歴史の論理：中国の年代記

先史時代

夏～商湯滅夏

##芒、泄
「槐」病死し、彼の息子「芒」は後継者となり、別名「荒」とも呼ばれた。
彼は盛大な黄河祭りを行った。豚、牛、羊などの家畜を黄河に沈め、その年の「舜」を「禹」に与えて治水に成功した「玄圭」（黒い玉圭）も川の水に沈めた。このような生け贄を沈める儀式が『沈祭』であり、この儀式は数千年続いてきた。
〈芒〉の死後、息子〈泄〉が継ぐ。
『山海経』は『竹書紀年』の説、『泄』統治の12年目、商部族の『振』は弟の『恒』とともに『商丘』を出発し、荷物を積んで牛羊を追いかけ、『有易氏』という部族に着いて貿易を行ったという。
第一の説は「有易氏」の部族の首長「綿臣」が彼らを招待し、それから「振」が礼儀を知らないことを理由に「振」を殺し、「振」の随行員を追い出し、貨物と牛羊を奪ったというものだ。弟の恒は商丘に逃げ帰った。
第二の説は「綿臣」の妻と「振」が淫乱で、「恒」が「振」に嫉妬し、「恒」が「振」を暗殺したというものだ。
「綿臣」は「振」の死因を知ったとき、「振」がもたらした貨物と家畜を自分の所有にすることにした。そして死体と恒を追い返す。
後に発掘された商王朝甲骨文によると、「振」は「綿臣」に殺されたと記されており、2つ目の説は後に作られたものかもしれない。
要するに、商部族は「上甲微」を新しい商民族の首領として擁立した。伝説では、「上甲微」の母親が甲に上甲微を出産し、母親は天干を使って「上甲」と命名した。
商民族が子供を産んだとき、その日の干支に従って子供の名前を取った。商王朝の創立者である『湯』が生涯の下で、『天乙』（甲骨文では『大乙』と書く）と名付けられたのは、『湯』が生まれた日が乙の日だったからだ。
しかし、商民族が子供を命名するときは、必ずしも誕生日の干支を使って命名する必要はありません。例えば殺された「振」は甲骨文では「亥」、「上甲微」は「国語・魯語」では「上甲」、「楚辞・天問」では「昏微」と書かれている。
「上甲微」の父について、「楚辞・天問」では「恒」の息子だと言っています。『史記・殷本紀』では『振』の息子だと述べている。
とにかく「上甲微」は復讐を決意し、「河伯」の軍隊を借りて「有易」を討伐し、「上甲微」自身も武装隊を組織し、「河伯」と共に出征した。
双方は易水の側で激戦し、「有易氏」は徹底的に敗れ、「綿臣」は混戦の中で殺された。
戦いが終わった後、「河伯」は「綿臣」の殺害に悲しみ、「有易氏」の生存者を集めて別の場所に引っ越した。上甲微は商民族を振興させ、「有易氏」を併呑し、死後商人に盛大に祭祀された。一方、商王朝の君主の中で彼を祀ったのは「武丁」だけだった。
#天支地支
『天支地支』は中国で伝統的に使われている文字記号であり、リサイクルされている。
『天干』とは、天干地支の中の10個の天干を指し、原始的な10個の『天干』とは、『阏逢、旃蒙、柔兆、強圉、著雍、屠維、上章、重光、玄黓、昭陽』である。簡略化された10の「天干」は、『甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸』である。
『地支』は十二支で、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。両者は決まった順序で互いに協力し合い、『干支』紀年を構成した。
「干支」は中国特有の暦を形成し、時間と循環使用を記録するために用いられ、60回ごとに循環周期である。
#不降、扃、廑
