25 / 38
ひらすらイチャつくターン
しおりを挟む
その後、近くのカフェに入った。藤澤君はホットカフェラテ、私はホットココアを頼んだ。飲み物の他にパフェを一つだけ頼んで二人でつついて食べた。
「奈々美さん?」
藤澤君がパフェのスプーンを口に運びながら話し掛けてきた。そのとき私はぼんやりと藤澤君の口元や首筋を見ていた。危ない、また妄想してると言われてしまう。
「この後、うち、来るよね?」
「え……あ、うん」
妄想しかけているところに藤澤君からそう聞かれて、頭にいやらしいことが浮かびかけたのを私は慌てて打ち消した。駄目だ駄目だ、最近の私はなんていうか、頭の中がやらしい。藤澤君と一緒にいるとき、特にやらしい。
藤澤君は普段は無邪気で優しくて子どもみたいに可愛いのに、どうしてベッドに入るとあんなにいやらしい人になるんだろう。そのギャップに私はドキドキさせられっぱなしだ。二十九歳にして年下の男の子にこんなに毎日翻弄されているなんて……不覚だ。
ふっと藤澤君が私の手に触れた。
「外、ちょっと寒かった? 手、冷たいね」
そう言って藤澤君はココアのカップに添えられていた私の手をそっとカップから外すと、テーブルの上で指を絡ませた。
「あ……うん、ちょっと、寒かったかな?」
どぎまぎしながら、私の指を弄ぶ藤澤君の指を見ていた。少しかさかさして骨ばった、男の人の指。それぞれの指は私の指よりもそれぞれ3センチくらいずつは大きいように見える。こうして藤澤君の手をまじまじと見るのは初めてのことのような気がした。
「女の人の手って、やっぱりちっちゃいね」
そう言いながら藤澤君は私の指を一本一本触ったり、手の甲を撫でたりしている。
「ぎゅ」
そう言って藤澤君は突然いたずらっぽく私の手を包み込むようにして握った。
「ぎゅ」
私も同じように藤澤君の手を握り返した。視線を上げると目が合って二人でふふっと笑った。
・
・
・
藤澤君の家に着いたのは、夕方の四時頃だった。
「今日、泊まっていくでしょ?」
「う、うん……」
返事をしながら、私は頭の中の煩悩を追い払おうとした。
付き合い始めて改めて思ったことだけど、正直、藤澤君の全てが私の好みにドンピシャだ。まず見た目が素敵すぎる。色素の薄いさらさらの髪、厚めの前髪が似合う小さな顔、子犬みたいな瞳にハスキーな甘い声。
藤澤君の性格も好きだ。
仕事はそつなくこなすのに、実はちょっと天然。家ではちょっと意地悪で子ども。いつもいい匂いがする。そして夜はまるで別の人みたいに男っぽく艶っぽくなる。そういうことをしている最中に藤澤君から見つめられると胸がきゅんきゅんする。
そして気づけば夜だった。
「今日の水族館、楽しかったね」
お風呂から上がったばかりの藤澤君は、濡れた髪のままキッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲んでいる。
「うん」
「今日の奈々美さん、可愛かったな」
そう言いながら藤澤君はソファに座っていた私の隣に座った。最近ではこうしてお風呂上りでいい匂いの藤澤君が近づいてくるだけで、あんなことやこんなことを想像してしまう自分がいる。
藤澤君のほうを見ると近い距離で目が合った。藤澤君はいつも私の考えていることを読もうとするみたいに私の目をじっと覗き込んでくる。
「あ、今、やらしいこと考えたでしょ?」
藤澤君が顔を近づけてくる。
「見える、見える、俺には見える……」
「か、考えてないっ……」
「嘘ついても駄目だよ、エッチなこと考えてるときの奈々美さん、顔見たらすぐにわかるよ?」
そう言われて反論を封じられるように軽いキスをされた。
一度唇を離された後、再び深いキスをされながらソファに押し倒された。ようやく藤澤君の唇から解放されたとき、私は自分の感情の高ぶりをどう表現してよいかわからなくて、困惑した顔で藤澤君を見つめた。
「奈々美さん?」
藤澤君がパフェのスプーンを口に運びながら話し掛けてきた。そのとき私はぼんやりと藤澤君の口元や首筋を見ていた。危ない、また妄想してると言われてしまう。
