実は世界には生物学的にホモ属に属するさまざまな人類が同時に存在し、過去には複数の人類が共存することが当たり前だったという生物学的事実がある。
現在、地球上に存在する生物学上の人類は1種のみであり、これは現代人の祖先が他のすべての人類種を絶滅させたためであり、そのため現在のすべての人類は物理的に孤立していないのである。

最古のホモ・エレクトスであるホモ・サピエンスは、約230万年前に東アフリカで、すでに人間の特徴を持っていた南方熊獣属から進化した。彼らは道具を作ることができ、直立歩行ができるが、頭部はより原始性を保ち、脳の容量としては 630ml。
ところが2013年、エチオピアのアファール地方で、5本の歯が完全に残っている古代の顎の一部が発見され、LD350-1、別名アファールマンと名付けられたのです。
これを分析した結果、人類が南方始祖鳥から進化的に分離したのは約280万年前であり、これまでの証拠からすると約50万年早かったことが判明した。 ホモ属に属すると思われるが、既知の人類種に属するのか、新種の人類を表すのかは不明である。

180万年前、ホモ・サピエンスは姿を消し、脳の容量が800mlのホモ・エレクトスという別種の人類に進化した。 約170万年前から徐々に東アフリカを離れ始め、アジアやヨーロッパに徐々に広がっていった。
この時、人類は初めてアフリカから脱出したのです。 このホモ・エレクトスは、北アフリカ、ヨーロッパ、アジアの広大な地域に広がり、十数種類の別属の人類へと進化していった。

現在、教科書で認められている中国地域最古のホモ・エレクトスは、亜種ホモ・エレクトス-元茂ホモ・エレクトスで、1965年に雲南省元茂県で発見された2本の歯の化石である。
出土した2本の歯、石器、木炭片と、その後発掘された同地点の同層における少数の石器、多数の木炭片、哺乳類化石から、彼らは道具を作り、火を使うことができる原始人であることが証明されました。
人生の年表について。
1976年、中国地質科学院地質力学研究所は古地磁気法を用いて、生命の誕生時期を約170万年前とし、その前後には最大で10万年の開きがあることを突き止めた。
現在では、これがホモ・エレクタスの原初年代であるとして、中国の教科書や一般書、百科事典の中にもこの主張を支持するものがある。
一方、古地磁気年代測定法は、地球の磁気の変化パターンに基づいて年代を測定する方法である。 地球の磁場は常に変化しており、わずか数十万年後には南北の磁極反転が起こるかもしれません。
地球上の川や湖の形成、火山の噴火などは、すべてその時の地球の磁気の状態を記録しています。 しかし、古地磁気は数値による年代測定ができず、相対的な年代測定しかできないため、同位体法と組み合わせることで、より正確な年代測定が可能になる。
しかし、炭素14の同位体法では、植物や動物の遺体に含まれる炭素が時間とともに崩壊し、4万年や5万年経ってしまうと時間が確定できないため、一般に4万年から5万年以下の年代測定にしか適さない。
もう一つの主張は、中期更新世においてである。 古地磁気年代は73万年を超えてはならないので、元結び族の化石層からすると、60万年から50万年前かそれ以降になる可能性がある。

また、電子スピン共鳴法では、160万年～110万年前の化石とされています。 元茂ホモ・エレクトスに随伴した哺乳類の研究や北京原人の歯との比較から、元茂ホモ・エレクトスはより原始的であると思われる。
元茂ホモ・エレクトスの化石や石器、雲南馬の化石を含む川や湖の地層の上に、歯化石のある場所で網状ラテライト層が見つかった。網状ラテライトは酸性が強く、動物化石を含まない白瀬盆地のように、動物遺存体を保存できないからである。 したがって、歯牙化石はもっと深い地層から採取されたものと思われる。
網状ラテライトは80万年前に出現したので、歯の化石は80万年前より後に出土することはありえない。 そうでなければ、網状ラテライトの酸性度によって、今まで歯の化石が存在することはなかったはずだ。
いずれにせよ、発見された石器の研究から、元茂ホモ・エレクタスが前期旧石器時代に生きていたことが判明したのである。

1987年12月、ユネスコ世界遺産委員会は「周口店の北京原人遺跡」を世界遺産に認定した。 1921年8月、スウェーデンの地質学者アンテセンとアメリカ・オーストリアの古生物学者シダンスキーによって発見され、1927年から1939年まで地質調査所と国際機関の支援のもと大規模な発掘調査が行われた。
1929年、中国の考古学者ペイ・ウェンゾンが北京の周口店の洞窟で完全な頭蓋骨の化石を発掘し、それ以来、考古学的調査によって8体の北京人の頭蓋骨と、年齢や性別の異なる40人以上の人物の骨の化石が発見された。 また、石器や石片の数も多く、合計10万点以上にのぼります。 文化塚には、灰や焼けた骨、焼けた公園の種などが積み上げられ、100種類以上の動物の化石がある。
中国で発見された古代人の遺跡としては、最も情報量が多い。
その後、北京の猿の頭蓋骨は、発掘されてから長い間、アメリカの支配下にある北京ユニオン医科大学病院に置かれていたが、第二次世界大戦が進むにつれ、アメリカ軍によって運ばれ、アメリカ自然博物館に移されて保存されることが決まったが、たまたま太平洋戦争が勃発、日本軍が病院を占領し、アメリカ海兵隊はすべて日本帝国軍によって捕えられ、その後最も早い北京の猿の頭蓋骨は失われることになった。
その後、頭蓋骨が発見されたという報告がいろいろあったが、実際に発見されたものはなかった。 頭蓋骨の行方についてはいくつかの説があるが、いずれにせよ謎のままである。
現存する北京原人の標本は、1966年に頂上墳墓から出土した北京原人の頭骨のみである。