〈泄〉死後、彼の息子は〈不降〉後を継いだ。〈不降〉に亡くなり、弟の〈扃〉が後を継ぐ。 扃が亡くなり、彼の息子（廑）が跡を継いだ。（廑）が亡くなり、〈降らず〉の息子〈孔甲〉が継ぐ。
この3人の君は主に名前だけか何の事跡もなく、実在するかどうかは怪しい。
#孔甲乱政
「孔甲」の時期になると、歴史書によると、孔甲は鬼神をまねて淫乱になるのが好きだという。
〈夏後氏〉の天命は衰え、諸侯は離反した。その時、空から2匹の竜が降ってきて、1雌1雄、孔甲はどのように飼育するか分からず、竜を飼うのが上手な「豢竜氏」を見つけることができなかった。
当時「陶唐氏」は衰退し、後代に「劉累」という人がいて、かつて「豢竜氏」に龍を飼う技術を学んで、孔甲を奉献しなければならなかった。孔甲は彼に「御龍氏」という姓を与え、彼を「豕韋」の君主に封じた。
その後、その雌龍は死んで、劉累は龍肉を孔甲に食べさせた。孔甲がその2匹の龍を見ようとした時、劉累は恐怖で逃亡した。
『史記・夏本紀』—『帝孔甲立、好方鬼神、事淫乱。夏後氏徳衰、諸侯畔之。』
『国語・周語』—『孔甲乱夏、四世而炰。』
興味深いことに、清華大学所蔵の戦国竹簡によると、「桀」は先王「孔甲」の刑法を使わず、天命を失って国を滅ぼしたという。
もしこれらの竹簡が本当ならば、少なくとも中国の戦国時代には、「孔甲」は明君だという見方が残っていた。
#皋、髪、癸
〈孔甲〉が亡くなり、息子〈皋〉が跡を継いだ。皋が亡くなり、彼の息子髪が跡を継いだ。髪が亡くなり、彼の息子癸が跡を継いだ。
「癸」は最後の君主であり、「履癸」とも呼ばれ、歴史書では「桀」と呼ばれている。これはけなす意味を持つ悪の諡である。しかし、桀という漢字は中国の戦国時代になって初めて現れた。漢字の『乗』の誤字かもしれない。
『史記』によると、〈孔甲〉以来の諸侯の多くは夏王朝を裏切ったため、〈癸〉は徳政を尊ばず武力で諸侯を弾圧した。
そこで〈癸〉は商部族の首領〈湯〉を召集し、彼を監禁し、その後また釈放した。
「夏台でスープを殺さなかったことを後悔して、このような結末になった」と他の人に言った。
夏王朝に代わって天下を手にした〈湯〉。湯は「夏後氏」に封地を与え、周王朝になると、周人は彼らを「杞」に分けた。
『今本竹書紀年』と他の歴史書によると、「デカン」は「有施氏」という部族を攻撃し、有施氏は「癸」に彼らを捧げた牛羊、馬、美女に抵抗できず、その中には「姉喜」という女性が含まれているという。〈癸〉は〈妺喜〉を得て、彼女をとてもかわいがった。
〈妹喜〉は戦国時代の歴史官僚の書き方で、当時女子名を記述する際に用いられた全称と略称方式に基づいて、正しくは〈嬉〉または〈僖〉である。
これらの歴史書によると、「癸」の罪は
一、宮殿、瑶台、寒天室、玉門を修築する。各地から美女を探し、後宮に収蔵し、毎日「嬉」や宮女たちと酒を飲んで楽しんでいる。舟をこぐほどの大きさに造られ、酔っ払って溺死することがしばしばあったそうで、〈嬉〉を笑わせる。
二、〈嬉〉笑って絹織物を引き裂く音を聞く、「嬉」は絹織物を引き裂く音を聞いて笑ったが、「癸」は宮人に絹織物を運んでもらい、彼女の前で引き裂いた。
三、「嬉」は男の帽子を着るのが好きだ。
太史令（歴史を記録する責任者）の〈終古〉は〈癸〉のような淫らな贅沢を見て、夏桀に泣いて諫言した。「昔から王の君主は、人民の力を倹約して大切にしてこそ、人民の愛を得ることができる。人民の血と汗を1人の娯楽に供給することはできない。このような贅沢は、亡国しかない」