「この後、うち、来るよね?」
「え……あ、うん」
妄想しかけているところに藤澤君からそう聞かれて、頭にいやらしいことが浮かびかけたのを私は慌てて打ち消した。駄目だ駄目だ、最近の私はなんていうか、頭の中がやらしい。藤澤君と一緒にいるとき、特にやらしい。
藤澤君は普段は無邪気で優しくて子どもみたいに可愛いのに、どうしてベッドに入るとあんなにいやらしい人になるんだろう。そのギャップに私はドキドキさせられっぱなしだ。二十九歳にして年下の男の子にこんなに毎日翻弄されているなんて……不覚だ。
ふっと藤澤君が私の手に触れた。
「外、ちょっと寒かった? 手、冷たいね」
そう言って藤澤君はココアのカップに添えられていた私の手をそっとカップから外すと、テーブルの上で指を絡ませた。
「あ……うん、ちょっと、寒かったかな?」
どぎまぎしながら、私の指を弄ぶ藤澤君の指を見ていた。少しかさかさして骨ばった、男の人の指。それぞれの指は私の指よりもそれぞれ3センチくらいずつは大きいように見える。こうして藤澤君の手をまじまじと見るのは初めてのことのような気がした。
「女の人の手って、やっぱりちっちゃいね」
そう言いながら藤澤君は私の指を一本一本触ったり、手の甲を撫でたりしている。
「ぎゅ」
そう言って藤澤君は突然いたずらっぽく私の手を包み込むようにして握った。
「ぎゅ」
私も同じように藤澤君の手を握り返した。視線を上げると目が合って二人でふふっと笑った。
・
・
・
藤澤君の家に着いたのは、夕方の四時頃だった。
「今日、泊まっていくでしょ?」
「う、うん……」
返事をしながら、私は頭の中の煩悩を追い払おうとした。
付き合い始めて改めて思ったことだけど、正直、藤澤君の全てが私の好みにドンピシャだ。まず見た目が素敵すぎる。色素の薄いさらさらの髪、厚めの前髪が似合う小さな顔、子犬みたいな瞳にハスキーな甘い声。
藤澤君の性格も好きだ。
仕事はそつなくこなすのに、実はちょっと天然。家ではちょっと意地悪で子ども。いつもいい匂いがする。そして夜はまるで別の人みたいに男っぽく艶っぽくなる。そういうことをしている最中に藤澤君から見つめられると胸がきゅんきゅんする。
そして気づけば夜だった。
「今日の水族館、楽しかったね」
お風呂から上がったばかりの藤澤君は、濡れた髪のままキッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲んでいる。
「うん」
「今日の奈々美さん、可愛かったな」
そう言いながら藤澤君はソファに座っていた私の隣に座った。最近ではこうしてお風呂上りでいい匂いの藤澤君が近づいてくるだけで、あんなことやこんなことを想像してしまう自分がいる。
藤澤君のほうを見ると近い距離で目が合った。藤澤君はいつも私の考えていることを読もうとするみたいに私の目をじっと覗き込んでくる。
「あ、今、やらしいこと考えたでしょ?」
藤澤君が顔を近づけてくる。
「見える、見える、俺には見える……」
「か、考えてないっ……」
「嘘ついても駄目だよ、エッチなこと考えてるときの奈々美さん、顔見たらすぐにわかるよ?」
そう言われて反論を封じられるように軽いキスをされた。
一度唇を離された後、再び深いキスをされながらソファに押し倒された。ようやく藤澤君の唇から解放されたとき、私は自分の感情の高ぶりをどう表現してよいかわからなくて、困惑した顔で藤澤君を見つめた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
憧れのお姉さんは淫らな家庭教師
馬衣蜜柑
恋愛
友達の恋バナに胸を躍らせる教え子・萌音。そんな彼女を、美咲は優しく「大人の身体」へと作り替えていく。「ねえ萌音ちゃん、お友達よりも……気持ちよくしてあげる」眼鏡の家庭教師が教えるのは、教科書には載っていない「女同士」の極上の溶け合い方。
女性向け百合(レズビアン)R18小説。男性は出てきません。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる