【R18 恋愛 OL 同居】年下イケメンの彼に毎日焦らされてます

utsugi

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まさかの同居開始?!

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「新しい鍵が出来上がるまで、一か月ほどはかかりますね」

「ええっ?」

 彼が言うには、私の部屋の鍵、特殊なオートロック連動型の鍵のため、防犯上の理由で鍵を取り替えたいのであれば、新しい鍵と鍵穴が出来上がるまでには一か月ほどかかるということだった。

「そんなあ……」

 鍵屋さんに鍵をこじ開けてもらい部屋に戻れば部屋の中にスペアキーがあるから、とりあえず自分の部屋で生活することはできる。しかし、なくした鍵の行方がわからないままその部屋で生活を続けるというのは少し不安だった。

 管理会社との電話でのやり取りをそばで聞いていた藤澤君が口を開いた。

「葉月さん……俺がこんなこと言うのはおせっかいかもしれないですけど、鍵が交換されないうちに部屋に戻るのは危険じゃないですか?」

「うん……」

「鍵、どこで落としたのかわからないんですよね?」

「うん……」

「もしかしたら、盗まれた可能性もあるんですよね?」

「それは……無いとは言い切れないけど……」

 藤澤君の言いたいことはわかる。もし万が一、悪意を持って鍵が盗まれていた場合や、鍵をなくしたところを拾われて誰かに持たれたままの場合、後をつけられて部屋の場所を把握されていたとしたら、留守にしている間に室内に入られて待ち伏せされる可能性もあるわけだ。

 かといって一か月もホテル住まいなどしようものなら一体いくらかかることか……。私が頭を悩ませていると藤澤君からまたしても思いがけない言葉を投げかけられた。

「住んじゃったらどうですか?」

「え?」

 藤澤君の言っている意味が理解できなかった。

「うちにしばらく住んじゃうのはどうでしょうか?」

「ええ?」

 藤澤君はあっけらかんとした口調でそう言った。

「五万円でいいです!」

「え」

「いや……実は最近、ちょっと金欠で」

 ……なるほど、そういうことね。さすがに完全なる善意だけで一か月泊めてくれるわけではないようだ。

「藤澤君って、結構、軽いね」

 家に泊めてもらって朝食まで食べさせてもらったことで、彼に対する緊張感はなくなってきていた。藤澤君も休日で私服のせいもあるのか、昨晩よりも私に対する態度がフランクなように思える。

「いや、ほら、これも何かの縁だろうし。葉月さん、気の毒だし。ホテルに泊まるより安いじゃないですか、確実に」

 気の毒、と言われてしまった。藤澤君はどうやら今の私の境遇に同情してくれているようだ。

 藤澤君の言うように、この部屋に月五万円で住まわせてもらえるのなら周辺の家賃の相場から見てもかなり破格の待遇だろう。

「基本的にお互いの生活には干渉せず、ルームシェアみたいな感じで。洗面所、風呂、台所、リビングは自由に使ってもらったらいいですし。葉月さん、きちんとしてそうだから一緒に暮らしても困ったことはしなさそうだから安心な気がします」

『一緒に暮らす』なんてパワーワードをさらっと使っちゃうわけね。どうやら私は異性としては全く意識されていないようだ。

「……藤澤君、なんかちょっと昨日からキャラ変わってない?」

「今日は休日モードです。僕だって、24時間365日、爽やかな営業マンなんてやってらんないですよ」

「自分で爽やかとか言うなよ」

 私のほうも今日は言いたいことを言ってしまっている。まあでもこのくらいお調子者みたいな藤澤君のほうが話しやすいし、一か月くらいお世話になるのもいいのかも、と思えてきた。

 藤澤君にしてみれば、気の毒なアラサー先輩に恩を売るついでに少しお小遣い稼げるって感じなのかもしれない。

「ほんとのほんとにマジでいいの?」

 私は改めて藤澤君に確認した。

「大丈夫です! 俺、協調性わりとあるけど気遣わないし。昔ルームシェアとかしてたことあるし、全然問題ありません!」

 藤澤君は自信満々に答えた。まあ長い人生のうちの一か月間、イケメンの後輩の家に世話になるくらいの幸運があっても許されるだろう。

 藤澤君も、私のことは異性としては全く眼中になさそうだし。むしろ私のほうが後輩に変な気を起こさないように気をつけよう。

「あ、葉月さん、家賃は前払いでお願いします!」

「……」

 こうして私と藤澤君の期間限定ルームシェア生活が始まった。
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