また、教科書やプロパガンダにより、北京原人こそが中国人の祖先であるという誤った主張があるが、これは不合理である。
1980年代に登場したシングルサイト起源説によれば、現在の人類は20万～10万年前に東アフリカで誕生し、7万～6万5千年前にアフリカを離れ、少なくとも6万年前に東アジアに入ったとされる。
今日の遺伝学的証拠は、中国人が現代人とは独立した多地点起源を持つという主張を支持しない。6万年から4万年前にアフリカ起源のホモ・サピエンスが中国南部に到着し、北京原人の子孫など、アジアの地勢で徐々に元のホモ・エレクトスに取って代わったのである。
Y染色体ハプログループやミトコンドリアなどの研究から、地球上に住むすべての現代人は、約5～7万年前にアフリカから出現した後期ホモ・サピエンスの子孫であるとされており、人類分子遺伝学の研究は、この説を支持している。
ホモ・サピエンスがどのようにして東アジアに入ったかについては、2つの仮説がある。
現生人類が東アジアに定住し、その祖先が東アフリカを出てアラビア半島に入り、インド洋沿岸に沿って東南アジアに入り、次第に北部内陸に進出したとする「南ルート仮説」、すなわち東アジアの人口は南から北へ移動していったとするもの。
北方ルート仮説は、先史時代の人類が約5～6万年前に北アフリカから東地中海地域に入り、その後、東西に進路をとって中央アジアとヨーロッパにそれぞれ入ったとするものである。
現生人類が東アジアに流入した経路についてはかなりの議論があるが、ほとんどの遺伝学者がこの見解を受け入れている。 すなわち、旧世界の各地に形成されたホモ・エレクトスの諸種が徐々に絶滅し、アフリカから来た新種のホモ・サピエンスに完全に取って代わられたのである。

研究結果によると、ホモ・ベイジネンシスは、華北平原の地面がラテライトに覆われ、現在の黄土層がまだ形成されていなかった約70万年～20万年前に生息していたという。
北京原人の手足はもはや現代人と変わらないが、頭蓋骨は2倍近く厚く、口は前に突き出し、あごには巨大な歯があり、首は筋肉質であった。 平均脳容積は1,043ミリリットルで、現代人は1,400ミリリットルであった。
"北京人の生活環境については、3つのポイントに集約される。まず、尖った道具や削り器など、さまざまな石器をすでに作ることができたことだ。 第一に、彼らはすでに尖った道具や擦過器などさまざまな石器を作ることができ、粗末ではあるが、最低限の文化的生活をしていたことがわかる。 第二に、彼らはすでに狩りができる。 出土した動物の骨からわかるように、狩猟対象は鹿が最も多く、次いでヒョウ、ホラアナグマ、サーベルタイガー、ハイエナ、ゾウ、サイ、ラクダ、バッファロー、イノシシ、馬などであった。 投擲武器が使えたのだろうが、そうでなければ、これほど実りある成果は得られないだろう。 第三に、彼らはすでに火の使い方を知っていた。 炭や燃えカス、焼けた動物の骨、使い古された道具などが豊富に残されていることから、肉を焼いて食べていたことがうかがえる。 火を使う能力は、もっと前から教えられていたのかもしれません。
統計によると、39頭の北京犬のうち、39.5％が14歳で死亡、7％が30歳未満、7.9％が40歳から50歳、2.6％が50歳から60歳、41.9％が死亡年齢不明である。"とある。 -中国通史- 一 旧石器時代人

1924年9月、フランスの古生物学者デ・ラインとポール・エミール・リサンは、アメリカの地質学者バーバーが内湾で短期間の地質調査を行うため、その帰途に張家口にやってきた。 バーバーは学術報告書の中で、流域の河川や湖沼の堆積物をマッドヘワン層と名づけた。
内湾遺跡群では、80カ所以上の初期人類文化遺跡が発見され、数万点の古代人骨化石、動物化石、各種石器が出土している。 中国で発見されている100万年以上前の初期人類文化遺跡25件のうち、内湾遺跡群では21件が発見されている。 旧石器時代から新石器時代までの開発の変遷がほぼ全て記録されている。
2000年春、マフアング遺跡の第1文化層の下から第2、第3文化層が発見され、2001年に正式な発掘調査が開始され、第2文化層からは66個の象の足跡化石ピットが発見されました。
第3文化層の南側には、ステップマンモスの骨を中心に、石器や自然石などの文化遺物が密集して点在しており、そのほとんどにハサミで削った跡が残っていた。
第1文化層は古地磁気年代測定法で155万年前、第2文化層は164万年前、第3文化層は166万年前と推定される。
河北省陽平県には105の旧石器時代の文化遺産が登録されており、そのうち26が前期旧石器時代、13が中期旧石器時代、66が後期旧石器時代の文化遺産である。