「癸」は聞いていらいらし、「終古」が余計なことをすると叱責し、「終古」は「湯」に身を投じた。
もう一人の臣下〈関龍逄〉は何度も諫言した。〈関龍逄〉は言った。「天子は謙虚で信義を重んじ、倹約して賢才を守り、天下は安定し、王朝は安定している。今では陛下は贅沢三昧で、殺人的で、庶民は彼が早く滅びることを望んでいる。陛下はすでに人の心を失っている。早く過ちを正してこそ、人の心を取り戻すことができる」
〈癸〉は関龍逄を殺すよう命じた。
「伊尹」という臣下が「癸」を諫言した。「癸」は「民衆と私の関係は、太陽と月の関係だ。月は滅びていないが、太陽は滅びるのか」と言った。
〈伊尹〉は逃げた後、この言葉を〈湯〉に伝えた。〈湯＞この言葉を〈夏後氏〉の民衆に伝え、民衆の態度を試す。庶民は呪い〈癸〉を指して言った。「时日曷丧，予及汝偕亡！」（太陽はいつ滅びるのか、私はあなたと一緒に滅びたい！）
「湯」は次第に勢力を拡大し、彼は雲南、韋、顧、昆吾を破り、11回の戦争に入った。
最終的に、「湯」と「伊尹」は「癸」を攻撃し、双方は「鳴条」の野外で交戦した。戦闘の前に、〈湯〉は軍を動員した演説を行った：
王曰：「格尔众庶，悉听朕言，非台小子，敢行称乱！有夏多罪，天命殛之。今尔有众，汝曰：『我后不恤我众，舍我穑事而割正夏？』予惟闻汝众言，夏氏有罪，予畏上帝，不敢不正。今汝其曰：『夏罪其如台？』夏王率遏众力，率割夏邑。有众率怠弗协，曰：『时日曷丧？予及汝皆亡。』夏德若兹，今朕必往。」
「尔尚辅予一人，致天之罚，予其大赉汝！尔无不信，朕不食言。尔不从誓言，予则孥戮汝，罔有攸赦。」
王は言った。「すべての人は私の言うことを聞いています。私のこの少年が混乱を犯すのではありません。夏が多くの罪を犯したので、天は私にそれを討つように命じました。今あなたたちの中にはきっと誰かが言っているに違いありません。『私たちの王は私たちの人々に哀れみをかけず、私たちの農作業を荒廃させて、どうして他の人を正すことができますか？』私はあなたたちの話を理解していますが、夏氏は有罪で、私は天を恐れて、征伐に行かないわけにはいきません！今、あなたたちは「夏桀の罪はいったいどうなっているのか」と聞くだろう。夏王は民力を使い果たし、自分を抑圧している庶民を残酷に搾取した。民衆は彼に不満を持ち、不遜で、彼との態度も友好的ではなかった。彼らは言った。『太陽はいつあなたが滅びるのか、私はあなたと一緒に滅びたい！』夏はここまで負けてしまったので、今は必ず討伐に行きます」
「あなたがたは私を助けて、夏に対する天の懲罰を行うだけで、私はあなたがたに幾重にも与える！あなたがたは信じないで、私は自分の約束に背くことはありません。もしあなたがたが私に対する誓いを守らなければ、私はあなたがたを奴隷にしたり、あなたがたを殺したりして、あなたがたを赦さないでしょう。」
「癸」は敗れ、スープはデカンを南巣に流し、デカンは最終的に「亭山」で死んだ。『湯』の臣下〈義伯〉〈仲伯〉が『典宝』を書いた。〈湯〉夏王朝に勝利した後、夏王朝の神社を移転しようとしたが、できず、『夏社』と書いた。
夏王朝は滅びる。
『夏後』は中国史上初の奴隷王朝であり、『夏』と呼ばれている。その統治時間は紀元前23世紀か前22世紀（別の説では紀元前2 l世紀）から紀元前17世紀まで、四百七十年ほど続いた。
夏王朝の君主系列は、禹からデカンまで14世代と17人の君王を継承している。そしてこれらの君主系は必ずしも真実ではありません。